公開日:2022.07.15
更新日:2025.03.24
近年、地球上のあらゆるモノをインターネットと繋げようというIoTを推進する動きがあります。
そうしたなか、IoTに対応できる人材は多くの企業で求められています。
IoTに関するスキルや専門知識を測る基準の一つとして、IoTに関連する資格試験が注目されています。
企業においてIoTに関する業務に携わるためには資格が必須というわけではありません。
しかし、資格を保有していることで、就職活動や転職活動で有利になる可能性がある他、自身のスキルを可視化でき、他者にも証明できます。
本記事では、IoT検定やIoTシステム技術検定試験について分かりやすく解説します。
試験のレベルや内容、資格取得をおすすめできる人などについても説明します。
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<目次>
1.IoT検定(全ての人が対象)
2.IoT検定の構成
ユーザー試験:IoT検定ユーザー試験 パワー・ユーザー
レベル1試験:IoT検定レベル1試験 プロフェッショナル・コーディネータ
レベル2試験:IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・エンジニア
レベル3試験:IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・アーキテクト
3.IoTシステム技術検定試験(技術者が対象)
4.IoTシステム技術検定試験の構成
基礎(IoTアドバイザー)
中級(IoTエキスパート)
上級(IoTプロフェッショナル)
5.IoT関連の資格取得に向いている人
IoTシステム開発に携わるエンジニア
IoTのデータを活用するデータサイエンティスト
IoTの導入を検討している経営者・管理者
6.まとめ
あらゆるモノをインターネットに繋げようという動きが盛んになっている昨今、さまざまな場所でセンサーがデータを吸い上げ、そのデータが利用されています。
また、IoTはモノをインターネットに繋げるのみならず収集したデータの分析を行い、未来を予測して、社会のあらゆるシステムの自動化、さらには効率化も目指しています。
社会においてIoTを推進するには、IoTに精通した人材が必要です。
具体的には、ネットワークやデバイス、セキュリティ、データ分析などの知識を有している人が求められています。
IoT検定準備委員会は時代の変化におけるIoT人材育成の重要性からIoTの普及をより一層普及させることを目指して、IoT検定を始めました。
IoT検定は全ての人が受験対象です。試験を受けるにあたって必要な条件などはありません。
IoT検定制度委員会のメンバーが推奨する参考書や各メディアが提供を行う模擬問題を繰り返し解くことで、合格できるといわれています。
IoT検定は技術者としての視点のみならず、サービスの提供やマーケティング、ユーザーの視点から必要とされるカテゴリやスキル要件などを網羅する内容となっています。
各立場においてIoTに関わる業務で求められる知識があることを認定します。
IoT検定の構成は下記の通りです。
・IoT検定ユーザー試験 パワー・ユーザー
・IoT検定レベル1試験 プロフェッショナル・コーディネータ
・IoT検定レベル2試験プロフェッショナル・エンジニア
・IoT検定レベル3試験プロフェッショナル・アーキテクト
各検定の特徴を見ていきましょう。
IoT検定ユーザー試験パワー・ユーザーの試験概要は下記の通りです。
試験方法 |
CBT 三肢択一 |
試験時間 |
40分+アンケート |
出題総数 |
48問(8分野*6問) |
評価方法 |
グレード制(グレードA=正答率86〜100%、グレードB=正答率76〜85%、グレードC=正答率66〜75%、以下=グレードなし) |
認定方法 |
試験終了後に認定証が発行される |
受験料 |
8,800円(10%消費税込) |
IoT検定ユーザー試験 パワー・ユーザーはIoTに関する基礎的知識を持つことを証明する試験です。
この試験ではIoTにおける用語やIoTプロジェクトに関わる業務の内容を理解していることが求められます。
また、実際の業務ではIoTにおける提案を理解し、社内やクライアントのIoTプロジェクトに携われることが期待されます。
