汎用機エンジニア転職 | 汎用機エンジニアの転職実情や年収、転職実現のコツを解説!

転職市場動向分析

2022.06.02

汎用機エンジニアとは、企業の基幹業務システムなどに用いられるあらゆる分野に精通した知識と技術を兼ね備えた職種です。

エンジニアには、遂行する業務内容によって数多くの種類が存在しますが、汎用機エンジニアもその1つ。そした、汎用機エンジニアに転職したいとお考えの方に必見です。
そもそも、汎用機エンジニアはシステム系やWeb系などと比べ、あまり聞いたことがないという方もいることでしょう。

本記事では、汎用機エンジニアの仕事内容や転職事情、年収などについて解説しています。
また、汎用機エンジニアとして転職を成功させるコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

1.汎用機エンジニアとは


汎用機エンジニア転職関連画像
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汎用機エンジニアとは、どのような職種なのでしょうか。

まずは、汎用機の意味からみていきましょう。

 

汎用機とは 

汎用とは、さまざまな用途や分野に用いることができ、特定の用途や対象に特化しておらず何にでも使用できる状態のことを意味します。

つまり、汎用機とはあらゆる用途をカバーすることができるシステムを搭載している機器のこと。

 

そして、汎用機エンジニアが扱う汎用機とは、企業の基幹業務システムなどに用いられる汎用系コンピュータのことで、ホストコンピュータとかメインフレームなどとも呼ばれています。

現在は、オープン系コンピュータ(オープン系コンピュータについては後述)が主流ですが、1980年代までは、コンピュータといえば汎用機が主流でした。

 

また、汎用機はマルチタスク処理能力に優れているため、1度に大量のデータ処理を行う必要のある大企業や金融業界、官公庁などはで現在でも活用されています。

そんな汎用機(汎用系コンピュータ)を専門とするシステムエンジニアのことを、汎用機エンジニアと呼んでいます。

 

そもそも汎用機は、オペレーティングシステム(OS)などの技術仕様がメーカーの独自設計であり、一般的なシステムエンジニア(SE)と汎用機エンジニアは区別されています。

現在、汎用機を扱っているメーカーは「IBM」「Unisys」「Atos(旧Bull)」「NEC」「富士通」の5社。ちなみに、日本ではIBMの汎用機が主流です。

 

 

汎用系とオープン系の違い

汎用系とオープン系の違いは、システムの技術仕様が公開されているかどうかの違いです

汎用機(汎用系)の特徴は、技術仕様がメーカーの独自設計で構築されており、それが外部には公開されていないことも珍しくありません。

 

それに対してオープン系は、システムの技術仕様が公開されている複数のコンピュータで構築したシステム(クライアント・サーバーシステム)のため、一般公開されているケースもあります。

例えば、「UNIX」「Linux」「Windows」などが主なオープン系として挙げられますが、オープン系で稼働するコンピュータを担当するエンジニアのことを、オープン系エンジニアと呼んでいます。

 

 

 

2.汎用機エンジニアの仕事内容


汎用機エンジニア転職関連画像
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汎用機エンジニアの仕事内容は、基本的には一般的なシステムエンジニア(SE)と同じです

異なる内容は、扱うシステムが汎用系コンピュータであるということ。

 

独自の技術仕様といえる汎用機上で動作するシステム開発を行う、ハードウェアに特化した開発が主な仕事内容です。

オープン系と比べ、汎用系は販売価格や維持コストが高額であるため、中小企業で汎用系を導入しているところは多くありません。

 

そのため、汎用機エンジニアが働ける職場は、規模の大きな企業や、保険系・金融系、官公庁などが主流です。

 

 

 

 

3.汎用機エンジニアの年収


汎用機エンジニア転職関連画像
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汎用機エンジニアの平均年収は約473万円です

ITエンジニアの平均年収は556万円と言われているため、汎用機エンジニアの年収は、少ないです。

 

「フリーランススタート」を参考に、フリーランスの汎用機エンジニアの平均年収を見ていきましょう。

職種 平均年収 最高年収 最低年収
汎用機エンジニア 627万円 1,560万円 264万円

(参照:汎用機エンジニアのフリーランス求人・案件一覧)

 

