公開日:2022.02.17
更新日:2025.03.24
Webサイトの作成や構築のスキルを持つ人材の需要は、インターネットの活用が日常となって以来高まり続けています。
特にWebサイトの視覚的な部分の作成を担うWebデザイナーは、今後もさまざまなサイトが作られていく過程の中で、その需要はさらに高まっていくと予想されるでしょう。
会社員としてWebデザインに携わることはもちろん、フリーランスのWebデザイナーになって働き方を変えていくことも考えられます。
しかし、Webデザイナーの仕事は人気職であるがゆえに、すべての人に仕事が集まるとは限りません。
Webデザインに関する知識・技術を持つことを証明できなければ、WebデザイナーやそのほかWebデザインに関連する職業への就職・転職は難しくなるでしょう。
そこでおすすめなのが「ウェブデザイン技能検定」の取得です。
国家資格であるウェブデザイン技能検定の資格を取得していれば、客観的に自身のWebデザインのスキルをアピールできます。
就職・転職時はもちろん、フリーランスになってから仕事を受注する際にも、資格取得によるメリットを実感できるでしょう。
こちらではウェブデザイン技能検定の基本情報と、資格取得によるメリット・デメリット、勉強時におすすめのテキストなどを紹介します。
Webデザインの仕事に興味があるのなら、この機会にウェブデザイン技能検定の資格について調べてみましょう。
あなたの経験職種のフリーランス案件相場を確認しませんか?
<目次>
1.ウェブデザイン技能検定とは
2.ウェブデザイン技能検定試験
ウェブデザイン技能検定の詳細
・ウェブデザイン技能検定3級
・ウェブデザイン技能検定2級
・ウェブデザイン技能検定1級
ウェブデザイン技能検定の受験者数・合格率・難易度
ウェブデザイン技能検定の申し込み手順
ウェブデザイン技能検定の勉強時間
3.ウェブデザイン技能検定の資格取得のメリット
ウェブデザイン知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.ウェブデザイン技能検定の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
資格が役立たない場合もあり得る
5.ウェブデザイン技能検定合格のためのおすすめテキスト
おすすめテキスト①:ウェブデザイン技能検定 2級/3級ガイドブック
おすすめテキスト②:ウェブデザイン技能検定 2級/3級対策問題集
おすすめテキスト③:初心者からちゃんとしたプロになる Webデザイン基礎入門
ウェブデザイン技能検定の公式サイトで過去問や練習問題もやっておこう!
6.ウェブデザイン技能検定でよくある質問
名刺や履歴書などへの表記方法は?
7.まとめ
ウェブデザイン技能検定とは、国家検定制度である「技能検定制度」の一種です。
Web業界においては唯一の国家資格であり、取得すれば就職や転職時に注目されやすくなります。
ウェブデザイン技能検定は厚生労働省によって指定を受けている「特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会」が試験を開催し、Webデザインの能力がある人を認定しています。
試験では関連国際標準規格等に基づいたWebデザインに関する知識・技術・実務能力がチェックされ、十分なスキルを持っていればそれを証明できる合格証書を得られます。
ウェブデザイン技能検定には、3級、2級、1級の種類があります。
1級が最も高い難易度となり、取得できれば高度なWebデザイン知識・技術を持っていることをアピールできるでしょう。
もちろん1級は高度なスキルが必要となるので、まずは自分のレベルに合ったウェブデザイン技能検定の取得を目指すのがポイントです。
ウェブデザイン技能検定を取得するには、所定の試験を受ける必要があります。
試験の日時や出題範囲などは3級、2級、1級ごとに異なり、受験資格も変わります。
事前にそれぞれの詳細を確認して、ウェブデザイン技能検定に合格するための準備をしておきましょう。
ウェブデザイン技能検定を受験する際には、以下でまとめた各種情報の詳細を確認しておくことがポイントです。
3級、2級、1級ごとに内容を確認し、今後の受験に備えてみてください。
試験会場 |
北海道、 宮城、埼玉、東京(川崎市を含む)、神奈川、愛知、石川、岡山、大阪、福岡、広島、鹿児島、沖縄など |
試験日時 |
令和4年度の場合 |
試験時間 |
・学科:45分 |
出題形式 |
