公開日:2021.03.29
更新日:2025.03.24
グラフィックデザイナーは、広告代理店やデザイン事務所など、さまざまな職場で活躍している職業です。
IT系への転職を目指していて、かつデザインに関する仕事に興味があるのなら、グラフィックデザイナーという選択肢も考えられるでしょう。
本記事ではグラフィックデザイナーとはどんな職業なのかについて、仕事内容や年収、将来性などから確認していきます。
未経験からグラフィックデザイナーに転職するためのポイントも紹介するので、この機会にグラフィックデザイナーになるためのプランをたててみてはいかがでしょうか。
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<目次>
1.グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーの仕事内容
①依頼・企画提案
②デザイン作成・初稿提出・修正
③最終校正・納品
グラフィックデザイナーの年収
2.市場から見るグラフィックデザイナーの将来性
3.グラフィックデザイナーが転職する際に必要なポートフォリオとは?
4.未経験からグラフィックデザイナーへの転職を実現させるには
デザインスキルや実務経験を身に付ける
転職理由と志望動機を一貫させる
デザインスクールを受講する
転職エージェントを活用する
5.まとめ
グラフィックデザイナーとは、各種商品を構成するデザインの作成を行う職業です。
クライアントからの要望を受けてオリジナルのデザインを考案し、作品として完成させるのが主な仕事となっています。
グラフィックデザイナーの仕事には、イラスト、フォント、写真、動画、3Dデザインなどさまざまな要素が含まれます。
グラフィックデザイナーを目指すのなら、デザインを構成する各要素に詳しくなっておくことが重要です。
グラフィックデザイナーは、大きく「広告系」と「ゲーム系」の2種類に分けられます。
広告系のグラフィックデザイナーとは、印刷物やWebに関する媒体のデザインが仕事です。
例えば以下のようなものを、広告系のグラフィックデザイナーは手がけます。
・新聞や雑誌の広告
・商品パッケージ
・看板
・チラシ
・ポスター
・Webサイトに掲載するグラフィック など
広告系のグラフィックデザイナーは、広告代理店やデザイン事務所、出版社や印刷会社などに就職・転職することが多いです。
そのほか、これらの企業と業務委託(フリーランス)として働くことも考えられるでしょう。
ゲーム系のグラフィックデザイナーは、ゲーム内で使用するグラフィックをデザインするのが仕事です。
コンシューマー(家庭用)ゲームやスマホゲームなどのデザインが担当範囲となり、キャラクターや背景などを作成します。
近年は3Dソフトを使ってのデザイン(3Dデザイナー)が主流ですが、ドットやイラストを用いた2Dのデザインが行えるグラフィックデザイナー(2Dデザイナー)にも需要があります。
ゲーム系のグラフィックデザイナーは、各種ゲームの開発会社に就職・転職するか、フリーランスとして業務委託で働くことが考えられるでしょう。
グラフィックデザイナーの仕事内容は、以下の流れで構成されています。
それぞれの工程でどんなことをするのか、どういったスキルを求められるのかを把握しておくことが、グラフィックデザイナーへの転職の際には重要です。
今回は、グラフィックデザイナーの仕事内容を、3つの点から紹介します。
グラフィックデザイナーは、まずクライアントの依頼を受けて企画を提案するのが仕事です。
要望を把握するためにはヒアリングを行い、どのようなデザインが必要とされているのかを確認します。
ヒアリングを基にしてデザインのコンセプトや方向性、納期や予算などを決定していきます。
クライアントとのヒアリングではただ一方的に要求を受け入れるのではなく、グラフィックデザイナーの知識や経験を活かして、具体的な提案やアドバイスを行うこともポイントです。
その後の制作業務がスムーズにいくように、必要な情報は最初のヒアリングで全て引き出せるように意識しましょう。
グラフィックデザイナーはヒアリング後、要件定義に合わせて実際にデザインの作成を行います。
完成したデザインはクライアントに提出し、必要に応じて修正をします。
初稿で完璧なデザインを作成できることは少なく、基本的に複数回クライアントとやりとりをすることになるでしょう。
デザインの細かな部分を少しずつ調節して、最終的にクライアントが納得できる形に落とし込んでいくのがグラフィックデザイナーの仕事です。
