公開日:2022.09.16
更新日:2025.03.24
生産性向上や業務効率化を進める効果的な手段として、近年では「RPA」と呼ばれるテクノロジーが注目されています。
RPAは既にさまざまな企業で導入されており、活用できるシステム担当者やエンジニアに対する需要が高まっています。
そして近年ではRPAに関する資格試験も用意されており、より高度なスキル・知識を身につけるために効果的です。
そのためこの記事では、RPAそのものに関する解説や代表的なツール、そして代表的な資格試験についてお伝えします。
特に以下の方には、この記事をご一読いただきたいです。
・RPAの資格取得を検討している方
・RPAについて基本的なことを知りたい方
・RPAの代表的なツールについて知りたい方
・RPAの資格試験の概要を知りたい方
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<目次>
1.そもそもRPAとは
RPAを利用するメリット
2.資格取得も可能なRPAの代表的なツール
UiPath
WinActor
3.UIPathの資格
UiPath RPAアソシエイト資格試験(UiRPA)
UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)
4.WinActorの資格
アソシエイト
エキスパート
5.まとめ
RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボットによる家庭の自動化)」の略です。
情報入力のように人間がパソコンで行っている作業を、AIや機械学習などのテクノロジーを活用して自動化するツールのことを指します。
ロボットに「シナリオ」と呼ばれる作業の流れを覚え込ませ、実行させることで自動化が可能です。
ロボットが人間の仕事を行うため「Digita Labor(仮想知的労働者)」とも呼ばれ、それまで人間が行っていた作業を代行し業務効率化に役立ちます。
たとえば、Excelにへのデータ入力やWebブラウザを使った作業などが、RPAツールを使って自動化可能です。
自動化するのは基本的には単純作業であり、あらかじめ決められたPRAが機械的・反復的に作業を進めることで業務効率化・生産性向上につながります。
RPAは、反復作業が多い会社・部門において大きな効果を発揮します。
工数を減らし人件費の削減にもつながるため、大企業だけでなく中小企業・自治体においても導入実績が増えている状況です。
総務省もマニュアルを作成しており、PTAによる自治体業務の効率化を支援しています。
RPAを利用するメリットとしては、以下が挙げられます。
<RPAを利用するメリット>
・人件費の削減
・コア業務への人件費集中化
・業務効率化
・業務の正確性の向上
RPAのメリットとしてまず挙げられるのが、人件費の無駄をなくすことです。
パソコンで行う単純作業を人ではなくロボットに行わせることで、単純に人件費が削減できます。
また、従業員が単純作業から開放されるため、コア業務に対してより注力できる点も大きなメリットです。
RPAが代行する作業は企業・組織にとって必要ではありますがバックオフィス的な要素が強く、従業員が行わなくて良いことは大きなメリットでしょう。
さらに、単純に従業員が行うべき業務量が減るために、業務効率化にもつながります。
働き方改革・長時間労働是正の重要性が注目されている近年では、大きなメリットであるとも考えられます。
そして業務を効率的に進められるだけでなく、正確性の向上にもRPAは大きく寄与します。
人が作業をするとどうしても一定の割合で発生する人為的ミスは、ロボットであれば避けられます。
上記のように、RPAにはさまざまな面で魅力があり、今後も導入する企業・組織が増えていくと考えるのが自然でしょう。
この章では、資格取得もできるRPAの代表的な2つのツールについてお伝えします。
UiPathは、世界中で幅広く利用されているRPAツールです。
導入実績は世界中で1,000社を超えており、現在でも広がり続けています。UiPathは、WindowsPCの操作を自動化可能です。
MicrosoftのWF(Windows Workflow Foundation)をベースとして作られており、UiPath独自のアクティティに加えてWindowsを自動操作するためのテクノロジーをWFのカスタムアクティビティとして使用可能です。
・UiPathの特徴
UiPathの主な特徴は、以下の通りです。
<UiPath>
・無料版がある
・日本語サポートが充実している
・ロボットの管理ツールが充実している
UiPathには、有償ライセンスの他にも60日間のお試し版有償ライセンスや無料で利用できるコミュニティライセンスが用意されています。導入にあたってツールを試せる点は大きな魅力です。
