公開日:2020.09.03
更新日:2025.03.24
「フリーランスだけど病気で働けなくなったらどうしよう?」
「フリーランスの病気は国や保険が補償してくれるの?」
フリーランスとして働いている皆さんは、上記のような不安を感じたことはありませんか。
フリーランスにとって病気で働けなくなることは、憂慮すべきリスクの1つです。
この記事では、フリーランスが病気に備えるべきことについて、詳しく解説していきます。
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<目次>
1.フリーランスが病気になった場合どうなる?
2.フリーランスが気をつけるべき病気
うつ病
生活習慣病
3.フリーランスと会社員で、病気になった時どれぐらい違うの?
労災保険
傷病手当金
4.フリーランスとして備えておくべきこと
フリーランスとして健康診断を受ける
フリーランスとして自己管理をする
フリーランスとして小規模企業共済に加入する
フリーランス協会の所得補償制度を利用する
フリーランス向けの保険に加入する
・国民健康保険
・所得補償保険
・就業不能保険
フリーランス向けの労災保険に加入する
・一般財団法人あんしん財団
・日本フルハップ公益財団法人
5.まとめ
フリーランスが病気になってしまった場合、様々な弊害が考えられます。
1つは、現在抱えている仕事をどうするかです。
会社員であれば、休業中の仕事は上司や同僚がフォローしてくれるでしょう。
一方フリーランスは、引き受けてしまった仕事の代役を自分で探す必要があります。
多くのフリーランスは個人で仕事を受けているため、代役を見つけるのは簡単ではありません。
病気によって仕事が滞れば、クライアントに迷惑がかかり信用を失います。
もう1つは収入面です。フリーランスは、病気で仕事が出来なければすぐに収入を失います。
会社員のように有給休暇もありません。休業が長期間にわたる場合、そもそもフリーランス自体を続けられなくなる可能性があります。
フリーランスが体調時の対処方法や体調不良にならないためのポイントを詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランスがかかりやすい病気には、どのような種類があるのでしょうか。
代表的なものや、リスクが大きいものについて説明します。
フリーランスのうつ病が意外に多いことを知っていますか?
フリーランスは組織のしがらみに囚われず、自分のペースで働く自由が魅力です。
一方でキャリアへの不安や仕事の責任を一人で抱え込んでしまうため、ストレスをうまく発散できないデメリットがあります。
在宅ワークも多いWebデザイナーやWebエンジニアなどのフリーランスは、他人とのコミュニケーションが希薄になり、孤独感を感じやすい状況に陥りやすいのです。
また、フリーランスは仕事が無い状況を恐れるあまり、処理能力以上の仕事を抱えがちです。
チームで働いている場合を除き、他人に仕事を手伝ってもらうことも難しいでしょう。
ONOFFのメリハリが付けづらいフリーランスはオーバーワーク気味になりやすく、かつ繁忙期が重なるとストレスが限界を迎えて、うつ病を発症する可能性があります。
一度うつ病になると完治には時間がかかるうえ、安定して働くことが難しくなります。
フリーランスを続けるのが困難になっては本末転倒です。日頃から仕事量の調整と、精神面の管理には気をつけましょう。
フリーランスの働き方は、生活習慣病の温床になりがちです。
糖尿病、高血圧、高脂血症は、単独での発症はもちろん複数の罹患によりリスクは増大します。
・タバコやコーヒーの過剰摂取
・不規則な食事や暴飲暴食
・昼夜逆転の生活
・長時間座ったままでの仕事
・運動不足
上記に1つでも心当たりがあれば注意が必要です。
気をつけるべきポイントはいくつかありますが、最も影響しやすいのは食生活です。
デリバリーやジャンクフードに頼った食生活をしていませんか?
