公開日:2023.11.19
更新日:2025.03.24
テクノロジーの発展や人々の生活が多様化したことなどにより、現代ではさまざまなビジネスモデルが誕生しています。そしてその中でも近年注目すべきと言えるのが、「ストック型ビジネス」と呼ばれるビジネスモデルです。
ストック型ビジネスには多くの魅力がありますが、一方で注意すべきこともあるため、しっかりと理解しておくことが重要です。この記事では、ストック型ビジネスの定義やメリット・デメリット、事例などを紹介します。
特に、以下の人にはこの記事をご一読していただきたいです。
・ストック型ビジネスの概要を理解したいと考えている方
・ストック型ビジネスのメリットだけでなくデメリットも知りたい方
・サブスクリプションモデルについても知りたい方
・ストック型ビジネスの事例について知りたい方
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<目次>
1.ストック型ビジネスとは
ストック型ビジネスの定義
フロービジネスとの違い
2.ストック型ビジネスのメリット
収益が安定する
収益の今後の予測が立てやすい
顧客データが蓄積されやすく顧客理解が進みやすい
3.ストック型ビジネスのデメリット
収益が安定するまで時間がかかる
収益が安定するまでは赤字になりやすい
4.サブスクリプションモデルはストック型ビジネスのうちの一つの手法
5.ストック型ビジネスの事例
不動産
プラットフォームビジネス
インフラ系のサービス
6.まとめ
この章では、ストック型ビジネスの定義やフロービジネスとの違いについてお伝えします。
ストック型ビジネスとは、仕組みを作りユーザーと契約を交わすことで継続的に収益を得るビジネスモデルのことを指します。
一度契約を結ぶことで定期的に利益が発生するため、収入が安定する点が特徴的です。
契約数が増えて安定することで、既存顧客のキープに施策をシフトして収益を確保する戦略を取ることもできるようになります。
ストック型ビジネスの魅力は、景気の動向による影響を受けにくいことです。
不況になっても収益が安定しやすいことから、新型コロナウイルス流行後の株式市場ではストックビジネスの銘柄が注目を受けています。
また、ストック型ビジネスは契約がストックされる仕組みですが、ケースによっては資産をストックするビジネスモデルもストック型ビジネスと呼ばれることがあります。
たとえば、イラストを描いてWeb上に登録しておき、そのイラストを気に入った人が購入する形式は、資産のストックです。
Web上に登録されたイラストが増えるほど、収入を得られる可能性が高まります。
資産をストックするビジネスの場合、人によってはストック型ビジネスと呼ばないことは理解しておくと良いでしょう。
ストック型ビジネスについて理解するためには、フロービジネスとの違いを意識することをおすすめします。
ストック型ビジネスとフロービジネスは、それぞれ以下を意味するビジネスモデルです。
<ストック型ビジネス・フロービジネスの意味>
・ストック型ビジネス:仕組みを作り契約を交わして継続的に収入を得るビジネス
・フロービジネス:一回の販売で利益を得る売り切り型のビジネス
フロービジネスの場合、一度商品やサービスを提供すれば、その段階で顧客との関係は途切れてしまいます。
もちろん顧客が商品・サービスのファンになってくれれば定期的に購入してくれる可能性はありますが、毎月安定した収益を見込むことは難しいでしょう。
フロービジネスの例は、飲食店や小売店など幅広く挙げられます。
フロービジネスの場合、一度商品・サービスを購入した顧客が次も購入してくれるかは不確定です。
売上予測を立てることはできますが、外部要因によって変化することは考えられます。
ストック型ビジネストフロー型ビジネスは、どちらが一方的に優れいると言えるものではありません。
ストック型ビジネスにもデメリットがあるため、両者の特徴を生かして収益を挙げていくことが理想的だと言えるでしょう。
この章では、ストック型ビジネスのメリットについてお伝えします。
ストック型ビジネスのメリットとしてまず挙げられるのが、収益が安定することです。
ストック型ビジネスでは、自社の商品・サービス顧客が継続的に利用する仕組みを構築することで、継続的な収益が望めます。
顧客一人あたりの収益が少額だったとしても、契約を増やして顧客を確保すれば確実に収益が増えて行くはずです。
収益が安定すれば売上を見込みやすくなり、目標の設定やそのための行動もはっきりとさせやすく、事業の管理がスムーズになります。
また、一定まで顧客確保が続けば、顧客の維持に事業の中心をシフトさせることも可能です。
