公開日:2021.05.10
更新日:2025.03.24
エンジニアにとって、ブラック企業のような悪い環境の職場で働き続けるほど、苦痛に感じることはありません。
ホワイト企業という言葉はありますが、具体的にブラック企業とホワイト企業の特徴の違いについて言語化できていない方もいることでしょう。
本記事では、ホワイト企業で働きたいというエンジニア向けに、特徴の違いなどについて解説しています。
そもそもIT業界は、ブラック企業が多いという評判もありますが、実際はどうなのでしょうか。
それでは、最後までご覧ください。
あなたの経験職種のフリーランス案件相場を確認しませんか?
<目次>
1.エンジニア向けホワイト企業の特徴
整った労働環境
充実した福利厚生
離職率が低い
4次/5次請け企業ではない
2.エンジニア向けブラック企業の特徴
良くない労働環境
必要最低限の福利厚生
離職率が高い
4次/5次請け企業
3.IT業界はブラック企業が多いと思われる理由
下請け企業は労働環境がきつくなりやすい
想定外のトラブル業務が発生しやすい
4.ホワイト企業へ転職するために
転職理由と志望理由を一貫させる
転職の軸や目的を明確にする
転職エージェントや転職サイトを活用する
5.まとめ
エンジニア向けのホワイト企業の特徴は、主に下記の4つが挙げられます。
・整った労働環境
・充実した福利厚生
・離職率が低い
・4次/5次請け企業ではない
それでは、それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
エンジニアの働く場に限ったことではありませんが、ホワイト企業の特徴として労働環境が
整っているということはポイントとして押さえておきましょう。
整った環境を具体的に説明すると、下記のような状態や境遇が挙げられます。
・給料が適切に支払われている
・労働が正当に給与や報酬に反映される
・従業員が納得できる人事評価制度が整備されている
・業務の進め方が効率的で残業になることが少ない
・残業を減らすための体制づくりや制度がある
・コンプライアンス意識が高く、企業が従業員を守ってくれる
・法令遵守を徹底している
・快適な労働環境を維持するための教育制度が整っている
・長期的な視点に基づいた人材育成をしている
ホワイト企業の特徴は、企業利益だけでなく、働く従業員のことも優先的に考えながら運営しているということです。
エンジニアを含む従業員のことを優先的に考えているため、ホワイト企業では福利厚生の制度もしっかりと整っています。
福利厚生制度とは、一般に雇用者が従業員やその家族の健康や生活の福祉を向上させるために行う諸施策のこと。
社会保険料の支払いや労働保険料の負担、家賃手当・扶養手当の支給など、さまざまな項目が挙げられます。
また福利厚生は大きく、法律で定められた「法定福利厚生」と企業が自由に定められる「法定外福利厚生」に分類されます。
そして、法定福利厚生と法定外福利厚生の両方が充実していることがホワイト企業の特徴といえるでしょう。
離職率とは、ある時点で企業に在籍していた従業員のうち、一定期間後に退職した人の割合です。
離職率が低い企業は、働きやすい環境が整っているといってよいでしょう。
つまり離職率が低いということは、従業員にとっても過ごしやすい環境であり、エンジニアとして転職をする際のホワイト企業の特徴ともいえます。
ちなみに、厚生労働省が公開している令和元年度のIT業界(情報通信業)の離職率は11.8%でした。
エンジニアにとって、4次/5次請けではないこともホワイト企業の特徴の1つです。
エンジニアの仕事では、元請けが下請けに業務を依頼し、その企業がさらに下の企業に流すという「下請け構造」であることも珍しくありません。
エンジニアとしてホワイト企業に転職したいなら、3次請けよりも上位の企業を選ぶことが重要です。
また、3次請けよりも上位のホワイト企業であれば、4次/5次請けのような中間マージンを取られて低賃金などの処遇を割けることができるでしょう。
ここでは、前述したホワイト企業の特徴とは真逆の特徴を持ったブラック企業の特徴について、詳しく解説しています。
エンジニア向けブラック企業の特徴ポイントとしては、下記の4つが挙げられます。
・良くない労働環境
・必要最低限の福利厚生
・離職率が高い
・4次/5次請け企業
それでは、詳しくみていきましょう。
エンジニアにおけるブラック企業の特徴として良くない労働環境が挙げられます。
残業が禁じられている場合でも、ブラック企業ではないとは言い切れません。