ピザやハンバーガーは糖質・脂質を多く含み、肥満の原因になります。
コーヒーの砂糖や清涼飲料水も糖質の過剰摂取に繋がるため、なるべく控えることをおすすめします。
また、定期的に身体を動かすことも重要です。仕事の合間に、軽い散歩やトレーニングの時間を設けましょう。
忙しくて外に出る余裕がない人は、「伸びをする」「ストレッチをする」「1時間に1回は椅子から立ち上がる」など、小さな運動の積み重ねを意識してください。
フリーランスと会社員では、病気になったときに受けられる補償の内容や範囲が異なります。
項目別に見ていきましょう。
フリーランスとは異なり、会社員の休業は労災保険によって保証されています。
業務が原因で発症した病気やケガについて、必要な保険給付を受けることができます。
治療費だけではなく、休業補償や障碍者給付など手厚い補償内容です。
労災保険は強制加入であり、保険料は従業員ではなく会社側が全額負担してくれます。
フリーランスの場合は「労働者」ではなく「事業主」になるため、基本的に労災保険の対象外です。
しかしタクシー運転手や建築業者など、特定の職業であれば労災保険に加入できる「特別加入」の制度があります。
2021年9月1日よりITフリーランス(フリーランスエンジニア)も対象になっています。
フリーランスエンジニアを含むフリーランスとして、労災保険に類似した保険やITフリーランスが対象になっている特別加入について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランスと会社員の違いは労災保険だけではありません。
会社員が会社を通じて加入している社会保険の場合、医療費の負担以外に「傷病手当金」の補償を受けられます。
傷病手当金とは、業務が関係しない病気やケガで働けなくなった場合、労働者や家族の生活を補償する制度です。
病気やケガが原因で4日以上働けなかった場合、最長1年6か月間障害手当金を受給することが可能です。
休業期間中に支払われなかった給与や、減額された給与の差額分を補填してくれるため、被保険者は治療に専念することができます。
フリーランスが加入できる国民健康保険には傷病手当金による補償はなく、療養中の生活費は全額自己負担となります。
フリーランスが病気になってしまった場合、会社員と比べて補償が少ないことは理解いただけたと思います。
次にフリーランスが病気に備えるための方法や、失った収入を補う方法について解説します。
フリーランスとして働く人の中には「費用が高額そう」「忙しくて時間が無い」などの理由で、何年も健康診断を受けていない人がいるのではないでしょうか。
フリーランスは会社員以上に身体が資本です。
病気で働けなくなるリスクを最小限に抑えるため、1年に1回は健康診断の受診を推奨します。
費用を抑えたい人におすすめなのは、市区町村が実施している健康診断です。
検査項目が少ない反面、無料~2,000円程度で受診できるメリットがあります。
実施内容や費用は、年齢や市区町村ごとに異なります。興味のあるフリーランスの方はお住いの自治体に問い合わせてみてください。
詳細な健康診断を受けたい人は、病院や診療機関での受診になります。
市区町村の健康診断より費用は高額ですが、必要に応じて検査項目の追加・選択が可能です。
後述する「あんしん財団」などの保険団体では、健康診断の補助金を支給してくれる制度があります。
注意点として、フリーランスの健康診断は事業者自身には福利厚生は必要ないという考え方から経費として申請できません。
確定申告での医療控除の対象とならない点を覚えておきましょう。
フリーランスの健康診断について、より詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランスとして長く働くためには、自己管理も仕事の1つとして考えるべきです。
睡眠不足や不規則な生活は健康のバランスを崩します。仕事の効率が下がるだけではなく、生活習慣病のリスクを高めるデメリットもあります。
自己管理の基本は規則正しい生活です。
仕事の開始時間や終了時間、食事のタイミングはなるべく固定し毎日同じスケジュールでの生活を心がけましょう。生活リズムの維持は、自己管理に有効な方法です。
起床後や就寝前に、軽い散歩やストレッチなどのルーティーンを設けると、生活リズムの改善だけではなく運動不足も解消できます。
小規模企業共済は、フリーランスや中小企業経営者が廃業・退職した後の生活資金を積み立てる共済制度です。
フリーランスの退職金ともいえる制度で、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運用しています。
掛け金は「1,000円から7万円までの範囲内・500円単位」で、収入にあわせて自由に設定可能です。
病気で入院した場合に事業資金を低金利で借り入れできる「障害災害時貸付け」もメリットの1つです。