デザインについての知識が少ないクライアントの場合、あらかじめ複数のデザインパターンを作成し、内容をすり合わせやすくすることも行います。
デザインの作成業務では、複数人とチームを組んで仕事を進めるケースもあります。
デザインに使うイラストの制作をイラストレーターに依頼したり、雰囲気にマッチした写真をフォトグラファーに撮影してもらったりすることもあります。
各素材を組み合わせて一つのデザインにまとめあげるのも、グラフィックデザイナーの仕事です。
グラフィックデザイナーとして制作したデザインをクライアントが確認し、最終校正でOKをもらったら納品に進みます。
納品のためには、作成したデザインをデータ化する作業が必要です。
印刷物のデザインの場合にはデータを会社に渡し、実際の色味を確認するための色校正を行います。
要望通りの内容に仕上がっていることを確認したのち、クライアントに納品します。
グラフィックデザイナーの年収は、会社員の場合平均で約418万円というデータがあります。
一般的なITエンジニア会社員の平均年収は約469万円となっているため、やや低めな数値になっているといえるでしょう。
一方フリーランスのグラフィックデザイナーの場合、フリーランススタートを参考にすると以下の通りです。
平均単価 | 中央値単価 | 最高単価 | 最低単価 | |
グラフィックデザイナー | 57.4万円 | 60万円 | 100万円 | 4万円 |
上記月額単価を参考にして年ベースで算出すると、グラフィックデザイナーのフリーランスの平均年収は約688万円です。
年収を重視してグラフィックデザイナーに転職するときには、フリーランスを視野に入れたキャリアアップも考えられるでしょう。
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グラフィックデザイナーの将来性は、今後Web媒体を中心に需要が伸びていくことが考えられます。
これまでグラフィックデザイナーは紙媒体で活躍してきましたが、市場は縮小傾向にあり、今後も同様の需要を見込むことは難しいでしょう。
公共財団法人全国出版協会の「日本の出版販売額」によると、雑誌や書籍の推定販売金額は年々低下しています。(2020年時点のデータ参照)
新刊の点数も減少傾向にあることから、出版関係の業者がグラフィックデザイナーに仕事を回すことは少なくなるかもしれません。
一方で、Web媒体の市場は伸びてきているため、グラフィックデザイナーの仕事も増えています。
例えば経済産業省が行った「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」では、コロナの影響により前年とほぼ横ばいですが、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.3兆円の市場規模とかなり大きいです。
近年はスマホの普及率も高いため、多くの人がWeb媒体に触れる機会が多い点もポイントです。
総務省の情報通信白書(令和3年版)によると、2020年の世帯の情報通信機器の保有状況は、95%以上という高い数値になっています。
ほとんどの家庭がスマホかパソコンを所有しているので、Web媒体に力を入れる企業が増え、結果的にグラフィックデザイナーの仕事が増えると予想できるでしょう。
これからグラフィックデザイナーに転職するのなら、紙媒体だけに注目するのではなくWeb媒体を中心とした仕事を意識することがポイントです。
その他、AI(人工知能)やブロックチェーン、xRなどの最先端分野の発展によりゲーム市場も拡大する可能性も高いです。
特に近年ではNFT市場の盛り上がりも加熱してきています。
ブロックチェーンデータ会社のChainalysis社のレポートによると2021年のNFTの取引総額は409億ドル(約4兆7100億円)となっており、誰でも手軽に始められクリエイターが活躍する場所も増えてきています。
つまり相対的に2Dデザイナーや3Dデザイナーの需要も増していく可能性は高く、その観点から見てもグラフィックデザイナーの将来は安泰でしょう。
グラフィックデザイナーに転職するのなら、ポートフォリオの作成が欠かせません。
ポートフォリオとは、これまでの実績をまとめた作品集のことを意味します。
グラフィックデザイナーとしての活躍の記録をまとめておくことで、転職の応募や面接のときに、簡単に自分の能力を証明することができるのです。
それはスムーズな転職活動につながり、フリーランスとして働くきっかけにもなるでしょう。
