e-Tax(イータックス)を使った電子申告について解説!必要なものや添付書類など

2023.05.31

確定申告では、確定申告書のほか、控除証明書など確定申告に関連する各種書類を添付して提出する必要があります。

添付書類の提出は持参または郵送で行いますが、e-Tax(イータックス)で確定申告を行う場合は、一部を省略することが可能です。
また、e-Taxでは画像データでの提出が可能なので、郵送の手間をかけずに自宅やオフィスで確定申告を完了することができます。

e-Taxで確定申告を行うことで、青色申告特別控除や事務手続きの簡素化などの特典を受けることができます。今まで試したことがない方も、ぜひe-Tax申告を試してみてください。
今回はe-Taxについて利用方法やメリットなどを詳しく説明します。

<目次>
1.e-Tax(イータックス)って何?
2.e-Taxでフリーランスができること
所得税の確定申告を行う
開業・廃業届を提出する
青色申告承認申請書または取りやめの手続き
その他
3.e-Taxによる確定申告の事前準備
環境を整える
電子証明書を取得する
利用者識別番号を取得する
電子証明書を読み取る
4.e-Taxで確定申告をするメリット
自宅に居ながらにして申告ができる
期限内に申告書の修正ができる
確定申告の手続きがスピーディー
添付書類を省略できる
確定申告ソフトのデータを利用できる。
5.e-Taxのデメリット
6.スマートフォンからe-Taxを使って確定申告をする方法
7.パソコンからe-Taxを使って確定申告する方法
確定申告ソフトを使用して、申告書を作成・提出
確定申告ソフトを使いデータを出力しe-Taxでの編集・提出
e-Taxで申告書を作成・提出
確定申告書等作成コーナーでデータを作成し、e-Taxで提出
8.確定申告に必要な書類
本人確認書類
銀行口座情報がわかる書類
所得を証明する書類
適用される控除を証明するもの
9.確定申告後の処理
10.まとめ

 

 

 

1.e-TAX(イータックス)って何?


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

そもそもe-TAX(イータックス)の概要を説明します。

e-Tax(イータックス)の正式名称は、「国税電子申告・納税システム」です。

 

インターネットに接続できる環境さえあれば、自宅やオフィスにいながら、確定申告・納税・行政手続きなどを行うことができます。

e-Taxはフリーランスの方だけでなく、確定申告が必要な会社員や法人の方も利用することができます。

 

e-Taxはスマートフォンでも利用できますが、確定申告書類等のデータ自体は、後述する確定申告書等作成コーナーやe-Tax対応の会計ソフトを経由して作成されます。

2023年1月からは、青色申告決算書や収支内訳書を確定申告書等作成コーナーで作成することを条件に、事業所得や不動産所得もスマートフォンで申告できるようになります。

 

したがって、事業所得や不動産所得があるフリーランスの方は、基本的にスマートフォンで申告書の作成からe-Taxへのデータ送信まで行うことができます。

 

 

 

2.e-TAXでフリーランスができること


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

e-Taxは現在さまざまな手続きに対応しています。

フリーランスがe-Taxを利用する場合、どのような手続きが可能なのでしょうか。

 

所得税の確定申告を行う

所得税を納めなければならないフリーランスは所得税の確定申告が義務付けられています。

所得税の確定申告について改めて説明しておくと、毎年1月1日から12月31日までの期間の収入・所得などを申告し、その年に支払うべき所得税額を確定する手続のことです。

 

特定のケースでは確定申告書等作成コーナーを利用できないことがありますので、e-Taxはより幅広い目的をカバーしていると言えます。

 

 

開業・廃業届を提出する

e-Taxはフリーランスの開業や廃業の手続きにも対応しています。

これはe-Taxソフトのみで、確定申告書等作成コーナーは対象外です。

 

 

青色申告承認申請書または取りやめの手続き

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、白色申告は何も手続きをしないと自動的に適用されるものです。

青色申告は、納税者が一定の帳簿を整備して正しく申告することで、さまざまな特典を受けられる制度です。

 

