公開日:2023.11.02
更新日:2025.03.24
近年では、非常に多くのエンジニア職が存在します。そしてその中でも高い需要があり、将来性も期待できる職種として挙げられるのが、今回紹介する「自動車エンジニア」です。自動車産業は国内でも重要な産業の1つであり、世界的な市場規模も大きいと言えます。
近年では自動運転の導入や環境問題への対策など多くのことが求められる分野であることから、自動車エンジニアについても大注目であると言えるでしょう。そのため今回は、自動車エンジニアの仕事内容や必要な知識・スキル、自動車エンジニアに向いている人の特徴について解説します。
特に以下の人には、この記事をご一読していただきたいです。
・自動車エンジニアの仕事内容を検索している人
・自動車エンジニアに求められるスキルや知識について知りたい人
・自動車エンジニアの将来性について知りたい人
・自動車エンジニアに向いている人の特徴について知りたい人
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<目次>
1.自動車エンジニアの仕事内容とは
企画
設計
開発・製造
試験
2.自動車エンジニアになるために必要なスキル・知識
エンジンやトランスミッションなどの機械工学の知識
CADなどを使用した設計経験
C、C++などの言語を使用したプログラミングスキル
コミュニケーションスキル
プロジェクトマネジメントスキル
3.自動車エンジニアの需要は高く、将来性はある
電気自動車 (EV) の普及
自動運転車の普及
環境対策への課題解決
グローバル市場の大きさ
4.自動車エンジニアに向いている人
車が好きであること
先端技術に興味関心があること
緻密な作業が好きであること
5.まとめ
この章では、自動車エンジニアの仕事内容についてお伝えします。
自動車エンジニアの仕事としてまず挙げられるのが、製造する自動車の企画です。
新型者をどのようなコンセプトで作るのか、どこに魅力があるのかを計画・立案します。
次の工程である設計に向けて、開発の目的や対象、方向性などの構成を練ってチームで共有することが一般的です。
ここでの企画内容が後工程の設計やデザインに大きく影響するため、非常に重要な工程だと言えるでしょう。
車の制作には多くの年月が求められます。
そのため、企画段階では常に数年~5年程度先の時代に求められる車を考案していかなくてはなりません。
電気自動車など時代のニーズをつかむことや最新の技術を活用することは、企画段階から求められる知識・ノウハウは多数あると言えるでしょう。
自動車エンジニアの仕事内容として企画の次に挙げられるのが、設計の工程です。
自動車市場のリサーチを行い、使用する部品やそのデザインを考えて設計図を作っていきます。
自動車エンジニアが行う設計は、「基本設計」と「詳細設計」の2つに分けられます。
基本設計とは、自動車にどの部品を使用するのかを決める工程です。
そして詳細設計では、完成に向けて全体の形をデザイン・設計していきます。
人間を乗せて街中を高速で走る自動車において、設計ミスは絶対に許されません。
設計ミスは、そのまま利用する人たちの命にかかわる可能性があるためです。
全体的な商品企画を元にしておおまかなデザインを考え、その後エクステリアやインテリアを始め、サスペンションやエンジンなど細かいパーツごとに部署に分かれて設計を進めます。
デザイン性や安全性を両立させた設計にするためには、高い専門性が要求されると言えるでしょう。
自動車の開発は、自動車エンジニアの仕事内容として欠かせません。
試作品を作り、テストを繰り返して自動車の開発を進めていきます。
「開発」というと、エンジニアが一人で黙々と行っているイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし実施にはチームで話し合い、協力し合って進めることが大半だと言えるでしょう。
自動車を作り上げることは大変なことではありますが、それだけにチーム一丸となって製品を完成させたときの喜びは非常に大きいといえるでしょう。
正確・安全に走行できる車両を短期間で大量に製造できるように、自動車の性能を確認しながら開発していきます。
作り出した自動車に対しては、試験を行って安全性を確認することも大切だと言えます。
テストコースやエンジンベンチを使用し、テストを行うことが一般的です。
エンジンベンチとは、エンジン単体で性能を検証できるテスト用の装置のことです。
エンジンをセットし、モーターを回転させて電流を掛けることで、エンジンに負荷がかかる環境を作り出せます。
エンジンパーツだけでなく、吸気・排気系のパーツの検証も可能です。
開発・製造と試験は、一度行って終わりという訳ではありません。
何度も繰り返して実施し、安全性に問題がないか確認することが求められます。
人の命に関わる開発であるため手を抜くことは決してできず、不具合や問題が100%解消されるまでテストと開発の繰り返しは続きます。