また、UiPathでは日本語サポートもしっかりと実施しています。
ツールのリファレンスや学習用に用意されたeラーニングについても、日本語利用可能です。
さらに、作成したロボットの管理ツールも充実しています。ロボットが行っている作業を明確化し、自動化の成果を可視化するためのツールなどが実装されています。
・UiPathの主な製品
UiPathの製品の中で代表的なものは、以下の通りです。
<UiPathの主な製品>
・Robots(プロセス実行)
・Studio(ワークフロー開発)
・Orchestrator(プロセス管理)
特にRobotsとStudioは、UiPathを活用するうえで欠かせません。
UiPath製品の多くがクラウドサービスとして低ようされているため、導入ハードルが低い点も特徴的です。
WinActorは、NTTの研究によって2010年に生み出された国産RPAツールです。
Windows端末のさまざまなアプリケーションの作業を自動化でき、既に導入実績も国内で4,000社超と多数あります。
・WinActorの特徴
<WinActorの特徴>
・日本語に完全対応
・Windows端末から操作できるあらゆるソフトに対応している
・プログラミング知識は不要
WinActorの大きな特徴としてまず挙げられるのが、国産のRPAであることです。
当然日本語サポートは充実しており、利用に際して悩むことが少なくて済みます。そして日本語以外の言語にも、現在では適応拡大中です。
また、WinActorはWindows端末から操作できるあらゆるソフトに対応しています。
利用範囲が広いことから、物流や小売り、そして金融業など幅広い分野で活用されているツールです。
さらに、WinActorはプログラミングの知識を持たなくても利用できるツールです。
エンジニアでなくても必要な操作を行えるため、ユーザー部門においても操作できます。
・WinActorの製品
WinActorの製品は以下の通りです。
<WinActorの製品>
・WinActor(シナリオ開発と実行)
・WinDirector(管理統制)
・WinActor Manager On Cloud(管理統制)
WinActorは、シナリオの開発と実行を行うツールです。
ドラッグやドロップなどを行うことで、シナリオ作成を感覚的に行えます。
WinDirectorは、オンプレミス型の管理統制ツールです。基幹系ネットワークなど、クローズドな環境に適しています。
そしてもう1つのWinActor Manager On Cloudは、クラウド型の管理統制ツールです。
WinDirectorもWinActor Manager On Cloudも、幅広いツールと連携できます。
この章では、世界的なRPAツールであるUIPathの資格についてお伝えします。
UiPath RPAアソシエイト資格試験(UiRPA)はUIPathの入門レベルの資格試験です。
資格を取得することで、シンプルなRPAソリューションの設計や開発などのスキルがあることを証明できます。
UiPath StudioやUiPath Robots、そしてUiPath Orchestrator に関する基本知識・スキルについてが主な出題対象です。
<試験概要>
資格情報 |
UiPath 認定 RPA アソシエイト v1.0 (UiRPA) |
試験料金 |
英語版:150ドル(税別) |
試験時間 |
90分 |
合格スコア |
70% |
受験資格 |
なし(事前に指定されたトレーニングを受講しUiPathアカデミーで学習することが推奨されている) |
必須ではありませんが、上級資格であるUiPath RPA デベロッパー上級資格試験(UiARD)認定を受けるにあたっては、事前に取得することが推奨されています。
出題範囲は、以下の通りです。
<出題範囲>
・RPA の基礎
・UiPath Studio の概要
・変数と引数
・クラシックセレクター
・制御フロー
・データ操作
・UiPath の自動化概念と、あらゆるテクニック
・UiPath Orchestratorの概要
UiPath自体は非常に操作性の高いツールであり、アソシエイト資格試験は入門としての位置づけから比較的容易な試験だと言えます。
公式では、ビジネスアナリストやアーキテクト、大学卒業生などあらゆるナレッジワーカーに適しているとされています。
RPA関係の資格取得を目指すなら、初期に取得を目指したい資格の1つでしょう。
UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)は、RPAソリューション開発に6ヵ月以上の実務経験・知識を持つ方を対象としたUiPathの上級資格です。