青色申告を選択するためには、納税者が「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

また、青色申告を取りやめする場合は「所得税の青色申告取りやめの届出書」、配偶者や親族を青色申告の専従者として申告する場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

 

確定申告書等作成コーナーではこれらの手続きに対応しておりませんが、e-Taxではオンラインで手続きが可能です。

 

 

その他

e-Taxを使って行える手続きが多数あり、フリーランスに関連する手続きの多くをカバーしています。

利用できる主な手続きは以下の通りです。

 

消費税および地方消費税の確定申告書
所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続
所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
納税の猶予の申請
納税証明書の交付請求手続
国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請(電子データ保存の申請)

 

なお、確定申告等作成コーナーからも、物品税・地方消費税の確定申告や所得税の更正の請求書を提出することができます

 

 

 

3.e-TAXによる確定申告の事前準備


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

環境を整える

e-Taxソフト/e-Taxソフト(web版)については、ハードウェア・オペレーティングシステム(OS)・WWWブラウザの面で、以下の環境が推奨されています。

 

OS:Microsoft Windows 10/Microsoft Windows 11


ブラウザ:Microsoft Edge(Chromium)又はGoogle Chrome


PDF閲覧:Adobe Acrobat Reader DC

 

Macintoshをご利用の方はe-Taxソフト(web版)の利用が推奨されています。

 

mac OS 10.15(Catalina)/Safari 15.6


mac OS 11.0(Big Sur)・mac OS 12.0(Monterey)/Safari 15.6・Safari 16.0・Safari 16.1


mac OS 13.0(Ventura)/Safari 16.0・Safari 16.1


PDF閲覧:Adobe Acrobat Reader DC

 

スマートフォン・タブレットの推奨環境は以下の通りです。

 

Android 10.0~13.0/Google Chrome


iOS 14.8・iOS 15.7・iOS 16.0/iOS Safari又はiPadOS Safari

 

 

電子証明書を取得する

e-Taxを利用するためには、データを作成したのが誰なのか、そして、送信データが改ざんされていないことを確認するための「電子証明書」が必要です。

電子証明書としては、主にマイナンバーカードが利用されています。

 

すでにマイナンバーカードをお持ちの方は事前に準備する必要はありませんが、これからマイナンバーカードを取得される方は、取得に時間がかかりますので、早めの準備をおすすめします。

もちろん、マイナンバーカードのほかにもe-Taxで利用できる電子証明書があります。

 

それぞれ発行元や取得方法、費用が異なりますので、事前に発行元のホームページで確認しましょう。

 

 

利用者識別番号を取得する

利用者識別番号とは、e-Taxを利用する際に、個人ごとに割り当てられる16桁の番号のことです。

利用者識別番号の取得方法は、大きく分けて、オンラインと書面提出の2種類があります。

 

書類提出による利用者識別番号の取得は、国税庁のホームページから必要な用紙をダウンロードし、必要事項を記入の上、管轄の税務署に郵送または持参します。

オンラインで申請する場合は、e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーにアクセスし、必要事項を記入の上、提出する必要があります。

 

 

電子証明書を読み取る

e-Taxをマイナンバー方式を利用する際に必要です。

マイナンバーカードを読み取るICカードリーダーは家電量販店などで購入できますが、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンで対応可能です。

 

現在お使いのスマートフォンがマイナンバーカードの読み取りに対応している場合は、ICカードリーダーを新たに購入する必要はありません。

 

 

 

4.e-Taxで確定申告をするメリット


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

e-Taxで確定申告をすると、さまざまなメリットがあります。

 

自宅に居ながらにして申告ができる

まず、自宅に居ながらにして確定申告ができることが挙げられます。

e-Taxでは、税務署・郵便局などに出向く必要がありません。

 

 

期限内に申告書の修正ができる

確定申告をした後に間違いが見つかるケースもありますが、e-Taxでは、確定申告期限内(通常3月15日まで)に新たに確定申告書を送信を行うことで、訂正を行うことができます。

これは、期限内に確定申告書を再提出した場合、前のデータが新たに提出された確定申告書で上書きされるからです。

 

