公開日:2021.05.26
更新日:2025.03.24
「テクニカルサポート」は、企業の製品・サービスのアフターフォローを担う重要な仕事です。
常に適切なサポートをしてくれるテクニカルサポートがいるからこそ、顧客は安心して製品やサービスを導入できるので、企業への貢献度が非常に高い仕事の一つだといえるでしょう。
本記事ではテクニカルサポートの仕事内容と、これからの将来性について解説します。
未経験からテクニカルサポートに転職するためのポイントも確認するので、これからIT職への転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
1.テクニカルサポートとは
テクニカルサポートとヘルプデスクの違い
2.テクニカルサポートの仕事内容
技術関連の問い合わせ対応
トラブル対応
ドキュメント作成
3.テクニカルサポートの年収
4.転職市場からみるテクニカルサポート需要
テクニカルサポートの現状
テクニカルサポートの将来性
5.未経験からテクニカルサポートへの転職を実現させるには
ITスキルや知識
問題解決スキル
コミュニケーションスキル
転職サイトや転職エージェントを活用する
6.まとめ
テクニカルサポートとは、製品やサービスの操作方法やトラブルの解決方法を提示する仕事です。
顧客からの問い合わせを受け、ヒアリングした上でその事例に最適な回答を提案するのが役割となります。
サポートをする対象は一般消費者(エンドユーザー)、企業の社内SEなどです。
テクニカルの問い合わせも多く受けるので、技術知識を持っていることが前提とされる企業の相談窓口となるでしょう。
テクニカルサポートは、「ヘルプデスク」と近い役割を持つ仕事でもあります。
企業によってはテクニカルサポートとヘルプデスクを同じ職業として扱う場合もありますが、基本的にはそれぞれに別の働きが求められるでしょう。
ヘルプデスクはテクニカルサポートよりも、広い範囲の問い合わせを受け付ける仕事です。
最初に専門性の低い簡単な解決方法を提案して、トラブルを解消できないか試すことが役割となります。
例えば「ソフトがフリーズして動かない」という問い合わせに対して、「本体の再起動」や「再ログイン」といった、初期段階で試される基本の対処法を提案するのがヘルプデスクの仕事です。
ヘルプデスクで解決できなかった場合には、より専門性の高いスキルを有するテクニカルサポートに一任することになります。
ソフトのフリーズが再起動などの基本的な対処法でも直らなかった場合は、ヘルプデスクからエスカレーションしてテクニカルサポートが状況をより専門的に分析します。
このようにテクニカルサポートはヘルプデスクと連携して、専門的な分野をカバーする役割も担います。
テクニカルサポートの仕事内容は、大きく以下の3つに分けられます。
それぞれの仕事を的確にこなすためのコミュニケーション能力や専門知識が、テクニカルサポートには求められるでしょう。
テクニカルサポートの主な仕事内容を紹介するので、転職を考えるときには参考にしてみてください。
テクニカルサポートは、技術関連の問い合わせ対応が主な業務になります。
製品やサービスの基本的な使い方の説明や、状況に応じた対処法を提案するのが仕事です。
正確に問い合わせ内容を把握するためにはヒアリングが重要です。
顧客は「何に困っているのか」「どんな結果を求めているのか」などをを考えるのがポイントとなります。
問い合わせ内容によってはすぐに原因がわからないこともあるため、専門的な調査を行うこともテクニカルサポートの仕事です。
必要に応じてエラーログを顧客に送付してもらい、確認した上で診断ソフトを使って原因を特定することもあります。
テクニカルサポートの仕事には、製品やサービスにトラブルが発生したときの対処も含まれます。
不具合が起きたときには修復のための対処法を伝え、正常に製品・サービスが使えるようになるまでフォローします。
テクニカルサポートは基本的に、電話、メール、チャットなどで顧客とやりとりを行います。
しかしトラブルが発生した場合には、必要に応じて遠隔操作で対応が求められることがあるでしょう。
例えばネット経由で顧客の使っているパソコンにアクセスし、リモートで遠隔操作をしてトラブル箇所を特定・解決するなど。