掛け金の7~9割の範囲内で、最大1,000万円までの借り入れが可能です。
万が一病気でフリーランスが続けられなくなってしまった場合のために、是非加入しておきましょう。
所得補償制度とは、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が提供する休業補償制度です。
病気やケガで働けなくなった場合、給与を軸に保険金を受け取れる他、入院費・通院費などの補償を受けることができます。
保険料は職業や年収によって異なりますが、デスクワーク主体の30代フリーランス・年収400万円で月額4,000円前後です。
フリーランスとして働く場合、病気での休業に備えて何らかの保険に加入しておくことをおすすめします。
いくつか種類があるため、それぞれ解説します。
国民健康保険は都道府県、市区町村が保険者となって運用する公的医療保険です。
病気やケガで医療機関を受診した場合、医療費の一部を保険が負担してくれます。
被保険者が支払う費用は、かかった医療費の3割が基本です。
高額医療制度との併用が可能なため、自己負担が一定以上の金額になることはありません。
会社員からフリーランスとして独立した人は、社会保険から国民健康保険への切り替え手続きが必要です。
手続きを怠ると、いざ病気になったときに医療費を全額自己負担しなくてはなりません。
退職後は、国民健康保険への切り替えを忘れずに行いましょう。
なお、退職前に加入していた社会保険を延長して、最大2年間加入し続ける選択肢もあります。この場合も自分で手続きを行う必要があります。
所得補償保険は、フリーランスが病気やケガで長期間働けない場合に、「契約前12か月の所得の50~70%」を上限に補償してくれる保険商品です。
保険料は年齢や職業、設定する保険金額や保健機関によって異なります。
保険期間は1年、5年が一般的で、取扱いは損害保険会社になります。
就業不能保険は、所得補償保険と同様入院や在宅療養で収入が無くなった場合に保険金が支払われる保険商品です。
所得補償保険との大きな違いは、保険金額の設定方法が異なる点です。
所得補償保険が前年所得の割合で決まるのに対し、就業不能保険は契約前の年収に応じて上限額が設定され、保険金は定額で支払われます。
保険契約は生命保険会社が請け負います。
フリーランスや個人事業主は労働者側ではなく、雇用する事業主側となるため基本的に国の労災保険への加入はできません。
ただし、条件を満たした場合は特別に任意加入が認められており、これを「特別加入制度」といいます。
その他フリーランスや小規模事業者向けに、いくつかの団体が同程度の補償を受けられる保険サービスを提供しています。
例えば以下のような保険サービスがあります。
あんしん財団は、フリーランスや中小企業経営者を支援する目的で、ケガの保障、福利厚生サービス、災害防止サービスの三事業を提供する団体です。
国からの補助は受けておらず、財団会員の会費によって運営されています。
会費は月2,000円で、うち1,700円が保険料として徴収されます。
補償内容は以下の通りです。
・ケガによる死亡時2,000万円(満80歳以上は1,000万円)の死亡保険金
・業務上や業務外にかかわらず24時間の補償
・入院費日額6,000円、通院費日額2,000円、1日目から補償
ケガの補償を目的とした保険のため、病気の場合は補償を受けることができません。
ただし、人間ドック6,000円、健康診断2,000円(ともに年1回)の補助を受けることができます。
関西地区を中心にフリーランスや中小企業経営者を援助する団体です。
会費は月1,500円で以下の保障を受けることが可能です。
・ケガによる死亡時1,000万円の死亡保険金
・業務上や業務外にかかわらず24時間の保障
・入院費日額5,000円、通院費日額2,500円、1日目から補償
あんしん財団と同様、補償はケガのみが対象です。病気での通院、入院は補償の対象外となります。
人間ドック、生活習慣予防検診、脳ドックなどを受診した場合、10,000円(年1回)の助成を受けることができます。
また、総合健康懇談(相談)会が定期的に開催されており、病気や健康に関する医師からのアドバイスを、無償で受けられる点も特長です。
フリーランスがするべき病気への備えについて解説しました。
この記事の重要なポイントを下記にまとめます。
・フリーランスが病気になったときの補償は会社員よりも少ない
・病気のリスクを抑えるために、毎日の自己管理や健康診断などが必要
・フリーランス向けの休業補償制度や保険商品がある
病気になった後の補償も重要ですが、1番は病気にならないための健康管理を怠らないことです。
健康なフリーランス生活を続けるために、生活習慣や自己管理を見直す機会を設けてみては如何でしょうか。
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