公開日:2022.03.25
更新日:2025.03.24
CGや映像制作の仕事に携わりたいのなら「CGクリエイター検定」の資格取得がおすすめです。
CGクリエイター検定の資格を取得することは、3DやCGの作成能力のほかアニメーション制作に関するスキルを持つ証明になります。
デザイナーや映像クリエイターを目指す人は、CGクリエイター検定の資格が就職・転職のきっかけになり得るでしょう。
本記事ではCGクリエイター検定の基本的概要と、取得に必要な申し込み手順、合格率や難易度などについて解説します。
合格を目指す際におすすめの参考書も紹介するので、CGクリエイター検定を受験する際にはぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
1.CGクリエイター検定とは
2.CGクリエイター検定試験
CGクリエイター検定の詳細
CGクリエイター検定の出題範囲
・CGクリエイター検定ベーシック
・CGクリエイター検定エキスパート
CGクリエイター検定の受験者数・合格率・難易度
CGクリエイター検定の申し込み手順
CGクリエイター検定の有効期限
CGクリエイター検定の勉強時間
3.CGクリエイター検定の資格取得のメリット
CGや映像関連スキルや知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.CGクリエイター検定の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
資格が役立たない場合もあり得る
5.CGクリエイター検定合格のためのおすすめの参考書
おすすめ参考書①:CGクリエイター検定エキスパート・ベーシック公式問題集 [改訂第二版]
おすすめ参考書②:ディジタル映像表現 -CGによるアニメーション制作- [改訂新版]
おすすめ参考書③:入門CGデザイン -CG制作の基礎- [改訂新版]
公式サイトの過去問も解こう
6.CGエンジニア検定にも挑戦してみよう
7.まとめ
CGクリエイター検定とは、CG-ARTS協会が認定している民間資格です。
CGを使う職場で活用できる専門技術を試す資格となっていて、例えば映画、アニメーション、CM、ゲーム、ミュージックビデオ、アプリの制作現場などで役立ちます。
将来的にCGディレクター、CGモデラー、CGアニメーター、CGデザイナー、ゲームクリエイター、グラフィックデザイナーなどのクリエイティブ職種に就きたい人は、CGクリエイター検定の資格取得によって自身の能力を効率良くアピールできるでしょう。
CGクリエイター検定には「ベーシック」と「エキスパート」の2種類があり、それぞれ以下の能力を示すことで取得が可能です。
CGクリエイター検定の種類 |
取得に必要な能力 |
---|---|
CGクリエイター検定ベーシック |
・2次元CGおよび3次元CGと、デザインに関する基礎的な理解力 |
CGクリエイター検定エキスパート |
・3次元CGと映像制作における専門的な理解力 |
自分のレベルや必要な能力に合わせて、受験する種類を選択できます。
CGクリエイター検定を取得するには、CG-ARTS協会が設定する条件を満たした上で試験に合格する必要があります。
まずは試験内容の詳細を確認して、受験の条件や必要な準備を確認しましょう。
試験名 |
ベーシック |
エキスパート |
---|---|---|
試験会場 |
北海道、宮城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、石川県、京都府、大阪府、兵庫県、広島、愛媛県、福岡県、沖縄県 詳細はこちらよりご確認ください。 |
|
試験日時 |
・2022年7月10日(日) ・2022年11月27日(日) 原則年に2回(7月、11月)開催 |
|
試験時間 |
60分 |
80分 |
出題形式 |
マークシート |
|
問題数 |
10問 | |
合格基準 |
100点満点中70点(難易度により多少変動) | |
受験料 |
5,600円(税込) |
6,700円(税込) |
受験資格 |
制限なし |
CGクリエイター検定は、ベーシック・エキスパートともに同日に試験が実施されます。
CG-ARTS協会の試験は1日に最大4件まで申し込みが可能なため、CGクリエイター検定のベーシックとエキスパートの併願受験も行えます。
CGクリエイター検定のエキスパートに合格できるか分からないときには、同時にベーシック試験も受験して資格取得の確率を高めることもできます。
