公開日:2023.05.19
更新日:2025.03.24
ゲームやアニメの美しいアニメーション映像は、どのように制作されているかご存じでしょうか?
多くのアニメーション映像は、3DCGソフトウェアによって生み出されており、その中でも高機能で利用者が多いのがMayaです。
Mayaはハリウッドでも使われており、プロ仕様の美しいアニメーション映像を生み出すことが可能です。
ゲーム映像やアニメーション映像を生み出す、クリエイターやゲームエンジニアを目指す場合は、Mayaを使いこなして活躍の場が広げましょう。
この記事では、Mayaとはどのようなソフトウェアなのか、実現できること、実際にMayaを使って生み出された作品、Mayaのデメリットなどについて解説します。
3DCGソフトウェアは何を使ったら良いか迷っている人や、ゲーム、アニメーションのクリエイターになりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
1.Mayaとは、どんなソフトウェア?
Mayaの特徴
Mayaの学習が向いている人
2.Mayaでできること7選!
①モデリング
②アニメーション
③リギング
④レンダリング
⑤エフェクト
⑥シミュレーション
⑦ポストプロダクション
3.Mayaを使って作成された作品例
映画『アバター』シリーズ
アニメ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』シリーズ
4.Mayaのデメリットとは?
ライセンスの購入が必須
難易度が高い
5.Mayaと他の3Dソフトのできることを比較!
6.Mayaエンジニアの需要・将来性
7.Mayaを学習する方法
Mayaの公式ドキュメントやチュートリアルを活用する
本などを使って独学で覚える
オンライン学習プログラムを活用する
プロの制作者の作品や解説を参考にする
8.まとめ
MayaはAutodesk社の3DCGソフトウェアで、アニメやゲーム、テレビ、映画、CMなどで使われる映像を生み出します。
VFX業界ではとくにシェア率が高く、ハリウッドでも採用されており、美しい映像を生み出すことが特徴です。
Mayaの特徴としては、プラグインは多くないものの、自分でプログラムを書けば自由にカスタマイズできることがあります。
すでに用意されたプラグインを利用すると便利で難易度は下がりますが、自由度は低いです。
しかし、Mayaは自分でカスタムできるので、自由度が非常に高いといえます。
ただし、その分プログラミングが必要なため、難易度は高いです。
Mayaの学習が向いているのは、映像クリエイターやゲームクリエイター、ゲームエンジニアを目指す人です。
ゲーム、アニメ、テレビ、映画など、幅広い業界で映像を手掛ける職業を目指している場合は、Mayaを学習することをおすすめします。
Mayaで実現できることは多く、3DCG映像を制作するためのさまざまな機能があります。
ここでは、Mayaでできることを見ていきましょう。
モデリングとは、3DCGの世界にキャラクターや小道具、メカ、背景などを作り出していく工程の一つです。
立体的な形や内部の構造、質感などを把握して、3DCG空間に表現していきます。
Mayaのモデリング機能は、具体的に以下のとおりです。
<Mayaのモデリング機能>
・ポリゴンモデリング:頂点、エッジ、面の形状から3Dモデルを作成する
・NURBSモデリング:モデリング対象の形状と描画された線から3Dモデルを作成する
・UV編集とツールキット:2Dでモデリング対象を座標表示して編集する機能
・スカルプティングツールセット:モデリングをより芸術的に、直感的に行える機能
Mayaには、効率的に3Dアニメーションを制作するための豊富な機能が搭載されています。
<Mayaの3Dアニメーション機能>
・高速再生機能:アニメーションを高速再生して確認作業時間を軽減できる機能
・Unreal Live Link プラグイン:アニメーションデータをリアルタイムにストリーミングできる機能
・タイムエディタ:アニメーションの高度な編集機能
・グラフエディタ:アニメーションのカーブ作成、表示、変更機能
・ゴースト化エディタ:アニメーションの時間経過に伴う動きや位置を正確に視覚化できる機能
他にも、高度な機能を持つプラグインやツールセットなどもあり、3Dアニメーション制作を効率良く進められます。
リギングとは、モデリングした物体を動かす仕組みの「リグ」を作成する工程のことです。
人間や動物、メカなどのキャラクターをモデリングした後、リギングの工程で動きをつけます。
モデリングされたキャラクターなどをスケルトンと呼ばれる骨組みと関連付けし、スケルトンの関節部分を動かすことで、キャラクターに動きが生まれるのです。
