2023.08.29
Unityは、3Dゲームの開発に使われるゲームエンジンです。最近ではゲーム開発以外にも、さまざまな業界におけるXRコンテンツ開発、アプリ開発などで利用されています。Unityを習得すれば、ゲーム業界だけでなくさまざまな分野で活躍できるでしょう。
今回は、Unityとはどのようなツールなのか、どのようなことを実現できるのか、ゲーム業界以外での活用例などについて解説します。これからUnityを使いたいと考えている方、Unityで何ができるか知りたい方などがこの記事を読めば、Unityでできることをご理解いただけるでしょう。
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<目次>
1.Unityとは?
Unityは主にゲーム開発で使われるツール
Unityの特徴
Unityを使って開発されたゲームの例
2.Unityでできること3選!
①ゲーム開発
②XR(VR・AR・MR)コンテンツ開発
③アプリ開発
3.Unityを活用する5つのメリット
①直感的な開発ができるため、初心者でも扱いやすい
②オリジナリティに富んだ開発ができる
③レンダリングを高速化できる
④クロスプラットフォームに対応している
⑤幅広いシェアを獲得している
4.Unityの活用例はゲーム開発以外にもある
製造業での活用例
建築業界での活用例
広告業界での活用例
医療業界での活用例
航空宇宙産業での活用例
5.Unityでできないこと・デメリットとは?
グラフィックや音声などの素材制作には向かない
使用できる開発言語がC#に限定されている
6.Unityとその他開発ツールのできることを比較!
7.Unityエンジニアの需要・将来性
8.Unityを学習する方法
公式ドキュメントや無料プランを活用する
スクールを活用する
独学で覚える
9.まとめ
Unityとは何なのか、特徴やUnityで開発できるゲームの例についてご説明します。
Unityは「C++」で開発されたゲームエンジンです。
3Dゲーム開発やスマホゲーム開発のほか、XRコンテンツ開発やアプリ開発の分野で活躍しています。
ゲームエンジンとは、ゲーム開発を効率良く行える開発ツールのことです。
ゲームに必要なキャラクターや背景で使われる映像、音楽などの素材や、ゲーム開発によく使われる共通の処理、開発環境などがそろっています。
ゲーム開発がしやすい環境が整っているため、プログラミング経験が浅くても高品質なゲームを開発できるようになっています。
ここではUnityの特徴についてご説明しましょう。
・コーティングレスでの開発が可能
・物理エンジンが標準搭載されている
・開発用プラットフォームとしても利用できる
・安全性が高い
・コーティングレスでの開発が可能
Unityはコーディングレスで、つまりコーディングしなくてもゲーム開発が可能です。
プログラミングの知識がなくても用意された素材や仕組みを使うことで高品質なゲームを開発できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、高度な機能や独自の機能を取り入れたい場合は、プログラミング知識が必要です。
・物理エンジンが標準搭載されている
Unityには「物理エンジン」という高度な機能が標準搭載されています。
物理エンジンとは、現実世界の物理法則をゲームの世界に適用するための機能です。
現実世界の物理法則(波の動きなど)を物理エンジンで計算して、ゲーム内の世界で表現できます。
この物理エンジンにより、まるで現実世界のようなリアルなキャラクターの動きや映像をゲーム内に表現できるのです。
・開発用プラットフォームとしても利用できる
Unityは、開発用プラットフォームとしての役割も担っています。
具体的には、コーディング不要かつ直感的な操作のみで開発できるツールや、ゲーム開発のための補助ツールなどがそろっており、これによって開発を効率良く進められます。
さらに、C#でプログラミングすることで、独自機能や高度な機能を実装できます。
また、外部アセットと呼ばれる外部から取り入れた情報を活用することも可能です。
このように、開発用プラットフォームとして優れた機能が豊富に搭載されています。
・安全性が高い
Unityで開発されたゲームアプリの多くが、遠隔操作のおそれがあるマルウェアに感染したという事件が2015年にありました。
しかし、現在は常に最新のセキュリティ対策が講じられています。
普段から最新バージョンに更新をしておけば、高い安全性を保てるでしょう。
Unityを使って開発されたゲームについてご紹介します。
・Among Us(アマンガス)