複雑で効率的なRPAソリューションを個別に開発する能力を評価します。
<試験概要>
資格情報 |
UiPath RPA デベロッパー上級資格試験 (UiARD) 認定者 |
試験料金 |
英語版:200ドル(税別) |
試験時間 |
120分 |
合格スコア |
70% |
受験資格 |
なし(事前に指定されたトレーニングを受講しUiPathアカデミーで学習することが推奨されている) |
UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)の受験者には、RPA デベロッパーとして 6ヶ月以上の実務経験を持つことが想定されています。
試験範囲は、以下の通りです。
<試験範囲>
・UiPath Studio
・アクティビティと各種プロパティ設定方法
・REFramework (Robotic Enterprise Framework)
・クラシック セレクター
・.NET クラスとオブジェクト
・メソッドの高度な活用方法
・UiPath Orchestratorの活用
上級資格であるUiARDにおいては、一定の実務経験を持っていることを前提としている点がアソシエイトと異なります。
合格スコアは70%でアソシエイト資格試験と同様ですが、より深いところまでUiPathの製品に対して理解していることが求められるでしょう。
この章では、日本で生まれRPAツールであるWinActorに関する資格を2つ紹介します。
アソシエイト試験は、WinActorの基本的な知識や経験を持つ方や基礎知識を体系的に学習したい方を対象としています。
WinActorの資格試験としては、入門試験の位置づけです。
<試験概要>
試験名 |
RPA技術者検定 アソシエイト |
試験料金 |
7,150円(税込) |
試験形式 |
CBT方式(多肢選択問題) |
問題数 |
50問 |
試験時間 |
60分 |
合格スコア |
70%(ただし問題の難易度などによって変化する可能性あり) |
受験資格 |
なし |
WinActorの知識習得に加えて、組織におけるDX人材育成への活用やRPAに関わる業務担当者の評価への活用が考えられます。
試験範囲は、以下の通りです。
<試験範囲>
・WinActorの概要(10問)
・WinActorの機能に関する知識(20問)
・WinActorのシナリオに関する知識(20問)
WinActorの基礎知識が身についているかを問う検定であるため、WinActorを業務で使う方であればまず取得を考えることがおすすめです。
勉強にあたっては、NTTデータが無料で入門講座を提供しているため受講が推奨されます。
受験資格も特にないため、勉強の初期段階で挑戦するには最適です。
ただし、アソシエイトはあくまでも基礎知識が身についていることを証明する資格であることから、実務レベルでは少し物足りないとも言えるでしょう。
エキスパートは、WinActorに関して深い知識を持っている人を対象とした試験です。
アソシエイトよりも難度が高まっており、基本的なシナリオ構築に加えて応用力も少し求められます。
<試験概要>
試験名 |
RPA技術者検定 エキスパート |
試験料金 |
2万1,780円(税込) |
試験形式 |
選択式問題30問+実技問題3問 |
問題数 |
33問 |
試験時間 |
120分 |
合格スコア |
選択式試験と実技試験のそれぞれに合格基準あり |
受験資格 |
なし |
アソシエイトとは異なりエキスパートには実技問題も含まれており、実際にRPAでロボット作成をした経験がないと非常に難しい試験です。
トラブル対応に関する能力も試されるため、より実践的な内容になっていると考えられるでしょう。
<試験範囲>
・WinActor_簡易マニュアル
・WinActor_操作マニュアル
※ただし下記は出題範囲外です。
・JPath 取得
・DB 連携
・輪郭マッチング
・コマンド実行
・正規表現
・WinActor_ユーザライブラリサンプル説明書
・WinActor_ブラウザ操作シナリオ作成マニュアル
・ハンズオントレーニング
WinActorのRPAエンジニアとして活躍するためのステップアップとしては、こちらの試験の受験が効果的だと考えられます。
RPAとは、従来では人が行っていたパソコンでの単純・反復作業をロボットに行わせるためのツールです。
RPAを導入することで、人件費の有効活用や業務効率化、人為的ミスの削減などさまざまな効果が考えられるでしょう。
代表的なRPAとしてはUiPathとWinActorの2種類が挙げられ、それぞれに資格試験があります。
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