公開日:2021.11.16
更新日:2025.03.24
大副業時代とも囁かれる昨今、WebコンテンツのデザインやHTML/CSSのコーディングなどによって報酬を得る「Webデザイナー」として働く人が増えつつあります。
しかし、中には「自分は公務員/会社員だけど、副業でもWebデザインはできるのか」や「Webデザイナーの月単価や年収っていくらなんだろう」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
当記事では副業Webデザイナーの単価の目安から、公務員/会社員の副業の可否、Webデザイナーに必要なスキル、副業案件獲得方法などを解説します。
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<目次>
1.副業Webデザイナーの単価
副業だとフリーランスより不利?
2.公務員/会社員Webデザイナーは副業禁止なの?
公務員の副業について
会社員の副業について
Webデザイナーの副業はバレない?
3.公務員/会社員が副業Webデザイナーになるには?
独学でデザインスキルを身につける
デザインスクールを受講する
4.副業Webデザイナーの仕事(案件)獲得方法
フリーランスエージェントや副業サイトを活用する
クラウドソーシングサービスで副業の仕事を獲得する
直接副業の仕事を獲得する
デザインスクールを受講後、紹介してもらう
5.副業Webデザイナーの注意点
確定申告をする可能性がある
本業と副業のバランスを取る
著作権などにも注意が必要
6.副業Webデザイナーからフリーランスへの独立も検討してみましょう
7.まとめ
副業かつ業務委託契約のWebデザイナーの報酬は、プロジェクト単位や時間単価で考えると専業と大きく変わりません。
2021年11月のdoocyJob(ドーシージョブ)掲載のフリーランス求人・案件によると、フリーランスWebデザイナーの時給単価は3,556円、中央値は3,270円、最高単価は9,500円です。
またフリーランススタート掲載の求人・案件で、月平均単価を見てみると44.1万円、中央値は50万円、最高単価は110万円となっています。
調査結果ではフリーランスのエンジニア全般やWebディレクターよりは低め、プログラマーと同じくらいとなっていました。
Webデザイナーとして稼ぐには、Webデザインのスキルを磨く、他の作業も巻き取るために他のスキルも身につけるなどの工夫が必要になるでしょう。
転職サイトdodaの調査では、正社員のWebデザイナーの平均年収は356万円と、全職種平均の372万円に比べて低めを記録しています。
雇用契約で働く場合も、他の職種より稼ぎやすいというわけではないようです。
フリーランスのWebデザイナーはまとまった時間が取れたり、信頼が築きやすかったり、スキル磨きに時間がかけられたりする点で、稼ぐという意味では副業の人より有利です。
しかし副業でもクライアントの要望に応える作品制作やスムーズな報連相の提供によって、フリーランスと同じく高単価かつ多くの仕事を受注できます。
報酬や受注率アップにフリーランスか副業かは直接関係ありません。
いかにクライアントへ価値提供ができるかで決まります。
フリーランスのWebデザイナーの求人・案件を少し覗いてみる↓
結論としては、公務員/会社員が副業としてWebデザイナーを始められるかどうかは、勤め先の許可が降りるかどうかで変わってきます。
公務員は国家公務員法を、会社員は就業規則に沿って副業を行うか検討しましょう。
なお公務員/会社員どちらのケースでも、上司や同僚に隠しながら副業を続けるのは困難です。
公務員の副業(兼業)については制限が課せられています。
国家公務員法や地方公務員法において、以下の3つが定められているからです。
1. 国民全体の奉仕者として、職務遂行にあたっては全力を挙げて専念しなければならない
2. 営利企業の役員との兼業や自営との兼業は原則として禁止している
3. 報酬を得る兼業は内閣総理大臣およびその職員の所轄庁の許可が必要になる
上記の3を見る限り、Webデザイナーであっても許可さえ取れれば副業は可能です。
実際に総務省の公表資料でも公務員の副業についての意見がまとめられており「徐々に公務員の副業も認める方向になるのではと期待する動きがある」と報告があります。
ただし許可を得るには「社会通念上相当と認められる報酬額以下であること」「本業に支障が出ないこと」「国家公務員や感触全体の信用低下や不名誉につながらないこと」などを満たさなければなりません。
