公開日:2022.09.02
更新日:2025.03.24
Kubernetes技術者認定は、Kubernetesに関する知識・スキルを有していることやKubernetesを用いた管理ができることを証明する資格です。
Kubernetesとは、高度なコンテナ管理ができるオープンソースソフトウェアを指します。
年々注目度が上がり、国内企業での採用も増えているKubernetesの資格ということで、Kubernetes技術者認定の受験を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、Kubernetes技術者認定の詳細や資格取得のメリットデメリットなどを解説します。
Kubernetes技術者認定の受験におすすめの参考書や学習方法についてもご紹介しますので、検定に興味がある方は是非お役立てください。
特に、下記の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・Kubernetes技術者認定を現在勉強している方
・Kubernetes技術者認定を今後勉強する予定の方
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<目次>
1.Kubernetes技術者認定とは
2.Kubernetes技術者認定試験概要
Kubernetes技術者認定の詳細
Kubernetes技術者認定の出題範囲
・認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)
・認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)
・認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)
・認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)
Kubernetes技術者認定の受験者数・合格率・難易度
Kubernetes技術者認定の申し込み手順
Kubernetes技術者認定の有効期限
Kubernetes技術者認定の勉強時間
3.Kubernetes技術者認定の資格取得のメリット
KubernetesやDockerなど仮想化技術スキルや知識が身に付く
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.Kubernetes技術者認定の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.Kubernetes技術者認定合格のためのおすすめの参考書や学習方法
Kubernetes完全ガイド 第2版 impress top gearシリーズ
公式サイトのオンライントレーニングや研修コースを活用
Udemyを活用
6.まとめ
Kubernetes技術者認定とは、Kubernetesの管理者やKubernetes上で動作するアプリケーション開発者に必要なスキルを認定するための試験です。
The Linux FoundationとCloud Native Computing Foundation (CNCF)によって開発されました。
Kubernetesとは、複数コンテナの一括管理ができるコンテナアプリ運用プラットフォームのことです。
Kubernetesは、「クバネティス」や「クーべネティス」と呼び、「K8s」とも略されます。
ギリシャ語で航海士という意味を持つ言葉です。
Dockerをはじめとするコンテナは、仮想化によってアプリケーションの開発環境を構築して、開発における高速起動や軽量化を実現できます。
現在クラウドネイティブの中核技術として注目を集めていますが、コンテナ自体を管理したり、別サーバーと連携したりはできないため、複数のコンテナがあると管理しづらいというデメリットがあります。
そこで活躍するのが、オーケストレーションツールであるKubernetesです。
Kubernetesを活用することで、ログ情報の管理や自動スケーリングによるCPU稼働の調整、バグが出たときにバージョンを戻すロールアウトの実装などができます。
IT専門調査会社であるIDC Japan 株式会社が2021年2月に実施した調査によると、
国内企業420社のうち、コンテナ仮想化技術を本番環境で活用している企業は16.9%、テスト・検証段階にある企業は23.3%となり、合わせて40.2%の企業がコンテナ導入を進めています。
(出典:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ47597721)
今後益々市場は拡大し、Kubernetes管理者やKubernetesアプリケーション開発者のニーズも増加することで資格の重要度も上がっていくことでしょう。
また、Kubernetesは多くの企業で採用されていることから、エラー対策や情報が豊富で勉強しやすいのも特徴の一つです。
Kubernetes技術者認定には、以下の4種類があります。
・認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)とは、Kubernetesの概念の理解や本番環境レベルのKubernetesクラスタを構成・管理する機能を扱えることを証明する資格試験です。
特に、Kubernetes管理者を目指す人におすすめです。
・認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)
認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)とは、Kubernetesをはじめとする幅広いクラウドネイティブエコシステムの知識を有することを証明する資格試験です。
特に、プロフェッショナルなエンジニアを目指す人におすすめです。
・認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)
認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)とは、Kubernetes用のクラウドネイティブアプリケーションを設計、構築、公開できるスキルを証明する資格試験です。
特に、Kubernetesアプリケーション開発者を目指す人におすすめです。
・認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)
認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)とは、ベストプラクティスの知識やコンピテンシーを備え、ビルド・デプロイ・ランタイム時のコンテナベース アプリケーションやKubernetesプラットフォームに関するセキュリティスキルを証明する資格試験です。
事前に認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)を取得している必要があります。