・ウォーキング・デッド:ノー・マンズ・ランド
・Among Us(アマンガス)
Among Usは、友人や世界中の人々とマルチプレイで宇宙船内での騙し合いを楽しめる、人狼風ゲームです。
2018年6月に公開されてから現在まで世界中のプレイヤーが楽しんでおり、1日あたりのアクティブユーザー数が6,000万人に達しています。
Unityを利用すれば、多くのプレイヤーがマルチプレイを楽しめるゲームも開発可能です。
・ウォーキング・デッド:ノー・マンズ・ランド
ウォーキング・デッドはゾンビによる世界の終末を迎えた物語で、アメリカでドラマシリーズが大ヒットし世界中で人気を博しました。
「ウォーキング・デッド:ノー・マンズ ・ランド」はウォーキング・デッドの公式スマホゲームです。
キャラクターを操りゾンビがあふれる世界を生き残るスリリングな戦闘を楽しめます。
フィンランドにあるゲーム企業のネクストゲームズ社が、Unityを採用してこのゲームを開発しました。
リアルなゾンビやキャラクターの動き、ドラマに登場した世界観などを、Unityで見事にゲーム世界に再現しています。
Unityで実現できることは主に、「ゲーム開発」「XRコンテンツ開発」「アプリ開発」の3つです。
ここでは、Unityでできることについて詳しくご説明しましょう。
Unityはもともとゲーム開発を行うために開発されたゲームエンジンなので、ゲーム開発がもっとも得意です。
なかでも3Dゲームの開発が得意ですが、2Dゲームも開発できます。
Unityがゲーム開発プラットフォームとして優れている理由として、クロスプラットフォーム対応であることがあります。
Windows・Mac・LinuxなどのパソコンのOSや、iOS・AndroidなどのスマホのOSなど、ほとんどの機器に対応したゲームを開発できます。
また、PlayStationやNintendo Switchなどのコンシューマー機向けのゲーム開発も可能です。
Unityで開発された有名なゲームとしては、以下のようなものがあります。
・ポケモンGo(スマホアプリゲーム)
・ウマ娘(スマホアプリゲーム)
・ドラゴンクエストウォーク(スマホアプリゲーム)
・ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(スマホアプリ版のリメイク)
・バイオハザードアンブレラコア(PlayStation)
数多くの有名ゲームがUnityで開発されていることがわかりますね。
XRコンテンツとは、VR・AR・MRコンテンツの総称ですが、Unityを使えばXRコンテンツを開発することが可能です。
・VR(Virtual Reality)
VRは仮想現実のことで、現実に近い仮想現実空間の映像や音楽などのコンテンツです。
近年、ゲーム以外でもVRコンテンツを利用する場面が増えています。
・AR(Augmented Reality)
ARは、現実の世界に架空の映像を組み合わせる技術のことを指します。
また、拡張現実とも呼ばれています。
・MR(Mixed Reality)
MRはARをさらに進化させ、映像の後ろに回り込むなど、より高度に進化した技術です。
複合現実とも称されます。
XRコンテンツはゲームの世界だけでなく、多くの業界で活用されています。
たとえば、車のショールームでVRを用いて試乗体験をする、医療現場で人の体の動きを再現して医療に活かすなどです。
リアルな世界を映像で表現するXRコンテンツ開発は、ゲーム業界だけでなくあらゆる業界で活かされています。
Unityは、Windows・Mac・iOS・Androidなど多くのOSに対応したアプリを開発できる、クロスプラットフォーム対応をしています。
アプリ開発では、上記のようなあらゆる環境に対応した製品が求められるので、クロスプラットフォーム対応のUnityは開発に適していると言えるのです。
また、Unityを使ったVR・ARアプリの開発なども可能で、スマホゲーム以外にもさまざまなアプリ開発の現場で活用が進んでいます。
Unityを活用するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
Unityならプログラミングの知識がなくても直感的な操作で開発ができるので、開発初心者でも扱いやすいという大きなメリットがあります。
ゲーム開発の場合、画像や文字の描写、音声の作成やゲームコントローラーによる制御、3Dモデリングなどが必要です。
しかし、Unityはこれらの作業のほとんどに対応しています。
先ほど「プログラミングの知識がなくても開発できる」と説明しましたが、C#のプログラミング知識があれば、より拡張的な処理が可能です。
