公開日:2023.05.10
更新日:2025.03.24
C++はアプリ開発やシステム開発など、幅広い分野で活躍する言語です。
今のようにインターネット通信が普及するより前に、組み込み開発などのハード制御のために開発されました。
その後、さまざまな用途に活用されるようになり、Webアプリ開発や業務システム開発、ゲーム開発など幅広い分野で活躍しています。
この記事では、C++とはどのような言語なのか、実現できること、逆に苦手な分野、実際にC++で開発されたサービスの事例などについて解説します。
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<目次>
1.C++とは、どんなプログラミング言語?
C++の特徴
C++とC言語、C#の違い
2.C++でできること7選!
①Webアプリの開発
②業務システムの開発
③人工知能(AI)の開発
④ロボットの開発
⑤組み込み開発
⑥ゲームの開発
⑦IoTシステムの開発
3.C++を使って作成されたWebサービスの例
Google Chrome
Unreal-Engine
4.C++でできないこと・デメリットとは?
UI開発ができない
言語仕様が複雑で、難易度が高い
5.C++と他言語のできることを比較!
6.C++エンジニアの需要・将来性
7.C++を学習する方法
独学で覚えるのは難しい
オンライン学習プラットフォームを活用する
プログラミングスクールを活用する
8.まとめ
C++はC言語を拡張させたプログラミング言語で、C言語と同様に処理速度が速く、C言語よりも開発効率が良いのが特徴です。
1972年に登場した歴史が古い言語で、もともとはハードの制御や組み込み開発などに使われていました。
今でも、Webアプリ開発やゲーム開発などの幅広い分野で活躍しており、C++で動いている既存システムは非常に多いです。
ここでは、C++の特徴について詳しく解説していきます。
C++の特徴には、以下のようなものがあります。
<C++の特徴>
・処理速度が速い
・高負荷な処理に向いている
・汎用性が非常に高い
・オブジェクト指向言語のためC言語よりも開発効率が良い
C++は非常に処理速度が速く、高負荷処理も可能なため、小規模なツール開発などから大規模システム開発まで幅広い分野で活躍します。
汎用性が非常に高く、組み込み開発からゲーム開発、Web系開発まで、ほとんど何でもできるのが特徴です。
さらにオブジェクト指向言語なので、従来のC言語よりも開発効率が格段にアップしています。
このように、比較的古い言語にも関わらず優秀であるため、いまだに利用者が多く採用する企業が多い言語です。
C++とよく似た名前のC言語とC#の違いについて、見てみましょう。
すでにご説明したとおり、C++はC言語をもとに開発された後継言語です。
処理速度が高く、何でもできるというC言語の良さを活かしつつ、オブジェクト指向言語なので開発効率が向上しています。
また、C言語とC++には互換性があり、C言語で実行されるものはC++でも実行でき、両方の言語で同時に開発することも可能です。
一方、C++とC#は名前こそ似ていますが、まったくの別物になります。
C++はC言語をもとに開発された言語ですが、C#はMicrosoft社が開発したまったく別系統の言語です。
そのため、当然互換性がないうえ、得意分野も異なります。
どちらも名前が似ていますが、C#はまったく関わりがない言語なので注意が必要です。
ここでは、C++で開発できる分野についてご紹介していきます。
C++はWebアプリ開発の現場でも利用されており、処理能力が高いWebアプリの開発が可能です。
ただ、C++は難しいプログラミング言語なので、開発コストが高くなる傾向にあります。
そのため、大規模なWebアプリの開発に用いられることが多いです。
具体的には、世界中に利用者がいるWebブラウザの「Google Chrome」は、C++で開発されています。
C++は、業務システム開発に利用されることも多いです。
その信頼性の高さから、大規模企業の業務システムや、金融システム官公庁のシステムなどの開発にも採用されています。
大規模システムや金融システム、官公庁のシステムなどは、とくに処理能力不足によるシステムダウンなどが起こると大問題です。
このようなシステムは利用者が多いため影響が大きく、金銭的な損害や社会的な影響が大きいことから、信頼性の高い言語で開発する必要があります。