セキュリティなどの問題でリモート対応が難しい場合には、実際に現場に訪問して対応することもあります。
テクニカルサポートはトラブルの内容に応じて、臨機応変に仕事をすることが求められるのが特徴です。
トラブル内容を把握して解消するだけでなく、原因や状況をわかりやすく顧客に説明することも仕事です。
顧客は突然のトラブルに不安を感じたり、怒りを感じたりすることがあります。
テクニカルサポートとして、顧客の心理状況を考慮し、わかりやすく現状を解説して安心を提供することも重要な業務です。
テクニカルサポートは顧客からの問い合わせ内容やトラブルシューティングをまとめて、ドキュメントを作成することも仕事です。
具体的な事例を記録することで、その後のマニュアル作成に活かされたり、業務の改善点を洗い出したりといった作業につなげられます。
次回以降により良い対応ができるように備えることも、テクニカルサポートの業務となるでしょう。
テクニカルサポートの平均年収は、マイナビエージェントによると414万円です。
会社員エンジニアの平均年収が469万円というデータがあることから、やや低めの数値であることがわかります。
年収が平均以下である理由はテクニカルサポートの仕事内容によって、専門性が必要とされないケースがあることが関係していると考えられます。
つまり業務内容がマニュアル化された職場の場合、未経験からでも就職できるため、専門知識を必要とされるIT職と比較して年収が低くなりやすいのです。
フリーランスのテクニカルサポートの平均年収は、以下数値になります。
職種 | 平均単価 | 中央値単価 | 最高単価 | 最低単価 |
テクニカルサポート | 46.6万円 | 39万円 | 200万円 | 24万円 |
(参照:テクニカルサポートのフリーランス求人・案件 月額単価相場)
テクニカルサポートのフリーランスとして活動した場合、平均年収は約558万円です。
会社員のテクニカルサポートとして働くよりも平均年収が高くなるので、転職ではなくフリーランスになることも検討できます。
テクニカルサポートの転職市場をみると、その需要の高さを確認することができます。
以下では2022年現在のテクニカルサポートの転職における現状と、将来性について解説します。
テクニカルサポートの転職求人数は、多くの転職サイト・転職エージェントで掲載されています。
例えば転職エージェントサービス「doda」の「テクニカルサポート・カスタマーサポート(IT製品)サポート・ヘルプデスク」の求人数は、485件です。
求人情報サイト「indeed」でテクニカルサポートの求人を検索すると、2022年5月時点で時点で7,773件がヒットします。
テクニカルサポートの転職市場は、上記の数値をみると活発な状況であることがわかります。
一方、フリーランススタートの求人・案件数は全部で553件です。
テクニカルサポートは、求人を比較すると前年とは異なり正社員よりもフリーランスとして活躍できる機会が多くなっています。
現状のテクニカルサポートの需要が高いのは、IoTなどIT技術が世に出たばかりで、それらの使い方に慣れていない人が多いことが要因だと考えられます。
他にもコロナウィルスによってリモートワーク環境を新規で導入する企業が増加したため、わからないことをテクニカルサポートに問い合わせる機会が増えていることも需要を高めている原因の1つでしょう。
IT技術の導入が活発になっている限りは、テクニカルサポートの将来性も高くなります。
テクニカルサポートの将来性は、一定の需要をキープしながらも、より専門性の高い人材が求められるようになると考えられます。
テクニカルサポートの求人のなかには、マニュアル対応をするだけの専門性が必要ない仕事もあります。
そういった専門スキルが必要ない仕事は、今後A(人工知能)技術によって代替される可能性があります。
海外の事例ですが、アメリカの移動体通信事業者「T-Mobile」は「ACCR」ソリューションを導入して、実際にAI(人工知能)によるサポート業務の自動化を図っています。
AI(人工知能)にすべての業務が代替されることはありませんが、マニュアルだけで対応できる専門性のない仕事は少しずつなくなっていくかもしれません。
転職でテクニカルサポートになる場合には、将来性を考慮して専門的なスキルも習得していくことを意識する必要があるでしょう。