また兼業する時間についても、原則として「週8時間以下」「1ヶ月30時間以下」「勤務日は3時間以下」と定められています。
少なくとも自営との兼業禁止の観点から、事業規模レベルで活動するのは非常に難しいといえるでしょう。
公務員の副業解禁の動きもあるとはいえ、2021年時点では制限があるのが現状です。
会社員の副業については法律上で禁止されておらず、罰せられることはありません。
ただし会社ごとに定めてある就業規則に副業禁止の項目がある場合、破ってしまうと懲戒処分や減給の対象になる可能性があります。
またWebデザイナーの副業によって本業に悪影響が出る、同業他社で副業を行う、情報漏洩やコンプライアンス違反を起こすなどの会社に著しく損害を与えたときは、懲戒処分の対象になります。
公務員の副業のように明確な時間は定められていませんが、自身の精神面や体力面との兼ね合いが大切になるでしょう。
公務員/会社員が無断で副業Webデザイナーを始めた場合、高確率でバレると考えておきましょう。
理由は次のとおりです。
・住民税の金額が給与所得の割合と合わず経理担当から疑われる
・本業のパフォーマンスやモチベーションが落ちていることが周囲に広がる
・SNSやブログ、同僚などの発信から副業の事実が割り出される など
Webデザイナーの仕事は不労所得ではないので、自分自身の行動や態度次第で意図せず相手にバレやすいです。
隠した末に発覚すると、会社員は会社や職場からの信頼が失墜し、公務員は法律違反に該当します。
副業許可が下りた公務員/会社員が副業Webデザイナーになるのに、特別な資格は必要ありません。
しかし稼ぐためには、クライアントの要望に応えられる基本的なデザインスキルやコーディングスキルが必要です。
またクライアントに実力を証明するためのポートフォリオ(制作物や経歴、実績をまとめたもの)を作成するときにも、スキルがなければ低品質のものしか作れません。
具体的に必要なスキルをみていきます。
・PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを扱うスキル
・HTML/CSSやJavaScriptなどのマークアップ言語およびプログラミング言語のコーディングスキル
・WordPressといったCMS(コンテンツマネジメントシステム)をカスタマイズできるスキル
・仕事を受注する営業力
・クライアントの課題を解決できる提案力や問題解決力 など
ここでは公務員/会社員がWebデザイナーとして上記のスキルを身につけるための、一般的な方法を解説します。
なお事前にパソコンやデザインツール、Webデザイン練習用のドメイン・サーバーなどは用意しておきましょう。
Webデザインスキルは独学で身につけることも可能です。
Webデザインに関する書籍は市場に広く出回っており、数千円程度で購入できます。
また2022年現在ではUdemyやYouTubeなどで有料・無料の動画講座が視聴可能です。
独学者にとって有利な環境が整いつつあるといえるでしょう。
また副業案件の中には初心者向けの簡単なものもあるので、報酬を度外視でクライアントにフィードバックをもらいながら学習するのも1つの手です。
独学でWebデザインスキルを身につけるメリットは次のとおりです。
・デザインスクールを使うより費用を抑えられる
・自分のスケジュールや時間割で学習できる
・自分が作りたいものに特化したり、自分が学びたい分野からスタートしたりなど、好きなところから学習できる
・勉強を自分の意思で習慣化できる など
ただし独学の場合は質問できる相手がいなかったり、スケジュール管理がすべて自分次第だったりと、非常に挫折しやすい環境下で勉強を続けなければなりません。
モチベーションを維持するのは至難の業です。
自分から学ぶ意欲を豊富に持っている、自分をしっかり律することができる人には、独学をおすすめします。
Webデザインスクールに申し込むと、スクール講師による直接指導やオンデマンド授業(動画コンテンツ)などのサービスが利用できます。
デザインスクールを受講する具体的なメリットは次のとおりです。
・現役プロのWebデザイナーや経験豊富な講師の人から話やアドバイスが聞ける
・制作物に関するフィードバックが受けられる
・効率化かつ最新情報を盛り込んだ質の高い教材で学習できる
・イラスト系のソフトを学割で購入できるところがある
