公開日:2021.04.08
更新日:2025.03.24
組み込みエンジニアに転職したいと思っても、仕事内容はどういう感じか、どうすれば転職できるのか、よく知らない方は多いです。
Web系エンジニアやモバイルエンジニアの仕事内容は分かりやすいですが、組み込みエンジニアは全貌が見えにくいことも多いでしょう。
組み込みエンジニアは必要なスキルが多く、転職難易度が高いです。
そのため転職を目指すなら、組み込みエンジニアの仕事内容や必要なスキルを把握し、資格合格などを目指す必要があるでしょう。
本記事では組み込みエンジニアとは何か、組み込みエンジニアの仕事内容や年収、将来性などをまとめました。
加えて、組み込みエンジニアに必要なスキル、採用されるためのコツも解説してあります。
本記事を読むことで、組み込みエンジニアに転職するために、今何をすべきかが分かります。
組み込みエンジニアの仕事に興味がある方は、本記事をぜひお読みくださいい。
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<目次>
1.組み込みエンジニアとは
組み込みエンジニアと制御エンジニアの違い
組み込みエンジニアの仕事内容
①:電子機器に搭載する機能の検討
②:システム設計
③:ハードウェア・ソフトウェア設計
④:プログラミング・テスト
2.組み込みエンジニアの年収
3.転職市場からみる組み込みエンジニア需要
組み込みエンジニアの現状
組み込みエンジニアの将来性
4.未経験から組み込み/制御エンジニアへの転職を実現させるには
組み込み/制御の開発経験を身に付ける
組み込み/制御関連の資格を取得する
転職理由と志望動機を一貫させる
転職サイトや転職エージェントを活用する
5.まとめ
組み込みエンジニアは、エアコンやテレビなどの電子機器に内蔵されたシステムを開発する仕事です。
組み込みエンジニアは、システムを設計を担当する人、実際にプログラミングする人、テストを行う人などに分かれます。
電子機器が特定の動作を行えるよう、制御システムを構築する必要があります。
たとえばテレビを作る場合、リモコンでチャンネルを替える機能や録画機能など、1つ1つの機能を作り上げなくてはいけません。
また、ユーザーが機器を正しく使わなった場合に安全に使用できるかということも考慮する必要があります。
このように、生活に欠かせない身近な製品を開発しているのが組み込みエンジニアです。
組み込みエンジニアと混同されがちな職業に、制御エンジニアがあります。
どちらも家電製品や工業機械に内蔵されるシステムを開発する点は共通しています。
ですが、組み込みエンジニアは機器を動かすためのシステムを作るのに対し、制御エンジニアはその機器の動作コントロール(制御)するシステムを作る点が異なります。
分かりやすくいうと、組み込みエンジニアは人の操作に関わらない部分を開発し、制御エンジニアは人の操作によって対応する部分を開発するということです。
たとえば、テレビのボリューム調整やチャンネル切り替えなどに対応する部分の開発を行うのは、制御系エンジニアの仕事です。
組み込みエンジニアの具体的仕事内容をまとめました。
①:電子機器に搭載する機能の検討
②:システム設計
③:ハードウェア・ソフトウェア設計
④:プログラミング・テスト
これらの4つを順番に行うのが基本となります。
1つ1つの仕事内容について、詳しく解説していきましょう。
開発する電子機器にどんな機能が必要か、まず検討します。
その機器にどのような機能を搭載すべきか、そのためにはどんな仕組みが必要か考えます。
たとえば、エアコンの場合部屋の温度調整をすることがメインの機能です。
その機能を実現するには、部屋の空気を外に追い出す機能を追加してなくてはいけません。
エアコンにはタイマー機能や除湿機能、リモコンで操作できる機能も必要でしょう。
このように、開発したい製品のスペックを決めていきます。
機能の検討に関しては、組み込みエンジニアとして経験豊富な人が担当するのが普通です。
なぜなら、製品市場の動向や競合他社に対する優位性まで含めて考える必要があるため、電子機器に関する幅広い知識が求められるからです。
また、この段階で開発コストも大雑把に出していきます。
このように、組み込み開発ではまず電子機器の機能面を検討します。
機能が決まれば、それらの機能をどのように実装するかシステム設計を行います。
電子機器に必要な画面やソフトウェアの構成、必要なCPUなどを決めていきます。
ハードウェアを選定する上で重要なのが、規格を仕様に即したものにすることです。規格が違うだけでも正しく機能しなくなってしまいます。
