2022.04.28
フリーランス(個人事業主)になると確定申告を自分で行う必要があります。
しかし、確定申告の納税方法が分からないという方も多いのではないかと思います。
確定申告の納税方法には大きく5種類あり、それぞれメリット・デメリットがあります。
本記事では確定申告の納税方法についてまとめました。
それぞれの納税方法の概要や納税の手順などについて解説しています。
くわえて、所得税以外にフリーランス(個人事業主)が支払うべき税金についてもまとめています。
本記事を読むことで、確定申告の納税方法などが分かり、税金面に関する不安をなくすことが可能です。
フリーランス(個人事業主)になったばかりで確定申告を初めて行う方は本記事を参考にしてください。
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<目次>
1.確定申告の納税方法
e-Taxを利用した電子納税方法
ネットバンキング(登録方式)
ダイレクト納付
振替納税
クレジットカード納付
コンビニ納付
税務署か銀行での窓口納付
2.納税期限に遅れた場合
3.所得税の納付期限って延長できる?
4.所得税以外にフリーランス(個人事業主)が支払う税金
住民税
消費税
個人事業税
固定資産税
5.まとめ
確定申告を行う場合、自分の所得を税務署に申告する必要があります。
その後、確定した所得税を税務署に納めないといけません。
確定申告の納税方法は大きく5種類に分けられます。
・e-Taxを利用した電子納税方法(ネットバンキング or ダイレクト納付)
・振替納税
・クレジットカード納付
・コンビニ納付
・税務署か銀行での窓口納付
確定申告の納税方法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
また、人によっては特定の方法では納税できない場合もあるので注意が必要です。
1つ1つの確定申告の納税方法について詳しく解説していきます。
e-Taxとは国税電子申告・納税システムのことです。
e-Taxを使えばインターネット上で簡単に確定申告を行うことが可能なうえに、支払いも銀行口座からの引き落としになります。
税務署や銀行に行かなくて良いですし、書類の印刷なども必要ありません。
ただし、初回のみe-Tax利用の手続きが必要になります。
e-Taxを利用する場合、税務署の窓口か公式Webサイトから開始手続きを行う必要があります。
開始手続きを行うことで得られるe-Taxアカウントによって、確定申告処理を行います。
e-Taxを利用した電子納税には次の2種類があります。
・ネットバンキング(登録方式)
・ダイレクト納付
ネット銀行を使う方法と通常の銀行を使う方法とに分かれます。
この2種類はやり方やメリット・デメリットなどが異なるため個別に解説します。
なお、ネットバンキング(登録方式)を本記事では解説していますが、入力方式もあります。
登録方式とは「申告書データ」や「納付情報データ」を送信した後又は処分通知書等を受信した後に、送信又は受信した納付情報等に対応する納付区分番号を使用して電子納税を行う方式です。
つまりe-Taxで確定申告や納付情報登録を行った後、ネットバンキング口座から引き落としで納税できます。
登録方式又は入力方式による電子納税が利用可能な金融機関は、Pay-easy(ペイジー)に対応した金融機関です。
【メリット/デメリット】
ネットバンキングのメリットはパソコンやスマホから自宅でいつでも納付できる点です。
デメリットはパスワードの管理が必要な点や領収証が発行されない点です。
e-Taxのアカウントの他にネットバンキングのアカウントも必要になります。
ネットバンキングを確定申告以外で使わない場合でも、パスワードはしっかり保管しておく必要があります。
【事前準備(必要書類など)】
e-Taxの利用開始手続きやネットバンキングの口座開設が必要です。
【納税手順(方法)】
1.e-Tax経由で確定申告書を提出する
2.納付区分番号を取得する
3.ネットバンキングから納付依頼を行う
4.引き落とし(自動)
e-Taxの使い方および納税手順の詳細はe-Taxソフト操作マニュアルをご覧ください。
【おすすめの方】
e-Taxの利用ができ、かつネットバンキングの口座を持っている方におすすめです。