・学科:筆記試験(マーク方式)、「多肢選択法」「真偽法」形式 |
出題範囲 |
<学科試験> <実技試験> 出題範囲における詳細はこちらで確認可能 |
合格基準 |
・学科:70点以上(100点満点) |
受験料 |
・学科:5,000円 |
受験資格 |
Webサイトの作成や運営に関する業務を始めた、もしくは始めようとしている人 |
試験会場 |
北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄など |
試験日時 |
令和4年度の場合 |
試験時間 |
・学科:60分 |
出題形式 |
・学科:筆記試験(マーク方式)、「多肢選択法」「真偽法」形式 |
出題範囲 |
<学科試験> <実技試験> 出題範囲における詳細はこちらで確認可能 |
合格基準 |
・学科:70点以上(100点満点) |
受験料 |
・学科:6,000円 |
受験資格 |
・Webサイト作成や運営などの実務を2年以上経験している |
試験会場 |
・学科: 東京、大阪、福岡 |
試験日時 |
令和4年度の場合 |
試験時間 |
・学科:90分 |
出題形式 |
・学科:筆記試験(マーク方式)、「多肢選択法」「真偽法」形式 |
出題範囲 |
<学科試験> <実技試験> 出題範囲における詳細はこちらで確認可能 |
合格基準 |
・学科:70点以上(100点満点) |
受験料 |
・学科:7,000円 |
受験資格 |
<実技試験> <学科試験> |
受験料はそれぞれ異なり、2級と3級の場合には35歳未満の受験者に対して減免が実施されています。
受験料の振込先は、公式ホームページのこちらで確認できるため、受験の際には忘れずに入金を済ませておきましょう。
各級ごと、出題内容や難易度は大きく異なるので、詳細をこちらで確認しておきましょう。
ウェブデザイン技能検定の受験者数と合格者数は、2019年からの過去5年間で以下のようになっています。
(1〜3級のすべてを含めた数値)
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
---|---|---|---|
2016年 |
3,096人 |
1,847人 |
約60% |
2017年 |
4,101人 | 2,336人 |
約57% |
2018年 |
3,416人 | 1,871人 |
約55% |
2019年 |
3,013人 | 1,779人 |
約59% |
2020年 |
2,587人 | 1,730人 |
約67% |
※2017年の試験回数:5回
※2020年の試験回数:3回
2007〜2021年までのトータル受験者数は37,990人、合格者数は20,526人となっています。
合格率は約60%になっているため、1〜3級全体で見ると半数近い人が落ちるやや難しい資格だと言えるでしょう。
また、インターネットスキル認定普及協会のデータによると、ウェブデザイン技能検定の各級の合格率は以下のようになっています。
・3級:60〜70%
・2級:30〜40%
・1級:10〜20%
ウェブデザイン技能検定3級はWebデザインの基本を試す試験であるため、60〜70%と比較的高い合格率になっています。
実務経験がなくても受験資格を得られる初心者向けのレベルであるため、合格難易度はそれほど高くないでしょう。
一方で、ウェブデザイン技能検定の2級は30〜40%、1級に関しては10〜20%とかなり低い合格率になっています。
これは3級と比較してよりWebデザインに関する専門的な知識・技術を試されるため、中途半端な準備では合格できない難易度の高さが表れていると言えるでしょう。
Webデザインに関する資格である「Webデザイナー検定」の合格率は、ベーシックが71.9%、エキスパートが53.6%となっています。(2021年後期の結果)
ほかのWebデザインの資格と比較すると、ウェブデザイン技能検定の1〜2級の難易度が高いことが分かるでしょう。
しかし、各級における過去5年間の合格率を分析してみると以下のようになりました。
・3級:約65%
・2級:約42%
・1級:約85%
このことから2・3級に関してはインターネットスキル認定普及協会のデータが示すように変化はないですが、1級に関しては合格率が非常に高まっている傾向があります。
特に2017年度以降の試験より高まっていることを考慮すると、豊富かつ有益な情報や学習サイトが以前よりも増加し受験者のスキルが全体的に向上しているのかもしれません。
