公開日:2023.09.20
更新日:2025.03.24
「JavaScript」は、クライアントサイドのプログラミング言語です。通常はサーバーサイドの開発はできません。しかし、今回ご紹介する「Node.js(ノードジェイエス)」を活用すれば、JavaScriptでもサーバーサイドのプログラミングができます。
そこで今回は、サーバーサイドJavaScriptの特徴や、Node.jsの活用例・学習方法について解説します。サーバーサイドJavaScriptにチャレンジしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
あなたの経験職種のフリーランス案件相場を確認しませんか?
<目次>
1.JavaScriptは「サーバーサイド」でも使える
JavaScriptとは
クライアントサイドとは
サーバーサイドとは
Node.jsとは
2.サーバーサイドJavaScript「Node.js」の特徴・メリット
大量のアクセスに対応しやすい
「C10K問題」を解決できる
一気通貫のWeb開発ができる
3.サーバーサイドJavaScript「Node.js」のデメリット
大規模な開発には向いていない
サーバーが対応していないことがある
サーバーに関する知識も必要になる
4.サーバーサイドJavaScript「Node.js」で実現できること・作れるもの
Webサーバーの構築
Webアプリの開発
スマホアプリの開発
IoT関連分野の開発
5.サーバーサイドJavaScript「Node.js」の将来性・学習意義
将来性・需要が高い
人材の希少性が高い
JavaScriptより取得難易度が高い
6.サーバーサイドJavaScript「Node.js」の学習方法
書籍や参考書で学ぶ
Webサイトや学習サービスで学ぶ
プログラミングスクールに通う
7.まとめ
JavaScriptはクライアントサイドのプログラミング言語で、通常はサーバーサイドの開発はできません。
しかし、「Node.js」というプラットフォームを活用すると、JavaScriptでもサーバーサイドのプログラミングができるようになります。
ここでは、サーバーサイドJavaScriptやNode.jsによるプログラミングについて、以下の4つの観点から詳しく見ていきましょう。
・JavaScriptとは
・クライアントサイドとは
・サーバーサイドとは
・Node.jsとは
JavaScriptは、Web開発に特化したプログラミング言語です。
JavaScriptのプログラムはユーザー端末のWebブラウザ上で動作し、あらゆるWebサイト・サービスで活用されています。
主な役割はWebサイトに「動き」をつけることです。
例えば、ポップアップウィンドウや入力フォームの制御、アニメーションなどがJavaScriptの代表的な活用例です。
現在のWebサイトやサービスの大半に、こうした機能が備わっていることからも分かるように、JavaScriptはWeb開発に欠かせない言語となっています。
なお、JavaScriptについて詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
Web開発を大きく分けると「クライアントサイド」と「サーバーサイド」の2つに分けられます。
クライアントサイドは「ユーザー端末側」を意味し、Web開発ではWebブラウザが該当します。
JavaScriptはWebブラウザ上で動作する、クライアントサイドのプログラミング言語です。
ユーザーがブラウザを表示・操作するときや、その結果をサーバーから受け取ってブラウザ側で処理するときに、JavaScriptのプログラムが稼働します。
サーバーサイドは「サーバー側」を意味し、Web開発ではアプリやサービスの提供側を指します。
サーバーサイド言語の代表例は、PHPやRubyなどです。
クライアントサイドで行われた処理・要求を受け取って、必要な情報を送り届けるためにサーバーサイドのプログラムが稼働します。
このように、クライアントサイドとサーバーサイドはそれぞれ役割が異なるため、使用されるプログラミング言語も異なります。
そのため、フロントサイドのプログラミング言語であるJavaScriptは、サーバー側のプログラムは開発できないということです。
JavaScriptでは、サーバーサイドのプログラミングはできません。
しかし、「Node.js」というプラットフォーム(実行環境)を活用すると、JavaScriptでもサーバーサイドの開発ができます。
Node.jsの大きな特徴は、後述しますが、複数の処理を同時に行える「ノンブロッキングI/O」により、プログラムを効率的に実行できることです。
そのため、通常のJavaScriptと比べて、より複雑な処理が行いやすくなっています。
サーバーサイドJavaScriptのNode.jsには、以下のような特徴・メリットがあります。
・大量のアクセスに対応しやすい
・「C10K問題」を解決できる
・一気通貫のWeb開発ができる
Node.jsは大量のユーザーがアクセスした場合も、リアルタイムな処理が行いやすくなっています。
Node.jsは「ノンブロッキングI/O」を採用しています。
ノンブロッキングI/Oとは、ある処理を行ったときにその完了を待たず、次へ移行できる仕組みのことです。
通常のブロッキングI/Oのような待機時間がほとんどないため、大量のアクセスがあっても高速に処理できます。
Node.jsのこうした性質は、特定の時間に商品を一斉販売する予約サイトの制作や、リアルタイムの対話が重要なライブチャットの開発などに役立ちます。