ダイレクト納付とは、事前に税務署へ届出等を提出することによりe-Taxで確定申告や納付情報登録を行った後、銀行や信用金庫などの銀行口座から引き落としで納税できる方法です。
ダイレクト納付はe-Tax上で行いますが、書面(窓口・郵送)で確定申告した方も利用できます。
ネットバンキングの口座を持っていない方はダイレクト納付を行うのが良いです。
【メリット/デメリット】
ダイレクト納付のメリットは手数料がかからない点や自宅で納付手続きを済ませられる点です。
デメリットはダイレクト納付を止める場合、「国税ダイレクト方式電子納税解約届出書」の提出が必要な点や領収証が発行されない点です。
【事前準備(必要書類など)】
e-Taxの利用開始手続きが必要です。
また、納税する約1ヵ月前までに「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を所轄の税務署へ提出する必要があります。
【納税手順(方法)】
1.e-Tax経由で確定申告書を提出もしくは納付情報登録を行う
2.e-Taxから「ダイレクト納付の利用」を選択、および振替日を指定する
3.引き落とし(自動)
e-Taxの使い方および詳しい納税手順に関してはe-Taxソフト操作マニュアルをごらんください。
【おすすめの方】
e-Taxの利用が可能だがネットバンキングの口座を持っていない方や自宅で納付手続きを済ませたい方におすすめです。
振替納税とは、e-Taxを使わない場合でも銀行口座から自動引き落とししてくれる納税制度のことです。
最初に銀行口座を登録しておけば、翌年以降は手続きをしなくても引き落としされます。
e-Taxを使わないで自動引き落としが利用できる、唯一の方法です。
【メリット/デメリット】
振替納税のメリットは手数料がかからない点や最初に対応を行えば翌年以降も継続的に引き落とせる点です。
デメリットは事前に振替依頼書の提出が必要な点や引っ越しなど納税地が変更になった際も書類を提出する可能性がある点です。
また、期限までにしっかり確定申告を済ませないと振替納税は利用できません。
遅れる場合は別の方法で納付する必要があります。
【事前準備(必要書類など)】
納期限までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」(以降振替依頼書)を税務署か金融機関に提出する必要があります。
税務署に直接確定申告書類を提出するなら、「振替依頼書」も同時に提出するのがスムーズです。
引っ越し等により、納税地を所轄する税務署が変わった場合、変更後の税務署へ新たに振替依頼書を提出しましょう。
なお「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」に継続して振替納税を行う旨を記載し、変更前の税務署に提出した場合、新たな振替依頼書の提出は不要です。
【納税手順(方法)】
1.期限前に確定申告書類の作成・提出
2.振替日を国税庁のWebサイトで確認する
3.引き落とし(自動)
詳細な納税手順は国税庁のWebサイトをご覧ください。
【おすすめの方】
e-Taxは利用していないが、自動で引き落とししてもらいたい方や納税の手間を省きたい方におすすめです。
クレジットカード納付とは、国税クレジットカードお支払いサイトから納付する方法です。
クレジットカードを持っている方なら誰でも利用できます。
当然納付によってクレジットカードのポイントは貯まります。
【メリット/デメリット】
クレジットカード納付のメリットは自宅から24時間いつでも可能な点や分割払いやリボ払いも選択できる点です。
くわえて、クレジットカードで納付すれば経費管理が楽になるメリットもあります。
デメリットは自動引き落としではないため、毎年納付処理を行う必要がある点や納付額に応じて手数料が発生する点です。
また、自分のクレジットカードの決済可能額以下の金額しか納税できない点もデメリットでしょう。
【事前準備(必要書類など)】
クレジットカードの発行が必要です。
【納税手順(方法)】
1.確定申告書類の作成・提出を済ませる
2.「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスする
3.納付手続きを行う
詳細な納税手順は国税庁のWebサイトをご覧ください。
