算定基礎届とは?報酬の計算方法や提出する場合について解説します!

2019.10.30

算定基礎届という書類を知っていますでしょうか。
フリーランスの方であれば、知っている/毎年提出している方もいるかと思います。しかし、フリーランスの中でも初めて聞いた/知った方や今後フリーランスを検討している方で全く知らない方も多いのではないでしょうか?フリーランスや個人事業主であっても実は算定基礎届の提出が必要です。
そんな今回は算定基礎届の概要や書き方など、様々な観点からお伝えします。フリーランスであれば知っておくべき書類であるため、しっかり知識として蓄えておきましょう。

この記事を特に一読して欲しい方は以下のような方です。
・フリーランスとして現在活躍している方
・フリーランスとしての働き方を検討している方
・算定基礎届を知りたい方

<目次>
1.算定基礎届(定時決定)と算定基礎届総括表とは?
2.算定基礎届と算定基礎届総括表の提出時期や提出先
3.算定基礎届(定時決定)の対象者
 対象者
 対象者ではない方
4.報酬月額の算定方法
5.報酬として計算されるもの
6.算定基礎届の記入ミスした時の対処法
7.まとめ

 

 

 

1.算定基礎届(定時決定)と算定基礎届総括表とは?


事業主は毎年1回、事業所に使用される従業員など社会保険(健康保険・厚生年金保険)の報酬月額を届け出て、各被保険者の標準報酬月額を決定します。これを定時決定といい、その届け出を算定基礎届といいます。また、国民健康保険や国民年金の手続きを行なっているフリーランスや個人事業主も被保険者に含まれるため、算定基礎届を提出する義務があります。
被保険者が実際に受け取る給料などの報酬は、昇給や手当の支給などにより変動し、実際に受け取る報酬がすでに決められている標準報酬月額と大きく乖離する可能性があります。
そのため毎年1回定期的に提出し、見直すために定時決定(算定基礎届)が行われます。

また、算定基礎届総括表は算定基礎届を提出する際に同時に提出が必要になる書類です。
算定基礎届総括表とは、算定基礎届に記載している内容を健康保険組合または年金事務所が確認するために、事業所の被保険者(保険に加入している従業員)の現況や報酬など、すべての内容をまとめた表のことを指します。                                                

算定基礎届総括表の記入例はこちらから→

 

 

 

2.算定基礎届と算定基礎届総括表の提出時期や提出先


算定基礎届と算定基礎届総括表は、毎年7月1日から7月10日の間に提出します。

提出先について、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の事業所は、事務センター(年金事務所)へ、組合管掌健康保険(健康保険組合)の事業所は、事務センター(年金事務所)および健康保険組合へそれぞれ提出します。なお、厚生年金基金に加入している事業所は、厚生年金基金への提出も必要になります。
郵送やCD・DVDを使っての提出、インターネット上で提出することもできます。
提出により決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの保険料や保険給付の額の基礎となります。

<届出用紙で提出する場合>
被保険者報酬月額算定基礎届(算定基礎届)
被保険者報酬月額算定基礎届総括表
70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届(該当者のみ)
被保険者報酬月額変更届(該当者のみ)

基本的には5月下旬から6月中旬頃に、年金事務所もしくは健康保険組合から事業所宛に算定基礎届の用紙が送られてきます。各事業所でダウンロードして印刷する場合は、指定サイズのA4用紙を使用しましょう。
なお、算定基礎届の届出を放置すると、9月頃に役所より算定基礎届提出に関する督促状が届きます。その場合、事情説明のため連絡を取りしっかりと対応しましょう。

 

 

 

3.算定基礎届(定時決定)の対象者


算定基礎届(定時決定)の提出が必要な方とそうでない方を解説していきます。


・対象者
算定基礎届(定時決定)は、7月1日現在、被保険者である人全員が対象になります。長期欠勤や休職中の人、育児休業や介護休業などを取得している人も含みます。

 

・対象者ではない方
6月1日以降に被保険者になった人は、資格取得時の決定によってすでに標準報酬月額が翌年8月まで決まっているため、定時決定の対象外です。6月30日以前に退職した人、7月に随時改定のための月額変更届を提出する人も対象外です。

随時改定を行うのは、昇給や降給などで給与水準が大きく変化する人です。たとえば、4月に昇給があり、4月から6月に支払われた給与等の平均額と現在の標準報酬月額が大きく異なる場合(2等級以上の差)、7月に随時改定が必要になるため定時決定の不必要になります。

 

 

 