CGクリエイター検定の出題範囲は、ベーシック・エキスパートごとに以下のようになっています。
それぞれの出題範囲を事前に確認し、勉強しておくべき内容を把握しておきましょう。
CGとは |
CGの歴史と特性、CGの産業分野での利用、CG映像制作のワークフローについての知識 |
表現の基礎 |
2次元CGや、3次元CGを制作するうえで必要とされる基礎的な知識 |
2次元CGと写真撮影 |
2次元CG、写真撮影とレタッチについての基礎知識 |
3次元CGの制作 |
3次元CGによる映像作品の制作手順、制作手法の知識 |
技術の基礎 |
ハードウェアとソフトウェア,ディジタルデータについての基礎知識 |
知的財産権 |
知的財産権に関する基本的な考え方と、著作権についての知識 |
実写撮影 |
写真と動画の撮影や表現方法と,映像のカラーコレクションについての知識 |
映像編集 |
編集の基礎的な知識。編集による表現手法についての知識 |
モデリング |
モデリングの基礎知識。モデリング時に考慮するべき事柄についての知識 |
リギング |
リギングの基礎知識。リギング時に考慮するべき事柄についての知識 |
CGアニメーション |
各種アニメーションについての知識 |
シーン構築 |
シーン構築における、各プロセス(レイアウト、マテリアル、ライティング、レンダリング、合成)の基本的な知識と技術についての知識 |
プロダクションワーク |
映像制作工程についての知識 |
知的財産権 |
知的財産権に関する基本的な考え方と、著作権、産業財産権についての知識 |
ファイル形式・規格 |
ファイル形式・規格 |
数理造形 |
数理造形についての知識 |
CGクリエイター検定の受験者数と合格率は、ベーシックとエキスパートごとに以下のようになっています。
年度 |
ベーシック |
エキスパート |
||
---|---|---|---|---|
応募者数 |
合格率 |
応募者数 |
合格率 |
|
2017年度 |
3,915名 | 64.8% | 1,772名 |
23.6% |
2018年度 |
4,237名 | 61.6% | 1,940名 |
20.9% |
2019年度 |
4,747名 | 70.3% | 2,098名 |
23.1% |
2020年度 |
3,963名 | 60.6% | 1,331名 |
23.7% |
2021年度 |
5,190名 | 61.5% | 2,476名 |
22.6% |
年間でのCGクリエイター検定の応募者数は、ベーシックが4,000~5,000人、エキスパートが2,000~2,500人程度となっています。
エキスパートと比較するとベーシックの方が応募者数が多く、毎年2倍近い差があるのが特徴です。
応募者数はベーシックとエキスパートのいずれも2020年以降応募者数が増加傾向であることから、コロナの影響により資格を新たに取得したり、転職を検討している方が増加したことによる可能性が考えられます。
また、CGクリエイターは近年流行っているメタバースやNFTとも関連するため、興味を持っている方が以前と比較して多いのかもしれません。
上記を考えると、今後CGクリエイター検定に挑戦する人は増える可能性が考えられます。
CGクリエイター検定の難易度は、ベーシックとエキスパートで大きな差があるのも特徴です。
CGクリエイター検定ベーシックの合格率は60〜70%代ですが、CGクリエイター検定エキスパートは20%代と低い数値になっています。
一方で、CG-ARTS協会が同様に運営を行っている「CGエンジニア検定」の合格率は、以下の数値になっています。
年度 |
ベーシック |
エキスパート |
||
---|---|---|---|---|
応募者数 |
合格率 |
応募者数 |
合格率 |
|
2017年度 |
1,639名 | 61.4% | 745名 |
42.5% |
2018年度 |
1,653名 | 64.1% | 803名 |
37.3% |
2019年度 |
2,218名 | 61.4% | 1,102名 |
31.8% |
2020年度 |
2,051名 | 65.5% | 677名 |
36.3% |
2021年度 |
2,784名 | 61.3% | 1,529名 |
32.8% |
CGクリエイター検定とCGエンジニア検定のベーシックレベルに関しては、合格率に大きな差がないことが分かります。