一旦サポート体制が整えば、既存顧客の維持にかかる負担も抑えられるでしょう。
初期に顧客からの信用を獲得しておくことで、その後は営業活動を頻繁に行う必要もありません。
さらに、ストック型ビジネスによって安定した収益を出している事業があれば、新規事業や新たな投資、サービス改善などにチャレンジしやすいとも考えられます。
ストック型ビジネスには、企業活動にとって多くのメリットがあると考えられるでしょう。
ストック型ビジネスのメリットとしては、今後の収益に関する予測が立てやすいことも挙げられます。
一度契約を交わして顧客を確保すれば、継続的に料金を支払ってくれると想定できるためです。
収益の予想を立てやすいことから年間計画が立てやすく、事業計画の見直しも比較的行いやすいでしょう。
次の事業計画を立てる際にも、収益の予測が立てやすいことから余裕を持って取り組みやすいと言えます。
また、外的要因に左右されにくいことも、ストック型ビジネスの収益予想のしやすさの一因です。
不況にも収益が左右されにくいことから、フロービジネスの収益が下がりそうな局面でもストック型ビジネスなら一気に売上が下がることが少なく一定の収益を確保できます。
実際に、新型コロナウイルスの感染拡大によって停滞する経済状況の中で、株式市場においてストック型ビジネスは大きな注目を集めることになりました。
むしろ近年の社会においては、企業の営業スタイルや生活様式が変化したことがストック型ビジネスの成長に好影響を及ぼしているとも考えられます。
先行きが不透明で倒産や経営難に陥る企業が多数ある経済状況の中では、ストック型ビジネスを生み出し育てることは非常に重要であるとも言えるでしょう。
ストック型ビジネスは、顧客データが蓄積されやすく顧客理解が進みやすいビジネスモデルでもあります。
ストック型ビジネスでは、顧客との接点を維持できるためです。
契約を維持してもらう中で、顧客の反応を分析したり要望を受けたりすることで、顧客理解を進められます。顧客理解は、契約の維持や新規顧客獲得には欠かせません。
フロービジネスにおいても顧客の反応や要望をチェックすることは可能です。
しかし顧客との接点を維持する点においては、ストック型ビジネスの方がより優れていると考えられるでしょう。
顧客理解が進めば、顧客との関係維持にも好影響が期待できます。
そして顧客との関係が維持が円滑にできるようになれば、さらに顧客理解に適した環境を作り出せるはずです。
ストック型ビジネスには多くの魅力がある一方で、注意しなくてはならない点もあることは理解しておくべきでしょう。
そのためこの章では、ストック型ビジネスのデメリットについてお伝えします。
ストック型ビジネスのデメリットとしてまず理解しておくべきこととして、収益が安定するまで時間がかかることが挙げられます。
ストック型ビジネスで収益を安定させるためには、一定の顧客(契約)確保が必要です。
つまり、短期間で収益を上げたい場合にはストック型ビジネスは不向きだと考えなくてはいけません。
フロービジネスとは異なり、ストック型ビジネスではまず収益を上げる仕組みを構築する必要があります。
そして継続契約やリピートを狙うためには、サービス開始後も一定の時間が求められるでしょう。
初期投資にかかった費用を回収できるようになるまで時間がかかることは、事業を計画する段階で把握しておかなくてはいけません。
ある程度資金がある状態で事業を始める場合には、大きな問題ならないこともあるでしょう。
しかし、資金に余裕がない場合には、キャッシュフローの問題にはしっかりと対処しなくてはいけません。
場合によっては、別のフロービジネスを並行して行い、資金繰りを行う必要もあります。
収益が安定するまでの期間に関しては、ストック型ビジネスを行ううえではしっかりと対処しなくてはならないと言えるでしょう。
収益が安定するまでは赤字になりやすいことも、ストック型ビジネスが抱える注意点の1つです。
ストック型ビジネスを始めるにあたっては、継続的な契約を生み出せるような仕組み作りが求められます。
そのため、仕組みづくりには一定の資金が必要です。
そしてストック型ビジネスは、顧客が増えるとともに掛けたコストを回収できる仕組みです。
しかし先ほどお話しした通り、収益安定までには時間がかかります。
事業を始めるうえでは、一定の赤字期間が続くことを覚悟しておかなくてはいけません。
さらに、ストック型ビジネスは収益の安定性が大きな魅力ではありますが、爆発的な収益は得にくいビジネスモデルでもあります。
赤字が急激に解消されることは原則としてないと考え、資金計画をしっかりと立てておく必要があるでしょう。
近年では一般的にも周知されている「サブスクリプションモデル」は、ストック型ビジネスの内の一つの手法です。