Unity Scriptという拡張機能を使えば独自の処理を実装でき、オリジナリティに富んだ開発が叶います。
解像度の高い映像を作成する際にネックとなるのが、レンダリングの速度です。
高度な計算により映像を生成するレンダリングを高速化できれば、映像作成作業の効率が大幅にアップします。
Unityでは、CPUの最適化やライティングパフォーマンスの向上などにより、レンダリングの高速化を実現しました。
そのため、開発作業効率の向上に期待できるでしょう。
Unityはクロスプラットフォームに対応しているため、Windows・Mac・Linuxで動作するアプリや、iOS・Android向けのスマホアプリ開発などが可能です。
ほとんどの環境に対応したゲームやアプリを作ることができるため、個別の環境に対応した開発が不要になります。
Unityは世界中に数多くの利用者がおり、幅広いシェアを獲得しています。
Unityのゲーミングレポート2022によると、23万人の開発者が75万以上のゲームを制作・運営しているとのことでした。
世界中の人々に人気が高い理由として、初心者向けのプランからプロ仕様のプランまで幅広く対応していることや、多機能なことが挙げられます。
初めてゲーム開発を行う人はもちろん、熟練のゲーム開発者やコンテンツ開発者向けとしても十分な機能が備わっています。
Unityはゲーム開発分野以外でも活用が進んでいますが、その事例について業界ごとにご紹介します。
製造業の現場では、CADデータの3Dシミュレーションや映像化を行う際にUnityが用いられています。
ゲーム世界の3Dシミュレーションや映像をレンダリングする技術などが、CADデータの処理に活かされているのです。
自動車メーカーのHondaでは、Unityを用いて車両デザインのプレゼンテーション用の映像を作成しています。
これにより、ベンダーに精密な自動車デザインを伝えることが可能です。
建築業界では、施工中の建設現場をUnityでバーチャル空間に再現し、建設現場の生産性向上に役立てています。
これにより、現場で実際に人や資材を動かすことなく、バーチャル空間で現場の問題点を洗い出す作業などを行うことが可能です。
大手建設会社の株式会社大林組は、Unityを使ってサイバー空間上に建設現場を構築し、作業効率の向上を目指しています。
広告業界では、バーチャルの世界で参加できるイベントの開発などにUnityが活用されています。
バーチャルイベントでは、友人とイベントやゲーム内で遊べたり、実際にイベントに参加しているような気分を味わえたりします。
Unityによるバーチャルイベント開発事例として、クラスター株式会社によるメタバースプラットフォーム「cluster」があります。
clusterを活用すると、バーチャル上の音楽ライブや友人とゲームなどを楽しめる「バーチャルSNS」を楽しめます。
医療の現場では、人間の骨格や関節の動きを3D映像で再現する、手術前に使用するシミュレーションソフトの開発などの際にUnityが活用されています。
従来は見えなかった人間の体の動きを知ることができる、シミュレーションソフトで手術の練習ができるなど、医療現場で大きな成果をあげています。
航空宇宙産業でも、航空機やロケットのシステム開発にUnityが活かされています。
たとえば、精密部品のシステム開発を行う際、ARコンテンツを活用すれば、精密部品の必要な情報を見ながら作業できます。
また、宇宙産業に用いられる精密機器を使用する際のトレーニングに、Unityで開発したVRコンテンツを活用することも可能です。
Unityは、ゲーム開発以外にもさまざまな業界でXRコンテンツ開発やアプリ開発に活かされていますが、できないことやデメリットもあります。
ここでは、Unityでできないこと、デメリットについてご説明します。
Unityでのグラフィック素材の制作は可能ですが、高精細なグラフィックスを制作したいならUnreal Engineの方がおすすめです。
また、基本的に外部から取得した素材をインポートして使うため、音声素材自体を制作する際にも向かないと言えるでしょう。
Unityでは、「Unity Script」の活用により、C#によるプログラミングで独自の機能を実装できます。
これにより、独自の物理動作制御やキャラクターのカスタムAIシステムなどを開発可能です。
ただし、Unity Scriptで使えるプログラミング言語はC#のみというデメリットがあります。
以前は、JavaScriptやBooをUnity Scriptで使うことができましたが、現在は対応していません。
Unity以外にもゲーム開発ツールが存在しますが、具体的にどんなところが違うのでしょうか?