ここで、「JP」とは試験問題が日本語であり、試験監督官も日本語で対応することを意味します。JPと記載されてない場合は、英語となります。
自分のやりやすい言語で申し込むようにしましょう。
それでは、Kubernetes技術者認定試験の概要をみていきましょう。
Kubernetes技術者認定の詳細は、以下の通りです。
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP) |
認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP) |
認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP) |
認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP) |
|
---|---|---|---|---|
試験会場 |
オンライン受験のため会場なし(自宅や職場の会議室など) |
|||
試験日時 |
マイポータルから、都合の良い日時を選択する |
|||
試験時間 |
120分 |
90分 |
120分 |
120分 |
出題形式 |
※パフォーマンスベース |
多肢選択式試験 |
※パフォーマンスベース |
※パフォーマンスベース |
問題数 |
15~20問 |
60問 |
15~20問 |
15~20問 |
合格ライン |
66%以上の正解率 |
75%以上の正解率 |
66%以上の正解率 |
67%以上の正解率 |
受験料(税込) |
53,750円 |
34,375円 |
53,750円 |
53,750円 |
受験資格 |
制限問わず誰でも可能 |
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)の有効期限内の認定を取得していること |
||
想定する前提知識 |
Linuxシステムと基本的なアーキテクチャの理解 |
Linuxの基礎知識とコマンドラインスキル |
・Linuxの基礎知識とコマンドラインスキル |
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)認定に必要なスキル |
ソフトウェアバージョン |
Kubernetes v1.23 |
− |
Kubernetes v1.23 |
Kubernetes v1.23 |
試験結果 |
36時間以内に登録したメールアドレス宛に試験結果が届く |
※パフォーマンスベースとは、Linux上で実行されるコマンドラインで問題に回答し、解決していく問題形式です。
不合格になった場合、無料で1回受験ができます。
再受験は1年以内に設定する必要があるので、知識が薄れないうちに再受験するようにしましょう。
続いて、Kubernetes技術者認定の各試験の出題範囲は、以下の通りです。
・クラスタのアーキテクチャ、インストール、構成:25%
・サービスとネットワーク:20%
・トラブルシューティング:30%
・ワークロードとスケジューリング:15%
・ストレージ:10%
(引用:https://lpi.or.jp/k8s/)
・Kubernetes基礎:46%
・コンテナ オーケストレーション:22%
・クラウド ネイティブ アーキテクチャ:16%
・クラウド ネイティブの可観測性:8%
・クラウド ネイティブ アプリケーションの配信:8%
(引用:https://lpi.or.jp/k8s/)
・コア コンセプト:13%
・構成:18%
・可観測性:18%
・Podのデザイン:20%
・サービスとネットワーキング:13%
・ステートの持続性:8%
(引用:https://lpi.or.jp/k8s/)
・クラスター設定:10%
・クラスター強化:15%
・システムの強化:15%
・マイクロサービスの脆弱性を最小限に抑える:20%
・サプライチェーンのセキュリティ:20%
・モニタリング、ロギング、ランタイムセキュリティ:20%
(引用:https://lpi.or.jp/k8s/)
Kubernetes技術者認定の受験者数及び合格率は、公式では発表されていません。
Kubernetes技術者認定の合格者の声から、難易度はIT関連の資格の中でも中級〜難しいレベルと言えます。
問題数に対して試験時間が短いため、完答すること自体が難しいようです。
Kubernetesの機能や仕組みを理解し、Kubernetes上でアプリをデプロイ・運用できるスキルを着実に身に付けておく必要があります。
なお、Kubernetes技術者認定の難易度をITSS(ITスキル標準)に掲載されている同レベルの別試験からおおよその数値を予想してみましょう。
Kubernetes技術者認定はLinuCレベル1やLinuCレベル2相当の知識が必要です。
LinuCレベル1と同等レベルの試験にITパスポート試験、LinuCレベル2と同等レベルの試験に基本情報技術者試験があります。
ITパスポート試験の合格率は約55%(過去5年分の平均値)、基本情報技術者試験は約32%(過去5年分の平均値)ですので、Kubernetes技術者認定はおおよそ上記間に収まる合格率と推測できるでしょう。
ただし、上記数値はあくまでも参考として捉えてください。
Kubernetes技術者認定は、以下の手順で申し込みましょう。
ここでは、The Linux Foundationが開発した試験やeラーニング教材の販売を担うLPI-Japanからの申し込み方法をご紹介します。
1.EDUCO-IDの取得&受験用クーポン購入
支払い方法:クレジットカード、コンビニ
2.受験用クーポンの送付
決済確認5営業日ほどで、登録したメールアドレス宛に送付
3.The Linux Foundation ID(LFID)取得
4.受験者登録
受験するKubernetes技術者認定ページの「登録する」ボタンを押し、購入した受験用クーポンコードを入力して受験者登録*1をする
5.The Linux Foundationのマイポータルにて受験日設定
6.受験
7.試験結果
試験終了後36時間以内に、登録したメールアドレス宛に結果の送付
8.「PDFの認定証」と「デジタルバッジ」の受領
The Linux Foundationのマイポータルから受領可能
*1受験者クーポンの発行後は、1年以内に受験者登録をしなければなりません。
受験の際には、顔写真付きの身分証明書が必要です。(1点のみ:パスポート、2点の組み合わせ:運転免許証+健康保険証、マイナンバーカード+クレジットカードなど)
カメラを通して試験監督官に提示しましょう。
Kubernetes技術者認定の有効期限は、以下の通りです。
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP) |
認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP) |