フリーランスの汎用機エンジニアの全体の平均年収は627万円、最高年収が1,560万円で最低年収が264万円と大きく差があります。

自身のスキルや経験年数や企業、プロジェクトごとにより月額単価は異なるため、上記のように最高年収と最低年収の差が開いています。

 

また年代別にみると、平均年収が約50万円ずつアップしています。

あくまでも参考としてご覧ください。

 

年代 平均年収
20代 約500万円
30代 約550万円
40代 約600万円

 

フリーランスの汎用機エンジニアの開発案件を覗いてみる方↓

 

汎用機エンジニアのフリーランス求人・案件
汎用機エンジニアのフリーランス求人・案件

 

 

 

 

 

4.転職市場からみる汎用機エンジニア需要


汎用機エンジニア転職関連画像
汎用機エンジニア転職関連画像

オープン系が主流となっているなか、汎用機エンジニアにおいて現在の需要について知りたい方は必見です。

ここでは、汎用機エンジニアの現状と将来性について解説しています。

 

汎用機エンジニアの現状

汎用機には、主に下記の2つのメリットがあります。

 

トランザクション処理に強い
コンパクトなデータセンターの実現が可能

 

そのため、現在も規模の大企業や保険系・金融系、官公庁の基幹業務システムなどに用いられいます。

汎用系の代表格といえば、「COBOL」が挙げられますが、CRMやERPパッケージ、クラウドが主流となる現代では需要が減少しているのが現状。

 

そもそも汎用系のシステムは、技術仕様が公開されるオープン系とは異なり専門的な知識が必要なため、すべてを独自に修正することが困難なケースもみられます。

また、案件の多くが新規開発ではなく、運用保守やリプレイス業務です。

 

つまり現行システムを維持させるのみの開発ですので、他エンジニアの業務内容と比較して業務内容に新鮮味が薄いことも、需要減少へと繋がっている原因の1つかもしれません。

 

 

汎用機エンジニアの将来性

将来的に、オープン系が主流となり、汎用系は淘汰されていくことが予測されています。

しかし、実際は保険・金融業界においてすべての汎用系が淘汰されいく流れは考えにくく、将来的には緩やかに需要が低下する見込みですが、一部において稼働し続けるといわれています。

 

その理由として、長期的に活用されてきた汎用機は堅牢性と信頼性が高いという特徴から、完全にオープン系にシェアを奪われるということは考えにくいため。

また、IT業界の需要について、みずほ情報総研株式会社の「IT人材需給に関する調査」によると、2021年時点で約107.1万人のIT人材が確保されています。

 

汎用機エンジニア転職関連画像
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しかし、2015年の市場規模を100としたときの2021年時点での市場規模は、113という指標を示しており、実際の人材不足数は約31.4万人にも昇ります。

2021年現在において汎用機エンジニアを含むIT人材は需要に比べて供給が足りておらず、さらに現役で活躍している方も高齢化が進んでいます。

 

汎用機エンジニア転職関連画像
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IT業界全体の平均年齢として、2025年までは微増傾向にありますが、2026年の40.4歳を境に微減傾向がみられます。

汎用機エンジニアの将来性としてはIT業界全体で高齢化が一時的に進むことから、2025年までは汎用機エンジニアも中高年世代の活躍もしていくでしょう。

 

しかし、2026年以降は、ベテランエンジニア層は離職する可能性が高いことや新卒採用、若手のIT業界転職の見込みから平均年齢は下降していくとみられています。

 

 

 

5.未経験から汎用機エンジニアへの転職を実現させるには


汎用機エンジニア転職関連画像
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汎用機エンジニアへの転職は、未経験からでも可能ですが、その場合はどうしてもハードルが高くなってしまいます。

そこで今回、未経験から汎用機エンジニアへの転職を実現させるためのポイントを5つ紹介します。

 

プログラミング言語スキルを身に付ける
金融/保険/証券や公共/官公庁の業界知識を身に付ける
システム開発スキルや知識を身に付ける
転職理由と志望動機を一貫させる
IT専門の転職サイトや転職エージェントを活用する

 

それでは、詳しくみていきましょう。

 

プログラミング言語スキルを身に付ける

さまざまなプログラミング言語が使えるオープン系とは異なり、汎用系システムは専門のプログラミング言語が使えなければなりません

下記のプログラミング言語は、汎用系の開発には欠かせませんので、ポイントとして押さえておきましょう。

 

