公開日:2023.08.09
更新日:2025.03.24
シングルページアプリケーション(SPA)とは、Web開発におけるアプリケーション構成の手法であり、スクリプトによってサーバー間の通信が行える仕組みのことです。
ユーザーが入力もしくは操作することでスクリプト側で読み込まれ、サーバー側との通信が行われて「データの取得」「入力後の伝送」「表示内容の更新」などが内部処理されます。
シングルページアプリケーション(SPA)により、Webページ上にある必要な箇所のみを更新するため、インターネット速度の最適化を図ることができるでしょう。
本記事では、シングルページアプリケーション(SPA)の仕組みやメリット・デメリット、導入する際の具体的な手順などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
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<目次>
1.シングルページアプリケーション(SPA)とは
2.シングルページアプリケーション(SPA)のメリット
Webページ遷移の高速化が図れる
幅広いユーザー体験(UX)が実現可能
ネイティブアプリの代用として用いることができる
3.シングルページアプリケーション(SPA)のデメリット
開発者の慢性的な不足
実装コストが膨大になりやすい
初期ローディングが遅く所要時間がかかる
クローリングの対象外のためSEOで不利になる
4.シングルページアプリケーション(SPA)のユースケース
頻繁にページ遷移するコンテンツ
ユーザーの滞在時間が長いコンテンツ
5.シングルページアプリケーション(SPA)の導入方法
React
Angular
Vue.js
6.まとめ
シングルページアプリケーション(SPA)とは、Webアプリケーションの構成法の1つです。
原則、Webブラウザ側ではページの移動は実施せず、最初に読み込んだページのスクリプトがサーバーとの画面遷移や通信を実施する方式のことを指します。
例えば、頻繁にページ遷移するコンテンツやユーザーの滞在時間が長いコンテンツで有用性がみられるでしょう。
一般的にWeb技術でアプリケーションを構築する際は、利用するユーザーの操作や入力をページ読み込みとして伝達します。
そして、操作結果を反映したWebページをブラウザが読み込むことを繰り返します。
しかし、シングルページアプリケーション(SPA)ではまずスクリプトをブラウザ側に読み込み、利用するユーザーの入力や操作が行われるとスクリプトの内部的な処理でサーバー側との通信が実施されて、応答の取得・入力の送信・表示内容の更新が行われます。
シングルページアプリケーション(SPA)の概要について理解したところで、次にシングルページアプリケーション(SPA)のメリットについて解説していきます。内容について、下記にまとめました。
・Webページ遷移の高速化が図れる
・幅広いユーザー体験(UX)が実現可能
・ネイティブアプリの代用が可能
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
Webページの運用において、動作性は重要です。シングルページアプリケーション(SPA)によって、遷移する際の高速化が図れます。
ページの表示速度が1秒遅れることにより、コンバージョンが数%低下するデータもあります。
また、表示速度が遅くなることが原因でSEO対策の観点含め、検索エンジンからの評価が落ちる場合があるため注意しましょう。
しかし、評価を落とさないためにSPAの実装することによって動作速度を速めることも可能です。
従来のWebページは、操作をする度にページ全体が読み込まれます。
そこにシングルページアプリケーション(SPA)を実装することで、操作時に必要な部分だけが読み込まれます。
通信量が大幅にカットできるため、動作速度と同時に動作性も向上するでしょう。
シングルページアプリケーション(SPA)によって操作箇所だけを読み込むことができるため、幅広いユーザー体験(UX)が可能です。
例えば、音楽を流しているページの一部を更新すると仮定します。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装していないWebページの場合、一部だけ操作してもページ全体が再読み込みされるため、音楽が停止してしまいます。
しかし、シングルページアプリケーション(SPA)を実装している場合は操作した箇所のみが読み込まれるため、音楽が止まることなく一部を更新可能です。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装することにより、ネイティブアプリの代用として利用することが可能です。
インストールして端末上で操作を行うネイティブアプリにも引けを取らないといっても過言ではありません。
ネイティブアプリをリリースする際には、開発後もPlayストア・AppleStoreの審査などがあるため、かなり手間がかかってしまいます。
シングルページアプリケーション(SPA)は、スマホアプリ特有の機能を実装可能なため、ネイティブアプリの代わりとしてSPAのWebアプリを活用できます。
シングルページアプリケーション(SPA)はメリットばかりではありません。
なかには、デメリットもありますので留意しておく必要があります。
ここでは、シングルページアプリケーション(SPA)のデメリットについてまとめました。
・開発者の慢性的な不足
・実装コストが膨大になりやすい
・初期ローディングが遅く所要時間がかかる
・クローリングの対象外のためSEOで不利になる
それぞれのデメリットについて、詳しくみていきましょう。
シングルページアプリケーション(SPA)には、まず開発者の慢性的な不足があります。
シングルページアプリケーション(SPA)のプログラマーは、通常のWebページの開発者に比べるとかなり少数なため、人的リソースの確保が困難といえるでしょう。
シングルページアプリケーション(SPA)の開発には、Javascript・Webページの開発・その周辺技術に関する知識などが必要です。
また、フレームワークやライブラリの使用してシングルページアプリケーション(SPA)の開発を行うことから、それらの知識も習得しなければなりません。