また、組み込み機器向けのCPUは種類が多いため、組み込みエンジニアは各CPUの機能を比較し、電子機器に最適なものを選ぶ必要があります。
システム設計を行うときは、正しく機能するだけでなく、安全性も考慮するのが大事です。
たとえば、自動車で活用される組込みシステムに不具合が発生すれば、人の命が奪われるかもしれません。
設計段階で安全性や耐久性を十分に考える必要があります。
組み込みシステムはモバイルアプリなどと違い、リリース後にバグがあってもアップデートができず、商品を回収しないといけないこともあります。
システム設計の段階ではこういったことに配慮する必要があるのです。
つづいて、ハードウェア設計とソフトウェア設計を行います。
ハードウェア設計では、部品同士をつなげる電子回路図の作成や、基盤レイアウトを行っていきます。
部品数を最小限に抑えるよう設計することで、消費電力が減るなどのメリットがあります。
ソフトウェア設計では、ハードウェアの管理を行うためのドライバー開発が必要です。
更に、アプリケーションやミドルウェア、プリント基板の設計も行っていきます。
今は電子機器が小型化する傾向があり、基盤も縮小せざるを得ず、効率的な設計が求められるでしょう。
設計を元に実際に組み込みシステムのプログラミングを行います。
組み込みシステムでは、C言語やC++、C#、Java、アセンブラ言語が開発で用いられることが多いです。
組み込み機器の場合、メモリーを贅沢に使うことができないため、メモリー面も考慮してプログラムします。
開発は、テストを行って正しく動作するか確認しながら進めます。
ただ、実際の機器を使ってテストはできないため、統合開発環境のシミュレーター機能などを使い、似たような動作環境を作ってテストします。
プログラムが正しく動けば、製品の最終チェックを行い、それに合格すれば作業終了となります。
これが組み込みエンジニアの一連の仕事の流れです。
組み込みエンジニアの平均年収は455万円です。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、プログラマー全体の平均年収は約425万です。
組み込みエンジニアの平均年収はプログラマーよりも少し高いことが分かりました。
更にIoT家電の流行など、ハイレベルなスキルを持った組み込みエンジニアの需要が増しており、年収は上がりやすいと思われます。
また、組み込みエンジニアの中でも、システム設計やプロジェクトリーダーなど上流工程の仕事を担当する場合、年収が高くなります。
上流工程の仕事になるほど責任が重くなる上に、求められるスキルの幅が広くなるからです。
なお、フリーランスの組み込みエンジニアの平均年収は以下です。
平均年収 | 中央値年収 | 最高年収 | 最低年収 | |
組み込み・制御 | 710万円 | 660万円 | 2,160万円 | 288万円 |
組み込みエンジニアとして高年収を希望している方はフリーランスを検討することをおすすめします。
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転職市場からみる、組み込みエンジニア需要を解説します。
組み込みエンジニアの需要や将来性はあるのか、転職する人が気になる点をまとめました。
組み込みエンジニアの需要は現在高いです。
なぜなら、組み込みエンジニアはどの会社も、人材不足の傾向があるからです。
組み込みエンジニアが不足する理由の1つは、教育機関の少なさが考えられます。
プログラミングは大学の情報工学部以外ではあまり学ぶ機会がなく、スキルを持った人材が足りなくなっているのです。
最近はプログラミングスクールが増えたものの、Web系エンジニア向けのものが多く、組み込みエンジニアは中々生まれません。
また、組み込み開発で使用するプログラミング言語はC言語やC++、C#、Java、アセンブラ言語と未経験者では習得が難しいものです。
プログラミング言語の観点から考えても、ある程度ハードルが高いことも組み込みエンジニアの人材が少ない理由の1つでしょう。
つまり、エンジニア人材が少ないため、企業は高い報酬を支払ってでも組み込みエンジニアを確保したいと考え、需要が高まっています。
組み込みエンジニアの将来性は十分あると思われます。
組み込み分野では特に、IoT技術の発展が鍵となっていくでしょう。
身の回りの電子機器や自動車などネット接続可能になれば、私達の生活は大きく変化することになります。
そうなるためには、組み込みエンジニアの力は必要不可欠です。
今後更に、組み込みエンジニアを多く雇うIT企業が増えると予想されます。