Mayaには、以下のようなリギング機能があります。
<Mayaのリギング機能>
・キャラクターセットアップ:リアルな動きのキャラクター作成のための機能
・スキニング:モデリングしたキャラクターなどをシームレスにスケルトンに関連付ける機能
・リターゲット:スケルトン同士のアニメーションを転送する機能
レンダリングとは、3次元の物体を2次元の画像に出力すること、または完成したアニメーションなどを最終的な映像に出力することです。
アニメーションやゲーム映像などを制作する際の、最後の方の工程で行われます。
Mayaのレンダリング機能は、以下のとおりです。
<Mayaのレンダリング機能>
・統合されたArnoldレンダラ:ライティング、マテリアル、カメラなどのシーンをリアルタイムに変更する機能
・標準サーフェスシェーダ:すりガラス、プラスチック、車の塗装などのモデルマテリアルなどの機能
・カラー管理:最終的なカラーをプレビューで確認できる機能
アニメーション映像などに、エフェクトをかける機能です。
多彩なエフェクト機能を利用することで、リアルな映像を表現できます。
Mayaのエフェクト機能は、以下のとおりです。
<Mayaのエフェクト機能>
・すぐに使えるグラフ:用意されているグラフを使って雪や砂嵐などのエフェクトを簡単に作成できる機能
・ヘアのインタラクティブグルーミング:キャラクターの髪の毛や毛皮を作成する機能
・Bifrost 流体シミュレーション:リアルな流体エフェクトをシミュレートしてレンダリングする機能
・Bifrost 海洋シミュレーション システム:波、波紋、航跡などのリアルな海面を作成する機能
Mayaには流体エフェクトのリアルなシミュレーション機能や動的シミュレーションフレームワークなどの機能があり、高度なエフェクトを作成可能です。
最終的に映像素材の編集やカラーコレクション、音楽や音声を合わせる作業のポストプロダクション機能も充実しています。
このように、Mayaを使えば高度な機能の数々を利用でき、効率的に優れた3DCG映像を制作できるでしょう。
Mayaを使って実際に作成された作品は、数多く存在します。
ここでは、Mayaで生み出された作品例を見ていきましょう。
映画『アバター』は2009年にアメリカで公開され、世界的に大ヒットしたSF映画です。
当時としては画期的な視覚効果が高い評価を受け、アカデミー賞では9部門にノミネートされ、美術賞、撮影賞、視覚効果賞の3部門を受賞しています。
それほど素晴らしい評価を得た映像技術は、Mayaをはじめとした3DCGソフトウェアが作り出しました。
アバターに登場するキャラクターのリアルな表情や体の動きは、とても印象的です。
このような細かいキャラクターの動きや表情、質感などを表現するために、Mayaが使われているのです。
マーベル映画の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のモデリングのほとんどが、Mayaで行われています。
モンスターの皮膚のたるみ部分のシミュレーションや、コスチューム部分にMayaのクロス機能を使用し、モンスターとの戦闘シーンをリアルに表現しています。
また、モーションキャプチャを使って、キャラクターの動きを作り出した際の仕上げにも使われました。
Mayaのアニメーションを制作するための高度な機能を使って、リアルなキャラクターの動きやコスチュームの質感などを表現しています。
Mayaを使えば、3DCGアニメーション制作のための高度な機能を活用することが可能です。
しかし、Mayaにもいくつかのデメリットがあります。
ここでは、Mayaを使う際のデメリットについて見ていきましょう。
Mayaを使用するためには、ライセンスの購入が必要です。
30日間の無償体験版もありますが、無料期間がすぎたら有料になるので注意しましょう。
Mayaのライセンス料金は、以下のとおりです。
【Mayaのライセンス料金】
契約期間 | 料金 |
---|---|
3年契約 | 858,000円 |
1年契約 | 286,000円 |
1ヶ月契約 | 36,300円 |
※価格はすべて税込
無料で使いたい場合は、オープンソースのフリーウェアであるBlenderがあります。
それぞれの機能や使い勝手などを比較して、どちらが良いか検討してみてください。
高度な機能が多いMayaを使いこなすためには、訓練が必要です。
また、与えられた機能以外を使ってカスタマイズしたい場合は、プログラミングの知識がないと思い通りの制作ができません。
このようにMayaは難易度が高く、使いこなすためには知識や技術を習得する必要があります。
