公開日:2021.04.01
更新日:2025.03.24
近年、情報化社会の加速に伴い、転職に「クラウドエンジニア」を検討される方も多いのではないでしょうか。
クラウドエンジニアは、クラウドサービス(ユーザーが独自のインフラやソフトウェアを保持しなくてもインターネットを通じてサービスを利用できるシステム)を利用したシステムの設計、構築、運用などを担当するエンジニアです。
現代社会において、さまざまな開発プロジェクトではクラウド上でインフラ環境を構築することが一般化してきました。
その影響からコスト削減や開発スピードの向上を目的にインフラ環境をクラウドへ移行する企業が急増してきています。
それに伴い、クラウドの導入や開発を推進するクラウドエンジニアの需要が急増しているのです。
本記事では、そんなクラウドエンジニアについて以下焦点を当てながら解説します。
・クラウドエンジニアについて
・クラウドエンジニアの仕事内容について
・クラウドエンジニアの年収について
・転職市場からみるクラウドエンジニア需要について
・未経験からクラウドエンジニアへの転職を実現させる方法について
クラウドエンジニアへの転職を現在または将来的に検討している方は是非ご一読ください。
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<目次>
1.クラウドエンジニアとは
クラウドエンジニアの仕事内容
①:クラウドでのインフラ設計
②:クラウド構築
③:クラウド(インフラ)運用・保守
2.クラウドエンジニアの年収
3.転職市場からみるクラウドエンジニア需要
クラウドエンジニアの現状
クラウドエンジニアの将来性
4.未経験からクラウドエンジニアへの転職を実現させるには
クラウドを含むインフラ開発経験を身に付ける
DevOps関連知識を身に付ける
IaaS関連の資格を取得する
転職理由と志望動機を一貫させる
転職サイトや転職エージェントを活用する
5.まとめ
クラウドエンジニアとは、クラウドサービスを利用したシステム設計、構築、運用などを担当するエンジニアです。
少しイメージしづらいため、具体的にどのような仕事なのかについて詳しく解説します。
クラウドエンジニアを理解するためにはまずサーバーの運用形態として「オンプレミス」と「クラウド」という2つの違いを理解する必要があります。
オンプレミス:自社でサーバーの実機を保有し、環境を構築・運用していく形態のこと
クラウド:利用するクラウドサービス上にシステムやサービスを構築すること
メリット | デメリット | |
オンプレミス | インフラを自社で保有するため、システムをカスタマイズしやすい | システム規模に応じて、長い準備期間や多額の初期コストがかかる |
クラウド |
・物理的なIT機器を自社で保有する必要がなく、初期コスト/運用コストを削減できる |
独自でシステムをカスタマイズしづらい |
以上のように、クラウドを使用することで、初期コストや運用コストを下げれるというメリットがあるります。
そのため、近年「オンプレミス」から「クラウド」へ移行する企業が急増しているのです。
しかし、このクラウドを運用するためには、クラウドサービスを使いこなす必要があります。
クラウドサービスとは、サーバーやネットワークのようなインフラ資源をネット越しにオンデマンドで提供してくれるサービスです。
代表的なものとして以下のようなものがあります。
クラウドサービス名 | 特徴 |
AWS(Amazon Web Services) | ・Amazon社が提供するクラウドサービス ・25以上のリージョンに配置されたデータセンターにてインフラリソースをオンデマンドで提供してくれる |
GCP(Google Cloud Platform) | ・Google社が提供しているクラウドサービス ・機械学習やAI開発のためのサービスや、Android・Google・Chrome OSなどGoogleならではのリソースが活用できる |
Azure(Microsoft Azure) | ・Windows OSが利用できる ・オンプレミスサーバーでWindowsを採用している場合は連携した運用が可能 |
このように、ビジネスのトレンドが「オンプレミス」から「クラウド」へ移行するにあたり、クラウドサービスを使いこなしながらインフラの構築と運用をするのがクラウドエンジニアです。
補足として、インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違いも簡単に解説します。
クラウドエンジニア | インフラエンジニア |
クラウドサービスを活用し、ITインフラの設計、構築、運用などを担当する技術者 | ITインフラの設計、構築、保守、運用であり、オンプレミスのサーバー運用などを担当している記述者 |
インフラエンジニアのほうが管轄する範囲が広いです。
またクラウドエンジニアはインフラエンジニアの業務の1つが派生してできた職種なので、事実上はインフラエンジニアの中のクラウドエンジニアという言い方になります。
では、クラウドエンジニアの仕事内容について解説します。
インフラの設計は、ITシステムやサービスが動作する最適な環境を把握しながら、具体的な要件や指示内容にまとめる仕事です。
使用するクラウドサービスの選定から始まり、開発目的などを留意しながらのセキュリティ対策や将来的に拡張するかもしれない機能など先を見据えた設計を行います。
ITシステムのアーキテクチャを考えるうえで、要件定義や企画の知識が特に必要になる仕事です。