ブロッキングI/Oのプログラミング言語では、サーバーのスペックに余裕があっても、処理の待機時間の関係で遅延が生じます。
これが「C10K問題」、つまりクライアント端末が1万台を超えると、パフォーマンスが大幅に低下するというシステム開発上の課題です。
しかし、Node.jsでは、ノンブロッキングI/Oにより複数の処理を同時にできるため、C10K問題の解決につながります。
実際に、Node.jsはパフォーマンスが重要なシーンで広く活用されています。
Node.jsの登場により、フロントエンドからサーバーサイドまで、JavaScriptで一気通貫のWeb開発ができるようになりました。
通常のJavaScriptでは、サーバーサイド開発にはPHPやRubyなどの言語が必要です。
しかし、Node.jsの場合はJavaScriptのエンジニアがサーバーサイド開発にも携われます。
JavaScriptのスキルがあればサーバーサイドの案件を獲得できるというのは、エンジニアにとって大きなメリットです。
サーバーサイドJavaScriptのNode.jsは便利なプラットフォームですが、一方で以下のようなデメリットもあります。
・大規模な開発には向いていない
・サーバーが対応していないことがある
・サーバーに関する知識も必要になる
Node.jsは、大規模な開発現場には向いていないと考えられています。
非同期処理が基本であることや、変数の型指定が曖昧であることから、大人数の開発ではエラーやバグの検知が難しく、開発効率が低下する可能性があるからです。
そのため、Node.jsは比較的規模が小さなプロジェクトや、リアルタイム処理が必要なケースに向いています。
ちなみに大規模開発には、JavaScriptをもとに開発された「TypeScript」がおすすめです。
TypeScriptは2012年に登場した、Microsoft社のプログラミング言語です。
JavaScriptとの互換性でJavaScriptのライブラリが使えることや、大規模開発でもエラーやバグを防ぎやすいことが魅力です。
すべてのサーバーがNode.jsに対応しているわけではありません。
サーバーがNode.js非対応の場合は、VPS(Virtual Private Server)などの仮想環境を用意し、Node.jsが稼働する環境を整えないといけません。
そのため、Node.jsを導入する前には、サーバーの対応状況を確認する必要があります。
Node.jsは「言語」ではなく「実行環境」なので、Node.jsのプログラミング方法は基本的にJavaScriptと同じです。
そのため、JavaScriptとNode.jsで構文が大きく異なることはありません。
しかし、サーバーサイドのプログラミングではサーバー特有の処理を行うため、Node.jsを利用する場合は、サーバープログラミングについての知識も必要になります。
Node.jsで実現できることや作れるものとして、以下が挙げられます。
・Webサーバーの構築
・Webアプリの開発
・スマホアプリの開発
・IoT関連の分野の開発
サーバーサイドで動作するNode.jsは、Webサーバーの構築に適しています。
Node.jsで構築したWebサーバーは、前述したノンブロッキングI/Oの採用により軽量であるため、大量アクセスがあるときも比較的スムーズな動作が可能です。
そのため、高負荷時でもパフォーマンス低下のリスクが低く、ユーザーにとって快適なWebページ・サービスを制作できます。
例えば、チャットなどリアルタイム性が求められる分野のサーバー構築には特に向いているといえるでしょう。
Node.jsは、Webアプリの開発に適しています。
大量のアクセスにもリアルタイムで対応できるため、SNSやECサイト、動画配信サイトなど、レスポンス速度が重要なサービスの開発に最適です。
また、Node.jsには、Webアプリ開発のためのフレームワークも豊富です。
フレームワークには、プログラム開発に必要な機能がそろっているため、初心者でもWebアプリ・サービスが効率的に作れるでしょう。
スマホアプリ開発といえば、Android向けは「Kotlin」、iOS向けは「Swift」が一般的ですが、近年ではJavaScriptで開発されるケースも増えています。
Node.jsはパフォーマンスが高いため、複数のユーザーが同時に接続するスマホアプリの開発に最適です。
例えば、リアルタイム処理が欠かせないスマホ用ゲームアプリなどです。
Node.jsはクロスプラットフォーム対応なので、AndroidとiPhone双方に向けたアプリも開発可能です。
「IoT(Internet Of Things)」は、さまざまな「モノ」をインターネットに接続する仕組みです。
IoT技術は家電製品などで広く活用されており、今後も市場が拡大していくと考えられています。
例えば、IoTエアコンは、外出先からでもスマホアプリなどでエアコンを操作できるので便利です。
Node.jsはIoT開発にも採用されており、専用のライブラリが提供されるなど、開発環境が整いつつあります。
Node.jsは膨大な処理を処理できるので、loT機器から収集されたデータをスムーズに取り扱うことができ、loT機器の開発やデータ活用の効率化が可能です。
サーバーサイドJavaScript・Node.jsの将来性や学習意義について、以下の3つのポイントから見ていきましょう。
・将来性・需要が高い
・人材の希少性が高い
・JavaScriptより取得難易度が高い
JavaScriptはWeb開発の主流言語なので安定した需要がありますが、Node.jsの需要は特に高まっています。