C++は非常に処理速度が速く、多くのシステム開発に採用された実績もあるため、重要な開発現場でも採用されている言語です。
C++は、人工知能(AI)開発やディープラーニングの開発など、近年注目を浴びている新しい分野にも採用されています。
C++は歴史が古く、時代遅れのプログラミング言語だと思われがちですが、汎用性が高いため、AIのような新しい分野でも活躍中です。
C++はもともとハード制御のために開発された言語なので、ロボットや各種機械の制御システムの開発が可能です。
近年、産業用ロボットやドローンなど、ロボット開発の分野は需要が高まっています。
ロボット開発の分野では、正確な動き・動作の速度・安全性など、さまざまな面で精度の高い制御が必要です。
C++は高度な処理が可能なので、適しています。
C++は、組み込み開発も得意です。組み込み開発とは、家電製品やゲーム機、携帯電話などの機器に組み込まれた、ソフトウェアの開発を指しています。
C++には処理速度が速く、プログラムの規模が小さく済むなどのメリットがあるため、組み込みソフトウェア開発に最適です。
最近では、家電製品やゲーム機などの情報機器に組み込むシステムへの需要が高まっています。
そのため、C++で組み込み開発ができれば、エンジニアとしての活躍の場が広がるでしょう。
C++は処理能力が非常に高いため、ゲーム開発にも適しています。
ゲーム市場は急激に拡大を続けており、C++を扱えるゲーム開発エンジニアになれば案件が増えるでしょう。
メジャーなゲームエンジンである「Unreal Engine」はC++で開発されています。
C++を扱えれば、Unreal Engineでより高度なゲーム開発をすることが可能です。
近年は、家電や自動車などとインターネットをつなぐIoTシステム開発が幅広く普及してきました。
このIoTシステム開発の現場にも、C++が採用されています。
たとえば、エアコンやテレビなどをインターネットに接続して、家の外にいてもエアコンをつけたり、テレビの録画予約をしたりする機能を実現することが可能です。
C++はハードウェアの制御が得意なため、IoTシステム開発にも適しています。
工業機械や家電製品などの開発に携わる場合には、C++を習得しておけば役立つでしょう。
C++を使って開発された、実際のサービスの例について見てみましょう。
Google社が開発したWebブラウザのGoogle Chromeは、C++で開発されています。
Google Chromeは世界中のユーザーが利用しているWebブラウザで、今も新しい機能が次々と追加されているのが特徴です。
Google Chromeのようなメジャーなアプリも開発できるほど、C++は信頼性が高い言語であることがわかります。
Unreal-EngineはアメリカのEpic Games社が開発したゲームエンジンで、C++で開発されています。
ゲームエンジンとは、ゲーム開発用の開発環境のことで、ゲームに必要なキャラクターや背景などの素材、開発環境などがそろったものです。
Unreal-Engineは3Dゲームの開発が得意で、個人ユーザーでも美しい3Dゲームの開発ができます。
C++を扱えなくても基本的なゲームを作れますが、C++を使えればより高度なゲームを開発することが可能です。
ゲームクリエイターやゲームエンジニアになりたいなら、C++やUnreal-Engineを扱えるようにしておくと良いでしょう。
C++は基本的に何でもできる言語ですが、できないこともあります。
ここでは、C++が苦手な部分やデメリットについてご説明します。
C++はほとんどのことができる言語ですが、ドラッグアンドドロップなどの視覚的な操作をともなうUI開発ができません。
そのため、UI開発を行う場合は、C#のようなUI開発に向いている言語を習得する必要があります。
C++のデメリットとして、言語仕様が複雑で、学習難易度が高いことがあります。
他のプログラミング言語と比較すると、仕様が複雑で覚えるべきことが多いため、プログラミング初心者が学ぶのは非常に難しいです。
その場合は、入門書で基礎から学ぶ、動画学習サイトや通信教育、プログラミングスクールなどを活用するなど、学び方を工夫する必要があるでしょう。
ただ、C言語を学んだことがある、同じオブジェクト指向のJavaを習得済みの場合は共通点が多いため、学習難易度が大きく下がります。
過去にC言語やJavaを学んだことがあれば、比較的習得しやすいでしょう。
C++と他言語で実現できることは異なります。
ここでは、開発できる分野の比較内容について表にまとめました。