そもそも、良くない環境の定義とは、残業の有無が判断基準ではありません。
残業がない分、労働時間が長めに調整されていたり、業務に支障が出ているのに残業禁止を強要していたりしている職場は、ブラック企業と考えてもよいでしょう。
また、月80時間以上の残業がある職場は過労死ラインに達しているため、転職はやめましょう。
もちろん、きちんと働いているのに賃金を払ってくれない企業もブラック企業の特徴です。
エンジニアにおけるブラック企業の特徴として必要最低限の福利厚生しか用意されていないことが挙げられます。
福利厚生として社会保険へ加入することは基本的に企業における最低限の義務ですが、正社員に限らず、労働条件によってはパートやアルバイトでも社会保険への加入が可能です。
つまり、法定福利厚生が就業規則内で整備されていることは当然のことですが、加えて法定外福利厚生が整備されていなければ、従業員は会社に対する感謝の気持ちが高まることはないでしょう。
そもそも、会社が加入要件を満たしている従業員に対し必要最低限の福利厚生である社会保険を加入させないことは、ブラック企業以前に法律違反です。
ちなみに法定福利である社会保険とは、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金などが挙げられます。
エンジニアにおけるブラック企業の特徴として離職率が高いことが挙げられます。
従業員にとって労働環境が悪かったり、福利厚生が必要最低限しか存在せず整っていなかったりする企業は、基本的に離職率が高い傾向にあります。
IT業界の離職率については前述しましたが、離職率が高いということは、下記のようなブラック企業の特徴がみられます。
・パワハラ、セクハラ、モラハラなどのハラスメントが頻発している
・求人票や求人広告で紹介されている企業の情報が実際とは異なっている
つまり、離職率の高さとブラック企業の特徴は、深い繋がりがみられるということです。
エンジニアにおけるブラック企業の特徴として4次/5次請け企業であることが挙げられます。
4次/5次請けになってくると、2次/3次請けにも中間マージンを取られているため、頑張って働いてもそれに見合うだけの賃金が貰えないこともあります。
しかも、4次/5次請けの企業は、みなし労働制度を採用していることも珍しくありません。
みなし労働制度とは、最初から給与に一定時間分の残業代を含ませておくという制度のこと。
実際の残業が時間が設定された時間であれば問題ありませんが、下請けは元請けのさまざまなスケジュールの遅れのしわ寄せを受け、予定外の連残業や休日出勤を迫られることに繋がりやすいです。
賃金形態がみなし労働制度になっていた場合、そうした予定外の残業があったからといって、その分の残業代はプラスされません。
IT業界は、ブラック企業になりやすいといわれており、エンジニア界隈でもそのような評判が後を経ちません。
IT業界がブラックに陥りやすい理由には、下記の2つが挙げられます。
・下請け企業は労働環境がきつい
・想定外のトラブル業務が発生しやすい
IT業界で働くエンジニアは、想定外の出来事をリアルタイムで対処しなければならず、その特徴からブラック企業という評判が寄せられているのです。
それでは、詳しくみていきましょう。
ホワイト・ブラック企業の特徴のところでも解説しましたが、エンジニア職場の場合、ある特定の仕事は親会社ではなく子会社や孫会社に委託するといった下請け構造になっていることが多いです。
下請け構造の特徴は、下請けになるほど企業の地位が低くなりやすいこと。それによって労働環境が悪化し、途中で退社していく従業員も少なくありません。
そして、少ない従業員数で業務を回さなければならないため、ますます業務への負担が増加するという悪循環に陥ってしまいます。
また、下請けでの仕事は、単純作業の傾向が強く、せっかく仕事をこなしても企業としてのスキルを蓄積できません。
そのため、将来的にも4次/5次請け企業のまま停滞してしまう傾向にあります。エンジニアとしてのスキルもあまり身につきません。
IT業界には、下請けであっても適正な労働時間・人員・報酬で問題なく仕事に取り組んでいる企業もありますが、業務を継続するうちにブラックな環境に陥ってしまったというケースも珍しくありません。
エンジニアの仕事のなかで、綿密なデバッグを重ねていても、思わぬ不具合や製品トラブルが起きやすいということが挙げられます。
