2023.01.14
XaaS(ザース)とは、「X-as-a-Service」の略で、インターネットを経由したクラウドサービスとして利用し、利用に伴った料金を支払う形態を指します。
本記事では「XaaS」に焦点を当てその概要や重要性、メリット・デメリット、代表的な種類などについて詳しく解説します。
現在エンジニアとして就業している方やIT業界に従事している方はぜひご一読ください。
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<目次>
1.XaaSとは
2.XaaSの重要性
3.XaaSのメリット
時間や場所を問わず利用できる
金銭的コストが抑えられる
自社メンテナンスやアップデートが不要
4.XaaSのデメリット
セキュリティリスクに注意が必要
ダウンタイムの可能性に注意
サービスが突然終了する可能性がある
5.XaaSの代表的な種類
IaaS
IDaaS
MaaS
PaaS
SaaS
HaaS
BaaS
CaaS
EaaS
FaaS
6.まとめ
XaaS(ザース)とは、「X-as-a-Service」の略で、インターネットを経由したクラウドサービスとして利用し、利用に伴った料金を支払う形態を指します。
aaSとは「as a Service」の略で、「サービスとしての」という意味です。
つまり、パソコンで使用していたソフトウェアや演算機能をインターネット経由で提供するサービスになります。
「X」には、さまざまな言葉が当てはめられ、「Framework」ならFaaS、「Platform」ならPaaSなど、その種類は多岐に渡ります。
従来、企業や組織では、高額なサーバー機器を自社で購入・管理し、ITシステムを運用・利用してきましたが、ベンチャー企業・中堅企業では、自社内でシステムを持つ必要があるという負担がIT参入への大きなハードルとなっていました。
しかし昨今、XaaSを導入することで、高額なサーバー機器を自社で保有せず、サービスとして利用する企業や組織が増えているのです。
XaaSを導入すると、さまざまなメリットがあります(後述解説)。
たとえば、サーバー機器などを購入する際の高額な初期コストが発生しません。
また、サーバーの稼働に必要なインフラ環境の管理は、基本的にベンダーが行ってくれるので、企業側で人員を割く必要もなく、浮いたリソースを別業務に充てることができます。
クラウドサービスなら時間や場所を問わず利用することができます。
これは、企業や従業員がリモートワークを導入する際の強い味方にもなるでしょう。
ここでは、XaaSのメリットについて3点解説します。
XaaSはクラウドサービスなので、インターネット環境と対応デバイスさえあれば、時間や場所を問わず利用できます。
たとえば、オフィスのデスクトップや外出先のスマートフォン、自宅のノートパソコンなど様々なデバイスからアクセスすることができます。
その利便性の高さは、XaaSの最も大きなメリットといえるでしょう。
XaaSを導入すれば、ハードウェアやソフトウェアなどを購入する機会が減ります。
また、XaaSの多くは初期費用が不要なので、金銭的コストを抑えることが可能です。
XaaSの多くはユーザー数に応じて料金を支払うユーザー課金制や利用時間やデータ量に応じて料金を支払う従量課金制など、無駄のないサブスクリプション型のビジネスモデルになっていることが多いです。
コンピュータのスケールアップやダウンには、時間的・金銭的コストがかかります。
XaaSは、状況に応じてプランや利用人数などを変更できるので、スケールアップやスケールダウンがしやすいという柔軟性の高さもXaaSのメリットといえるでしょう。
XaaSを導入した際、面倒なメンテナンスやアップデートは、基本的にベンダー側が行ってくれます。
そのため、ユーザーはサービスを利用するだけ良く、メンテナンスにかかる時間や手間、コストを節約することができます。
またサーバーやシステムを自社内で管理する必要がないので、人手を確保できない場合でも運用できます。
なおベンダーが最新状態で運用してくれるので、セキュリティ面も安心です。
ここでは、XaaSのデメリットについて3点解説します。
XaaSはクラウドを利用するので、常にサイバー攻撃のリスクが付きまといます。
自社の機密データを提供することになるので、XaaSを提供するベンダーは信頼できるのか、サービスの利用規約を事前に確認するだけでなく、データ管理方法やインシデント対策など、セキュリティ整備も心がけるようにしましょう。
インターネットに障害が発生すると、XaaSプロバイダにも問題が生じる可能性があります。
その場合、インターネットの信頼性や耐障害性、プロビジョニング、インフラ、リソースの管理にも問題が生じる可能性があります。
万が一、XaaSサーバーがダウンした場合、ユーザーはXaaSに関するサービスを一時的に利用できなくなる可能性に注意しましょう。
XaaSは、ベンダーの都合で突然終了することがあります。
そのためベンダーの経営状況やサービス選定、サービス終了時でも業務に支障が出ない対策などの意識が必要でしょう。
ここでは、XaaSの代表的な種類について10選ご紹介します。
・IaaS
・IDaaS
・MaaS