2023年の段階で、JavaScriptをサーバーで動作できるプラットフォーム・実行環境は、基本的にNode.jsのみです。
当面はNode.jsの代替技術が登場する可能性は低く、インターネットの発展によりNode.jsの需要はさらに高まると考えられます。
そのためNode.jsの将来性は高く、Node.jsができるエンジニアの価値も今まで以上に高まっていくでしょう。
Node.jsの需要が高まっている一方で、エンジニアの供給が需要に追い付いていないため、Node.jsエンジニアの収入が向上している傾向があります。
実際にpaiza株式会社の調査によると、JavaScriptエンジニアの平均的な年収は約600万円です。
ちなみにフリーランスエンジニアの場合、例えばフリーランススタートでは2023年6月時点で3,400以上のNode.js案件があります。
月額単価の相場は約70万円、最高単価は200万円となっており、フリーランスエンジニアでも高い水準となっています。
引用:Node.jsのフリーランス求人・案件一覧| フリーランスエンジニア募集
以上の点から、サーバーサイドJavaScript・Node.jsのスキルを習得することは、Webエンジニアのキャリアアップのために効果的だといえるでしょう。
サーバーサイドJavaScript、つまりNode.jsは通常のJavaScriptと比べて学習難易度は高めです。
JavaScriptに加えて、サーバーサイドのプログラミングスキルや、専用のライブラリの知識が必要になることが理由です。
また、Node.jsのプログラムはサーバー側で稼働するため、開発環境としてサーバーを用意する必要があります。
この環境構築は初心者にとっては、ハードルが高く感じるかもしれません。
サーバーサイドJavaScript「Node.js」は、主に以下の方法で学習できます。
・書籍や参考書で学ぶ
・Webサイトや学習サービスで学ぶ
・プログラミングスクールに通う
Node.jsの最もスタンダードな学習方法が、書籍や参考書の活用です。
専門知識がある著者の書籍から、正しい知識を体系的に学べることがメリットです。
ここでは、Node.jsの初心者・入門者におすすめの書籍として、以下の3冊をご紹介します。
・Node.js超入門 第3版
「Node.js超入門 第3版」は、Node.jsの学習をこれから始める人に向けた入門書です。
Node.jsの基本的な知識やフレームワークの活用法、アプリの作り方などが分かりやすく解説されています。
Node.jsの第一歩としておすすめの1冊です。
・入門Node.jsプログラミング
「入門Node.jsプログラミング」は、Node.jsの初学者を対象とした参考書です。
Node.jsによるWebアプリ開発に必要な基礎知識が学べます。
Node.jsでWebアプリを開発したい人は、本書にチャレンジしてみましょう。
・ハンズオンNode.js
「ハンズオンNode.js」は、JavaScriptに関する知識がある人を対象とした書籍です。
Webアプリの開発やテストなど、実務に役立つスキルを体形的に学べます。
ただし、フロンドエンドの知識があることが前提となっているため、通常のJavaScriptを学んでからチャレンジしましょう。
Webサイトや学習サービスでも、Node.jsを学習できます。
基本的に費用がかからないことや、Webブラウザですぐに検索できることから、書籍より気軽にチャレンジできることが魅力です。
サンプルコードも豊富なので、Node.jsを効率的に学べるでしょう。
例えば「Node.js公式サイト」では、Node.jsのさまざまなメソッドの使用方法が掲載されており、プログラミング技術を網羅的に習得できます。
すべて英語ですが、ソースコードも掲載されているので、不明点を解消したいときに役立つでしょう。
Node.jsの概要をそれなりに理解できた後は「Progate」の「Node.jsコース」がおすすめです。
Webアプリの開発やデータベースとの連携について学べるため、実戦的なスキルが身につきます。
Node.jsをできるだけ短時間・効率的に習得したい場合は、プログラミングスクールに通うのがおすすめです。
専門知識がある講師や現役エンジニアから「生きた知識」を学べることが、プログラミングスクールのメリットです。
書籍やWebサイトによる独学では、分からないことをすぐ解決できないため、どうしても挫折してしまうことがあります。
しかし、プログラミングスクールでは、講師が丁寧に教えてくれるので、挫折することなくNode.jsが学べるでしょう。
また、スクールによっては就職・転職のサポートも受けられるので、Node.jsエンジニアとしてのキャリア形成にも有利です。
最速でNode.jsエンジニアになりたいなら、プログラミングスクールを検討してみましょう。
Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで稼働させるためのプラットフォームで、Webサーバー、アプリ、Webサービスの開発に活用されています。
今後もさらに需要が高まると考えられるため、Node.jsの習得はキャリアアップのために大きな価値があるといえます。
今回ご紹介したポイントを参考にして、ぜひNode.jsの習得にチャレンジしてみてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから→
フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
フリーランスお役立ち記事を検索
あなたの経験職種のフリーランス案件を見てみませんか?
SNSアカウントでログイン