IoTプロジェクトの推進にあたり、法律やセキュリティについての知識を持ち、リスク管理を行う理由を明確に理解していることも証明される資格です。
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータの試験概要は下記の通りです。
正式名称 |
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ |
試験方法 |
CBT(四肢択一) |
試験時間 |
60分 |
出題総数 |
70問 |
評価方法 |
合否(全体の60%以上の正答で合格) |
認定方法 |
合格者にはプロフェッショナル・コーディネーター認定証を発行 |
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータはプロジェクトのメンバーの一員として、IoTに関する業務を遂行できる能力を証明する資格です。
また、業務では指示に従って動くだけでなく、IoTに関する提案、IoTシステムの企画の立案、さらには顧客にIoTデバイスについて説明を行うなど主体的に働くスキルや知識を持っていることも期待されます。
その他にも、IoTに関する法律やセキュリティについての深い知識を持ち、リスク管理を行なえる力も求められます。
IoT検定レベル2試験プロフェッショナル・エンジニアは策定中の試験であるため、IoT検定の公式サイトにおいても受験情報や内容などの詳細情報は掲載されていません。
この試験はIoTエンジニアを対象にした試験で、IoTに関する知識レベルを確認することを目的にした試験です。
試験に合格すれば、下記の業務に携わる能力を有することを示せます。
・ハードウェアの開発
・データ分析や機械学習
・AIの活用
・ネットワークやサーバーの通信方式やプロトコルの設計
・IoTプラットフォームの構築
IoT検定レベル3試験プロフェッショナル・アーキテクトは策定中の試験であるため、IoT検定の公式サイトにおいても受験情報や内容などの詳細情報は掲載されていません。
この試験ではIoTエンジニアとして高度な知識を持つことを証明するために行われます。
IoTシステム技術検定はモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MSPC)が主催している民間資格です。
この試験はIoT技術者の育成を目的に実施されている資格で、合格すれば高レベルの知識を持つことを証明できる試験となっています。
IoTシステム技術検定では高度なIoTシステムの創造を目指すため、IoTの基礎知識はもちろん、優れた技術者に求められる知識まで広範囲にわたって出題されます。
難易度の高さからも技術者を対象とした試験といえますが、基礎と中級に関しては試験を受けるにあたり受験資格はありません。
ただし、上級試験のみ試験を受けるにあたって条件が設けられています。
IoTシステム技術検定試験の構成は下記の通りです。
・基礎(IoTアドバイザー)
・中級(IoTエキスパート)
・上級(IoTプロフェッショナル)
各試験の特徴を見ていきましょう。
基礎(IoTアドバイザー)はIoTに関する基礎知識を確認するための試験です。
受験者層はAIやIoTに関心がある学生や、システム開発関係の仕事に就く予定の新社会人がメインとなっています。
基礎(IoTアドバイザー)の試験概要は下記の通りです。
正式名称 |
IoTシステム技術検定(基礎)CBT方式 |
必要な知識レベル |
IoT、IoT、ビッグデータ、AIに関する基礎的知識の理解 |
認定 |
IoTに関する基礎知識を保持していることを認定 |
試験時間 |
60分 |
試験方式 |
CBT方式(4択の選択肢) |
受験料 |
・一般 11,000円(税込) |
基礎(IoTアドバイザー)に合格すれば、IoTを構成する要素の基本的用語を理解し、IoT関連の書籍を読解できる力があることを証明できます。
また、基本的な構成データの流れや、蓄積分析を理解する力も保証されます。
ビジネスにおいて即戦力として活躍することは難しいですが、就職活動ではIoTに関する業務にある程度適性があることが採用担当者に伝わるはずです。
中級(IoTエキスパート)はIoTシステム構築の基礎知識についての理解度を問う試験です。
IoTの業務に実際に携わっている技術者を対象としており難易度は少々高いです。
中級(IoTエキスパート)の試験概要は下記の通りです。