・質問しやすい環境や支払った対費用効果の意識のおかげで挫折しにくい
・就職支援や案件紹介も併せて行ってくれるところがある など
Webデザインスクールは主に「実際に通学するタイプ」と「オンライン講座で学習するタイプ」または両方に対応しているタイプが存在します。
通学とオンライン受講が選べるスクールでおすすめは次の2校です。
・デジタルハリウッドStudio(デジハリONLINE)
・ヒューマンアカデミー
「通学は厳しいけど、オンラインでスキマ時間学習ならできる!」という場合は、以下2つのオンライン型のスクールをおすすめします。
・CodeCamp(コードキャンプ)
・TechAcademy(テックアカデミー)
ただしどのスクールも数十万円レベルの費用がかかります。
また通学型のスクールの場合はスクーリング時間の確保、オンライン型のスクールの場合は通信環境の確保などの前準備が必要です。
副業Webデザイナーが仕事(案件)を獲得するには、以下4つの方法が一般的です。
・フリーランスエージェントや副業サイトを活用する
・クラウドソーシングサイトを活用する
・直接副業の仕事を獲得する
・デザインスクールを受講後、紹介してもらう
フリーランスエージェントとは「転職エージェントのフリーランス版」です。
登録することで、クライアントの求人・案件紹介や面談のサポート、新規契約時の書類作成の代行などのサービスを受けられます。
営業力に自信がない、初めての求人・案件獲得で不安がある、といった人にはおすすめです。
Webデザイナーが利用しやすいフリーランスエージェントは次のとおりです。
一方、副業サイトとは、副業(または複業)を希望する人に向け、週2~3日稼働や単発スポットの業務委託などの案件を掲載しているサービスです。
フリーランスエージェントのようなエージェントサービスはありませんが、自分のペースで自由に案件を探せます。
おすすめ副業サイトはdoocyJob(ドーシージョブ)です。
doocyJobは株式会社エン・ジャパンの子会社「株式会社Brocante」が運営しているフリーランス・副業求人案件サイトです。
有名企業をはじめ、ベンチャー、スタートアップ企業から大手企業まで、1,000社以上の副業・フリーランス求人・案件情報を9,500件以上掲載しています。
掲載している副業・フリーランスの求人・案件はすべて企業との直接契約であるため、中間マージンや⼿数料は発生せず、高単価での参画が実現出来ます。
クラウドソーシングサービスは、業務委託契約の案件受注に特化したプラットフォームです。
副業サイト以上に手軽に応募しやすい点や「バナー制作」といったよりスポット的な案件が探せる点など、駆け出しのWebデザイナーでも仕事を受注しやすい環境が整っています。
またサービスによっては報酬支払に関しても、プラットフォーム側が設定した「仮払い制度(エスクロー)」によって、報酬未払いのリスクを回避可能です。
ただし発注者側も気軽に使えることから、詐欺や低単価などの悪質な案件や、子供のようなやり取りを行う担当者が多い点に注意が必要になります。
Webデザイナーにおすすめのクラウドソーシングサイトは次のとおりです。
情報発信手段が増えた現代においては、仲介サイトを通さずに仕事を獲得しやすくなりました。
直接仕事を獲得できれば、プラットフォーム側の規約や料金に影響されないため、表には出ない隠れた好案件を狙えます。
具体的な手段は次のとおりです。
・TwitterやInstagramなどのSNS経由で受注する
・自分のブログサイトやポートフォリオサイトを開設して窓口にする
・noteなどのプラットフォームを案件獲得の窓口として利用する
・デザインの改良提案ができそうな法人メディアに直接営業をかける
・他業種の人でWebデザインスキルを求めている人とつながる など
ただしあくまで窓口が広がるだけです。
仕事を獲得するには自分自身の営業力や交渉力が試されます。
デザインスクールの中には人材紹介会社と提携しているところがあります。
もし提携しているデザインスクールを受講して修了した場合、終了後に転職先や案件を紹介してもらうことが可能です。
スクール側と発注側があらかじめ関係性を築いていることから、信頼性の高い仕事が期待できるでしょう。
ただし多くの場合、スクールのカリキュラムを受講していることが前提です。
公務員/会社員と並行しながら副業Webデザイナーとして働くには、以下3つの注意点を確認しておきましょう。