この章では、自動車エンジニアになるために必要なスキル・知識についてお伝えします。
自動車エンジニアに求められるスキルとしてまず挙げられるのが、エンジンやトランスミッションなど機械工学に関する知識です。
機械工学では、機械に使用される材料の加工法や性質、設計図の読み方や製図法などを学べます。
機械設計に関しては、基礎から応用までを幅広く学んでおくことがおすすめです。
また、機械工学を中心として他の工学分野に関しても広く学んでおくことが重要だと言えます。
<自動車エンジニアに求められる工学系の専門知識>
・機械工学
・自動車工学
・システム・制御工学
・電気・電子工学
・航空宇宙工学
自動車工学は、機械工学を中心として自動車の構造やデザイン、エンジンなどについて学ぶ学問です。
設計・開発から整備までを学べて、実習を受けることも可能です。
さらに、制御系やモーターに関する専門性を高めるためには電気・電子工学の学習もおすすめされます。
また、自動車と共通する技術が多い航空宇宙工学も、自動車エンジニアにとっては学ぶ意義があると言えるでしょう。
自動車エンジニアに求められるスキル・知識としては、CADなどを使用した設計経験も挙げられます。
CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)を略した言葉です。
コンピューターを駆使して設計作業を効率的にすることや、そのための支援ツールを指します。
実態としては、作図やモデリングのツールを指すことが多いでしょう。
ここでお話ししているCADについても、設計に活用できるツールのことをします。
CADを使用した設計のスキル・経験があるとアピールできれば、自動車エンジニアとしての就職にも有利に働くでしょう。
たとえば「3次元CAD利用者技術試験」と呼ばれる資格試験があり、CADを使用できることを証明可能です。
自動車エンジニアになるために、特別資格は基本的に不要です。
しかし保有することでアピールにつながる資格はあるため、参考にしてみてください。
C、C++などの言語を使用したプログラミングスキルも、自動車エンジニアとして活躍するためには重要です。
たとえば、近年では自動運転運転システムの開発が進められれています。
自動運転のためのソフトウェア開発には、C言語やC++、Java、Pythonなどのプログラミング言語を使用します。
近年ではAIやIoT活用も進んでいることから、自動車エンジニアにとってプログラミング言語を学ぶ意義は高まってきていると言えるでしょう。
上記のようなプログラミング言語に対して実務レベルの開発経験があれば、自動車エンジニアとしての活躍の幅は広がっていくと言えるでしょう。
自動車エンジニアに必要なスキルとしては、コミュニケーションスキルも欠かせません。
自動車業界は、数人から数十人のチームを組んでプロジェクトを進めることが多いためです。
また、チームメンバーだけでなく他の部門の人や海外の技術者など、やり取りをする可能性がある相手は多数考えられます。
関係者と協調し、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーションスキルは必須でしょう。
文化や考え方が異なるプロジェクトメンバーと一緒になり、一丸となって開発を進めることが求められます。
たとえば、開発では異なる部署間で進捗を報告し合い、テストと開発を繰り返して話し合うことが求められるでしょう。
さらに、海外の関係者とやりとりをするにあたっては、広い意味でのコミュニケーションスキルとして英語力も必要です。
就職するメーカーや希望する部署によっては、一定以上の英会話スキルが求められます。
海外から最新の情報を収拾するためにも、英語力は要求されると考えられるでしょう。
自動車エンジニアとしてキャリアアップしていくためには、プロジェクトマネジメントスキルも重要です。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を見通してスケジュールや予算の管理を行います。
プロジェクトマネージャーは、社内外の関係者と打ち合わせを行い、プロジェクトを成功に導かなくてはなりません。
そのため高い調整能力や交渉力なども必要とされる、難度の高い業務です。
それだけにスキル・経験共に高い経験者の自動車エンジニアが担うことが一般的であり、担当することでスキルアップ・キャリアアップにつながるでしょう。
自動車エンジニアはの需要は高く、将来性のある仕事の1つです。
この章では、自動車エンジニアの将来性が高いと言える理由についてお伝えします。
自動車エンジニアの需要が高いと言える要因の1つに、電気自動車(EV)の普及が挙げられます。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が公表している「燃料別販売台数(乗用車)」によると、EV車やHV(ハイブリッド)車、PHV(プラグインハイブリッド)車の販売台数は近年増加しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
