公開日:2022.11.02
更新日:2025.03.24
セキュリティ関連のスキルを客観的に証明するには、関連資格の取得が考えられます。
セキュリティに関する知識・技術を身につけた人が取得できる資格を持つことは、就職・転職時の他、フリーランスとして働く際にもアピール材料になるでしょう。
特におすすめなのが、世界的にも認められている「SSCP」の資格取得です。
SSCPを取得することで、セキュリティにおける高い能力を得るきっかけをつかめます。
仕事におけるあらゆる面で役立つことが予想されるため、今から資格取得を目指して本格的な学習を行うのがおすすめです。
本記事では、SSCPの概要、出題範囲、申し込み手順、取得によるメリットなどを解説します。
セキュリティ関連の仕事で活躍を目指す方は、ぜひこの機会にSSCPの魅力をチェックしてみてください。
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<目次>
1.SSCPとは
SSCPの種類
2.SSCP試験概要
SSCPの詳細
SSCPの出題範囲
SSCPの受験者数・合格率・難易度
SSCPの申し込み手順
SSCPの有効期限
SSCPの勉強時間
3.SSCPの資格取得のメリット
セキュリティに関する高い能力を持つことを証明できる
資格取得をきっかけに年収がアップする
4.SSCPの資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
更新条件を把握しておく必要がある
5.SSCPに合格するためのおすすめの参考書や学習方法
公式のトレーニングの受講
SSCP認定資格 公式ガイドブックの活用
6.まとめ
SSCPとは、国際的な非営利団体である(ISC)²「International Information Systems Security Certification Consortium」が認定するセキュリティ資格です。
正式名称は「Systems Security Certified Practitioner」となっていて、それぞれの頭文字を取ってSSCPと呼ばれます。
特定の商品や企業に関する知識を身につける資格とは違い、あらゆる職場や国で役立つベンダーフリー・カントリーフリーな点が特徴の資格です。
SSCPの資格自体はひとつしかありませんが、(ISC)²は他にもセキュリティのプロフェッショナルを認定する「CISSP(Certified Information Systems Security Professional))」、クラウドサービスの安全利用に必要な知識に特化した「CCSP(Certified Cloud Security Professional)」、ソフトウェア開発におけるセキュリティ知識を試される「CSSLP(Certified Secure Software Lifecycle Professional)」を提供しています。
特にCISSPはSSCPに近い要素があるため、取得を目指す人が多いです。
以下では、SSCPの試験概要について解説します。
SSCPの受験に挑戦する際には、以下の基本事項を把握しておく必要があります。
SSCP |
|
---|---|
試験会場 |
Peason VUEの試験会場(東京・大阪) |
試験日程 |
随時開催 |
試験時間 |
3時間 |
試験方法 |
CBT方式 |
出題形式 |
多肢選択式(4択) |
問題数 |
125問 |
合格基準 |
1,000点中700点以上 |
受験料 |
249米ドル |
受験言語 |
日本語・英語 |
受験資格 |
制限はないが、認定されるには条件がある |
試験結果 |
ピアソンVUEでの受験終了後にスコアレポートが表示され、その場で合否が分かる |
SSCPの試験は随時受け付けているため、こちらの都合の良いタイミングで受験に臨めます。
一方で、国内の会場は東京と大阪のみとなっているため、遠方から訪れる必要がある際にはスケジュールの調整が必要です。
SSCPを受験するときに特別な資格は必要ありませんが、認定を受けるには以下の全ての要件を満たさなければなりません。
・認定試験で70%を獲得して合格する
・「SSCP CBK7 ドメイン」のなかで、1ドメインに関した業務経験が1年以上ある
・上記の実務経験が事実であることを証明できる
・「(ISC)² 倫理規約(Code of Ethics)」に同意する
・(ISC)² 認定の資格保持者から推薦を受ける
・無作為に実施される業務経験における監査に合格する
以上の条件を満たすことで、 SSCPの資格認定を受けられます。
業務年数を満たしていなくても受験は可能ですが、その場合には合格した際にまず(ISC)² 準会員(アソシエイト)として登録されます。
その後業務経験を満たした上で申請を行うことで、正式にSSCP認定を受けられます。
SSCP試験の出題範囲は、以下のようになっています。
1.セキュリティの運用と管理:16%
2.アクセス制御:15%
3.リスク特定、モニタリング、分析:15%
4.インシデントレスポンスとリカバリ:14%
5.暗号化:9%
6.ネットワークと通信のセキュリティ:16%
7.システムとアプリケーションセキュリティ:15%
(引用元:https://www.isc2.org/-/media/ISC2/Certifications/Exam-Outlines/2021/SSCP-Exam-Outline-Japanese.ashx?)
