UNIXとLinuxの違いとは?UNIXとLinuxの特徴などを解説

開発

2022.06.29

OS(オペレーティングシステム)はPCの土台となるシステムで、一般的にWindowsやmacOS、AndroidOS、iOSなどが知られています。
しかし、UNIXやLinuxも企業のサーバーで多く使用されており、最近ではデスクトップOSとしても注目されています。

この記事では、UNIXとLinuxの概要や特徴、違いを詳しく解説します。
とくにネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、インフラエンジニアなどへの転職を目指す人は、UNIXやLinuxに関する知識を知っておくと働く幅が広がるでしょう。

特に、下記の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・エンジニアを検討している方
・UNIXとLinuxの違いを明確に整理したい方

 

 

 

1.UNIXとは


UNIXとLinuxの違いとは?関連画像
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UNIX(ユニックス)とは、現存するOSの中で最も古く、様々なOSの元となったOSです。

1969年のWindowsもなかった時代に、AT&Tのベル研究所にて開発されました。

 

UNIXの歴史

元々は、ベル研究所と他企業との共同開発で、マルチタスクOSを開発していました。

しかし、システムが巨大かつ複雑になり過ぎたことでプロジェクトは失敗し、ベル研究所は離脱します。

 

その後、プロジェクトメンバーだったケン・トンプソンが、自身が作成したゲームを完成させるために、捨てられていたPDP-7にゲームを移植。これらの経験を糧に、UNIXの元となったOSを誕生させました。

UNIXは、汎用コンピュータに搭載するために機能をシンプルにしたOSとして開発され、さらにOSの核となるカーネルをアセンブラ言語からC言語に書き直したことから、汎用性と移植性が高まり、1974年にソースコードの公開が進みました。

 

人気が出てサーバーOSの定番となりましたが、様々な拡張・改良・移植を経て、ついには互換性が乏しくなってしまいます。

そこで、UNIXは商用化される流れとなり、UNIXの名称は「The Open Group」という業界団体によって商標管理が始まりました。

 

また、UNIX系OSに関する標準仕様が制定され、現在では「IEEE(米国電気電子学会)」が定める標準仕様「POSIX」を拡張した「Single UNIX Specification」という標準仕様を満たすOSのみ「UNIX」を名乗ることができます。

なかには、認証を受けていない「UNIX系」「UNIXライク」という、UNIXに似ているOSもあります。

 

 

UNIXの種類

UNIXは、「System V」と「BSD」(Berkley Software Distribution:バークレイ・ソフトウェア・ディストリビューション)の大きく2種類の系統に分かれて、発展を続けてきました。

コマンドなどに違いはありますが、現在では両方の機能を備えたものも多いです。

 

・System V

System Vは、AT&Tが開発したUNIXで商用になります。

例えば、サンマイクロシステムズ社が開発したSolaris、ヒューレット・パッカード(HP)社が開発したHP-UX、IBM社が開発したAIXなどがあります。

 

 

・BSD

BSDはカリフォルニア大学バークレー校の開発者グループが開発したUNIX系OSおよび関連ソフトウェア群です。

BSDにはライセンスがありますが、ソースコードは非公開で、誰でも商用利用や改変、配布が可能です。

 

BSD系列は、それぞれ開発理念が明確な点が特徴です。

例えば、安定性やユーザビリティが高いFreeBSD、セキュリティに強いOpenBSD、移植性が高く、IntelやMacなど約50種のプラットフォームに対応しているNetBSDなどがあります。

 

 

UNIXの使用例

UNIXは、企業のサーバーやワークステーション、開発業務で多く利用されていましたが、現在ではルーターをはじめとするネットワーク機器やTV、カーナビなど幅広く使用されています。

身近な例として有名なのは、Apple社が提供しているmacOSで、UNIXをもとに作られています。

 

 

 

2.UNIXの特徴


UNIXとLinuxの違いとは?関連画像
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UNIXの特徴は以下の通りです。

 

マルチタスク&マルチユーザー
セキュリティ性が高い
動作が軽い

 

それぞれの項目について、簡単に説明していきます。

 

マルチタスク&マルチユーザー

UNIXの特徴として、まずマルチタスクが挙げられます。

マルチタスクとは、複数のプログラムを同時に1台のコンピュータで実行することです。

 

今でこそマルチタスクはどのOSでも採用されていますが、1990年前半はほとんどなく、革新的なものでした。

また、マルチユーザーも特徴の一つです。複数のユーザーが同時に1台のコンピュータにログインし、使用できます。

 

当時コンピュータが非常に高価なものだったため、1台のコンピュータを効率よく使う必要がありました。

 

 

セキュリティ性が高い

サーバーとして使うOSは、セキュリティを強化して情報を保護する必要があります。

しかし、ウィルスはWindows向けのものがほとんどで、そもそもUNIXへの攻撃が多くありません。

 

加えて、UNIXはマルチユーザーを前提に設計されているので、他のユーザーからファイルを守る機能が備わっています。

 

 

動作が軽い

UNIXは機能が少なく、非常にシンプルです。

またGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)によるマウス操作ではなく、CUI(キャラクター・ユーザー・インターフェース)によるコマンド操作が基本です。

 

そのためUNIXは動作が軽く、マルチタスク&マルチユーザーでも影響を与えません。

 

 

 

3.Linuxとは


UNIXとLinuxの違いとは?関連画像
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Linux(リナックス)とは、UNIX系OSの一つです。1991年に学生によって開発されました。

 

Linuxの歴史

ライセンス契約となったUNIXは、縛りが多く、改変するにも手続きが必要であるため、エンジニアから不評となっていました。

そんな背景から、1991年にフィンランドのヘルシンキ大学の学生リーナス・トーバルズが、Linuxという新しいOSを開発しました。

 