そのため、改めて訂正を報告する必要はありません。

 

 

手続きがスピーディー

税務署での手続や郵送での提出の還付申告の場合、還付金が入金されるまでの目安は提出から1ヶ月~1ヶ月半です。

e-Taxの場合はこれより少し早く、通常3週間程度です。

 

 

添付書類を省略できる

e-Tax以外では添付が必要な書類も、e-Taxでは省略できる文書があります。

主な例は以下の通りです。

 

雑損控除の証明書
医療費通知(医療費のお知らせ)
セルフメディケーション税制に係る一定の取組を行ったことを明らかにする書類
社会保険料控除の証明書
生命保険料控除の証明書
寄附金控除の証明書 など

 

 

確定申告ソフトのデータを利用できる

e-Taxソフトでは、確定申告ソフトで作成したデータを取り込むことで確定申告を行うことができます。

e-Taxに対応した確定申告ソフトがあれば、e-Tax用にデータを一から入力する必要がありません。

 

 

 

5.e-Taxのデメリット


e-TAX(イータックス)関連画像
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e-Taxを利用する上でデメリットは事前準備が必要なことです。

パソコンなどの端末とインターネット環境、利用者識別番号、マイナンバーカードが必要であり、環境が整っていないとe-Taxを利用することができません。

 

環境が整えば、翌年からの確定申告も簡単に始められますが、状況によっては準備に手間がかかる場合もありえます。

 

 

 

 

6.スマートフォンからe-Taxを使って確定申告をする方法


e-TAX(イータックス)関連画像
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2018年からはスマートフォンやタブレットで電子申告(e-Tax)が可能になり、2023年申告分からは「確定申告書等作成コーナー」で青色申告決算書または収支内訳書を作成することを条件に、事業所得や不動産所得もスマートフォンで電子申告が可能になりました。

スマートフォンからe-Taxを利用するには、まずスマートフォンに「マイナポータル」アプリをダウンロードし、利用登録を行ってください。

 

利用登録にはマイナンバーカードが必要なので、そちらも用意しておくとよいでしょう。

マイナポータルとe-Taxを連携させることで、マイナポータルで必要な書類データを一括で取得し、該当する項目を確定申告書に自動入力することができます。

 

2023年提出の確定申告書からは、自動入力の範囲が拡大され、医療費情報(1年分)や国民年金保険料の控除証明もマイナポータルから取得することができるようになりました。

マイナポータルは、データ通信が正常に行われていれば、公衆無線LAN(Wi-Fi)環境でも利用することが可能です。

 

 

 

7.パソコンからe-Taxを使って確定申告する方法


e-TAX(イータックス)関連画像
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確定申告ソフトを使用して、申告書を作成・提出

確定申告ソフトを利用することで、必要な書類データを作成し、e-Taxでの申告を完了させることができます。

]確定申告自体は国税庁が提供する確定申告書等作成コーナーを利用することもできますが、会計帳簿を簡単に作成できるのが大きなポイントです。

 

 

確定申告ソフトを使いデータを出力しe-Taxでの編集・提出

確定申告ソフトで出力した会計データは、e-Taxソフトで編集して提出可能です。

ただし、会計ソフトが確定申告ソフトやe-Taxに対応している場合は、確定申告書類を作成する機能も持っているので、より操作が複雑なe-Taxで修正するメリットは特になく、作業などの入力に時間がかかるというデメリットがあります。

 

 

e-Taxで申告書を作成・提出

e-Taxソフトでも作成したデータを使ってe-Taxで申告を完了させることもできます。

ただし、操作が若干複雑になるほか、OSやブラウザなどパソコンの使用環境によっては、正常に動作しない場合があります。

 

また、Mac OSをお使いの場合は、e-Taxソフト(WEB版)のみ使用可能であり、e-Taxソフトをダウンロードしてのご利用はできません。

 

 

確定申告書等作成コーナーでデータを作成し、e-Taxで提出

e-Taxのほか、国税庁のホームページには「確定申告書等作成コーナー」があります。

そこで作成されたデータを使って、e-Taxで確定申告をすることができます。

 

