公開日:2023.02.14
更新日:2025.03.24
近年では、インターネットを活用したサービス・ツールの進化により、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータの活用が重視されています。
そしてビッグデータを扱う専門職としてデータサイエンスとともに注目されている仕事が、「データエンジニアリング」です。
データエンジニアリングは現在、そして未来のビジネスを支える大黒柱のような存在であり、非常に魅力にあふれた仕事であるとも言えます。
そのためこの記事では、データエンジニアリングの定義や業務内容、データサイエンスとの違い、データエンジニアリングに必要なスキル、能力、データエンジニアリングの将来性などについて解説します。
特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。
・データエンジニアリングの定義について検索している方
・データエンジニアリングの業務内容について知りたい方
・データエンジニアリングに必要なスキル・知識を知りたい方
・データエンジニアリングの将来性・需要について知りたい方
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<目次>
1.データエンジニアリングとは
データエンジニアリングの定義
データエンジニアリングの具体的な業務内容
2.データサイエンスとの違い
3.データエンジニアリングに必要なスキル・能力
Python・SQL・Linuxの知識
ETL・ELTに関する知識
機械学習に関する深い理解
企業のビジネスモデルへの理解力
ダッシュボード・レポート作成スキル
4.データエンジニアリングの将来性・需要
データエンジニアリングの需要
データエンジニアリングの将来性
5.まとめ
この章では、データエンジニアリングの定義や具体的な業務内容についてお伝えします。
データエンジニアリングとは、分析を行うためにデータを収集・解釈・検証することを指します。
情報かが高度に進展している現代のビジネスではビッグデータの活用が不可欠です。
そしてぼう大なデータを扱うためには、データの分析基盤が欠かせません。
そこでデータエンジニアリングでは、そのためのデータ分析基盤を構築・運用し、データの整理や管理、活用を行います。
データエンジニアリングの具体的な業務内容には、以下の3点が挙げられます。
データ分析基盤の構築・運用
データエンジニアリングの業務としてまず挙げられるのが、データ基盤の設計・構築です。
ぼう大なデータをデータサイエンティストをはじめとする分析に携わる人が取り出しやすいよう、情報インフラを開発します。
IoTの進展などにより収集できるデータの量がぼう大になると、そのままの状態ではなく整理しなくては活用が困難です。
そして分析しやすいように整理をするためには、優秀な基盤が必要とされます。
ここでいう「基盤」とは、データを保管・管理するためのシステムのことです。
データエンジニアはデータベースやクラウドサービスを比較し、インフラを構築します。
また、基盤は構築すれば終わりという訳ではなく、その後のバグ処理や運用、改善もデータエンジニアリングの業務に含まれます。
高速処理への対応や分析環境の改善、さらにはトラブル処理など、データエンジニアにはさまざまな仕事が求められます。
データの収集
分析すべきデータの収集も、データエンジニアリングの業務内容には含まれます。
データベースから有用と判断できるデータを見つけるだけでなく、業務システムからAPIを利用してデータを集める、SQLを使用するなどの方法が考えられるでしょう。
データの整理・加工
データを利用しやすいように整理・加工することは、データエンジニアリングの重要な業務内容です。
抽出したままの整理されていない状態のデータでは、抽出・分析に時間がかかってしまいます。
たとえば、収集したデータの内、重複しているものは削除することが大切です。
また、データは一度収集したら終わりではなく、逐次更新や修正が必要とされます。
さらに表記ゆれ(「サーバー」と「サーバ」など)があると分析しにくいため、統一することも大切です。
そして、整理したデータをグラフなどを使って見やすくしたり、整理・加工のためのプログラムを作成したりすることも業務には含まれます。
AI・機械学習のマネジメント
AIや機械学習に関するプログラミングや運用なども、データエンジニアリングの業務に含まれます。
