公開日:2021.06.11
更新日:2025.03.24
IT系の仕事は人とのコミュニケーションが求められはするものの、基本的にはパソコンに向かって黙々と作業する場面の方が多いです。
そこで、IT系で営業職に近いような人と関わる仕事がしたいと思っている方におすすめの仕事がフィールドエンジニア。
政府によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推奨をきっかけにITシステムを導入する企業は増えています。
そこでクライアント先に出向いて、ITシステムのトラブルを解決するフィールドエンジニアは今後需要がさらに高まっていくことが予測されるでしょう。
しかし、IT職の中でもフィールドエンジニアは知名度は低めです。そのため、具体的な仕事内容やキャリアをイメージできない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、フィールドエンジニアの仕事内容や将来性、未経験から転職するために必要なスキルについて解説します。
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<目次>
1.フィールドエンジニアとは
フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違い
2.フィールドエンジニアの仕事内容
3.フィールドエンジニアの年収
4.転職市場からみるフィールドエンジニア需要
フィールドエンジニアの現状
フィールドエンジニアの将来性
5.未経験からフィールドエンジニアへの転職を実現させるには
幅広いITスキル
問題解決能力
コミュニケーションスキル
転職サイトや転職エージェントを活用する
6.フィールドエンジニアのキャリアパス
7.まとめ
フィールドエンジニアとは、クライアント先に出向いてIT、特にインフラ・ハードウェアに関するトラブルを解決するエンジニアのことを言います。
企業の中にはITの専門家を持たずにITサービスを利用しているところも少なくありません。その場合トラブルが起こった際に対処できる人がいないでしょう。
そこでフィールドエンジニアは現場に駆けつけて、クライアントから不具合に関するヒアリングを行い、トラブルに対処します。
例えばIT技術が用いられているハードウェアの中には、医療用機器など24時間常時安定して稼動していなければいけないものも少なくありません。
そのため、24時間365日いつでも非常時に駆けつける必要があり、フィールドエンジニアは体力が必要な仕事と言われることも多いです。
フィールドエンジニアと混同されやすい職業として、サービスエンジニアが挙げられます。
この2つの仕事内容は基本的に同じです。
異なる点について、フィールドエンジニアは緊急時のトラブル対応など現場での作業がメインなのに対し、サービスエンジニアはトラブル対応に加えてクライアントへの営業も行うことがある程度でしょう。
ただ、フィールドエンジニアでも営業を行うことはありますし、逆にサービスエンジニアでも現場作業しか行わないこともあります。
企業の採用担当者のフィールドエンジニア・サービスエンジニアに対する認識次第な部分が大きいので、必ず転職活動時に確認しましょう。
またハードウェアなどのトラブル対応を行う職種として、フィールドエンジニア、サービスエンジニア以外にサポートエンジニアやカスタマーエンジニアが挙げられますが、この2つも基本的に業務内容は同じです。
企業によって呼び方が異なるので、仕事探しをする際は4つの名称それぞれで検索をしましょう。
フィールドエンジニアの仕事内容は主にハードウェアやインフラ関連機器の設置、運用・保守・点検、トラブル対応の3つが挙げられます。
まずIT機器の設置に関しては、システムエンジニア(SE)が作成した設計書をもとに、必要なソフトウェアをインストールしたり、設定を行ったりします。
フィールドエンジニアが設計などの上流工程の業務を行うことは基本的にはありません。
運用・保守・点検業務は定期的にクライアント先を訪れて、壊れているパーツがないか、安定して機器が稼働しているかなどの確認を行います。
また、この際に交換が必要なパーツなどがあれば交換作業や提案も行います。
そしてトラブル対応がフィールドエンジニアのメインの業務に当たります。
クライアントからトラブル発生の連絡を受けたらクライアント先に向かい、ヒアリングをして原因を突き止め、トラブルを解決します。