サブスクリプションモデルとは、商品・サービスを利用する期間や回数に対して料金が発生するビジネスモデルを指します。
近年では所有や購入よりも共有やレンタルなどが好まれるようになり、サブスクリプションモデルが流行するに至りました。
たとえば、現在では多くの人が利用している動画配信サービスの多くは、サブスクリプションモデルを採用しています。
毎月定額料金を支払う代わりに、各サービスが提供している動画の多くを見放題で楽しめます。
またサブスクリプションサービスは、動画や音楽をはじめとするデータの提供にとどまりません。
近年ではサプリメントや食品、さらに車や家具などのサブスクリプションサービスも展開されています。
ストック型ビジネスについて調べるうえでは、サブスクリプションモデルに関する理解は決して外せないと言えるでしょう。
この章では、ストック型ビジネスの事例について紹介します。ひとくちにストック型ビジネスと言っても、さまざまなビジネスの形式があります。
ストック型ビジネスの事例としてまず紹介考えられるのが、不動産業のサービスです。
住宅や店舗の賃貸サービスは、ストック型ビジネスの代表例だと言えます。
不動産賃貸業は、特別な届出を行ったり資格を取得したりすることなく始められるビジネスです。
不動産を所有していたり購入する費用を用意できたりする人であれば、いつでも始められます。
不動産や利用者の管理は管理業者へ委託することもできるため、所有者は運用の手間がかからずに長期にわたって収益を得続けることが可能です。
ただし、不動産を購入するにあたっては、多額の資金が必要です。
そのためまずは多額の借入を行い、賃料収入によって長期的に透視した資金を回収していく方法が一般的なビジネスモデルだと言えます。
万が一入居率や賃料相場が下がれば収支が悪化してしまい、投資資金の回収が難しくなることも考えられるでしょう。
事業に当たってはしっかりと収支計画を立てて、早期に収支をプラスに変えるようにすることが求められます。
決して簡単なビジネスモデルではありませんが、やり方次第で長期的に安定した収益を得ることも期待できます。
プラットフォームビジネスとは、商品・サービスの提供者と利用者をつなぐプラットフォームを提供するビジネスモデルのことです。
事業者は商品やサービスを提供するのではなく、あくまでも提供者と利用者がつながる場所を提供します。
たとえば、フードデリバリーサービスやフリマサイトなどが、プラットフォームビジネスに該当します。
プラットフォームビジネスの収益化の仕組みは、以下の通りさまざまです。
<プラットフォームビジネスの収益化の仕組み>
・手数料課金
・月額課金
・従量課金
・フリーミアム
フリーミアムとは、基本的なサービスは無料で利用でき、一部のサービスを有料プランとして提供する仕組みのことを指します。
今回紹介しているストック型ビジネスに該当するのは、上記の内基本的には月額課金だと言えるでしょう。
フリーミアムの場合、魅力的なプラットフォームを用意しなくては有料プランへの移行が進まず、収益に結び付きません。
インフラ系のサービスも、ストック型ビジネスの1つだと言えます。
インフラ系のサービスとは、電力やガスなど、生活を支えるサービスのことです。
近年では、スマホやインターネット回線系のサービスもインフラの一部として考えられます。
インフラ系サービスの特徴としては、何らかの外的要因が発生しても収益が下がりにくいことが挙げられます。
電気やガスなどのインフラは、私たちの生活にとって欠かせないためです。
収入が下がったとしても、インフラ系のサービスは簡単に解約できるものではありません。
たとえば新型コロナウイルスによって収入が減ったとしても、電気やガスの解約を選択することはなかなかできないでしょう。
近年では格安SIMやインターネットサービスなどが注目を浴びており、今後も重要性は高まっていくビジネスだと考えられます。
ストック型ビジネスとは、商品やサービスの契約を交わすことにより、継続的に収益を上げていくビジネスモデルのことです。
売り切り型と言われるフロービジネスとは異なり、長期的に安定した収益を得られる点が魅力的だと言えます。
不動産やインフラ系など、ストック型ビジネスの種類はさまざまです。
安定して収益を出すまでにはどうしても時間がかかるため、初期にはフロービジネスを組み合わせるなど計画的な動きが求められるでしょう。
収益が安定して出るようになれば非常に魅力的なビジネスであり、今後の注目度も非常に高いと言えます。
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