COBOL
Java
PL/I
FORTRAN

 

汎用機エンジニアに転職したいのなら、これらの言語は最低限学んでおきましょう。

 

 

金融/保険/証券や公共/官公庁の業界知識を身に付ける

汎用機エンジニアとして、深く関わる業界となる金融/保険/証券や公共/官公庁は、独自の専門用語や仕事内容の幅など、一般的な企業とは異なる点もあります。

そのため、これまでの業界知識が通用しないケースも珍しくありません

 

例えば、金融系の汎用機エンジニアへの転職を考えているのなら、金融系の専門的な用語を知っておかなければなりません。

下記で紹介している内容は、金融系の汎用機エンジニアで使われることが比較的多い用語のため、ポイントとして押さえておきましょう。

 

PFM(Personal Financial Management):「個人財務管理」「個人金融管理」の手助けするソフトウェアのこと
オープンAPI(Application Programming Interface):銀行と外部との間の安全なデータ連携を可能にする取り組みのこと
モアタイムシステム:一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークによって、24時間365日の即時振込ができる技術
ブロックチェーン:分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法
トランザクションレンディング:インターネット取引を与信とした融資
AIスコアレンディング:AIを用いることで、従来では融資できなかった低与信層にたいして金利や限度額などの貸付条件を決めるお金の借入サービス
これらは金融系の業界知識として必須ですが、保険/証券や公共/官公庁で汎用機エンジニアとして転職するなら、最低限理解しておきましょう。

 

 

システム開発スキルや知識を身に付ける

前述したプログラミング言語もシステム開発では必要なスキルですが、他にも下記のようなスキルや知識を備えておく必要があります

 

マネジメント能力
論理的思考能力
コミュニケーション能力
ITスキル
プロジェクト管理能力

 

また、メーカー独自の技術使用となっている汎用機でも、最新のスキルや知識は習得しておいて損はありません。

常に最新の技術やスキルに関する情報を確認しながら、転職に活かすようにしましょう。

 

 

転職理由と志望動機を一貫させる

転職での面接では、転職理由と志望動機が聞かれます。

前述したスキルや知識を身に付けて面接官を納得させることができても、転職理由と志望動機に一貫性がなければ採用してもらえない可能性があります

 

転職理由と志望動機を別々に考えると一貫性がとりにくいため、並行して考えるようにしましょう。

手順としては、まず、汎用機エンジニアに転職したい理由を整理します。

 

そこから、その転職によって実現したいことを整理し、志望動機を考えるようにすれば、一貫性を保つことができるでしょう。

 

 

 

IT専門の転職サイトや転職エージェントを活用する

未経験からだと分からないこともあるため、転職の際は転職サイトや転職エージェントを活用するとよいでしょう

どちらも転職のサポートをしてくれるサービスですが、提供されているサービス内容が異なります。

 

汎用機エンジニアへの転職をどう進めてよいか分からないという方には、応募書類の作成や面接のアドバイスといった、転職に関するさまざまなサポートをしてくれる転職エージェントがおすすめ。

一方、汎用機エンジニアになるための知識やスキルを学んでおき、あとは自分が希望する転職先を見つけるだけという方は、転職サイトがおすすめです。

 

転職サイトも転職エージェントも併用できますので、汎用機エンジニアに関するさまざまな求人情報を確認したい方は、両方利用してみるもよいでしょう。

 

 

 

 

6.まとめ


汎用機エンジニアの将来性について、今後もオープン系が主流となっていくのは確実といえますが、必ずしも淘汰され存在意味がなくなるということではありません。

時代は繰り返される傾向があります。

 

実際、使用する目的別に専用機を使っていた分散の時代から、汎用機1台でこなせる「集中の時代」となった後、再び複数のコンピュータで構築したオープン系システムでの「分散の時代」となりました。

そして、クラウドを利用する時代は「集中の時代」になる可能性があると見られており、再度汎用系が活躍するという意見もあるようです。

 

そうなれば、さらに汎用機エンジニアの需要は高まることも予想できます。

また、転職を実現させる方法として転職サイトや転職エージェントを活用することをおすすめしましたが、実際どのサービスを利用べきなのか迷う方もいることでしょう。

 

ぜひ色々と試してみて、自分に適した転職スタイルを見つけてみてください。

 

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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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