専門書を読む、コミュニティに参加して情報を収集する、Mayaのセミナーや勉強会に参加するなど、さまざまな方法でMayaについて学習しましょう。
3DCGソフトウェアはMayaの他にも、3ds Max、Blenderがあります。
Mayaと3ds MaxはAutodesk社の製品で、BlenderはBlender Foundationが開発したソフトウェアです。
ここでは、3つの3DCGソフトウェアで実現できることを比較してみました。
3DCGソフトウェア選びに悩んでいる場合は、参考にしてみてください。
【3DCGソフトウェアでできることの比較】
Maya | 3ds Max | Blender | |
プラグインできること | アニメーション制作 キャラクター制作 ゲーム開発 |
アニメーションCG制作 建築物の完成予想図 |
アニメーション制作 3D映像制作 動画編集 VFX |
プラグイン | やや少なめ | 豊富 | 豊富 |
カスタマイズ性 | 高い | 普通 | 高い |
Mayaと3ds Maxの大きな違いは、プラグインの豊富さです。
3ds Maxはプラグインが豊富ですが、Mayaはやや少なめなので、機能を拡張する際にはプログラミングの知識が求められます。
Blenderは機能もプラグインも豊富なうえ、他の二つのソフトとは違い、完全無料で利用できます。
ただ、機能が豊富な分、習得が難しい点がデメリットです。
Mayaエンジニアの需要や将来性は、今後どうなっていくのでしょうか?
ここまでご説明したとおり、Mayaは高度な機能を持ち、多くの映像作品を生み出した実績がある3DCGソフトウェアです。
3DCGソフトウェアのシェア率は、同じAutodesk社製の3ds MaxとMayaが占めています。
今後新しいソフトが登場する可能性もありますが、現在のところAutodesk社製のソフトウェアがもっともメジャーです。
そのため、Mayaを使えるエンジニアになれば、アニメーション制作やゲームエンジニアとして活躍の場が広がるでしょう。
また、アニメーションやゲームの需要は、今後も伸びていくことが予想されます。
Mayaや関連するソフトウェアやツール、映像制作の専門的な知識や技術を吸収していけば、エンジニアとしての価値を高められるでしょう。
今後も伸びていく分野で活躍していくことが可能です。
アニメーションやゲームの需要は今後も高い傾向にあり、Mayaはこの業界で欠かせないソフトウェアです。
そのため、Mayaエンジニアの将来性はあると考えられます。
Mayaは、3DCGソフトウェアの中では使いこなすための難易度が高く、専門的な知識や技術必要です。
ここでは、Mayaを効率良く学習する方法について、ご紹介していきます。
Mayaの公式サイトには、公式ドキュメントやトレーニングセンター、認定試験、コミュニティなどがあります。
不明点などがあれば、日本語の公式ドキュメントで調べることが可能です。
また、Autodesk社が認定したトレーニングセンターで学べるうえに、認定資格の取得もできます。
ただし、認定試験は英語で受ける必要があるので、ご注意ください。
他にもMayaエンジニアのコミュニティなどもあるため、Mayaに関する最新の情報を収集できるでしょう。
Mayaのテキストをオンラインショップなどで購入することも可能です。
テキストを読みながら実際にソフトウェアを動かすことで、独学で知識を吸収するという方法もあります。
映像クリエイター向けのオンライン学習プログラムの中には、Mayaの講座も存在します。
通信講座を利用すれば、講師にいつでも質問することが可能です。
効率の良い学習カリキュラムを利用して、Mayaの知識や技術を習得できるでしょう。
費用はかかりますが、独学よりも短期集中で学習できる可能性が高いです。
Mayaを用いてプロが制作した作品や解説を参考にし、知識や技術を習得する方法もあります。
プロの制作者によるMayaの映像制作講座に参加したり、プロのクリエイターによる動画を参考にしたりすることで、実践力を高められるでしょう。
この記事では、Mayaとはどのようなソフトウェアなのか、実現できること、実際にMayaを使って生み出された作品、Mayaのデメリットなどについて解説しました。
Mayaはハリウッドにも採用されている3DCGソフトウェアで、キャラクターの細かい動きや表情、アニメーションなどを制作できます。
映画アバターなど、有名な映像作品の制作現場でも採用されています。
映像クリエイターやゲームエンジニアとして活躍したいなら、Mayaの知識や技術を習得することで、キャリアアップできるでしょう。
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