【おすすめの方】
納税額が少額の方やクレジットカードのポイントを貯めたい方におすすめです。
コンビニ納付とは、ローソンやファミリーマート、ミニストップのコンビニから納付する方法です。
納付の際にはコンビニにQRコードの画像もしくは印刷されたQRコードを持ち込み納税します。
どこにいてもある程度の距離にコンビニがあるので、利便性が高い納付方法です。
【メリット/デメリット】
コンビニ納付のメリットはe-Taxが利用できなかったりクレジットカードを持っていなかったりする方でも気軽に利用できる点です。
デメリットは納付額が30万円以上の場合利用できない点や領収証が発行されない点です。
また、コンビニでの支払いには現金のみでクレジットカードや電子マネーが使えません。
【事前準備(必要書類など)】
QRコードの作成が必要です。QRコード作成方法は2つ選択できます。
確定申告書等作成コーナーで所得税など(消費税、贈与税)の申告書を作成する際、合わせてQRコードを作成する方法か、コンビニ納付用QRコード作成専用画面でQRコードを作成する方法です。
【納税手順(方法)】
1.確定申告書類の作成・提出を済ませる
2.確定申告書作成コーナーもしくはQRコード作成専用画面からQRコードを取得する
3.コンビニのキオスク端末を使いQRコードから納付書を出力する
4.コンビニで納付を行う
詳細な納税手順は国税庁のWebサイトをご覧ください。
【おすすめの方】
多忙な方でかつ納付額が30万円以下の方やクレジットカードがない方におすすめです。
最後に、税務署か金融機関の窓口から直接納付する方法です。
税務署で確定申告書を提出した後、窓口から納付書がもらえます。
納付書に金額などを書き込んで納付を行います。
【メリット/デメリット】
税務署か銀行での窓口納付のメリットは手数料がかからない点です。
また、事前準備も特に必要ないため、確定申告が初めての方にもおすすめできます。
デメリットは税務署や金融機関に直接出向く必要がある点です。
確定申告に慣れたら他の方法で納付する方が効率的です。
【事前準備(必要書類など)】
事前準備は特に必要ありません。
【納税手順(方法)】
1.確定申告書類の作成・提出を済ませる
2.税務署で納付書を入手する
3.税務署または金融機関の窓口から納付する
詳細な手順は国税庁のWebサイトを確認するか、所轄の税務署に問い合わせてください。
【おすすめの方】
確定申告が初めての場合などで、納付方法がよく分からない方や確定申告の提出と納付を同時に行いたい方におすすめです。
確定申告の納税期限は基本的に3月15日までとなっています。
ただ、お金が用意できないなどして、納税期限に間に合わない方もいるでしょう。
納税期限に遅れた場合、素早く納税を行いましょう。
ただし本税と延滞税を併せて納付する必要があります。
納税期限に間に合わないと判明した場合、速やかに税務署に相談しましょう。
相談した場合、納税期限を延長できる方法(後述します)もありますが、行動せず納税期限に遅れると期限後納付とみなされてしまい附帯税(延滞税や無申告加算税、重加算税など)が課せられます。
確定申告の納税が間に合わない場合、納付期限を延長することが可能です。
納付期限の延長には「猶予」と「延納」と2つの方式があります。
「猶予」は国税の猶予制度のことであり期限内の納税が難しい場合、申請により税務署長の許可を受けて、期限後に(必要に応じ分割して)納税できる制度を指します。
つまり、所得税の支払いスケジュールを税務署で相談して決める方式です。
新型コロナウイルスの影響により資金繰りの目処が立っていないなどお金をいつまでに用意できるか見通しが立っていない場合に利用します。
猶予制度を受けるには、一定の要件を満たす必要がありますが、猶予期間中(原則1年間)は、延滞税(年8.7%の割合が年0.9%へ)が軽減されます。
また、個別の事情がある場合延滞税なしで納税の猶予が認められることがあります。
国税の猶予制度の詳細はこちらからご覧ください。
「延納」は納税期限から2ヶ月半以内に所得税を全額支払うと決める方式です。
納税期限までに所得税の1/2以上を納付し、残りを2ヶ月半以内に納付する必要があります。
たとえば、3月15日に半分支払い、5月31日までに残り+延滞税分を支払う、などです。
