公開日:2020.04.25
更新日:2025.03.24
これからフリーランスになろうとしている人の中には、「開業届を出す必要はあるのか?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
結論から言うと、大半のフリーランスは開業届を出す義務はあるものの、出さなかったとしても罰則はありません。
しかし、開業届を出した方がメリットは大きいので、フリーランスは開業届を出すもの…と認識しておいて良いでしょう。
そこでこの記事では、そもそも開業届とは何か?メリット・デメリットは何か?を解説し、具体的に開業届の出し方も解説します。
これからフリーランスになろうとしている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
1.フリーランスって開業届出す必要ってあるの?
そもそも開業届とは
フリーランスが開業届を出すメリット
・青色申告でき控除額が大きい
・小規模企業共済に加盟できる
・屋号を持てるので信頼性が上がる
フリーランスが開業届を出すデメリット
・失業保険は受けられない
・扶養から外れる可能性がある
2.開業届を出すには
開業届を提出するのに必要な準備物
開業届を提出する手順
開業届の書き方
・屋号
・職種の書き方
3.まとめ
冒頭のように、大半のフリーランスは開業届を出す義務はあるものの、出さなかったからといって罰則はありません。
この章では、その理由を踏まえて開業届とは何か?フリーランスが開業届を出すメリット・デメリットは何か?について解説します。
そもそも開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類のことです。
読んで字のごとく、開業届は個人事業を開業する、もしくは廃業するときに届け出る書面になります。
冒頭のように、大半のフリーランスは開業届を出す義務があります。その理由は、所得税法で「事業を開始したら開業届を1ヶ月以内に提出する」とされているからです。
作家がもらう原稿料など一部の職種は雑所得ですが、大半のフリーランスが「事業をはじめる」という扱いになり、所得税法に従って、開業届を出さなければいけません。
また、開業届を出さずに雑所得として計上できる職種でも、個人事業の開業届を出して事業所得として納税する場合が多いでしょう。
そのため、フリーランスは基本的に開業届を提出すると認識しておいても問題ありません。
次に、フリーランスが開業届を出すメリットである以下を解説します。
・青色申告でき控除額が大きい
・小規模企業共済に加盟できる
・屋号を持てるので信頼性が上がる
フリーランスが開業届を出す最も大きなメリットは、開業届を出すことで青色申告ができ、青色申告することで控除額が大きくなり、節税に繋がる点です。
青色申告とは、確定申告書に貸借対照表や損益通算書などを添付する申告方法です。
もう1つの申告方法である「白色申告」よりも多少手間がかかりますが、青色申告をすると「青色申告控除」として、最大65万円を所得から控除できるという大きなメリットがあります。
所得から65万円控除することで、所得税・住民税の節税につながるのです。
貸借対照表や損益通算書も会計ソフトを利用すれば簡単に作成できるので、フリーランスは開業届を出して青色申告控除を適用させた方が良いでしょう。
また、フリーランスが開業届を出すと小規模企業共済に加盟できます。
小規模企業共済とは、経営者や個人事業主用の退職金のような制度であり、「掛け金(投下金額)が所得控除になる」など税制優遇が大きい制度です。
フリーランスが開業届を出すと屋号を持つことができます。
たとえば、コンサルティング業のフリーランスは「○○コンサルティングファーム」、デザイナ業のフリーランスだったら「××デザイン事務所」などのような屋号です。
屋号を持つことができれば、屋号名で銀行口座の開設もでき、取引時も屋号を利用することができます。
もちろん、個人名で取引して個人名の銀行口座を利用しても構いませんが、屋号名の方が対外的な信用力は増すでしょう。
一方、フリーランスが開業届を出すデメリットである以下も知っておきましょう。
・失業保険は受けられない
・扶養から外れる可能性がある
フリーランスが開業届を出すデメリットは、失業保険(失業給付)が受けられないという点です。
なぜなら、開業届を提出すると「個人事業主として働いている」という状態になり、失業保険は失業者に支払われるお金のため、個人事業主は支給対象とならないからです。
そのため、たとえば会社を辞めてフリーランスになるか、転職するか迷っている場合は、開業届を出さない方が良いでしょう。
もちろん、フリーランスになることが決定しているのであれば開業届を出すべきですが、開業届を出しつつも転職活動をしているのであれば、失業保険をもらい転職活動に専念しましょう。
フリーランスが開業届を出すと、扶養から外れる可能性があります。扶養から外れると扶養控除が適用できなくなるので、税金が上がるというデメリットにつながります。
たとえば、会社員の夫と専業主婦の妻であれば、妻は夫の扶養となっているので夫の所得から扶養控除が差し引かれ、税金は安くなっています。
しかし、年間の合計所得金額が38万円超(令和2年分以降は48万円超)の場合は、扶養控除の対象外です。
そのため、開業届を出すと…というよりは、開業届を出すほど個人事業主として収入を得るのであれば、扶養控除から外れる可能性が高く、パートナーの税金が上がるというデメリットにつながります。
前項までで、開業届の概要やフリーランスが開業届を出すメリット・デメリットが分かったと思います。
次に、開業届を出すには?という点について以下を解説していきます。
・開業届を提出するのに必要な準備物
・開業届を提出する手順
・開業届の書き方
開業届を提出するのに必要な準備物は以下の通りです。
・個人事業の開業 廃業等届出書
・印鑑
個人事業の開業・廃業等届出書は国税庁のホームページからダウンロードもできますし、税務署でも用意してあります。また、印鑑は認印で構いません。
なお、上述した青色申告控除を受けるためには、上記に加え「所得税の青色申告承認申請書」も必要です。この書類も、国税庁のホームページ、もしくは税務署で入手できます。
開業届を提出する手順は以下の通りです。
・フリーランスとして活動をはじめる
・一か月以内に前項の書類を提出する
このように、ただ書類を所轄の税務署に提出するだけなので、すぐに手続きは終わります。
また、控えを手元に残しておきたいのであれば、提出用と控え用の二部用意して税務署へ行きましょう。
なお、最寄りの管轄の税務署がどこか分からなければ、国税庁のサイトで調べることができます。
最後に、開業届の書き方について、屋号・職種に絞って解説します。
開業届に屋号を書くときは以下の点を知っておきましょう。
・○○会社や○○法人はNG
・○○銀行や○○証券はNG
・同じ屋号を付けることも可能だが紛らわしいので避けるべき
・屋号は後から変更可能
屋号は上記のNG事項を除けば基本的に自由ですが、領収書や銀行口座、名刺などに記載することを考えて付けましょう。
職種については、主税局が定める職種を参考にして記載しましょう。
たとえば、税理士として独立開業するなら「税理士業」ですし、コンサルタントなら「コンサルタント業」です。また、職種欄に複数の職種を書くこともできます。
注意点としては、個人事業税がかかる職種とかからない職種がある点です。
たとえば、ライターは文筆業に該当し、個人事業税はかからない職種になります。
しかし、ライターをしながらサイトのSEOコンサルタント業も行うなら「コンサルタント業」になる可能性もあります。
もし、職種欄に記載する職種が不明であれば、税務署に問い合わせみると良いでしょう。
このように、フリーランスは開業届を出さなくても罰則はありませんが、大変のフリーランスは原則提出します。
また、節税のメリットも大きいので、基本的にフリーランスは開業届を提出すると思って問題ありません。
提出もさほど手間ではありませんので、フリーランスになったら遅滞なく開業届を提出しましょう。
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