以下の表で、その他開発ツールと比較してみましたので、チェックしてみましょう。
【Unityと開発ツールの機能比較】
開発ツール名 | 2D/3D対応 | できること |
---|---|---|
Unity | 2D/3D | 小規模から大規模まで幅広いゲーム、コンテンツ開発 |
Unreal Engine | 2D/3D | 美しいグラフィックのゲーム、コンテンツ開発 |
GameMaker | 2D/3D | 直感的なゲーム・コンテンツ開発 |
Godot Engine | 2D/3D | 完全無料でゲーム開発が可能 |
Cocos2d-x | 2D | 軽量で2Dゲーム開発が可能 |
Unityエンジニアの需要、将来性は今後どうなっていく見通しなのかを見ていきましょう。
ゲームエンジンや開発ソフトウェアの2020年の世界市場は6億9,170万米ドルに達し、2027年までに18億7,900万米ドルに達すると予測されています。
拡大を続けるゲーミングエンジンや開発ソフトウェアの世界市場の中で、Unityのシェアはどうなっているのでしょうか。
Unityゲーミングレポート2022によると、以下のようなデータが発表されています。
・Unityプラットフォームで制作されたゲームの数が93%増加した(2021年)
・Unityによる新規クリエイターの数が31%増加した(2021年)
・Unityでリリースされたゲーム数が50%増加した(2019~2021年)
Unityの需要は増え続けており、Unityエンジニアの将来性は期待できると言えるでしょう。
Unityを学習するための方法についてご紹介します。
Unityの公式ドキュメントやUnityの無料プランを活用すれば、Unityについて学べます。
Unityエディタをダウンロードする際には、まずは無料プランの「Personal」を選びましょう。
・Unity公式マニュアル
・Unityエディタダウンロードページ
ある程度Unityについての基本を学び終え使えるようになり、本格的にゲーム開発やコンテンツ開発をすると決めた場合、スクールを活用すると良いでしょう。
専門的な内容や、より高度なテクニックなどを学ぶことが可能です。
個人でUnityを使う場合や、初めてUnityに触れる場合は、まずは独学で勉強することをおすすめします。
上記のUnity公式ドキュメントや市販のUnityプログラミング入門のテキスト、ネット上の教材などを活用すれば、独学で勉強できます。
今回は、Unityとはどのようなツールなのか、どのようなことを実現できるのか、ゲーム業界以外での活用例、Unityの勉強方法などについて解説しました。
Unityはゲーム開発エンジンとしても優れているのはもちろん、XRコンテンツ開発やアプリ開発など幅広い分野で活用されています。
ゲーム開発エンジニアやXRコンテンツの開発エンジニアとして活躍したいなら、Unityを習得することを強くおすすめします。
「Unityを習得してゲーム開発やXRコンテンツ開発の案件を受注したい」とお考えの方は、「フリーランススタート」をご利用ください。
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