しかし、エキスパートはCGエンジニア検定の方が30〜40%代と比較的高い合格率を示しています。
レベルの高いエキスパートに関しては、CGクリエイター検定の難易度は高めだと言えるでしょう。
そのほか、CGクリエイター検定の難易度は、CG-ARTS協会が提供している受験案内に記載されている「各検定のレベルについて」からも確認できます。
各検定のレベルについてでは、高校、専門学校・大学、社会人ごとに平均合格率が以下の数値で提示されています。
|
高校 |
専門学校・大学 |
社会人 |
---|---|---|---|
ベーシック |
50% |
65% |
80% |
エキスパート |
25% | 40% |
55% |
年齢および学歴が上がるほど、ベーシックもエキスパートも合格率が高くなっています。
CGクリエイター検定の受験に回数制限はないため、少しずつ勉強の範囲を広げて長期的な合格を目指すことも考えられるでしょう。
CGクリエイター検定の試験に申し込む手順は、下記の流れになっています。
インターネットで申し込む場合
1. CG-ARTS協会の申し込みページから「インターネットで申込む」ボタンで受験者登録を行う
2. 申し込み画面にて、受験料の払込方法を選択
※支払い方法はクレジットカード、コンビニ、ゆうちょ銀行ATM払い
3. 入金確認後、登録したメールアドレスに「受付完了メール」が送付されるので確認
郵送で申し込む場合
1. 受験願書を記入する
※受験願書の記入例はこちらから確認できます
2. 郵便局備え付けの「払込取扱票」に必要事項を記入する
3. 郵便局にて受験料を振り込む
4. 記入したメールアドレスに「受付完了メール」が送付されるので確認
申し込みが完了したら、検定日の約10日前くらいに受験票が届くので確認しましょう。
エキスパートとベーシックの両方を受験する場合には、合計で2枚の受験票が届きます。
試験日には受験票と「顔写真付身分証明書」もしくは「証明写真」が必要になるため、事前に準備をしておきましょう。
試験終了約30日後に受験者マイページにて合否の発表があり、約60日後には合否結果通知および合格証が送付されます。
CGクリエイター検定の資格には、特別に有効期限が設定されていません。
そのため1度受験に合格すれば、そのままCGクリエイター検定の有資格者として活躍できます。
CGクリエイター検定の合格に必要な勉強時間は、ベーシックで約1ヶ月、エキスパートで約3ヶ月程度は必要とされています。
具体的な時間で言うと、ベーシックは30時間、エキスパートは100時間程度が目安です。
CGに関する基礎知識を持っている、もしくはCG制作の仕事をしている場合には、ベーシックであれば勉強時間を上記目安よりも短縮できるかもしれません。
一方で、CG技術に関する知識がまったくない場合には、上記目安よりもさらに長い勉強時間が必要になることもあるでしょう。
CGクリエイター検定のエキスパートは、専門知識を幅広く問われる資格であるため、知識があっても多少の勉強時間は必要です。
CGクリエイター検定の資格試験は毎年7月・11月に実施されるため、その時期に合わせて勉強のピークを持っていくように計画するのがポイントです。
CGクリエイター検定の資格取得には、さまざまなメリットがあります。
以下を参考に、具体的なメリットを把握してみましょう。
CGクリエイター検定の資格取得は、CGや映像に関するスキルを身に付けるきっかけになる点がメリットです。
CGクリエイター検定の資格取得のために行う勉強が、専門知識の獲得につながるでしょう。
CGクリエイター検定という明確な目標があると、勉強のモチベーションを維持しやすくなります。
結果的にCGや映像関連のスキルを身に付けやすくもなるため、ただ漠然と勉強をするのではなく「CGクリエイター検定合格」という目標を立ててスキルの習得を目指すのがおすすめです。
CGクリエイター検定は、ITやWeb系企業への転職・就職時に活用できるメリットもあります。
CGに関する専門知識は、IT・Web系の分野で重宝されています。
CGクリエイター検定のような専門資格を取得したという実績は、企業にとって採用の理由になるでしょう。
特にCGクリエイター検定のエキスパート資格は、合格率が低いためより転職・就職時に高い評価を得やすいです。
今後の転職・就職に使える資格を身に付けたいときにも、CGクリエイター検定の取得がおすすめです。
CGクリエイター検定の資格取得は、会社から資格手当や報奨金をもらえる可能性があるという点もメリットです。
