2023.09.26
Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークのひとつです。
ユーザーがわかりやすいUI構築を目的として設計されており、処理が高速でプラグインが豊富なためJavaScriptのフレームワークの中でも人気があります。
今回は、Vue.jsの特徴や基本的な機能、実現できること、Vue.jsを使うメリット・デメリットなどについて解説します。
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<目次>
1.Vue.jsとは?
Vue.jsはJavaScriptのフレームワーク
2.Vue.jsの特徴・基本的な機能
ユーザーの入力に対して瞬時に反応する
プログラムを部品化してアプリケーションを構築する
ブラウザへの負担を抑え、素早い読み込みを可能にする
プラグインで機能を拡張する
自動的にデータを同期する
3.Vue.jsができること9選
①カーソルを使った線の描写
②図やグラフの作成
③チャットアプリの作成
④SPA(シングルページアプリケーション)の作成
⑤バーチャルトレーディングカードの作成
⑥検索機能の実装
⑦ソート機能の実装
⑧レトロなUIの作成
⑨メールアプリの開発
4.Vue.jsのメリット
ユーザーが使いやすいページ・アプリを制作できる
サーバーとの通信量を抑えられる
習得難易度が比較的低い
5.Vue.jsでできないこと・デメリットとは?
大規模な開発には向いていない
ネイティブアプリの発展が遅れを取っている
6.Vue.jsとその他フレームワーク・ライブラリのできることを比較!
7.Vue.jsの導入事例
DMM
My Nintendo(任天堂)
Trivago(トリバゴ)
8.Vue.jsエンジニアの需要・将来性
9.Vue.jsを学習する方法
学習サイトを活用する
公式ツール・公式ライブラリを活用する
プログラミングスクールを活用する
本や動画で学ぶ
簡単なアプリを作ってみる
10.まとめ
まずは、Vue.jsとは何か説明します。
Vue.jsはJavaScriptのフレームワークのひとつです。
フレームワークとは、開発を行うために必要なものが用意された枠組みのことです。
開発に必要な機能がテンプレートとして用意されているので、フレームワークを利用すれば開発作業を正確に行えます。
JavaScriptにはいくつものフレームワークが存在しますが、なかでもVue.jsは処理が高速で豊富なプラグインが使えるなどメリットが多いです。
特に、単一ページのWebサイト開発が得意です。
Vue.jsの特徴や基本的な機能についてご説明しましょう。
Webサイトやアプリケーションを使う際に、文字などを入力したらその情報がすぐに画面に表示されることがあると思います。
このような機能は「リアクティブ機能」と呼ばれており、Vue.jsで実装できます。
入力した内容が瞬時に画面に表示されれば、ユーザーは自分が今何を入力したかをすぐに確認でき、これによってストレスのない作業が叶うでしょう。
Vue.jsのリアクティブ機能を使えば、ユーザーが使いやすくわかりやすいサイト・アプリケーションを開発できます。
Vue.jsはコンポーネント指向のフレームワークで、開発に必要なコンポーネント(部品)を組み合わせて開発していく手法を用います。
コンポーネント同士は独立しており依存関係がないので、自由に組み合わせることが可能です。
たとえば、Webサイトのボタンや入力フォーム、チェックボックスなどを自由に組み合わせて開発できます。
これにより、開発時に過去に構築した部品の再利用がしやすくなるため、複数人のプログラマーが参加する開発もスムーズに進むでしょう。
Webサイトの画面を表示する際には、DOMと呼ばれるHTMLを構築する仕組みを利用してHTMLを解析して表示します。
HTMLの内容が変更されると、Webブラウザはその都度DOMからHTMLを読み込む必要があり、画面表示の時間がかかりがちです。
Vue.jsには、Webサイトの情報を素早く読み込むために、「仮想DOM」という機能が搭載されています。
この機能を使えば、HTMLが変更されるたびにWebブラウザが情報を読み込む必要がなくなり、より素早く画面を表示できるようになります。
Vue.jsには豊富なプラグインがあるので、機能を拡張しやすいです。代表的なプラグインとしては、以下のようなものがあります。
・vue-router
・vue-async-data
・vue-resource
プラグインが豊富だとさまざまな種類の開発をしやすくなり、開発効率の向上が期待できます。
WebサイトのHTMLを変更すると画面表示が変更されますが、その際にはDOMと呼ばれるデータも変更する必要があります。
Vue.jsにはデータバインディング機能が搭載されており、JavaScriptのデータとDOMをバインディング(紐づけ)できます。
HTMLに変更があると自動的にDOMも修正されるので、Webブラウザ上での画面変更の反映がスムーズです。
ここでは、Vue.jsで実現できることについてご紹介します。
マウスカーソルを使って線を描写する機能を実現できます。
具体的には、以下のような動きを実現可能です。
・マウスポインタの動きをトレースして線を描写する
・マウスクリックしたポイントの色を変更し、少しずつ元に戻す
Vue.jsは動的なUI構築が得意なので、図やグラフなどをアニメーションのように滑らかに描画することが可能です。