また、下請け構造によって、ヒューマンエラーが発生する確率も高く、委託企業と下請け企業との認識違いによって作業が増えたり、元請けからの急な仕様変更のしわ寄せを受けやすい業界でもあります。
つまり、突発的なトラブルや急な仕様の変更によって、想定していなかった業務が発生することが多いのも、エンジニアの職場環境がブラックに陥りやすい理由ということです。
しかも、納期前にバグが見つかったり、顧客からの無茶な要求で突発的な残業を強いられたりするケースもあります。
誰もブラックな場では働きたくありません。
エンジニアとして働くなら、ホワイト企業がおすすめですが、具体的な転職方法が分からないという方もいることでしょう。
エンジニアがホワイト企業へ転職するために意識すべきポイントは、下記の3つです。
・転職理由と志望理由を一貫させる
・転職の軸や目的を明確にする
・転職エージェントや転職サイトを活用する
それでは、詳しくみていきましょう。
転職の際に必ず行われる面接ですが、そのなかで聞かれる内容といえばエンジニアの転職理由と志望理由です。
この2つの内容は、一貫していなければ面接官に好印象を与えることができません。
面接で企業が転職理由と志望理由を聞く理由は、その人が入社後に活躍する人材なのかを見極めるため。
エンジニアの業務経験やスキルは、職務経歴によって確認することができますが、目指しているキャリアや働くモチベーションは職務経歴だけでは分かりません。
エンジニアの転職理由と志望理由を聞くことで、その人が企業が求めている人材に合っているかを確認できます。
しかし、どちらも面接官に好印象を与えるために、支離滅裂な内容を答えてしまうことがあります。
つまり転職理由と志望理由は繋がっているはずですが、面接官に好印象を与えようと考えた内容は、転職理由と志望理由が一貫していないことも珍しくありません。
エンジニア転職の際は、転職理由と志望理由に一貫性を持たせましょう。
転職の軸とは、転職先する際に重視する条件のこと。
就職活動では、仕事選びや会社選びの条件を「就活の軸」と言いますが、それを転職として言い換えた場合の比喩表現です。
転職の場合は、すでに社会で働いた経験がある方のため、漠然としたことを条件とするのではなく、明確かつ具体的な条件を軸にするようにしなければなりません。
例えば、エンジニアに転職する軸としては、「キャリアアップしたい」「高い給料を獲得したい」などが挙げられます。
このように、転職の軸や目的ははっきりとさせておきましょう。
転職のサポートをしてくれるサービスに、転職エージェントと転職サイトがあります。
その違いは、下表のとおりです。
転職エージェント | 転職サイト |
・転職支援のプロであるキャリアアドバイザーが求職者が希望する条件や目的にあった転職先の情報を教えてくれる |
・インターネットなどで、さまざまな方が探している転職先の求人を掲載している |
転職サイトを利用するメリットは、自分のペースで転職活動ができることですが、すべて自分の力で転職先を見つけ、内定を獲得しなければなりません。
一方、転職エージェントは登録すると求職者一人ひとりにキャリアアドバイザーがつきます。
キャリアアドバイザーが転職のサポートやアドバイスをしてくれるところはメリットですが、自分のペースで転職活動ができません。
転職サイトと転職エージェントには、それぞれのメリット・デメリットがあるので、それらを上手く使い分けるようにすると、より自分が希望する条件のところへのエンジニア転職が成功するでしょう。
転職サイト・転職エージェントで掲載・紹介された情報だけを鵜呑みにせず、ある程度は自分でもホワイト企業やブラック企業の判断をつけましょう。
エンジニアの職場はブラックな環境に陥りやすいですが、なかにはホワイト企業もたくさん存在します。
もちろん、下請けの業務が中心にもかかわらず、適正な労働時間・人員・報酬で問題なく仕事に取り組んでいる企業もあります。
ブラック企業を選ばないためにも、掲載されている求人情報だけを鵜呑みにせず、本記事を参考に自分でも調べることが重要。
また、転職を実現させる方法として転職サイトや転職エージェントの活用はおすすめです。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから→
フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
フリーランスお役立ち記事を検索
あなたの経験職種のフリーランス案件を見てみませんか?
SNSアカウントでログイン