社員の自発的なスキルアップを後押しするために、資格手当や報奨金で収入をアップさせる制度を実施していることもあります。
会社の対応次第では、CGクリエイター検定の資格取得がそのまま収入の向上につながるでしょう。
CGクリエイター検定の資格取得には、メリットだけでなくデメリットもあります。
CGクリエイター検定の資格を取得するには、先に紹介した程度の勉強時間を確保しなければなりません。
継続した勉強が必要となるため、プライベートの時間を削ることになるでしょう。
勉強によってストレスが溜まると、現在の仕事や学業に支障が出る可能性もあります。
勉強時間の確保によって生活に変化が起きてしまう点は、見方によってはデメリットになり得るでしょう。
CGクリエイター検定の資格は「取得=就職が約束される」といったものではありません。
そのため環境や目的によっては、CGクリエイター検定の資格が役に立たない可能性もあります。
自分の目標や資格取得後に何をしたいのかを明確にして、本当にCGクリエイター検定が必要なのか改めて確認してみてください。
場合によっては、CGクリエイター検定以外のCG関連資格を取得することが、目標達成への近道になるかもしれません。
CGクリエイター検定の合格を目指す際には、参考書を使って効率的な勉強をするのがポイントです。
以下を参考に、CGクリエイター検定の受験時におすすめの参考書とその魅力を確認してみてください。
「CGクリエイター検定エキスパート・ベーシック公式問題集の改訂第二版」は、CGクリエイター検定の合格に役立つ参考書のひとつです。
過去の試験で出題された内容が練習用に再編集されているのが特徴で、ベーシックとエキスパートでそれぞれ3回分の練習問題が掲載されています。
問題集、解説、解答が別冊でまとめられているため、学習効率を高めやすいのもメリットです。
「ディジタル映像表現 -CGによるアニメーション制作-の改訂新版」も、CGクリエイター検定を受験する際のおすすめ参考書の1冊です。
3次元のデジタル映像制作に関するスキルや業務フローを学べるほか、クリエイター業務に求められる実写およびCGの技術を学習できます。
2021年6月に発行された最新版であるため、最新の試験にも対応可能です。
CGクリエイター検定を受験するのなら「入門CGデザイン -CG制作の基礎-の改訂新版」もおすすめの参考書です。
3次元CGによるデジタル映像制作に必要な基礎知識を習得でき、主にベーシックレベルの合格を目指す人に使われる書籍です。
基本的な内容のほか、色の特性、写真撮影、知的財産権など、CG制作に関わるあらゆる知識も記載されています。
CG-ARTS協会の公式サイトでは、CGクリエイター検定の過去2回分の解答および試験問題が公開されています。
ベーシックとエキスパートの2種類がそれぞれ公開されているため、受験する方に合わせて過去問を利用可能です。
過去2回よりも古い問題に関しては公開が停止されてしまいますが、最新の検定実施後一週間程度で内容が更新されるため、その後も過去の問題を勉強に活用できます。
CGクリエイター検定の実際の問題を確認することは、本番の雰囲気に慣れることにもなるため、受験を決めたなら積極的に公式サイトの過去問を利用しましょう。
CGクリエイター検定を受験する際には、同じくCG-ARTS協会が提供する「CGエンジニア検定」に挑戦するのもおすすめです。
CGエンジニア検定とは、産業や学術分野などの領域でソフトウェア、ハードウェア、システム開発などを行える能力が試される資格です。
出題範囲はアニメーション、映像、ゲーム、VR、ARアプリなどソフトウェアやシステムの開発およびカスタマイズなどの内容です。
CGクリエイター検定とCGエンジニア検定を併願で受験することも可能なので、同時に取得を目指して勉強を進めてみてはいかがでしょうか。
CGクリエイター検定は、CG関連のスキルを身に付けるのにうってつけの資格です。
これからCG関連のエンジニアやクリエイターを目指すのなら、CGクリエイター検定の受験を検討してみてはいかがでしょうか。
受験の際にはぜひこちらの情報を参考に、CGクリエイター検定の基本やおすすめの参考書をチェックしてみてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
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