4.報酬月額の算定方法


算定基礎届に記入する報酬は、毎年4月から6月に実際に支払われた報酬が対象になります。その際、その月の報酬を計算する基礎となった日数(支払基礎日数)に17日未満の月がある場合は、その月を除外して計算します。

なお、パートタイム労働者については、4月・5月・6月とも支払基礎日数が17日未満の場合は支払基礎日数15日以上の月の報酬を対象に算定します。また、短時間労働者については、4月・5月・6月の支払基礎日数11日以上の月の報酬を対象に算定します。

 

・4月の報酬支払基礎日数が17日未満で、5・6月の報酬支払基礎日数が17日以上の場合
5・6月の平均報酬額

 

・4月と5月の報酬支払基礎日数が17日未満で、6月のみ報酬支払基礎日数が17日以上である場合
6月の報酬額

 

・5月入社の場合
5・6月に受けた報酬をもとに算出した額
※定時決定の算定基礎となる期間が「その事業所で継続して使用された期間」に限られるため

 

・一時帰休の場合(定時決定の対象月に一時帰休が行われ、通常報酬より低額の休業手当が支払われた場合)
休業手当をもとに算出した額
※決定後の状況がすでに一時帰休ではなくなっている場合には、随時改定の対象です。
なお、標準報酬月額が決定するのは9月1日であるため、その時点で一時帰休ではない場合、9月から受け取るべき報酬をもとに計算されます。

 

・算定結果が著しく不当になる場合
 例:3ヶ月平均額と年平均額の間に2等級以上の差が生じるとき
業務の性質上、4月から6月に繁忙期があり残業代が増加する事業所の場合、4~6月の3ヶ月間の報酬をもとに算出した標準報酬月額と、前年7月から当年6月までの1年間の報酬の月平均額によって算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差がある可能性があります。例年見込まれる場合は、被保険者の同意を得て申し立てることにより、過去1年間の月平均報酬月額により標準報酬月額を算定します。

等級表はこちらから→

 

 

 

5.報酬として計算されるもの


報酬とは、算定基礎届に記入する際の標準報酬月額として計算されるものです。金銭に限らず、現物で支給される食事や住宅、通勤定期券も報酬に含まれます。なお臨時に受けるものは報酬の対象となりません。

 

標準報酬であるもの
・基本給(月給・週給・日給など)
・各種手当:
 (通勤手当、家族手当、住宅手当、役職手当、残業手当、休業手当など)
・賞与、決算手当などで年4回以上支給されるもの
・通勤定期券・回数券
・食事代・食券
・社宅・独身寮

 

標準報酬にならないもの
・結婚祝金、病気見舞金、災害見舞金などの慶弔見舞金関連
・傷病手当金、休業補償給付、年金などの公的保険給付関連
・大入袋、解雇予告手当、退職金などの臨時金関連
・出張旅費、交際費などの接待交際費や出張旅費関連
・賞与などの年3回以下で支給されるもの

 

 

 

6.算定基礎届の記入ミスした時の対処法


算定基礎届を記入している際に記入ミスがある場合、間違えた部分をすべて二重線で消し、数か所の間違いがある場合、余白に消した文字数と訂正で書き加えた文字数を書き訂正印を押します。
複数以上の間違い箇所がある場合または用紙そのものを汚してしまった場合などは、日本年金機構のHPからダウンロードしましょう。
また算定基礎届を提出後、記載ミスがある場合は、年金事務所や健康保険組合に連絡を取り内容に不備があることを伝えて、正しく訂正したものを再提出しましょう。
訂正書類を作成する時は、算定基礎届の用紙の上の方に大きな字で「訂正」と記入します。金額に間違いがあった場合は、間違えた金額を2段書きして、上の段に正しい金額を記入し、下の段には間違えた金額を赤で記入します。その他、提出前に算定基礎届のコピーを取っておくと、再提出の際に一緒に添付し、相手に分かりやすくすることにより手続きがスムーズになるでしょう。

 

 

 

7.まとめ


今回は算定基礎届の概要や書き方、ミスした際の対処法などについて詳しく解説しました。
算定基礎届の提出は、被験者の報酬額に応じた適正な保険料を納めるために必要な作業です。
算定基礎届の額が適正でない場合や提出を怠った場合、被保険者の将来の年金給付額に影響するため、しっかりと期限を守り、必ず提出をしましょう。最初の年は調査などで時間がかかるかもしれませんが、一度経験してしまえば、翌年からは必ず楽になるでしょう。多忙などで時間を割くことができない場合は、社会保険労務士に相談してみることをオススメします。


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