・PaaS
・SaaS
・HaaS
・BaaS
・CaaS
・EaaS
・FaaS
IaaS(アイアース/イアース)とは、「Infrastructure-as-a-Service」の略で、サーバーやストレージ、ネットワークなどインフラを提供するサービスです。
業務の負荷変化に応じて、CPUコアやメモリ、ストレージ容量などのリソースを柔軟に増減できます。
また、ハードウェアの老朽化に伴うEOLやEOSなども考える必要はありません。
IDaaS(アイダース)とは、「Identity-as-a-Service」の略で、ID管理を提供するサービスです。
IDライフサイクル管理や一組のID/パスワードで複数のシステム、アプリケーションにログインできるシングルサインオン(SSO)、複数の認証情報を組み合わせる多要素認証などが可能です。
MaaS(マース)とは、「Mobility-as-a-Service」の略で、交通手段による移動をシームレスに提供・利用できるサービスです。
スマートフォンのアプリを用いて、交通手段の手配やルート検索、目的地までのナビゲーション、運賃や利用料の決済までを一貫して行うことができるとして注目を集めています。
PaaS(パース)とは、「Platform-as-a-Service」の略で、インフラに加えて、ソフトウェアを構築・稼動させるためのプラットフォームとなるOSやミドルウェア、データベース環境などを提供するサービスです。
近年では、機械学習やコグニティブ(認識)などの機能も提供されるようになりました。
SaaS(サース)とは、「Software-as-a-Service」の略で、パッケージとして販売していた従来のソフトウェアを、クラウド上で利用できるサービスです。
たとえば、「Office 365」や「Salesforce」、「Google Apps」などが代表的です。
HaaS(ハース)とは、「Hardware as a Service」の略で、サーバーやストレージ、ネットワークなど、システム構築に必要なハードウェアを提供するサービスです。
仮想化されたCPUやメモリー、ハードディスクを必要な分だけ柔軟に提供できるメリットがあります。
BaaS(バース)には、主に3つの意味があります。
名称 |
意味 |
Backend-as-a-Service |
モバイルデバイスのバックエンド機能を提供するサービス |
Backup-as-a-Service |
クラウドでデータを保存・バックアップしておけるサービス |
Blockchain-as-a-Service |
主にブロックチェーンを活用したアプリ開発で活用され、基盤を提供するサービス |
CaaS(カース)には、主に3つの意味があります。
名称 |
意味 |
Communications as a Service |
インターネット電話やリモート会議など、コミュニケーションツールを提供するサービス |
Container as a Service |
クラウド化されたアプリケーションやコンテナを管理する手段を提供する従量課金制のサービス |
Crime as a Service |
IT技術にそれほど詳しくないサイバー攻撃者が、容易にサイバー攻撃を行うことができるように、必要なツールをまとめたパッケージ |
EaaS(アース)には、主に3つの意味があります。
名称 |
意味 |
Everything-as-a-Service |
必要なコンピュータ資源をすべてクラウドで賄うサービス・概念のこと(別名・XaaS) |
Exploits-as-a-Service |
脆弱性を悪用したサイバー攻撃を行う際に用いられるサービス |
Energy-as-a-Service |
東京ガスが提唱するガスや電気を単体ではなくほかのエネルギーやサービスと組み合わせて一体提供する概念 |
FaaS(ファース)には、主に3つの意味があります。
名称 |
意味 |
Framework as a Service |
PaaSとの中間にあたり、ソフトウェアフレームワークを提供するサービス |
Function as a Service |
サーバーの管理をベンダーに委任する機能の実行環境を提供するサービス |
Fraud as a Service |
サイバー犯罪に必要なサービスマルウェアや犯罪者ネットワークなど主に詐欺に悪用されるサービス |
今回はエンジニアとして就業している方やIT業界に従事している方に向けて、XaaSの概要や重要性、メリット・デメリット、代表的な種類などについて詳しく解説してきました。
現在、様々な領域でサブスクリプション型のビジネスモデルのもと、様々な商品のサービス化が進んでいます。
クラウド環境はその利便性の高さから今後もさらなる進化を遂げる可能性が高く、それに伴い、XaaSの需要や普及も進む可能性が高いです。
企業目線から見ても、XaaSを導入することで多くのメリットが期待できます。
まだXaaSを導入していない企業は、この機会にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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