2017年に経済産業省が実施した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」を見てみると、フィールドエンジニアが当てはまるのは「IT運用・管理(顧客向け情報システムの運用)」「IT保守(顧客向け情報システムの保守・サポート)」の2つ。
それぞれの平均年収は608.6万円、592.2万円でした。
同調査によるとITエンジニア全体の年収は542万円(※中間型・標準水準を参考)。
これと比べるとフィールドエンジニアの年収は平均より高いと言えるでしょう。
ただ、この理由にはトラブル対応のための夜勤や徹夜が多く、拘束時間が長いことが挙げられます。
したがってフィールドエンジニアを目指すにあたっては、働く時間が長くなることによって年収が上がっていることも理解する必要があるでしょう。
転職活動を成功させるにあたっては、その仕事の需要や将来性を把握することが大切です。
それでは、フィールドエンジニアは現状どれくらい需要があり、将来性が期待できる仕事なのか見ていきましょう。
転職市場から見たフィールドエンジニアの現状は需要があります。
求人ボックスによると、2022年6月時点のフィールドエンジニアの求人数は32,400件です。大都市圏だけでなく地方の求人も多く、働く場所には困らない職業でしょう。
うち10,914件が未経験OKの求人となっており、前年よりも2倍以上増加しているため現段階でさえフィールドエンジニアが不足していることが伺えます。
したがって、現段階でも未経験から目指しやすい仕事と言えるでしょう。
フィールドエンジニアの需要は今後も増えることが予測できます。
求人ボックスのフィールドエンジニアの求人数は、2021年5月の段階では12,000件程度だったのが2022年6月段階で32,400件以上、1年で20,000件以上も増加している状況です。
IT化が進み、IT機器を導入する企業はさらに増えていくでしょう。
AIの普及により、一部の業務は自動化されていくかもしれませんが、それでもフィールドエンジニアの業務の中にはパーツ交換など人の手でないとできない作業も多いです。
現代ではどの業界でIT化が進んでいる状況です。
そのため、IT機器の整備を行うフィールドエンジニアの存在は欠かせません。したがって、フィールドエンジニアの需要は今後も増加もしくは安定していくでしょう。
フィールドエンジニアは未経験OKの求人も多く、ITと無縁の仕事からも比較的目指しやすい仕事です。
しかし、完全未経験となると志望する企業への転職は難しくなってしまいます。
そこで未経験から待遇の良い企業への転職を実現するために必要なスキルを見ていきましょう。
フィールドエンジニアは、インフラ・ハードウェアを中心に幅広いITスキルを身に着ける必要があります。
そのため、フィールドエンジニアになる前にインフラエンジニアを経験しておくのも良いでしょう。
フィールドエンジニアは単独行動も多いです。万が一業務を行う中で不明点が出てくると、会社に問い合わせる場面もありますが、特に小規模の企業の場合必ずしも社内に対応可能な人がいるとは限りません。
自力でトラブルに対処しなければいけないので、フィールドエンジニアは当然幅広い分野に関するITスキルが必要となります。
また、フィールドエンジニアはトラブルへの対処だけでなく、トラブルの原因や対処した内容などについてクライアントに説明することも仕事です。
クライアントがITに関する知識を持っている人なら良いですが、そうでないケースも考えられるでしょう。
そこで、ITに詳しくない人でもわかるように専門用語を噛み砕いて説明をする必要があります。なんとなく専門用語を理解している程度では、相手に誤解を生んでしまう可能性があるでしょう。
したがって、フィールドエンジニアは広いだけでなく深いITスキルが必須と言えます。
フィールドエンジニアが対応するトラブルはハードウェア・インフラに関するものが中心です。
場合によってはソフトウェアに関するトラブルに対処するケースもあります。
業務の対応範囲に関しては所属する企業で異なりますので、転職活動時はよく企業を吟味しましょう。
フィールドエンジニアはトラブルの原因を突き止めて解決するのが仕事なので、当然課題解決能力も求められます。
トラブルの原因にはクライアントの製品に対する扱い方だったり、製品の仕様だったり、様々なものが考えられるでしょう。