・確定申告をする可能性がある
・本業と副業のバランスを取る
・著作権などにも注意が必要
本業で給与所得を得ている場合、副業などその給与所得とは別に年間で20万円超の所得を得ると確定申告が必要になります。
原則として、開業届を提出して税務署から承認を得ている場合は「事業所得」開業届を提出していない場合は「雑所得」で計算します。
副業レベルだと雑所得扱いの可能性が高いです。
開業届と提出し、なおかつ収入規模やWebデザイン活動が事業レベルであると認められると事業所得扱いになります。
所得は収入-必要経費で計算します。
必要経費とは、収入を得るためにかかった費用のことです。
例えば収入が30万円でも必要経費が11万円かかっている場合は、30万円-11万円で所得が19万円です。
20万円以下になるので、確定申告の必要がなくなります。
副業Webデザイナーを続けるコツは、本業と副業のバランスを取ることです。
いくら公務員/会社員で副業の許可が出ていたとしても、本業に支障をきたすほどWebデザイナーの仕事を受けてしまうのは避けましょう。
トラブルを起こすと相手側に不利益を与えたとして、減給や懲戒処分の対象になる可能性があります。
しかし、だからといって副業仕事の手を抜いていいわけではありません。
Webデザイナーは不動産収入やブログの広告収入などと違い、自分の時間や仕事を対価に働く労働集約型の仕事です。
体力面や精神面でキャパシティを超えた働き方で無理しないよう、スケジュールのマネジメントはしっかり行ってください。
クリエイティブ業であるWebデザイナーは、既存の作品やデザインの著作権には十分に注意しましょう。
Webデザインにも著作権は存在します。(レイアウトや配色は除く)
著作権侵害は親告罪とはいえ立派な法律違反です。
著作者には著作権だけでなく著作者人格権と呼ばれる「自身の著作物を公表するかしないか」「著作者名を表示するかしないか」「自身の意に反した改変がなされていないか」について保護される権利も発生します。
そして、副業Webデザイナーとして、著作権違反で注意したいのがクラウドソーシングサービスなどで案件を行った際の著作権譲渡後の著作の取り扱いです。
クラウドソーシングサービスでは成果物を納品すると同時に、条件として「著作権譲渡」があらかじめ決められている場合があります。
著作権譲渡などは業務内容欄に記載されていることが多く「納品が終わったら作品の著作権は、発注者(クライアント)のものになります」ということです。
つまり、上記のような記載がある案件を受注した場合、インターネットやSNS上に無断で公開することは著作権侵害になり、さらに自分のポートフォリオに実績として載せる際も、クライアントの許可や承諾が必要になるのです。
なお、トラブルになりそうなときは、弁護士や弁理士などの専門家に相談してください。
副業Webデザイナーとして結果が出てきたら、フリーランスとして独立することも検討してみましょう。
考えられる独立のタイミングは次のとおりです。
・時間あたりの報酬が本業を超えて数ヶ月間以上続き、その後も継続が認められるとき
・今後も継続して付き合えるクライアントが複数いるとき
・最低でも1年以上無報酬でも生活できるレベルの貯金があるとき など
副業と専業のどちらがよいかは、あなたの生活や今後のどんな風に生きたいかという考え次第です。
あなた自身に合う働き方を選択しましょう。
フリーランスのWebデザイナー求人・案件を少し覗いてみる↓
副業Webデザイナーであっても、スキルや営業力があれば十分に稼げます。
今回の記事のポイントは次のとおりです。
・副業Webデザイナーの平均時給単価は3730円、月単価は約50~55万円あたりが相場になっている
・公務員/会社員が副業でWebデザイナーになれるかは職場で確認が必要になる
・Webデザイナーになるには独学かデザインスクール受講の2つの方法が一般的である
・フリーランスエージェントやクラウドソーシングサイト、デザインスクール経由で仕事が獲得できる
・副業Webデザイナーは本業とのバランスや著作権に注意が必要である
・独立するときは収入やクライアントの様子を見ることが大切になる
副業でWebデザイナーを目指す人は、ぜひ参考にしてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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