公開日:2022.03.29
更新日:2025.03.24
新たなテクノロジーを取り入れ、さまざまな業界が変革の時代を迎えています。
医療・ヘルスケア業界も例外ではありません。
世界を見渡すと、すでにAIの導入が進んでいます。
今回は医療・ヘルスケア業界がAIを導入するメリットから活用事例まで、詳しく解説します。
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<目次>
1.医療・ヘルスケア業界ではAIの導入がアメリカを中心にかなり進んできている
2.医療・ヘルスケア業界がAIを導入するメリット
過去の診断データを活用したより精度の高い診断が可能
医療ミスの防止
事務作業の効率化
3.医療・ヘルスケア業界でのAI導入事例
米Arterys社によるMRIの画像診断
米Prognos社による臨床サポート
米IBM研究所による抗がん剤研究の効率化
米Aicure社の服薬管理・指導
4.まとめ
人工知能(AI)は医療の形を変えつつあり、アメリカを中心に多くの医療分野やヘルスケア業界で採用されつつあります。
ヘルスケア関係者や医療従事者は、AIを導入することで、医療ニーズやソリューションをより速く、より正確に特定し、情報に基づいた医療やビジネスの意思決定を迅速に行うことができるようになりました。
医療・ヘルスケア業界は、大きな変革の時を迎えています。
業界構造が進化し、患者が医療提供者に求めるものが増え、利用可能なデータ量が驚異的なスピードで増加し続ける中、AIは業界全体を改善するツールとして期待が寄せられています。
AIは、従来の臨床的な意思決定手法と比較し、さまざまなメリットがあります。
学習アルゴリズムは、学習データと相互作用することでより正確なものになり、人間は診断、ケアプロセス、治療のばらつき、患者の転帰について前例のない洞察を得ることが可能です。
医療・ヘルスケア業界がAIを導入するメリットは大別して3つあります。
・過去の診断データを活用した精度の高い診断が可能
・医療ミスの防止
・事務作業の効率化
それでは、詳しくみていきましょう。
医療分野におけるAIのメリットの1つは、精度の高い診断が可能となることです。
最近の例では、新型コロナウイルスを検出するために訓練されたAIアルゴリズムがあります。
セントラルフロリダ大学によると、このアルゴリズムは84%の確率で陽性例を、93%の確率で陰性例を検出しました。
また、AIシステムは、患者が救急外来を訪れた際に、医師のセカンドオピニオンを提供することも可能です。
早急に正確な判断が求められるケースにおいて、AIがサポートできます。
加えて、過去の診断データを活用し、患者が患者のデータを活用し、特定の病気や疾患に対してどの程度の感受性があるかを予測することができます。
ジョンズ・ホプキンス大学の調査によると「米国では年間25万人以上が医療ミスにより死亡している」ことが判明し、心臓病、がんに次ぐ死因の第3位になっています。
AIは、こうしたミスや不必要な死を回避するのに役立ちます。
AIは世界中の患者からの大量のデータを分析し、何が正しくて何が正しくないかを学習・判断します。
金融機関が利用する不正検知プログラムと似たような仕組みです。
例えば、機械学習アルゴリズムを使い、薬が患者の症状に合っていないかどうかを検出できるAIプラットフォームがあります。
また、教育機関では、AIツールを活用して、学生、研修医の研修を強化し、診断エラーや患者へのリスクを低減する動きが活発化しています。
現代の医療オペレーションは、複数のシステムが複雑に絡み合っています。
そのため、資産を最大限に活用し、患者の待ち時間を少なくしながらコストを最適化することは困難です。
医療機関は、システム内の大量のビッグデータをふるいにかけて、プロセスの改善、生産性の向上、パフォーマンスの最適化に役立つ知見を得るため、AIを利用するようになっています。
AIを戦略的に使用することで、管理者や臨床指導者は、毎日行う必要のある何百もの意思決定の質と速度を向上させる知恵を得ることができ、さまざまな臨床サービスを通じて患者のスムーズな移行を促進することが可能です。
医薬品の研究・開発は、ヘルスケアにおけるAIの応用例の1つです。
最新のAIを活用して創薬や再利用のプロセスを合理化することで、新薬の市場投入までの時間とコストを大幅に削減できる可能性があります。