またオンプレミスとクラウドの両方を使い分ける場面もあるため、データベースやインフラ全般の知識が必要になります。
クラウド構築ではインフラ設計段階で作成された設計書をもとに、クラウド上で実際にシステム環境を構築する仕事です。
新規開発する際の環境構築だけでなく、稼働中のシステムをオンプレミスからクラウドへ移行する作業なども行います。
具体的な仕事内容としては、クライアントの要望に合わせたソフトウェアの導入やストレージ設定、データベースの構築、仮想サーバーの作成などがあります。
クラウドシステムに搭載したい機能がある場合、必要なコードをプログラムで書く場合もあります。
クラウド構築後は、自社のサービスが安定して稼働できるよう運用・保守を行います。
オンプレミスに比べクラウド環境では、システム構築が比較的簡単です。
そのため、クラウドエンジニアが一番活躍する業務は運用・保守になるかと思います。
主にミドルウェアやOSのバージョンアップ、運用コストを管理したり、システムを監視する仕事などを担当します。
ここではクラウドエンジニアの年収事情について解説します。
早速、正社員クラウドエンジニアの平均年収を見ていきましょう。
「求人ボックス」を参考に調査したところ、クラウドエンジニアを仕事にした正社員の平均年収は約595万円でした。
月給で換算すると約50万円です。
国税局の平成30年分民間給与実態統計調査結果によると、日本における正規の給与所得者の平均年収は504万円でした。
この数値と比較するとクラウドエンジニアの年収は高い傾向にあります。
正社員全体の給与幅としては336〜1,012万円と比較的広く、企業やスキルによって年収に大きな差があると考えられます。
年代別で見たクラウドエンジニアの平均年収は以下の表の通りです。
【年代別の年収】 | |||
年代 | 平均年収 | 年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 339万円 | 40~44歳 | 621万円 |
25~29歳 | 445万円 | 45~49歳 | 651万円 |
30~34歳 | 533万円 | 50~54歳 | 666万円 |
35~39歳 | 573万円 | 55~60歳 | 652万円 |
基本的に年齢を重ねるごとにスキルやノウハウは向上していくため、クラウドエンジニアの年収はある程度年齢と相関関係があるのでしょう。
なお、「フリーランススタート」を参考にフリーランスのクラウドエンジニアの平均年収について算出してみました。
平均年収 | 中央値年収 | 最高年収 | 最低年収 | |
クラウドエンジニア | 927万円 | 840万円 | 1,800万円 | 360万円 |
以上の結果をみると、正社員よりもフリーランスとして働いた方が平均年収が大幅に高いことがわかります。
クラウドエンジニアとして高年収を希望している方はフリーランスを検討することをおすすめします。
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結論から申し上げると、今後クラウドエンジニアの需要は今まで以上に以上に高くなることが予想されます。
その理由を明確にするために、まずはクラウドエンジニアの現状について解説します。
2021年6月MM総研が国内クラウドサービス市場に関する調査を実施しました。
対象は国内企業28,868社、のクラウドサービスを導入済み、もしくは導入を検討している1,182社です。
【主にPaaS/IaaSを利用するシステムへのAWS、Azure、GCP利用率】
上図からも分かる通り、システム構築にクラウドを利用すると考えていることがわかります。
つまり、クラウドサービスの活用が世間的に広く浸透し、業務で利用するシステムのクラウド化が進んでいるという現状に繋がります。
また下図、自社でクラウドを運用するときの企業が抱える課題を見てみましょう。
【引用|自社でクラウドを運用するときの企業が抱える課題】
PaaS/IaaS運用のノウハウ不足や社内の運用・保守リソースの不足、障害発生時に相談できる相手がいないなど、クラウドエンジニアがいれば解決できる可能性の高い課題が上位にきています。
つまり、。クラウドエンジニアの需要は現状そして、今後も高まっていく可能性が高いでしょう。
【引用:国内クラウド市場 実績と予測】
上図によると、2020年度のクラウドサービスの市場規模は2兆8750億円で、前年度比22.0%増と拡大していることがわかります。
2020年度クラウドサービス市場2兆8750億円のうち、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)などパブリッククラウドの市場規模は1兆932億円となり、はじめて1兆円を超えています。
また、2025年には約3.5兆円、年平均成長率(CAGR)は14.5%と推測されています。
エンジニア不足や物理的IT機器を運用するためのコスト削減を考慮しクラウドの有用性に気づいたさまざまな企業は、今後クラウドの導入を始める可能性が高いでしょう。
クラウドを扱うクラウドエンジニアの需要は拡大する可能性が高く、将来的に見ても安泰いでしょう。
未経験からクラウドエンジニアになる道はありますが、ハードルは高いです。
しかし不可能ではありません。
クラウドエンジニアにはクラウドサービスおよび、インフラに関するスキルが必要です。
そのため、クラウドエンジニアに必要なノウハウやスキルを身につけさえすれば、転職できる可能性は十分あります。