AIに学習させるためには教師データが必要であり、データエンジニアが作成します。高品質な教師データがあれば、AIの性能が向上します。
また、機械学習のためのシステムを作った後も、データを増やしていくことが重要です。
さらに、AIを運用してみた結果から教師データを作成し直すなど、AIや機械学習のマネジメントはデータエンジニアリングの業務の内です。
データエンジニアリングと混同されやすい職種に、データサイエンスが挙げられます。
両者はいずれもデータの活用に関わる専門職ですが、以下の通り業務内容は別です。
・データエンジニア:データの整理やそのためのシステム開発が専門
・データサイエンティスト:データ分析や活用方法を考えることが専門
データ分析に携わる専門職としてはデータサイエンティストが有名ですが、データサイエンティストだけでぼう大なデータの正確な分析・予測をできる訳ではありません。
その前工程として、データエンジニアリングによってデータを解釈・整理し、検証することが必要です。
つまり、データエンジニアがいなければ、データサイエンティストは業務をスムーズに進められません。
ただしデータエンジニアリングだけではデータの活用ができないため、両者はお互いを補完し合う、どちらが欠けても成立しない関係だと言えるでしょう。
この章では、データエンジニアリング必要なスキルや能力についてお伝えします。
データエンジニアリングには、プログラミングやビジネスに関する理解などさまざまなスキルが必要です。
データエンジニアリングに必要なスキルや能力としてまず挙げられるのが、Python・SQL・Linuxの知識です。
それぞれの概要や特徴などを、以下で説明します。
Python
Pythonは、データエンジニアが使用するプログラミング言語の1つです。
ディープラーニングにおいては、使われる頻度が高いと言えます。
PythonはAI分野をはじめとして近年注目されている言語の1つであり、学んでおくメリットは充分にあります。
また、学習コストが低いことから、他の言語を既に学んだことがある人はもちろん、初心者でも学びやすい言語としても知られています。
さらに、Pythonの他にもJavaやScalaなどの言語はデータエンジニアにおすすめです。
他のエンジニアを目指すとしてもプログラミングのスキル・知識は役立つため、業務に必要な物から積極的に覚えていくようにしましょう。
SQL
SQL(シークェル)は、最も普及しているデータベース言語の1つです。
データベース管理システム上でデータを制御するために使用されます。
ISOで規格化されていることから、1つのデータベースに合わせてSQLを覚えればほとんどのRDB(リレーショナルデータベース)で同様に使用可能です。
Linux
リナックスは、世界で最も普及しているオープンソースのOSです。
主にサーバーようとして使用されるQSであり、データベースに関係するITサービスのエンジニアには重要であると言えます。
ETL・ELTに関する知識も、データエンジニアリングには必要です。
両者は共に、データを処理・保管するプロセスのことを指します。
・ETL:Extract(抽出)・Transform(変換)・Load(書き出し)の順番
・ELT:Extract(抽出)・Load(書き出し)・Transform(変換)の順番
ELTとETLはどちらが一方的に優れているというものではなく、使い分けを適切に行うことが重要です。
処理速度の面ではELTの方が優れていますが、ETLよりも容量が大きくデータベースへの負荷がかかります。
また、ELT導入によってぼう大なデータが一時的にデータベースに蓄積されるため、情報管理についても注意をしなくてはなりません。
こうした特徴を理解し、適切な形で運用することが、データベースエンジニアリングの業務では必要です。
自社の事業との相性も含めて上手に使い分けることで、データ管理を効率よく進められるでしょう。
データエンジニアリングの仕事を進めるうえでは、機械学習に関する深い理解も重要です。
機械学習に関する経験があるエンジニアは、データエンジニアリングの世界では重宝されます。
自信が直接機械学習を行う訳ではなくても、チームメンバーが担当するものだからです。
機械学習について理解のあるエンジニアの方が連携がとりやすく、業務を円滑に進めやすいと言えます。
機械学習に関して高い専門性を持っていないとしても、基本的な仕組みや業務の流れ、ビジネスへの活用方法などを知っておくことが重要です。
また、同様の理由からデータの分析に関する知識もある程度持っておくと、データサイエンティストとの連携に役立ちます。