この機能を使えば、動きがあるわかりやすい図などを用いたWebサイトを構築できるでしょう。
Vue.jsは、双方向のリアルタイムなデータ更新が得意です。
そのため、リアルタイムに対話ができるチャットアプリの作成が叶います。
たとえば、ユーザー管理機能やデータベース管理機能を持つサービスとSNSの認証機能を組み合わせることで、認証機能付きチャットアプリなども作成できます。
SPAとは、一枚のページだけで動作するアプリケーションのことです。
ページを遷移しないため「負荷が小さい」「ページを維持しやすい」といった特徴があり、近年よく使われるようになりました。
ただし、SPAを構築するためにはJavaScriptで大量のコードを生成しなければなりません。
その点、Vue.jsを活用すれば、コンポーネントを組み合わせることで効率良くSPAを構築できます。
野球選手やアニメキャラクター、アイドルなどのトレーディングカードを集めたことがある人も多いでしょう。
Vue.jsを使えばバーチャルトレーディングカードを楽しめるアプリを開発できます。
カードの検索機能なども搭載できるので、目的のカードも簡単に見つかります。
画面上で便利な検索機能を実装することも可能です。
見た目が美しく洗練された検索ページを作成できるでしょう。
サーバーにアクセスすることなく、画面上でデータのソートを行う機能も実現できます。
順番通りに並んでいないデータから目的のデータを探すのは面倒ですが、ソート機能があれば探しやすいでしょう。
Vue.jsはさまざまなUIを構築できるため、一昔前のレトロな画面を再現することも可能です。
懐かしいWindows98のデスクトップを再現するなど、おもしろい機能を簡単に実現できるでしょう。
メールアプリを実装することも可能です。
送信ボタンや新規メール作成ボタンを押したときの効果の演出などもでき、使いやすく洗練されたデザインのメールアプリを開発できます。
JavaScriptのフレームワークとして、Vue.jsを採用するメリットについて説明します。
ここまで説明したとおり、Vue.jsはわかりやすいUIの開発が得意なフレームワークなので、ユーザーが使いやすいWebページやアプリを制作できます。
たとえば、Vue.jsでユーザーが入力したと同時に画面に表示される機能を実装可能です。
これにより、ユーザーは今入力した内容をすぐに確認できます。
また、マウス操作で画面を描画できる機能、画面データの読み込み量を節約して素早く画面表示できる機能などもあります。
このように、Vue.jsならユーザー目線で使いやすい機能を開発できるため、Webサイトやアプリケーションを開発する際に重宝されているのです。
Vue.jsには、サーバーとの通信量を減らせる機能が相殺されています。
これによって処理が軽くなり、素早く表示されるWebサイトやアプリケーションを開発できます。
ページの表示が速ければユーザーの満足度も高まるため、メリットは大きいと言えるでしょう。
またVue.jsは、単一ページのアプリケーションであるSPAの開発に使われることが多いです。
SPAでは、ブラウザ側のJavaScriptの制御で処理を終わらせてサーバーとのやり取りを抑え、素早く画面を表示できる仕組みを使います。
Vue.jsは、サーバーとのやり取りがなくても実現できることが多いため、SPA開発に適していると言えるでしょう。
さらに、HTMLが変更されてもDOMが同期される仮想DOMの機能により、画面データの読み込みを素早く行えます。
この機能もサーバーとの通信を抑えるために有効な仕組みです。
Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークの中でも習得難易度が比較的低いと言われています。
Vue.jsの記述は、HTMLの記述に近くシンプルでわかりやすいことから、ほかのフレームワークよりも習得しやすいのです。
そのため、ReactやAngularといったほかのフレームワークより理解しやすいでしょう。
また、Vue.jsは日本語のドキュメントも豊富にあります。
Vue.jsで開発を進めているとき、困ったことやわからないことがあってもすぐに日本語で調べられるのは嬉しいポイントです。
Vue.jsでできないことやデメリットについても説明します。
Vue.jsでできないことを実現したい場合は、ほかのフレームワークを利用する必要があります。
実現できないことやデメリットを正しく把握しておくことで、ほかに必要なフレームワークが何かわかるでしょう。
Vue.jsは単一ページのSPAの開発に適したフレームワークです。
そのため、複数のページがある複雑で規模が大きいWebサイトなどの大規模開発には向いていません。
規模が大きいWebサイトやアプリケーションを構築する際には、Reactなどのほかのフレームワークを活用しましょう。
ネイティブアプリとは、利用する端末にインストールするタイプのアプリのことです。
具体的には、iPhone向けのアプリ、Android向けのアプリなどがあります。
それぞれのOS専用アプリなので、端末の通知機能やカメラ機能などのOSが制御する機能を活用しやすいという特徴があります。
しかしVue.jsの場合、ネイティブアプリの開発分野がまだ進んでおらず、ネイティブアプリ開発用のツールやライブラリなども充実していません。
スマホのネイティブアプリを開発したいなら、別のフレームワークを活用することをおすすめします。
JavaScriptのフレームワークには、Vue.js以外にもさまざまなものがあります。