ウェブデザイン技能検定の申し込み手順は「インターネットによる受検申請」と「郵送による受検申請」の2種類があります。
<インターネットによる受検申請手順>
1. 事前登録、基本情報の登録を行う
2. 受験申請を行う(受験する級の選択、免除申請、受験資格の申請など)
3. 決済方法を選択する(コンビニ、ゆうちょATM、銀行振込)
4. 決済を行う(決済の確認には2〜3日ほど必要な場合があるので注意)
5. 申請の受理が行われる
インターネットによる申し込み詳細はこちらで確認
<郵送による申請手順>
1. 受験手数料の振込を行う
2. 受検申請書を記入する
3. 受検申請書を簡易書留で送付する(受検申請書送付先はこちらで確認)
4. 申請の受理が行われる
受検申請期間が決定すると、公式ホームページに詳細が表示されるので、受験前に確認しておきましょう。(受検申請期間初日に関しては、その日の正午より申請が可能)
受検手数料の納付後は、申請の取り消し、返金、振替といった対応ができません。
試験会場の変更もできないので、しっかりと内容を確認した上で受験の申し込みを行いましょう。
受検申請の受理に関する通知メールなどはなく、受検票が発送されることで受理が確認できます。
ウェブデザイン技能検定に合格するためには、ある程度の勉強時間を確保しなければなりません。
合格率の高い3級でも、事前に勉強をして対策をしておかなければ、問題に苦戦することになるでしょう。
ウェブデザイン技能検定の合格に必要な勉強時間にはっきりとしたラインはありませんが、仮に以下の時間を目安にできます。
・3級:15〜30時間程度
・2級:50時間程度
・1級:100時間以上
仮に1日1〜2時間の勉強を行う場合、3級はだいたい1週間〜2週間、2級は1ヶ月程度、1級は最低でも3〜4ヶ月の時間がかかると考えられます。
もちろん、あくまで上記の勉強時間は概算であるため、もともとの知識量や勉強方法などによって、実際に必要とされる時間は変わるでしょう。
ウェブデザイン技能検定の資格取得には、さまざまなメリットがあります。
以下からは、ウェブデザイン技能検定を取得した際の具体的なメリットについて解説します。
ウェブデザイン技能検定の資格を取得すると、ウェブデザインに関する知識を身に付けられます。
ウェブデザイン関連の知識は、専門学校や大学で学ぶ人も多いですが、独学で習得することも可能です。
しかし、独学はモチベーションを保つのが難しく、継続して勉強をできないことも珍しくありません。
ウェブデザイン技能検定は独学の際の具体的な目標になるため、ウェブデザインを身に付けるまで勉強するきっかけになります。
2級や1級であれば高度な専門知識を持てるため、実務に役立てることも可能でしょう。
ウェブデザイン技能検定の資格は、ITやWeb系企業への転職・就職時に活用できます。
ウェブデザイン技能検定に合格した実績は、IT・Web系企業の採用担当者にとって注目すべきポイントです。
資格取得を実現している時点で、高いWebデザインスキルと積極的に知識を得ようとする主体性のある人材であることが判断できるので、採用の決め手になるでしょう。
仮に基礎的な分野を試される3級の取得であっても「自分からWebデザインについて勉強をした」という点が実績になるため、採用担当者からの評価は高まります。
これからITやWeb系企業への転職・就職を考えているのなら、ウェブデザイン技能検定の資格取得を目指すことが成功につながるでしょう。
ウェブデザイン技能検定の資格を取得すると、企業内の制度次第で資格手当や報奨金を貰える可能性があります。
近年の企業はレベルの高いWebデザイナーを確保するために、積極的に学習を促す環境を構築しているケースが多いです。
就職後でもウェブデザイン技能検定の資格取得を叶えれば、資格手当や報奨金などによって年収アップにつながる可能性がある点もメリットになるでしょう。
また、Webデザインに関する知識を身に付ければ、それを活用して副業をすることも可能です。
Webデザイナーの副業に興味がある人も、資格取得によって収入アップを狙えるかもしれません。
ウェブデザイン技能検定の資格取得には、メリットだけでなくデメリットもあります。
以下からは、事前に把握しておきたいデメリットについて解説します。
ウェブデザイン技能検定に合格するためには、ある程度の勉強時間が必要です。
プライベートの時間を削って勉強時間を確保しなければならない点は、資格取得時におけるデメリットになるでしょう。
勉強の期間に空白ができると、それまで学んだことを忘れてしまう恐れもあります。