データ分析のツールや手法に関して理解を深めておくことで、自身の業務に生かせることも出てくるでしょう。
企業のビジネスモデルへの理解力も、データエンジニアリングの業務においては重要です。
適切なデータ基盤を構築するためには、企業が求めるデータへの理解が必要だからです。
「何のためにデータが必要なのか」「どんなデータが必要なのか」を理解できていなければ、適切なデータの収集・整理・加工はできません。
データを正しく・効率的に活用するためには、経営課題に対する仮設設定が必要です。
仮説を立てずただ漫然とデータを集めているようでは、効果的な施策にはつながりません。
仮説を立てることで、データの中にある注目すべきポイントにフォーカスできるようになるためです。
そして仮説を立てるためには、ビジネスモデルへの理解がなければ難しいでしょう。
実際に仮説を立てることは経営陣の役割だとしても、データエンジニア自身でも経営陣の考えを理解できるようにしておかなくてはなりません。
データエンジニアリングの業務は、経営の意思決定に影響を及ぼす重要な仕事です。
そのためエンジニアとしての知識・スキルだけでなく、自分が所属する企業やクライアント企業のビジネスに関してはある程度理解を深めるようにしましょう。
データエンジニアにとって忘れてはならないスキルが、ダッシュボードやレポートの作成スキルです。
データを可視化し、見ただけで分かりやすいようにまとめることは、データエンジニアリングにおいて欠かせません。
ダッシュボードは、意思決定において欠かせないツールです。
ダッシュボードを作ることでデータの整理につながり、各種数値を視覚的に把握しやすくなります。レポートにも仕上げやすくなります。
また、データを使用する人は、必ずしもデータに関する専門家であるとは限りません。
利用する人が分かりやすいようにダッシュボードとしてまとめることは、重要な作業だと言えるでしょう。
データ活用に欠かせないデータエンジニアの仕事ですが、将来性や現在の需要についてはどんなことが言えるのでしょうか。
ここでは、データエンジニアリングの諸る愛誠や需要について解説します。
データエンジニアリングに対する需要は、近年高まりを見せています。
その大きな理由となっているのが、ビッグデータ市場の拡大です。
インターネット、さらにはIoTの進展により、企業はぼう大な量のデータを日常的に取り扱うようになりました。
ビッグデータを活用することで経営課題の解決や新たなビジネスモデルの創出などさまざまな可能性につながるとされています。
ビッグデータの活用は既に企業の重要課題となっており、データを扱う専門家への需要も高まっていると言えるでしょう。
上記の背景から、データエンジニアの需要は現在既に高まってきています。
データエンジニアについては、現在だけでなく今後も需要が高まっていくと考えられます。
データエンジニアリングが取り扱うビッグデータは、今後のビジネスにおけるキーワードだと考えられるためです。
経済産業省の委託によってみずほ情報証券がまとめた調査によると、「2030年のIT人材不足は最小で約16万人、最大で79万人にもなる」とされています。
(参考:みずほ総研「IT人材受給に関する調査」)
また、上記調査内で、IT人材とは「AI やビッグデータを使いこなし、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手」と言及されていることから、データエンジニアについてももちろんIT人材だと考えるべきでしょう。
つまり公的な見込みを参考としても、データエンジニアリングに従事する専門家は将来不足する、つまり需要が高まり続けると考えられるということです。
データエンジニアリングを含むビッグデータに携わる仕事に関しては、今後ますます需要が高まると考えた方が自然だと言えます。
データエンジニアリングとは、分析を行うためにデータを収集・解釈・検証することを指します。
データエンジニアリングの業務は、データサイエンティストが分析を行うために欠かせません。
特にビジネスにおいてビッグデータの重要性が高まってきている近年においては、データエンジニアの需要も高まっていると言えるでしょう。
今後についても需要は高まり続けると考えられるため、将来性もある魅力的な職業だと言えます。
未来のビジネスを支える重要な存在として、データエンジニアのキャリアパスを描いてみてはいかがでしょうか。
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