公開日:2021.09.01
更新日:2025.03.24
現在では様々な種類のプログラミング言語が開発されていますが、中でも歴史があり現在でも根強い人気を誇る言語の1つが「COBOL」だとえるでしょう。
COBOLは金融業界を中心としていまだ重宝されている言語であり、その需要は今後も一定水準以上をキープするものと考えられます。
そのためこの記事では、COBOLの概要やCOBOLでできること、得意領域や近年になって再注目を受けている経緯について解説します。
特に、以下の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・COBOLについて概要を理解しようとしている方
・COBOLが得意としていることを整理したい方
・COBOLが近年改めて注目を浴びている理由を知りたい方
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<目次>
1.COBOLとは
2.COBOLでできること・得意領域
数値計算に強く事務処理に適している
勘定系システムの開発
扱えるエンジニアの年齢層が高い
金融業界でよく活用されている
3.COBOLが再注目を浴びている理由
4.まとめ
COBOLとは、1959年にアメリカで開発された非常に歴史のあるプログラミング言語です。
「Common Business Oriented Language」の略称で、日本語で直訳すると「共通事務処理用言語」であると言えます。
その名の通り事務処理に特化した言語であり、生産性・保守性の高さから金融業界などを中心に現在でも活用されています。
COBOLは、当時53歳だった女性プログラマーのグレース・ホッパー氏が開発しました。
彼女は計算機科学者として活躍する一方で、アメリカの軍人として准将までになった人物でもあります。
COBOLの登場以前には、事務処理を行うコンピューター言語はアセンブラやFORTRANなどメーカーによって異なっており、非常に難しい言語ばかりでした。
こうした状況の中アメリカ国防省が共通言語として考案したのが、COBOLです。
そのためCOBOLは英語に近い記述コードで書くことができ、比較的読み取りもしやすいプログラム言語だと言われています。
ただし、ソースコードが冗長になりやすいなどと言われることもある点には注意しましょう。
COBOLは規格になっており、現在でも拡張を続けています。
2002年にはオブジェクト指向にも対応しており、最新の規格は「COBOL2014」となっています。
この章では、COBOLによってできることやCOBOLが得意とする領域についてお伝えします。
COBOLは非常に古い言語ですが、現在でも根強い人気を誇っています。
COBOLの特徴としてまず挙げられるのが、数値計算への強さです。
通常のコンピューターでは2進法を利用しますが、COBOLでは二進化十進法での演算を定義できるため四則演算などの計算を人間でも分かりやすく扱うことができます。
二進化十進法とはコンピューターにおける演算方式の1つであり、十進法であらわす1桁を0~9を表す2進法の4桁で表現するものです。
また、桁数の多い数値の計算でも比較的容易にこなすことが可能です。
さらに、通常データ項目に対して浮動小数点を扱うと余剰分が切り捨てられるようなことがありますが、COBOLでは小数点以下も明示的に定義できます。
COBOL以外の言語では、誤差の発生に細心の注意を払わなくてはなりません。
例えばJavaなどを利用して四則演算を行うことは可能ですが、複雑になってくると非常に見づらく、誤り発生のリスクが高まってしまいます。
しかしCOBOLの数値計算は分かりやすく、誤りが発生しにくいと言えるでしょう。
数値計算を確実に実施できることから事務処理への適正は非常に高く、正確かつ高速での業務進行が期待できます。
数値計算が得意で事務処理に特化しているCOBOLは、勘定系システムの開発において現在でも多く使われています。
勘定系システムとは、金融機関における口座や融資の残高管理、預金額や融資額に対する利息の計算などを含む、勘定処理を行うシステムのことです。
オフラインでコンピューター処理を一度に行うプログラム方式のことをバッチ処理と呼び、COBOLは正確かつ高速数値計算処理ができることからこれを得意としています。
大量のデータを入出力もしくは管理し、ソートや抽出などの作業もスムーズに行うことが可能です。
例えば、銀行において利用時間外である夜間などのデーター処理時間をあらかじめ設定しておき、入出金や送金処理を行う際などに利用されています。
COBOLは60年もの歴史がありながら現在でも利用されているプログラミング言語ですが、現在では扱えるエンジニアが限定的であり、年齢層も高くなっています。
現在ではCOBOLエンジニアの年齢層は40代後半から50代程度だと言われており、中には60代のフリーエンジニアの方もいます。
若い担い手が少ない一方で大規模システムなどにおいてはこれからも利用される続けると思われるため、COBOLエンジニアの需要はなくならないと考えられるでしょう。
現在中心となって活躍している40代~50代のエンジニアが次々と引退をする時期が来れば、COBOLエンジニアの需要は飛躍的に高まる可能性もあります。
若いエンジニアにはCOBOLのメインフレームすら知らない方も多数いることが予想され、重宝される局面も多々あるはずです。
例えば、COBOLシステムが稼働しているメインフレームから新たな言語のサーバーにリプレイスする際などには、COBOLのソースコードを読めるエンジニアが必要なはずです。
数値計算を得意としているCOBOLは、誕生から60年たった現在でも金融業界において重宝されています。
金融業界では1円の計算ミスが重大な問題に発展しかねません。
また、日常的に大きな金額を扱うこともあり、正確かつ高速、そして大量のデータを一括で処理できるCOBOLとの親和性が高いと言えるでしょう。
また、ソースコードにばらつきが少ない点なども、金融業界における処理との相性の良さだと言えます。
金融は私たちの生活を支える非常に重要な分野であり、コンピューターによる処理の自動化はとても早い段階から取り入れられていました。
現在でも多くのシステムがCOBOLをベースとして構築されており、COBOLを扱えるエンジニアの需要は一定以上確保され続けると予想されます。
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非常に歴史があり時には「古臭い」とのイメージも持たれてしまうことがあるCOBOLですが、2020年になって再び注目を浴びたことで話題になっています。
注目を浴びたのは、2020年4月になり、アメリカ・ニュージャージー州知事がCOBOLについて言及したためです。
アメリカではコロナウイルス感染拡対策としてロックダウンを実施し、その結果として大量の国民が失業に追い込まれました。
そして失業保険の給付申請システムに大量の人々がアクセスしたことによって、システムがダウンしてしまいます。
この状況を受けた知事が、システムを実装していたCOBOLのエンジニアが必要だと会見で発表したのが経緯です。
元々エンジニアの高齢化が問題視されていたなかで、コロナウイルスの感染拡大によって問題が浮き彫りになったと言えるでしょう。
上記のような経緯のため、現在ではCOBOLの重要性について多く方が気づき出しています。
COBOLは1953年にアメリカ国防省の提案で開発されたプログラミング言語であり、現在でも金融系のシステムの多くで重宝されています。
高速かつ生活に事務処理を行うことを得意としており、勘定系システムではとても重要な言語だと言えるでしょう。
近年ではCOBOLの重要性に再び目を向けられるようになってきており、銀行などのシステムにおいては今後も使い続けられることが予想されます。
そのため、COBOLの需要は今後も一定以上の水準を保ち続けると考えられるでしょう。
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