EV車 |
19,476台 | 14,379台 | 24,154台 | 35,559台 |
HV車 |
1,031,449台 | 946,259台 | 1,033,216台 | 1,193,118台 |
PHV車 |
17,076台 | 16,775台 | 27,067台 | 39,901台 |
出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」
EV車が普及していくにつれて、自動車業界では益々技術者の確保が重要になってくるでしょう。
そのためエンジニアの需要も高まっていくと考えることが自然です。
次世代の自動車としては、EV車だけでなく自動運転車も挙げられます。
そして自動運転車にはAIの技術が欠かせません。
自動運転車が普及していけば、エンジニアの数は不足し続けるとも言われています。
そう考えると、自動車エンジニアの需要は今後高まっていくと考えるのが自然ではないでしょうか。
自動車業界が抱える大きな課題として、環境対策が挙げられます。
現代では「カーボンニュートラル」が世界共通の問題となっており、日本としても2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」実現を目指しています。
脱炭素社会を目指すうえで非常に重要な産業として見られているのが、自動車を含む運輸部門です。
EV車や燃料電池自動車など、さまざな技術を活用して二酸化炭素を排出しない自動車を供給していかなくてはなりません。
明確に期限が決まっている中、エンジニアの確保が重要なことは間違いないでしょう。
自動車エンジニアに対する需要は、やはり高まると考えることが自然です。
自動車業界の市場規模は、グロ-バルに見ると大変大きいものです。
【四輪車生産台数】
2019年 | 2020年 |
2021年 |
|
日本 |
9,684,507台 | 8,067,943台 |
7,846,955台 |
世界計 |
92,183,001台 | 77,711,725台 |
80,145,988台 |
出典:一般社団法人日本自動車工業会「世界生産」
国内では人口減少が続いていますが、世界に目を向けると年間で8,000万台以上の四輪車が製造されています。
グローバルで見れば、自動車エンジニアの需要は今後も高いと考えられるでしょう。
この章では、自動車エンジニアに向いている人についてお伝えします。
自動車エンジニアに向いている人材の特徴としてまず挙げられるのが、車が好きであることです。
自動車エンジニアは最新のトレンドや技術などを常に学び続ける必要があります。
もし車が好きでなかったら、車について学び続けることには大きな苦痛が伴うでしょう。
車のことに関しては妥協が許されないことから、こだわりを持って取り組めることが求められます。
車のことが好きで好奇心を持って取り組めるのであれば、不断の情報収集や学習も苦痛ではなくなるはずです。
自動車が好きで開発チームに加われること自体に喜びやほこりを感じられるようであれば、大変な中でもポジティブに仕事と向き合っていけます。
先端技術に興味を持てることも、自動車エンジニアにとっては重要な資質の1つです。
自動車の開発・研究は日々進化しており、つねに新しい技術を学び続ける必要があるためです。
先端技術に興味を持ち自ら学べる人が、自動車エンジニアには向いていると言えるでしょう。
たとえばセキュリティに関する技術やコネクテッド技術、AI技術など、近年では学ぶべきことが多数あります。
また、一見自動車業界には関係がないように見える技術であっても、応用できることは十分に考えられます。
そのため、先端技術だけでなく幅広い技術に好奇心を持てることが重要でしょう。
知識に対して柔軟性があるかどうかは、非常に重要なポイントだと言えます。
自動車エンジニアに求められることとしては、緻密な作業が好きであることも挙げられます。
自動車は非常に細かいパーツがいくつも組み合わさってできた精密機械であり、開発や製造には緻密さが求められるためです。
細かい作業をいとわず、繰り返し粘り強く取り組めるかどうかは、自動車エンジニアの重要な脂質だと言えます。
人の命に関わることから、細かい作業であっても手を抜かず、集中を切らさずに取り組まなくてはなりません。
自動車エンジニアは、自動車の企画から設計、開発、試験までを幅広く手掛ける専門職です。
自動車エンジニアとして活躍するためには、機械工学やプログラミングの知識に加えてコミュニケーションスキルなども求められます。
車が好きで細かい作業藻いとわない人、先端技術に好奇心を持てる人であれば、自動車エンジニアには向いていると言えるでしょう。
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