グラフィックデザイナーのポートフォリオではただこれまでのデザインを紹介するのではなく、以下のような情報を提供するのがポイントです。
・どのような案件に対してデザインを制作したのか
・デザインテーマやコンセプト
・制作時間
・使ったツールやソフト(Illustrator、InDesign、Photoshopなど)
グラフィックデザイナーとしてのスキル証明につながる情報は、可能な限り盛り込んでいくのが重要です。
また、グラフィックデザイナーはポートフォリオそのものにデザイン性があると、良いアピールにつながることがあります。
実際にグラフィックデザイナーとして働いている人が、どのようなポートフォリオを公開しているのかをチェックして、参考にしましょう。
グラフィックデザイナーに未経験から転職する際にも、ポートフォリオは強い味方になります。
未経験でも独学で作成したデザインが豊富でデザイン性があるものなら、グラフィックデザイナーに転職できる可能性があります。
転職活動の一環として、グラフィックデザイナーを目指すときにはポートフォリオを充実させていくことも考えてみましょう。
グラフィックデザイナーへの転職を未経験から成功させるには、いくつかの準備がポイントとなるでしょう。
転職時に重要となるポイントをまとめましたので、グラフィックデザイナーになるのならぜひチェックしてみてください。
グラフィックデザイナーに未経験から転職するためには、デザインスキルや実務経験を意識して身につけていくことがポイントです。
デザインスキルには基本的な画力や色彩の知識のほか、トレンドを把握して自分なりに吸収していく情報収集力も含まれます。
Illustrator、PhotoShop、InDesign、Figma、Adobe XDなどの関連ソフトを使う技術も、デザインスキルとして磨いていくことがおすすめです。
また広告系のグラフィックデザイナーか、ゲーム系のグラフィックデザイナーによって身に付けるデザインスキルは異なりますので、しっかり調べましょう。
グラフィックデザイナーへの転職理由と志望動機が一貫していると、転職の成功率は上がります。
転職理由はただ「デザインが好き」という曖昧なものではなく、「自分はグラフィックデザイナーの仕事で〇〇がしたい」と具体性を重視するのがポイントです。
具体性のある転職理由を軸に「だから、〇〇ができる企業に入社したい」「だから〇〇をして会社の市場幅を拡大したい」といった志望動機につなげていけば、面接官を納得させるアピールができます。
グラフィックデザイナーへの転職理由と、転職先の企業への志望動機がしっかりと結びつくように意識してみましょう。
グラフィックデザイナーに必要なデザインの技術や知識が足りないと感じるのなら、デザインスクールを受講してから転職活動をすることも考えられます。
デザインスクールでは専門の講師の授業を受けられるので、プロしか知らない知識やコツを獲得することが可能です。
近年はオンラインによる受講が可能なケースも多いため、今の仕事を続けながらスキル習得ができるでしょう。
グラフィックデザイナーへの転職時には、転職エージェントの活用を主軸にすることがおすすめです。
未経験からグラフィックデザイナーに転職する場合、転職活動と同時にデザインの勉強やポートフォリオの作成に時間をかける必要があります。
そのため転職活動をサポートしてくれる転職エージェントの存在が、欠かせないものになるのです。
転職エージェントは、条件に合う転職先を見つけたり、面接スケジュールを調整したりといった実用的なサポートをしてくれます。
転職活動にかかる雑務を任せられるので、デザインの勉強やポートフォリオ作成に集中することができるのです。
また、転職エージェントの中にはデザイナーに特化したサービスもあります。
グラフィックデザイナーならではの悩みを理解してくれるキャリアデザイナーによるサポートが受けられるので、よりスムーズな転職活動につなげられるでしょう。
グラフィックデザイナーへの転職を考えるのなら、まずは準備が必要です。
本記事を参考にしていただければ、グラフィックデザイナーの基本と、転職に必要なスキルや環境を知ることができます。
転職をはじめる前に、グラフィックデザイナーになるための情報収集をしてみましょう。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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