認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP) |
認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP) |
|
---|---|---|---|---|
有効期限 |
3年 |
3年 |
3年 |
2年 |
Kubernetes技術者認定の有効年数は2〜3年で、比較的短いことがわかります。
特に認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)の受験は、認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)の有効期限内の認定を取得していることが条件です。
有効期限を過ぎてしまわないように注意してください。
Kubernetes技術者認定は、認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)以外はパフォーマンスベースの実技試験です。
そのため、付け焼き刃の知識だけでは合格は難しいでしょう。
Kubernetesに関する習熟度によっても変わりますが、1〜3ヶ月程度の勉強が必要となります。
幅広い出題範囲を把握した上で、なるべく多くの演習問題に取り組んで慣れておくことが大切です。
受験者クーポンの発行後は1年以内に受験者登録をする必要があるので、計画的に勉強を進めましょう。
Kubernetes技術者認定の資格を取得するメリットは、以下の通りです。
・KubernetesやDockerなど仮想化技術スキルや知識が身に付く
・資格手当や報奨金を貰える可能性がある
それぞれの項目について、簡単に説明していきます。
Kubernetes技術者認定は、コンテナを一括管理できるKubernetesのスキルを証明できる資格試験です。
合格に向けて勉強することで、コンテナやクラウド、DXなどの最新技術に対応できる力が身に付きます。
今後のクラウドネイティブ環境で技術者として働きたい人は、是非取得しておきたい資格の一つです。
Kubernetesは、現在数多くの企業で採用されているソフトウェアです。
そのため、会社によっては福利厚生の一環としてKubernetes技術者認定の資格手当や報奨金制度が設けられていることもあるでしょう。
支援を受けながら、自身のスキルアップや仕事に繋げられれば最高ですよね。
是非、自分の会社の制度について確認してみましょう。
Kubernetes技術者認定の資格を取得する上でのデメリットはありません。
強いて言えば、勉強する時間が必要な点が挙げられます。
どんな資格でも当てはまることですが、資格に合わせた対策や勉強をしなければ合格は難しいです。
上述した通り、Kubernetes技術者認定の合格には1〜3ヶ月程度の勉強時間が必要となります。
受験する方は自分の目標に対してKubernetes技術者認定の資格が必要なのかを再度考えてみても良いでしょう。
考えた上でKubernetes技術者認定の資格が必要である場合、仕事や家庭と両立しながら時間を確保することは大変だと思いますが、毎日少しずつでも勉強する習慣をつけるようにしましょう。
最後に、Kubernetes技術者認定を受験する人に向けておすすめの参考書や学習方法をご紹介します。
多くの企業で導入されているKubernetesには、参考書やオンライントレーニングが幅広く展開されています。
(出典:Amazon)
「Kubernetes完全ガイド 第2版 impress top gearシリーズ」は、Kubernetesの機能やエコシステムの内容を完全網羅しており、実際の現場でも活用できる知識を学ぶことができます。
日本語で詳しく書かれた数少ない参考書で、図を豊富に取り入れた解説が好評です。
実際にKubernetesを稼働させ、わからないことがあるときに参考書を確認しながら勉強するのがおすすめです。
中にはリソースの概念などの知識前提の部分も多いため、初学者には難しく感じるかもしれません。
ある程度の知識を身に付けた後に活用してみましょう。
Kubernetes技術者認定の公式サイトでは、受験に際して活用できるコンテンツが充実しています。
資格試験を手掛けるThe Linux Foundationが提供しているため、試験に必要なスキルを効率的に身に付けることができます。
試験と一緒に購入するとお得になるパックもあるので、要チェックです。
トレーニングコンテンツには、「オンライントレーニング」と「研修コース」があります。
公式サイトのトレーニングはこちらから
・オンライントレーニング
オンライントレーニングは、Kubernetes技術者認定の各試験ごとにeラーニングが展開されています。
自学自習形式のため、自分のペースで勉強したい人におすすめです。
・研修コース
研修コースは、LPI-Japanのパートナー企業による対面型の研修です。
認定Kubernetes管理者 (CKA-JP)と認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)に関するコースが展開されています。
講師による技術解説を受けながら勉強したい人におすすめです。
Udemyは、20万以上ものコースを展開するオンライン学習プラットフォームです。
希望のコースを購入し、自分のペースで勉強ができます。
ここでは、Udemyのおすすめコースを2つご紹介します。
Kubernetes技術者認定の合格者もUdemyで学習している人が多く、マスターできれば合格間違いなしでしょう。
・Certified Kubernetes Administrator (CKA) with Practice Tests:24,000円
・Kubernetes and Cloud Native Associate (KCNA) Practice Tests:2,440円
中には高額のものもありますが、クーポンコードが発行されたり、頻繁にセールが行われたりするので定期的にチェックしてみてください。
この記事では、Kubernetes技術者認定を現在勉強している方や今後勉強する予定の方に向けて、Kubernetes技術者認定の詳細や資格取得のメリットデメリット、おすすめの参考書や学習方法についてお話してきました。
Kubernetes技術者認定は、コンテナを一括管理するプラットフォーム「Kubernetes」のスキルを認定する資格試験です。
Kubernetesは企業でも数多く採用されており、Kubernetes技術者認定を取得すれば特にインフラエンジニアなどは仕事の幅が広がるでしょう。
Kubernetes技術者認定の受験を検討している方は、公式サイトオンライントレーニングやUdemyを活用して是非受験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
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