ただし、組み込みエンジニア側も、新しい技術についていくために市場動向など確認し日々スキルを高める必要があります。
新しい技術についていけない組み込みエンジニアは、将来安泰とは言えないでしょう。
未経験から、組み込み/制御エンジニアへ転職するのは容易ではありません。
組み込み/制御エンジニアは求人数は豊富ではあるものの、必要なスキルや実務経験が多く、未経験では採用されないことも多いでしょう。
ですが、未経験でも一定のスキルを持っていることを証明し、面接時に意欲をアピールできれば、内定獲得は可能です。
特に以下の4つを意識することが、組み込み/制御エンジニアへの転職を実現させる近道と言えます。
組み込み/制御の開発経験を身に付ける
組み込み/制御関連の資格を取得する
転職理由と志望動機を一貫させる
転職サイトや転職エージェントを活用する
組み込みエンジニアは、ハードとソフトの両方の知識が必要です。
コンピューターの仕組みや電子基板など知識、C言語、C++、C#、Java、アセンブリ言語などのプログラミング言語の知識を身につけましょう。
C言語やC++はJavaやPHPに比べ難しい部分が多いので、学習時間を多めに見積もっておく必要があります。
アセンブリも機械語に近い言語であるため理解が難しいと言われています。
他のエンジニアに比べ、組み込みエンジニアが必要とされるスキルは多いでしょう。
未経験がスキルを持っていることを証明する方法の1つに、資格取得があります。
基本情報技術者試験などのIT資格の他に、組み込み/制御関連の資格を取得するのがおすすめです。
たとえば、ETEC(組込み技術者試験制度)という一般社団法人組込みシステム技術協会が実施している資格試験があります。
初級者向けの問題内容であるため、まずはETEC(組込み技術者試験制度)合格を目指すと良いでしょう。
試験は、エントリレベルとミドルレベルの2段階に分かれています。
他にも、OCRESという資格もおすすめです。
OCRESは世界中で実施されている資格でもあり、取得すればスキルの高さを証明できます。
試験は、ファンダメンタル、インターメディエイト、アドバンストの3段階に分かれています。こういった資格を取得するのが良いです。
面接では転職理由と志望動機を一貫させることを意識しましょう。
転職理由と志望動機を一貫させることで、その人と考えや目指している方向性が分かり、働いている姿がイメージしやすくなって、面接官が安心して採用できます。
また、志望動機を基準に転職理由を考えた方が、転職理由がポジティブなものになりやすいです。
人間関係が悪かった、仕事内容に不満があった、などネガティブな転職理由は悪印象を与えてしまいます。
「Web系をやっていたが、IoTデバイスの開発に将来性を感じた」など、志望動機と一貫させることで、ポジティブなものになります。
転職サイトや転職エージェントを活用するのも、組み込みエンジニアに転職する近道です。
転職サイトでは、自分の希望に合う求人をすぐに検索し、応募することができます。
年収や職種で簡単に求人を絞り込める上に、企業とのメールのやり取りもサイト上で完結します。
スカウト機能があるのも転職サイトのメリットです。
保有スキルやプロフィールを登録すれば、それを見た企業側が自分にスカウトメールを送ってくれます。
現職が忙しく転職活動に時間が取れない方は、転職サイトの活用がおすすめです。
転職エージェントでは、担当者が自分の転職をサポートしてくれます。
希望条件やスキルに合った組み込みエンジニアの求人を紹介してくれます。
企業とのやりとりや給与交渉なとも代行してくれます。
更に、面接練習や職務経歴書添削なども行ってくれるのです。
効率的に転職活動を行うために、転職サイトや転職エージェントはぜひ利用しましょう。
本記事では、組み込みエンジニアについて解説しました。
組み込みエンジニアの仕事内容や必要なスキルがお分かり頂けたかと思います。
組み込みエンジニアは電子機器に組み込まれるシステムを開発する仕事で、特にIoT家電の流行に伴い需要が増している仕事です。
今後5Gが本格的に使用可能になると自動車をはじめ、IoT分野は更なる発展を遂げるでしょう。
ただ、必要やスキルや実務経験が多く、未経験から組み込みエンジニアに採用されるのは容易ではありません。
組み込みエンジニアになるには、資格を取得するなど未経験でもスキルを持っていることを証明するのが良いです。
また、転職サイトや転職エージェントを上手く活用することで、転職成功率が高くなるでしょう。
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