以下では未経験からクラウドエンジニアへの転職の実現に向けて、必要なこと5つを紹介します。
なお、インフラエンジニアを含む他エンジニアからのクラウドエンジニア転職は比較的難易度が低いです。
クラウドエンジニアはインフラ開発に関わることが多い職種です。
そのため、インフラ全般のノウハウとスキルを保持すると転職を有利に進めることができます。
またネットワークやサーバー構築なども業務領域として担当する場合があります。
クラウドエンジニアはサーバーやネットワーク、OS、セキュリティ、ストレージなどのインフラ全般の設計構築などの開発経験を積んているとなお転職で評価されやすいです。
クラウドエンジニアは、運用や監視を自動化するソフトウェアエンジニアの側面もあります。
知識があるだけでなく実際にプログラムを組んで運用効率を向上した経験を積んでいることも重要です。
当然ですが、クラウドサービスの使用経験も転職に有利になります。
AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Azure(Microsoft Azure)のパブリッククラウドは知識として押さえつつ、無料で公開されているクラウド上に仮想環境を構築するなど、ノウハウやスキルを積んでおくことが重要です。
DevOpsとは、開発部門と運用部門が連携して開発を行う手法です。
クラウドエンジニアはソフトウェアの設計から開発、運用テスト、そしてリリースの文化と環境を迅速に、頻繁に、確実に発生する確立を目指すためDevOps手法を良く用います。
DevOps手法を用いることで、システム構築の工数削減やリスク低減を実現しやすくなり、クライアント要件に柔軟かつスピーディーに対応できます。
IaaS関連の資格を取得することも転職への近道です。
以下にクラウドエンジニアに必要なおすすめの資格について記載したので是非参考にしてみてください。
・AWS認定ソリューションアーキテクト
・GCP-Google Cloud Certified
・Microsoft Azure 認定試験
・Alibaba Cloud 認定試験
・CCSP(Certified Cloud Security Professional)
・CompTIA Cloud+
・CCNA Cloud
転職理由と志望動機を一貫させることも非常に重要です。
なぜ重要かというと、採用面接の際に「説得力」が上がるからです。
採用担当者は人材を見抜くプロです。
応募書類の転職理由と志望動機を見れば、その人がどんな人物かおおよそ見当がつくそうです。
例えば、年収や福利厚生などの条件面を理由に採用面接に来た方は志望動機が薄いため、「他の企業でもいいんじゃないの?」というマイナスの印象を受けるのだとか。
本気でクラウドエンジニアへの転職を考えるのであれば、テンプレートな回答は捨て、自分の熱意をアピールし、本当に入社したいという意思を明確に伝えるようにしましょう。
未経験からクラウドエンジニアを目指すとなると、案件の探し方や仕事の取り方、必要なスキルやノウハウなど不明点が多いかと思います。
クラウドエンジニアへの転職するための一歩として、転職サイトや転職エージェントの活用がおすすめです。
転職のプロに相談することで自分の転職条件に沿った求人を探せるため最適な企業を見つけることができます。
転職サイトによって強みにしている分野や特長は違います。
同時に複数の転職サイトや転職エージェントを利用し、状況によって使い分けてみましょう。
【クラウドエンジニアの転職に強い転職エージェント】 | |
企業名 | 特徴 |
レバテックキャリア | IT・Webエンジニアの転職に強み |
リクルートエージェント | 求人数No.1の大手総合転職エージェントとして有名 |
マイナビITエージェント | コンサルティングファームから大手SIer、メーカーやベンダー、WEB・ゲーム系など、幅広いIT企業への転職成功実績多数 |
今回はクラウドエンジニアへの転職を現在または将来的に検討している方に向けて、クラウドエンジニアや仕事内容、年収、転職事情、転職を成功させるためのコツについて詳しく解説してきました。
・クラウドエンジニアとはクラウドサービスを利用したシステム設計、構築、運用などを担当するエンジニア
・クラウドエンジニアの仕事内容はクラウドでのインフラ設計やクラウド構築、クラウド(インフラ)運用・保守など
・クラウドエンジニアの平均年収は595万円、年収幅は336〜1,012万円
・転職市場からみるクラウドエンジニアの需要は増加し将来性も高い
・未経験からクラウドエンジニアへの転職はハードルが高い
・未経験の場合、クラウドを含むインフラ開発経験やDevOps関連知識、IaaS関連資格の取得など、努力やスキルが必要
近年、クラウドサービスの急速な普及でクラウドエンジニアの需要は高まっています。
AI(人工知能)やIoTなどの新技術の到来により、今後クラウドの活用シーンはますます広がるため、クラウドエンジニアの将来性は明るいと言えるでしょう。
是非、クラウドエンジニアへの転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版も2020年6月にリリースしています。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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