確定申告書等作成コーナーでは、画面の指示に従って金額などを入力し、確定申告書や決算書を作成することができます。

ただし、確定申告の内容によっては作成できない書類もありますので、ご注意ください。

 

 

 

8.確定申告に必要な書類


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

確定申告の際に必要となる書類について説明します。

どのような書類が必要で、どのように準備すればよいかを確認することができます。

 

個人事業主や会社員など個々の立場や状況によって、必要な書類は異なります。状況に応じて必要な書類を用意しましょう。

 

本人確認書類

確定申告者が本人であることを証明するために、本人確認書類が必要です。

本人確認書類はマイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票、運転免許証のいずれかを使用することができます。

 

本人確認には、記載されたマイナンバーが正しいかどうかを確認する番号確認と、申告者がマイナンバーの正しい持ち主であることを確認する身元確認が必要です。

マイナンバーの場合は、マイナンバーカードの表面と裏面のコピーを確定申告書に添付する必要があります。

 

その他の本人確認書類を使用する場合は、番号確認と身元確認ができる書類の両方を作成し、添付する必要があります。

 

 

銀行口座情報がわかる書類

確定申告により税金の還付を受ける場合、銀行口座に関する情報も必要です。

源泉徴収された税額が確定した所得税額よりも高い場合、つまり税金を払いすぎている場合に還付を受けることができます。

 

また、確定した所得税額が予定納税額より少ない場合にも、払い戻しが可能です。

税金の還付を受けるには、預貯金口座への振り込む方法と、最寄りのゆうちょ銀行の店舗や郵便局で受け取る方法の2種類があります。

 

預貯金口座への振込みは、銀行へ受け取りに行く手間が省けるので便利です。

銀行振込で受け取る場合は、確定申告書の「還付される税金の受取場所」欄に、振込先の金融機関名・預貯金の種類・口座番号を記入してください。

 

なお、通帳のコピーを提出する必要はございません。

確定申告書に記載する口座情報がわかるものをお手元にご用意ください。

 

 

所得を証明する書類

確定申告は、その年の所得を申告するものです。

そのため、所得の根拠となる収入金額などを記入する必要があります。

 

確定申告をする会社員の方は、給与所得の金額が記載された源泉徴収票を用意しましょう。

自営業の方が事業所得を申告する場合は、所得の内訳がわかる書類を用意しましょう。

 

 

適用される控除を証明するもの

確定申告では控除の申告も必要です。

確定申告書に記載される控除は、例えば医療費が高額な人や一定の保険料を支払っている人など、個々の納税者の事情を考慮したものです。

 

控除は、所得税額控除と税額控除の2種類です。所得控除は所得の金額を減らす控除であり、税額控除は税金そのものを減らすものである。

所得税控除は、医療費控除、寄附金控除、生命保険料控除など14種類あります。

 

一方、税額控除は、住宅ローン控除や配当控除などがあります。基礎控除は誰でも一律に受けることができます。

基礎控除以外の控除を受けるには、その控除が自分に適用されることを証明する書類が必要です。

 

 

 

9.確定申告後の処理


e-TAX(イータックス)関連画像
e-TAX(イータックス)関連画像

PCやスマートフォンから確定申告を完了すると、e-Taxから受信通知や還付金の処理状況を確認することができます。

納税が必要な方は、e-Taxのメッセージボックスから納税手続きにアクセスできるので、スマートフォンやPCだけで確定申告の完了と納税が可能です。

 

 

 

 

10.まとめ


e-Taxは、マイナンバーカードの準備やソフトのインストールが必要なため、面倒だと感じる方もいるかもしれません。

しかし、添付書類の省略や外部データの取り込みが可能なため、使い方や手順に慣れれば、毎年の確定申告を簡単に行うことができます。

 

近年はスマートフォンやタブレットからもe-Taxを利用して確定申告書を作成できるようになっていますが、これにはいくつかの条件が付されています。

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、申告書の作成方法を選択し、確定申告書を作成することができます。

 

これからの確定申告を楽にするために、ぜひe-Taxを利用してみてください。

 

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