そこでクライアントに対して、「どんな操作を行ったタイミングでトラブルが起こったのか」「いつトラブルが起こったのか」などヒアリングを行い、自分が持っている知識や今までの経験から適した解決策を考えて実施します。
フィールドエンジニアではその場で自分で考えて解決策を導き出す能力が必要です。こればかりは経験の部分も大きいので、業務を通して様々なトラブルを経験して身に着けていきましょう。
フィールドエンジニアはクライアント先に出向いて作業を行うので、多くの方とコミュニケーションを取ります。
特に緊急性の高いトラブルの場合、クライアントが焦っていたり、機嫌が悪かったりする場合もあります。
そんな中でもフィールドエンジニアはヒアリングを行い、トラブルの原因を突き止めなければいけません。
特にITスキルを持たない人のヒアリング作業は、本人がトラブルになった原因の操作などを理解していないこともあり難航しやすいです。
そんな中でクライアントが言いたい内容を汲み取って解決策を導き出す必要があります。
フィールドエンジニアの求人数は多いですし、未経験OKのものも多いですが、自分に適した求人を見つけるには転職サイトや転職エージェントを活用することも必須です。
転職サイトだとIT系に特化したサービスも増えています。
総合型の転職サイトも良いですが、特にベンチャー系のフィールドエンジニアとして働きたいならIT特化型も積極的に駆使していくと良いでしょう。
また、転職に不安を感じている方や、IT系とは無縁の職種からの転職を考えている方の場合は転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントにはキャリアコンサルタントが在籍しており、自分はどれくらいの年収を稼げるのか、そもそもフィールドエンジニアは自分に合っている仕事なのかなど様々な相談に乗ってもらえるので、安心して転職活動に取り組めるでしょう。
転職エージェントも転職サイト同様にIT特化型のサービスが存在しているのでこちらを利用するのがおすすめです。
フィールドエンジニアは点検など簡単な作業からスタートするのが一般的です。
そこから経験を積んで、構築、トラブル対応というように業務の範囲を広げていきます。
フィールドエンジニアとしてある程度の経験がある方の中には、社内SEのような自社で取り扱っているIT機器の運用保守業務を行う職種にキャリアチェンジする人もいます。
この場合年収は下がってしまいますが、月〜金の週5・8時間勤務というような安定した生活を送れるようになります。
また、フィールドエンジニアはクライアントとのコミュニケーションが求められる仕事なので、経験を生かしてIT系の営業職にキャリアチェンジする人もいます。
IT系の営業職として働く人の中には技術知識が不足しておりゆえに説得力のない営業ができない人も少なくありません。
フィールドエンジニアとしてのバックグラウンドがあれば、クライアント先の担当者と専門性の高い商談ができるので有利でしょう。
その他、対人スキルや技術スキルを活かして、フィールドエンジニアからプリセールスとしてキャリアチェンジする方も多いです。
このようにフィールドエンジニアのキャリアパスは多岐にわたります。
身に着けるスキル次第で様々な分野に挑戦できる職種なので、早い段階で将来を考え、キャリアを実現するために必要な学習に取り組みましょう。
フィールドエンジニアはクライアント先に出向いてトラブルに対応したり、機器の入や点検をしたりします。
フィールドエンジニアは自分が持っている知識を使ってトラブルを解決しなければいけないので、広く深いITスキルが求められます。
加えて、職場によっては深夜や休日対応もあり、知識だけでなく体力も必要な仕事と言えるでしょう。
フィールドエンジニアは大変な仕事ではありますが、IT系の職種の中でも年収が高く、需要もある仕事です。未経験者OKの求人も多いので、IT系以外の職種の方でも目指しやすいでしょう。
ただ、働く条件にこだわりがあるなら、未経験でもインフラを中心としたある程度の知識は必須です。
そのため、インフラエンジニアなどを経由してからフィールドエンジニアに挑戦してみてください。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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