ここでは、Vue.js以外のフレームワークやライブラリとできることを比較しました。
JavaScriptのどのフレームワークを学習しようか検討している場合は、参考にしてみてください。
【Vue.jsとその他フレームワーク・ライブラリとの比較】
フレームワーク・ライブラリ名 |
できること |
Vue.js |
小規模開発、SPA開発、シンプルで素早い処理 |
React |
素早い処理、UIパーツごとの管理 |
Next.js |
サーバー機能を持つアプリケーションフレームワーク(Reactとペアで使える) |
Nuxt.js |
サーバー機能を持つアプリケーションフレームワーク(Vue.jsとペアで使える) |
Angular |
データ・画面・その他を独立させることによる共同開発、フルスタックフレームワーク |
Backbone.js |
必要最小限のフレームワーク(MVCの骨組みを提供する) |
Knockout.js |
大規模開発(運用・保守がしやすい) |
jQuery |
シンプルな記述(導入しやすい) |
実際に、Vue.jsを導入している事例について説明しましょう。
DMMの動画配信サービスのフロントエンド開発にVue.jsが採用されています。
フロントエンド開発プロジェクトの問題点として、環境やファイル管理がうまくいっていないということがあり、これを解決するために採用されたという背景があります。
ほかに採用した理由としては、以下のようなものがありました。
・学習コストが低くエンジニアがプロジェクトに参加しやすい
・デザインに合わせてコンポーネントを作りやすい
・既存システムに組み込みやすい
任天堂のロイヤリティプログラムMy NintendoのWebサイト開発に、Vue.jsが採用されています。
文字を入力する際に「必須項目が入力されていない」「正しいメールアドレスが入力されていない」などのエラーがすぐに表示される仕様になっています。
画面上ですぐに入力チェック処理が行われるため、処理が速く使いやすいWebサイトです。
世界最大級のホテル検索サイト「Trivago」でも、マガジンの部分でVue.jsが採用されています。
マガジンのトップページの下の方に、サイト内の検索ツールやメールアプリなどが配置されており、Vue.jsのメリットが活かされています。
「JavaScriptベスト・オブ・ザ・イヤー」によると、JavaScriptフロントエンドフレームワークのランキングのVue.jsの順位は以下のように変わっていっています。
2020年:1位
2021年:2位
2022年:5位(Vue.js2)
順位が徐々に下がってきてはいるものの常に上位にランキングしており、人気が高い状態が続いていることがわかります。
Vue.jsの公式サイトは日本語対応をしており、日本語の情報や教材が多く日本人が学びやすい環境が整っているので、国内でも人気が高いです。
そのため、今後もVue.jsエンジニアの需要は高い状態が続くでしょう。
ただ、JavaScriptのフレームワークは新しいものが次々と登場しているので、そちらの方も積極的に取り入れていくことをおすすめします。
ここまで説明したとおり、Vue.jsはメリットが多いフレームワークなので、JavaScriptを使ってWebサイトやアプリケーションを開発したいなら学習することをおすすめします。
では、Vue.jsの具体的な学習方法について見ていきましょう。
Vue.jsを学べる学習サイトを活用すると効率良く学べます。
学習サイトでは、わかりやすい画像付きの教材を使えるほか、ブラウザ上でコードを記述することも可能です。
たとえば、Progateなどの学習サイトを活用すれば、JavaScriptやHTML/CSSとともにVue.jsを学べます。
Vue.js公式サイトで日本語のドキュメントを閲覧できます。
公式サイトで勉強するだけでも、基本的な知識を身につけられるでしょう。
ただし、公式サイトのドキュメントはJavaScriptやHTML/CSSなどの基本的な知識があることが前提なので、ご注意ください。
プログラミングをまったくしたことがない初心者の方や、専門的な知識を本格的に学びたい方は、プログラミングスクールを活用するのが良いでしょう。
スクールなら講師に直接質問できるので、わからないこともその場で解決できます。
独学で勉強するのが不安な場合にもおすすめです。
テキストやネット上の動画などを使って独学で学ぶという方法もあります。
ただし、プログラミング経験がまったくない場合、独学はおすすめしません。
JavaScriptやHTML/CSSなどの基礎知識があり、そのうえでVue.jsを活用したいなどという場合に検討してみると良いでしょう。
基本的な知識を得るだけではなく、実際に簡単なアプリを作ってみることをおすすめします。
簡単なWebページなどを作ってみることで、文法やフレームワークの使い方、Vue.jsのメリットの活かし方などをより深く理解できるでしょう。
今回は、Vue.jsの特徴や基本的な機能、実現できること、Vue.jsを使うメリット・デメリットなどについて解説しました。
JavaScriptには多くのフレームワークがありますが、Vue.jsはその中でも処理が速く単一ページのSPA開発が得意なフレームワークです。
WebサイトやWebアプリケーションの開発を行う場合は、習得することをおすすめします。
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