LinuxはUNIXとの互換性を持ちますが、コードはゼロから開発されているため、UNIXとは全くの別物になります。

リーナスが作ったのはOSの中心部であるカーネルだけでしたが、その後は世界中のユーザーたちによって作り上げられ、Linuxは成長を続けています。

 

 

Linuxの種類

Linuxは、厳密にはカーネルのことを指します。

カーネルだけではOSとして機能しないため、ライブラリやツール、アプリケーションを組み合わせてパッケージ化したLinuxが開発されました。

 

これをディストリビューションといいます。

Linuxには、数多くのディストリビューションがあります。

 

ここでは、主流となっている2種類をご紹介します。

 

・RedHat系

RedHat社が開発したディストリビューション(Red Hat Enterprise Linux(RHEL))で、商用ライセンスのLinuxです。

公式サポートが受けられ、安定した運用が可能です。

 

・Debian系

世界中の人で作り上げたディストリビューションです。

なかでも、Debianをベースとして作られたUbuntuは有名で、初心者でも抵抗なく使うことができます。

 

 

Linuxの使用例

LinuxもUNIXと同様に、企業のサーバーや開発業務など、多様な用途で利用されています。

身近な例として有名なのは、AndroidOSです。Linuxをもとにして作られています。

 

また、IBM社やHP社などの大手コンピュータメーカーも積極的に採用し、Linux搭載サーバーなどを発表しています。

 

 

Linuxのシェア率

続いては、Linuxのシェア率を確認しましょう。

StatCounterの「2021年の12月のデスクトップOSシェア」が発表したOSシェア率は、以下の通りです。

 

UNIXとLinuxの違いとは関連画像
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Windows:73.72%
OS X:15.33%
Unknown:6.67%
Chrome OS:2.18%
Linux:2.09%
Other:0.01%

(引用:https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220103-2242524/)

 

Linuxは全世界のシェア率2.09%と低い数値ですが、ディストリビューションの充実さや導入ハードルの低さから、エンジニアや初心者にとっては始めやすいOSとなっています。

 

 

 

 

4.Linuxの特徴


UNIXとLinuxの違いとは?関連画像
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Linuxの特徴は以下の通りです。

 

オープンソースOS
無料で使用可能
カスタマイズ性が高い

 

それぞれの項目について簡単に説明していきます。

 

オープンソースOS

LinuxはオープンソースOSであるため、個人や組織問わず誰でも開発・変更・再配布ができます。

用途に合わせて機能の拡張ができるので、上述したような派生OSが豊富にあります。

 

 

無料で使用可能

Linuxのライセンスはフリーなので、費用を掛けずに誰でも使用できます。

また、企業側としても無料でアプリ開発ができるのでコスト削減に繋がり、より質の高いアプリを作ることが可能です。

 

 

カスタマイズ性が高い

UNIX系のOSは、GUI環境を作るウィンドウシステムに「X Window System」を利用しますが、最近は「デスクトップ環境」としてまとめてインストールし、見た目(UI)を変更することが可能です。

また、サーバーを柔軟に構築できたり、Linuxをもとに新しいOSを作れたりなど、カスタマイズ性が高い点も特徴です。

 

 

 

 

5.UNIXとLinuxの違い


UNIXとLinuxの違いとは関連画像
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Linuxは、UNIXをもとに作成されているため、似ている部分が非常に多いです。

例えば、上述したように企業のサーバーや開発で使われていることが多い点や、安定性・セキュリティ性に優れている点などが挙げられます。

 

その中でも異なる点を見ていきましょう。

 

想定環境

UNIXは、当初ミニコンへの搭載を目指し、学術研究や開発を目的に作られたものです。

対してLinuxは、当初は学生の趣味の範囲で、ビジネス目的で作られました。

 

現在はどちらも派生OSが存在し、商用利用されているケースもあります。

 

 

ライセンス

ライセンスの考え方が異なります。

UNIXはAT&T社が開発して商標管理されていますが、UNIXという名前を使わなければ無料でも使えます。

 

対して、Linuxはオープンソース、ライセンスフリーで改変や配布もできますが、一部有償のものもあります。

 

 

コマンド

コマンドの違いはほとんどなく、ユーザーレベルでは違いには気付きません。

しかし、全く異なるコマンドも存在します。

 

例えば、パッケージ取得・更新する際に使用するコマンドにおいて、UNIXの「Soralis」ではpkgコマンド、Linuxの「Led hat Linux」ではRPMコマンドとyumコマンドを使用します。

CUI操作ではコマンドを覚える必要がありますが、使い慣れてくるとより速く操作出来るでしょう。

 

注意点は、一度入力したコマンドは取り消せないことです。ファイルやディレクトリの削除は慎重に行いましょう。

 

 

 

 

6.まとめ


この記事では、UNIXとLinuxの概要や特徴、違いについてお話してきました。

UNIXは、様々なOSの土台となった最も古いOSであり、膨大なノウハウを持った歴史あるOSです。

 

対して、LinuxはUNIXをもとにして作成されたOSです。

無償で利用できるオープンソースであることから、世界中のエンジニアが協力して作り上げてきました。

 

ディストリビューションの豊富さから、今でも企業のサーバーなどで広く使われ、個人のデスクトップOSとしても人気を博しています。

エンジニアを目指す人は、コンピュータの歴史やサーバーのことを知るうえで、UNIXとLinuxは避けて通れないものです。

 

是非実際にUNIXやLinuxを使い、CUI操作に触れてみてください。

 

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