さらに開発後のメンテナンスを考慮した上で構築・設計を進める技量も必要なことも開発者の慢性的な不足の原因の1つといえるでしょう。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装する場合、従来ブラウザが担っていた機能を実装しなければならないため、通常のWebページ以上の開発コストが必要となります。
そのため、実装コストが膨大になりやすいのが現状です。
例えば、履歴管理・ローディング(読み込み)画面の表示・ブラウザの機能などが挙げられます。
これはUIの細かい部分ですが、開発を必要以上に省力化すると利便性が悪化します。
その場合、よいユーザー体験を提供できなくなる可能性が生じてしまう恐れがあるため注意しましょう。
できる限りアプリに合わせて開発を進めることが重要です。
通常のWebページと比較すると、SEOの面では不利でしょう。
SEOの部分も補いたい場合は、サーバーサイドレンダリング(SSR)と呼ばれる技術での対策が必要となります。
サーバーサイドレンダリング(SSR)の導入にはサーバーサイドの開発が必要なことと、対応可能なライブラリも限定されてしまうため、さらに必要以上の開発コストがかかります。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装する場合は、所要時間がかかります。
しかしCDN(Contents Delivery Network)の発達によって弱点が保管されはじめています。
現状では、サーバーサイドレンダリング(SSR)を用いることで、初期ローディングは高速化を図れます。
ただし、その分の実装コストがかかるため、その点については留意しておきましょう。
シングルページアプリケーション(SPA)では特定の表示状態に対して、それぞれ固定のURLとしてアクセスすることは不可能です。
理由は、1つのURL/URIによって提供されるためです。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装した場合は、Javascriptでデータを取得してページをHTMLで構築するため、クローリングの対象外となることが大半です。
SEOで不利になりやすいため、注意しましょう。
シングルページアプリケーション(SPA)のメリットやデメリットを理解したうえで、実際のユースケースについて知りたい方もいるのではないでしょうか。
シングルページアプリケーション(SPA)の一般的なユースケースについて、下記にまとめました。
・頻繁にページ遷移するコンテンツ
・ユーザーの滞在時間が長いコンテンツ
それぞれのユースケースを具体的にみていきましょう。
シングルページアプリケーション(SPA)は読み込みを高速化することが可能なため、頻繁にページ遷移するコンテンツの場合は、導入するべきでしょう。
例としては、映画館のチケット予約ページなどが挙げられます。
映画館のチケットを予約する場合、一般的には「鑑賞する映画を選ぶ→時間を選ぶ→座席を選ぶ」のように頻繁に操作することになります。
読み込みに時間がかかる場合、ユーザーにとっては不便に感じてしまい、離脱の原因となるでしょう。
シングルページアプリケーション(SPA)を実装することでページ遷移の高速化が可能なため、よりよいユーザー体験を提供することが可能です。
シングルページアプリケーション(SPA)は頻繁にコンテンツの操作を行う、ユーザーの滞在時間が長いコンテンツに適しているといってよいでしょう。
例としては、情報が頻繁に更新されるデジタルマーケティングツールなどが挙げられます。
シングルページアプリケーション(SPA)は、操作ごとの読み込みを高速化することができるため、更新ごとに読み込みを待つ必要がありません。
SPAを実装した代表的なツールは、Slackです。
メッセージが送信されるたびにメッセージの表示に必要な一部が読み込まれます。
シングルページアプリケーション(SPA)の導入方法について、詳しく知りたい方もいることでしょう。
ここでは、シングルページアプリケーション(SPA)の導入におけるおすすめのライブラリ・フレームワークを紹介しています。
・React
・Angular
・Vue.js
それでは、詳しくみていきましょう。
Reactは、シングルページアプリケーション(SPA)で用いられるFacebookによって開発されたライブラリです。
もともとフレームワークではありませんでしたが、フレームワークのように活用可能なため、3大フレームワークに数えられています。
ユーザーにとって最適なSPAを作成が可能で、UIの機能追加や管理に特化しています。
Google中心のコミュニティーによって開発されたJavaScriptフレームワークのAngularは、開発スピードが速く、法人向けの大規模開発に適しているといわれています。
Angularも、シングルページアプリケーション(SPA)の開発で用いられるメインフレームワークの1つです。
Vue.jsはシンプルに設計されたフレームワークであり、拡張性の高さが魅力といえます。
中規模以上の開発を想定しているフレームワークもあるなかで、Vue.jsは大小さまざまな規模に対応・既存プロジェクトの一部に適用することも可能です。
学習コストの低さと使い勝手のよさでは群を抜いているため、シングルページアプリケーション(SPA)開発に最もおすすめなフレームワークといえるでしょう。
今回は、シングルページアプリケーション(SPA)の仕組みやメリット・デメリット、導入する際の具体的な手順などについて解説してきました。
シングルページアプリケーション(SPA)を導入すれば、基本的には操作時に必要な部分だけが読み込まれるため、通信量が大幅にカットできWebページの遷移の高速化が図れるでしょう。
しかし、その一方で運用管理に際し膨大なコストがかかりやすく、クローキングの対象外のためSEOにも不利なところは懸念が残ります。
シングルページアプリケーション(SPA)を導入する際は、コストパフォーマンスのバランスをみながら検討することが重要です。
また、シングルページアプリケーション(SPA)の環境に合わせたフレームワークで開発し導入するのもよいでしょう。
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