研究室から患者に届くまでの道のりは長く、費用もかかります。
カリフォルニア生物医学研究協会によると、薬が研究所から患者に届くまで平均12年かかるようです。
また、新薬開発には、1社あたり平均3億5,900万ドルのコストがかかるといわれています。
医療・ヘルスケア業界において、AIを導入するメリットについてはご理解いただけたでしょう。
では、実際のAI導入事例を紹介します。
米Arterysのプラットフォームは、医療画像から実用的なインサイトを抽出し、診断の意思決定、効率、生産性向上を支援しています。
Arterysは、最先端のAI臨床アプリケーションを既存ワークフローに直接組み込め、従来の業務の延長としてAIを活用できる医療画像AIプラットフォームです。
クラウド経由で複数のデバイスからどこにでもアクセスできます。
同プラットフォームを導入することで、医師の経験、診断と治療の精度、財務パフォーマンス、患者と医療提供者にとっての成果を改善しています。
米Prognosは、相互運用可能な実データとヘルスケアデータ分析で、臨床支援を行っている企業です。
検査結果、処方箋、医療請求など、複数のソースから非識別化された患者データを統合し、意思決定に重要な知見を割り出すことが可能です。
同社のソリューションを使用することで、記録レベルのトランザクションデータをより効率的に構築・管理することができます。
さらに、内蔵された分析機能により、より深い臨床的洞察を得ることができ、ビジネス戦略をさらに加速させることができます。
ライフサイエンス企業が商品化のために実データを必要としている場合でも、保険会社が保険金支払いグループの医療保険リスクを分析する場合でも、AIによって治療に影響を与える要因に関する洞察を提供し、データ価値を得るまでの時間を短縮します。
がんは世界で2番目に多い死因です。
より効果的な抗がん剤の研究は、世界的な取り組みとなっています。
スイス・チューリッヒにあるIBM研究所の計算システム生物学グループでは、複雑な疾患の主要な要素とメカニズム、およびさまざまながん種で生じる腫瘍組成の違いについての理解に役立つ可能性のある機械学習アプローチを構築しています。
同研究所の目標は、がんに対する理解を深め、医療業界や学術界に、新しい治療や療法に役立つ可能性のある知識を提供することです。
抗がん剤の開発・承認には1つでも数億円の費用がかかるため、開発パイプラインの効率化が指摘されています。
より優れた新薬の開発においてコストを削減できる可能性のある方法の1つは、対象となる病気に対して最も効果が期待できる候補化合物を早い段階で特定することです。
そこで同研究所では「マルチモーダル深層学習ソリューション」を開発しています。
研究では、既知の薬剤に対するがん細胞株の感度を予測するために適用し、既存のアルゴリズムと比較して優れた予測力を達成しました。
他にも、AIを活用したさまざまな研究を進めています。
米AiCureは、ライフサイエンス業界にAIを導入し、より有意義な臨床試験、薬剤開発の最適化、業務改善のためのデータ駆動型意思決定をサポートしている企業です。
臨床試験から商業化までの臨床データを最適化するためのAIプラットフォームを提供しています。
同社の提供する「AiCure Data Intelligence」は、高度に設定可能なデータ取り込みおよび可視化プラットフォームで、リアルタイムかつ予測的な洞察を提供し、各試験のパフォーマンスを可視化します。
同社の患者向けアプリケーションを使用して収集されたデータは、治療が患者に与える影響を総合的に把握することが可能です。
従来の治験実施施設での試験から、治験実施施設なし、分散型、または仮想試験まで、あらゆる種類の試験をサポートしています。
ライフサイエンス企業は、同プラットフォームを導入することで、研究への深い理解と高品質の医薬品開発を最適化し、ビジネス上の意思決定を改善することができます。
アメリカを中心に医療・ヘルスケア業界におけるAIの導入が進んでいます。
AIを導入することで、精度の高い診断や医療ミスの防止、事務作業の効率化などのメリットがあります。
先行事例を参考にしながら、AIの導入を検討しましょう。
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