「延納」したい場合、確定申告書にその旨を追記する必要があります。
確定申告書には「申告期限までに納付する金額」と「延納届出額」の欄を記入することで、税務署に延納を認められます。
記入を忘れると、延納にはならず期限後納付とみなされるので注意しましょう。
記入方法が分からない場合、税務署に相談するのが良いです。
なお、延納期間中は延滞税である年「7.3%」と「利子税特例基準割合」のいずれか低い割合で利子税がかかります。
所得税以外にもフリーランス(個人事業主)が支払うべき税金はあります。
フリーランス(個人事業主)が支払う税金は次の4つです。
・住民税
・消費税
・個人事業税
・固定資産税
これらの税金は支払い方法や期間、金額の計算方法などが異なります。
どういった税金がありどの程度支払うのか把握していないと、お金が用意できなくなってしまう可能性もあります。
1つ1つのフリーランス(個人事業主)が支払う税金について詳しく解説していきます。
住民税はフリーランス(個人事業主)に限らず国民全員が納めるべき税金です。
ただし、フリーランス(個人事業主)の場合自分で納付を行う必要があります。
毎年5〜6月ごろに市町村から納付書が届くため、納付書の内容に従って住民税を納めます。
クレジットカード支払いや口座振替を選択することも可能です。
住民税は所得割と均等割の2種類で構成されるのが基本です。
所得割は課税所得の10%であり、均等割は5,000~6,000円程度となっています。
住民税についてより詳しく知りたい方はこちらよりご覧ください。
フリーランス(個人事業主)は顧客から報酬と同時に消費税を受け取っています。
消費税は受け取った側が税務署に支払う必要があります。
フリーランス(個人事業主)の中には消費税を支払ったことがない人も多くいます。
なぜなら消費税は前々年の課税売上が1,000万円を超えない場合、支払いを免除されるためです。
またフリーランス(個人事業主)になってから最初の2年も支払う必要がないです。
ただし、2023年10月から始まるインボイス制度によって、適格請求書を発行するという選択を取る場合、課税売上が1,000万円未満でも消費税を納める必要があります。
消費税についてより詳しく知りたい方はこちらよりご覧ください。
個人事業税はフリーランス(個人事業主)が事業を行うことに対する税金です。
課税所得が290万円を超えた場合のみ支払う義務が発生します。
290万円を超えた部分に対して3〜5%の税金がかかります。
業種によって税率は変動するので注意が必要です。
また、業種によっては個人事業税の支払いが必要ない場合もあります。
たとえば、プログラマーは納付対象外ですが、仕事内容によって請負業と判断されれば、納付対象となってしまう可能性もあります。
自分の業種が納付対象になっているかは、各都道府県の主税局のWebサイトなどから確認できます。
納付対象なのか分からない場合は、税務署に問い合わせるのが良いでしょう。
個人事業税についてより詳しく知りたい方や対象業種を知りたい方はこちらよりご覧ください。
固定資産税は土地や持ち家などの固定資産に対してかかる税金です。
フリーランス(個人事業主)の場合でも持ち家などの固定資産を保有している場合、固定資産税を支払う対象となります。
固定資産税は市区町村から納付書が届き、納付書に支払って納めるのが基本です。
納付時期は自治体によって異なるため、各自治体のWebサイトから調べましょう。
固定資産税の納付額は固定資産の評価額に税率をかけて求めます。
また、原則3年ごとに納付額の見直しが行われます。
本記事ではフリーランス(個人事業主)が知っておくべき確定申告の納税方法について解説しました。
それぞれの納税方法の特徴や支払い手順などがお分かりいただけたかと思います。
確定申告の納税方法にはさまざまなものがあります。
多くの人の場合、もっとも効率的な納税方法はe-Taxを使う方法です。
ただ、e-Taxの使用が難しい場合は、クレジットカードやコンビニなど他の納付方法も検討しましょう。
また、フリーランス(個人事業主)が支払うべき税金は所得税だけではありません。
他の税金もおおよそいくら支払うのか把握しておくことが肝心です。
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