【C++と他言語で開発できる分野の比較】
言語名 | 開発できる分野 |
---|---|
C++ | 業務システム、組み込みシステム、ゲーム |
Java | Webアプリ、スマホアプリ、業務システム、組み込みシステム |
Python | Webアプリ、AI |
PHP | Webアプリ |
JavaScript | Webアプリ、ゲーム、スマホアプリ(Android・iOS対応) |
Swift | PCアプリ、スマホアプリ(iOS対応) |
Kotlin | スマホアプリ(Android対応) |
Dart | Webアプリ、スマホアプリ(Android・iOS対応) |
Rust | Webアプリ |
Go言語 | Webアプリ、スマホアプリ(Android・iOS対応) |
ここまでご説明してきたとおり、C++は多くのことができる汎用性の高い言語です。
とくに、Webアプリ開発や組み込み開発、ゲーム開発などは、今後ますます需要が高まっていくことが考えられます。
また、既存のC++で開発されたアプリやシステムは多く、その機能追加やメンテナンスなどの需要もあるでしょう。
そのため、C++エンジニアの需要は高い状態が続くことが期待できます。
ただ、今後の将来性を考えた場合、新しく登場した開発効率が良い言語の需要が伸びて、逆転する可能性もあります。
そのような将来に備えて、C++言語に代わる新しい言語の習得が必要になるかもしれません。
しかし、C++と新しい言語を両方習得できれば、C++で構築したシステムの更改や、新システムへの移行対応などができるようになります。
今後、状況に合わせて新たな言語の習得が必要な場合もありますが、C++を習得していれば幅広い分野に対応できるエンジニアになれるでしょう。
C++を学習して、身につける方法についてご紹介します。
C++は他言語よりも難解で覚えることが多いため、初めてプログラミング言語を学ぶ人にとってはハードルが高い言語です。
ただ、C++は広く普及している言語なので、書店やネットなどで簡単にテキストが手に入ります。
初めてプログラミングを学ぶ場合や、C++についてまったく予備知識がない場合は、入門書で学習するのがおすすめです。
ただ、初めてプログラミング言語を学ぶ場合、すべてを独学で学ぶのはあまり効率の良い方法とは言えません。
次章でご説明するオンライン学習教材や動画サイトなどと、テキストを併用して学ぶと理解しやすいでしょう。
また、最初は学習難易度が低めのPHPやRubyなどを学習して、プログラミングの基礎を身につけてからC++を学ぶのもおすすめです。
C++のオンライン学習プラットフォームを利用して学ぶ方法もおすすめです。
学習のしやすさや難易度などがそれぞれ異なるので、自分に合ったオンライン学習教材を選んでみてください。
ただ、学習する際には覚えることが多いため、最初から最後までテキストで勉強するのは難しいと言われています。
そのため、テキスト以外にも動画サイトやオンライン教材などを上手に活用すれば、知識を吸収しやすいでしょう。
学ぶのが難しいと言われているC++を本格的に学びたいなら、プログラミングスクールを活用するのも良い方法です。
とくに、プログラミング歴が浅い場合は独学で学ぶのは難しいため、スクールの利用をおすすめします。
スクールならわからないところを講師にすぐに確認でき、自分のレベルに合った授業を選べば学習を無理なく進められるでしょう。
ただし、プログラミングスクールは費用が高いというデメリットがあります。
カリキュラムや講師の評判、テキストの内容などをしっかりと確認して、自分に合ったスクールを選びましょう。
この記事では、C++はどのような言語なのか、実現できること、逆に苦手な分野、実際にC++で開発されたサービスの事例などについて解説しました。
C++は汎用性が高く、古くから幅広い分野で活躍している言語です。
もともとC言語をもとに開発された言語で、処理速度が速く処理能力が高いため非常に優れており、今も多くのシステム開発現場で活躍しています。
できることも多く、Webアプリ開発、ゲーム開発、組み込み開発、AI開発など、今後需要が高まることが予想される分野でも活用しているのが特徴です。
C++は既存システムに採用されているケースも多く、今後も需要が高まることが予想されているので、習得すればエンジニアとして活躍できる場が広がるでしょう。
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