上記の出題範囲を基準とし、3時間125問の試験が実施されます。
試験内容は日本語と英語が併記されているため、事前に確認して試験時に混乱しないように備えましょう。
SSCP受験者数・合格率といったデータは、正式に公表されていません。
そのため試験の具体的な難易度を測ることは難しく、より入念な準備が求められるでしょう。
一方で難易度について見てみましょう。
試験の合格ラインは、700/1,000点以上と明記されています。
70%以上の正解が必要とされることから、決して簡単な試験とは言えないでしょう。
しかし(ISC)²が認定している資格のなかでは、 SSCPがもっともハードルの低い試験とされています。
SSCPの試験に申し込むには、以下の手順が基本となっています。
1.ピアソンVUEサイトからサインイン
※アカウントがない方はアカウント作成を行いましょう
2.「試験の表示」をクリック
3.「SSCP」を選択後、手順に従い必要事項を入力
4.受験費用の支払い
5.試験予約完了
以上の流れで、SSCPの受験申し込みは完了します。
その他にも試験前に「NDAへの同意」が必要となっているため、忘れずにチェックするようにしましょう。
また、試験当日には本人確認書類となる2種類の身分証が求められます。
身分証は「第一身分証明書(顔写真付きの証明書)」と「第二身分証明書(直筆署名付きの証明書)」に分けられ、具体的には以下のものがあてはまります。
<第一身分証明書>
運転免許証
パスポート
マイナンバーカード
外国人登録証明書または在留カード
特別永住者証明書
障碍者各種手帳
社員証
学生証
<第二身分証明書>
パスポート
クレジットカード(署名付き)
図書館の貸し出しカード(署名付き)
健康保険証
(引用元:https://japan.isc2.org/examination_application.html)
SSCPの資格取得後は、継続条件の関係から3年間が有効期限となっています。
更新のためには、3年単位で必要な条件を満たさなければなりません。
具体的には以下の内容を全て満たすことが、資格更新の条件となっています。
・「(ISC)² 倫理規約」を遵守する
・3年間で60ポイントに値する継続教育単位(CPEクレジット)を取得して申請する
・毎年の請求書の受領時に、年会費である125米ド支払う
CPEクレジットと年会費の支払いを満たすことで、認定更新日に自動で更新が行われます。
更新が完了すると、(ISC)²に登録しているメールアドレス宛に通知されます。
資格更新日までに認定の継続条件を満たせなかった場合でも、期限後90日以内であれば条件を満たすことで認定更新が可能です。
期限内にCPEクレジットの申請と未払い分の年会費を納めることができれば、問題なく更新が行われます。
認定条件を満たせなかった場合、SSCPの資格認定は一時的に停止されます。
一時停止中はSSCPの資格保有者として就職・転職活動等は行えません。
一時停止の措置が取られたまま2年経過すると、認定は失効となります。
再度資格を得るには再受験して合格する必要があるため、資格取得後は失効しないように注意をしておきましょう。
SSCPの合格に必要とされる勉強時間は、明確になっていません。
受験者の経験などを参考にすると、80時間程度は必要となるでしょう。
合格率を高めるのであれば、100時間以上勉強に時間をかけてしっかりと備えることも考えられます。
SSCPの資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。
・セキュリティに関する高い能力を持つことを証明できる
・資格取得をきっかけに年収がアップする
それぞれのメリットの詳細を、以下で解説します。
SSCPは、情報セキュリティに関する知識がなければ合格できない試験です。
そのためSSCPの資格を取得していることが、セキュリティに関する高い能力を持つことの証明になるのです。
一方でSSCPは、セキュリティ分野に特化した人材ではなく、セキュリティの専門家などとスムーズなコミュニケーションが取れる人材の育成を目指しています。
そのため情報セキュリティに関わるITエンジニア以外も、仕事に役立てられるのが特徴です。
現在会社員エンジニアとして働いている場合、SSCPの資格取得をきっかけに年収が上がる可能性があります。
資格取得による努力が認められ、社内における自分の地位が向上すれば、その分の給与アップに期待できるでしょう。
また、会社によっては資格を取得した社員に対して報酬を与える制度を設けていることもあります。
SSCPがその報酬制度に当てはまる場合、取得した時点で臨時収入を得られるでしょう。
その他、フリーランスとして働いている人も、SSCPの資格を取得することで、より良い条件の案件・求人を得られるようになる可能性があります。
結果的に年収の上昇につながるケースも考えられるため、フリーランスにもSSCPの資格取得にはメリットがあるでしょう。
SSCPの資格取得を目指す際には、以下のデメリットに注意が必要です。
・勉強時間を確保する必要がある
・更新条件を把握しておく必要がある
それぞれのデメリットについて、以下で詳細を確認しておきましょう。
SSCPの資格を取得する際には、ある程度の勉強時間が必要です。
合格を目指すのなら、毎日勉強時間を確保してコツコツと継続するやる気が求められるでしょう。
仕事をしながら資格勉強をすることは簡単ではないため、まずは勉強時間を確保できるかシミュレートして、自分なりの学習スタイルを探してみるのがポイントです。
SSCPは合格後も、更新のためにさまざまな条件を満たす必要があります。
ひとつでも満たせないと資格が一時停止となり、最悪の場合には失効となるため注意しなければならない点がデメリットです。
先に紹介した「SSCPの有効期限」の項目を参考に、更新の条件はしっかりと確認しておきましょう。
SSCPにスムーズに合格するのなら、学習方法を工夫するのがポイントです。
以下では、SSCPを受験する人に向けたおすすめ学習方法を紹介するので、勉強をする際にはぜひ参考にしてください。
(ISC)²はSSCPに関する理解を深めるために、公認のテキストと講師によるトレーニングを実施しています。
トレーニング内容は日本語かつオンラインで行われるので、受験準備の一環として申し込みをしてみるのがおすすめです。
(出典:https://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002184.html)
(ISC)²はSSCPの受験者向けに、「SSCP認定資格 公式ガイドブック」を販売しています。
日本語版もリリースされていて、試験範囲である7つのドメインにおける詳細を把握できる内容になっています。
試験対策につながる公式ガイドとなっているため、受験時には必須の1冊となるでしょう。
SSCPは、情報セキュリティに関するスキルを周囲に認めてもらうきっかけになる資格です。
国際的に信頼を得ている資格であるため、取得を理由に仕事で多くのメリットを体験できるでしょう。
これから情報セキュリティに関する職業への就職・転職を考えている人はもちろん、独立してセキュリティ分野のフリーランスとして活躍を目指す人にも役立つ資格となっているため、この機会にぜひSSCPの詳細を確認して受験を検討してみてください。
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