またフリーランスのテクニカルサポートの単価を見てみると、前年の月額単価を比較し10万円(年収ベースでは120万円)ほど下がっており、徐々に供給過多になりつつあるのかもしれません。
テクニカルサポートは専門性が求められる一方で、未経験からの転職を受け付けている求人も多いです。
未経験から転職をして、専門的なスキルを実践の中で習得していくキャリアパスも考えられるでしょう。
以下からは、未経験からテクニカルサポートに転職するために重要なポイントを解説します。
テクニカルサポートに未経験から転職するには、ITスキルやそれに関連する知識が必要です。
基本的なITスキルと知識が豊富であれば、顧客からの問い合わせに対するレスポンスを高めることができます。
テクニカルサポートへの転職を考えるときには、必要な情報をすぐに提供できるようにIT関連の引き出しを自分の中に増やしていくことがポイントです。
転職時に習得しておきたいITスキル・知識は、サポート対象になる自社製品・サービス、OS、アプリケーション、ハードウェアなど幅広くなります。
ITトレンドや、最新の技術にも精通しておくことが望ましいです。
IT技術は日進月歩で発展しているため、常に自分の知識もアップデートしていかなければなりません。
転職準備のときにだけ学習するのではなく、その後も継続して学習を習慣化することがテクニカルサポートとして働く際には重要です。
エンジニア系の業種が未経験の場合には、転職前に資格を取得することも考えられます。
転職を見据えて「基本情報技術者試験」や「ITILファンデーション試験」など、関連資格の取得を目指すことも一つの方法です。
テクニカルサポートに未経験から転職するには、問題解決スキルが必要です。
顧客からの問い合わせから問題の原因を特定し、解決策を提示するのが基本的な仕事です。
この原因の特定と解決策の提示に時間がかかると、顧客からの信頼を失ってしまう可能性があります。
その他、問い合わせ内容から速やかに必要情報を読み取り、問題解決に導くスキルが重要になるのです。
ログの解析やテストツールを活用して、問題の切り分けを行うことが業務でのコツになります。
テクニカルサポートの未経験からの転職は、コミュニケーションスキルも重要です。
テクニカルサポートは顧客と直接やりとりをする職種であるため、相手の言葉を理解し、こちらの意図を伝えるコミュニケーションスキルが欠かせません。
基本的にメールや電話など顔が見えないコミュニケーションになるため、正確な言葉遣いが求められます。
顧客によってはITの知識がまったくないというケースもあるため、専門用語を噛み砕いてわかりやすく伝えるスキルも必要です。
顧客に問題の原因と解決方法を理解してもらえるように、コミュニケーションの際には専門性を意図的になくしていくこともポイントです。
テクニカルサポートのコミュニケーションは、話すだけでなく丁寧なヒアリングを意識して問題となっている箇所を正確に聞き出す能力も必要となります。
認識に齟齬が発生すると正確な解決策が提示できなくなるため、相手の話を聞く力も意識して習得していくことがおすすめです。
テクニカルサポートに未経験から転職するのなら、転職サイトやエージェントを活用することがおすすめです。
転職サイトや転職エージェントには多くの求人が掲載されていて、テクニカルサポートの仕事も豊富にあります。
さまざまな求人を簡単に比較できるので、積極的に利用することで自分の求める条件にマッチした仕事を見つけることができるでしょう。
転職エージェントに登録すると、専属のコンサルタントが転職活用のサポートを行ってくれます。
転職に欠かせない面接や職務経歴書の指導を受けることもできるので、初めての転職でも安心して必要な準備を整えていくことが可能です。
テクニカルサポートへの転職を未経験から目指す場合には、複数の転職サイトと転職エージェントへの登録を行い、それぞれの利点を活かせるようにしておきましょう。
テクニカルサポートへの転職は、未経験からでも可能です。
転職を考えるのなら、本記事を参考に基本となるテクニカルサポートの仕事内容や必要なスキルを確認しておきましょう。
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