そのため一般的には継続した勉強が必要となるので「合格するまでプライベートの時間がなくなる」といった可能性も考慮しておきましょう。
ウェブデザイン技能検定の資格を取得しても、実際に役に立たないケースもあり得ます。
せっかく時間をかけて取得しても、その過程で得た知識を実践で活かせなければ、ウェブデザイン技能検定も意味のない資格になってしまうでしょう。
これはWebデザイン業界が、基本的に「実力主義」であることが理由となっています。
どれだけ高難易度の資格を取得しても、その知識・技術を実際の現場で活用できなければ、評価の対象にはならないのです。
「ウェブデザイン技能検定を取得すれば必ず認められる」と考えるのではなく「ウェブデザイン技能検定の取得で得た知識・技術を実際にどう活かすべきか」という点に注目するのがポイントになるでしょう。
ウェブデザイン技能検定に合格するには、以下のテキストの利用がおすすめです。
各種テキストは合格につながる知識を効率良く学べるので、スムーズに取得までの道のりを進むことができるでしょう。
以下では3つのテキストを紹介するので、それぞれの詳細を確認してみてください。
ウェブデザイン技能検定に挑戦するのなら「ウェブデザイン技能検定 2級/3級ガイドブック」の活用がおすすめです。
3級と2級それぞれ1冊ずつ発行されていて、試験内容に合わせた必要知識・技能を学習できます。
3級には問題集がセットとなっているため、実際に問題を解きながら勉強を進められます。
2級にはパソコンやスマホから利用できる「ネットチャレンジ」による問題演習が提供されているので、隙間時間を使って効率良く学習が行えるでしょう。
ウェブデザイン技能検定への合格のためには、問題集を積極的に使った勉強方法もおすすめです。
「ウェブデザイン技能検定 2級/3級対策問題集」を用意して、どのような問題が出るのか、どんな解き方をすればいいのかを把握しておきましょう。
ウェブデザイン技能検定3級対策問題集は現在も購入できますが、2級の問題集に関しては新品で手に入れることが難しい状況です。
そのため2級を受験する場合には、後ほど解説する公式サイトの過去問の利用を検討してみてください。
1日30分からはじめられる手軽さが売りの参考書で、Webデザインに関する基礎を学びながらプロを目指せます。
HTML・CSSの書き方やWebサイトの制作、公開、運用方法なども丁寧に記載しているので、Webデザイナーとしての基礎能力を身に付けられるでしょう。
直接的にウェブデザイン技能検定の試験に関連する参考書ではありませんが、Webデザイナーとしての知識を得る最初の一歩になり得るので、初心者はまずこちらで勉強をはじめてみるのがおすすめです。
ウェブデザイン技能検定の公式サイトでは、受験生に向けて過去問の公開を行っています。
実際に試験に出題された問題が3回分公開されているので、勉強の際にはこちらのデータも有効に利用していきましょう。
そのほか、ウェブデザイン技能検定の公式サイトでは、ウェブデザイン技能検定試験の「練習問題」も公開されています。
学科試験と実技試験の両方が練習問題として公開されているので、こちらも解きながら試験への合格を目指しましょう。
ウェブデザイン技能検定の試験時には、いくつか気になるポイントがあると思います。
以下からは、ウェブデザイン技能検定における「よくある質問」についての一例を紹介します。
ウェブデザイン技能検定に合格した場合、厚生労働省の指導に基づいて「等級」「正式職種名」「技能士」の順番で名刺や履歴書に表記するのが基本です。
例えば1級に合格した人は「1級ウェブデザイン技能士」と記載することになるでしょう。
そのほか、ウェブデザイン技能検定に関する質問については、こちらからご覧いただけます。
少しでも気になることがあるのなら、事前に公式サイトの回答を確認しておきましょう。
ウェブデザイン技能検定は、Webサイトのデザインを仕事にする際に活用できる資格です。
Webデザイナーの需要は今後も伸びると予想されるので、この機会にウェブデザイン技能検定の詳細と、必要な準備について確認して合格を目指してみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから→
フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
フリーランスお役立ち記事を検索
あなたの経験職種のフリーランス案件を見てみませんか?
SNSアカウントでログイン