正式名称 |
IoTシステム技術検定(中級) |
必要な知識レベル |
・IoTのシステム構築 ・IoTシステム構築に取り組むための基本的かつ実践的な技術 |
認定 |
活用に関する実践的な専門技術 |
試験時間 |
90分 |
試験方式 |
4者択一 |
受験料 |
・一般 15,400円(税込) |
IoTに関する基本的業務はもちろん、クライアントへのヒアリングなども適切に行う力を有することを証明する試験です。
具体的には、IoTシステム構成と構築技術、センサ/アクチュエータ技術と通信方式、IoTデータ活用技術、IoTシステムのプロトタイピング技術といったスキルを有していることを証明します。
上級(IoTエキスパート)を受験するためには受験資格をクリアしている必要があります。
合格までの難易度は高いですが、IoT関連の業務を中心に携わっていきたいと考えている方におすすめです。
上級(IoTエキスパート)の試験概要は下記の通りです。
正式名称 |
IoTシステム技術検定(上級) |
必要な知識レベル |
IoTのシステム構築活用に関する実践的な専門技術 |
認定 |
・高度なIoTシステム、業界固有、もしくは業界を越えるサービスを構築する実践的な専門技術の講習を受講する |
受験資格 |
・MCPC IoTシステム技術検定[中級]合格者 |
試験時間 |
・専門技術講習の受講(7.5時間) |
試験方式 |
講習の受講と論述試験 |
受験料 |
・MCPC IoTシステム技術検定[中級]合格者 55,000円(税込) |
上級(IoTエキスパート)はIoTシステムについて顧客の要求を深く理解し、課題を解決するためのシステムの企画、さらには提案を行う能力を有することを証明する資格です。
また、この資格を保有している人は、IoT関係のプロジェクトにおいてリーダーとしての活躍も期待できます。
上級試験は中級試験までとは異なり、試験を受けるにあたって専門技術講習を受ける必要があります。
講習の受講後、IoTシステムの作成が論述形式で行われます。
IoT関連の資格取得に向いている人は下記の通りです。
・IoTシステム開発に携わるエンジニア
・IoTのデータを活用するデータサイエンティスト
・IoTの導入を検討している経営者・管理者
それぞれ詳しく解説します。
エンジニアのなかにもIoTシステム開発に携わるエンジニアがいます。
IoTエンジニアの主な仕事内容は設計やコーディング、テストなどで、他分野のエンジニアと仕事内容はさほど変わりません。
しかし、IoTエンジニアはソフトウェア開発とは違い、ハードウェアの知識もまた必要です。
エンジニアのなかでもIoT開発に携われる人は需要が高まっている傾向にあります。
就職活動の際など、IoT関連の資格を保有していると、知識やスキルの証明になるため有利になることもあるかもしれません。
また、IoTシステム開発に携わる際には、即戦力として評価されやすくなるでしょう。
ただし、IoT関係の資格はエンジニアとしての全体の評価には結びつきにくいことを覚えておいてください。
データサイエンティストとして働くにあたり必須とされる資格はありません。
しかし、IoTデータを活用するデータサイエンティストの場合は、資格を取得しておくと業務で役立つと感じる場面もあるでしょう。
データサイエンティストは仕事においてビッグデータを収集することもあるため、IoTの知識があると業務を円滑に進められます。
また、今後さらにビッグデータやIoTが普及すると考えられるため、IoT関連の資格を取得したり資格取得を目指して勉強したりすることは業務において役に立つはずです。
経営者や管理者のなかでIoTの導入作業を自身で行う人は少ないかもしれません。
しかし、自社にIoTの導入を検討している企業の経営者や管理者はIoT関連の資格を取得しておくことで、IoT導入後の方針を定めやすくなったり、自社におけるIoTの活用をイメージしやすくなったりします。
自社でIoTを普及させたいと考える企業の経営者や管理者は自らIoTについての知識を得ておくことをおすすめします。
今後、社会においてIoTはますます需要が高まると考えられます。
また、多くの企業がIT人材の不足に悩みを抱えているように、IoTに対応できる人材の不足にも悩んでいます。
企業が時代に乗り遅れず、将来的にも利益を上げ続けるためにはIoTは不可欠といえるでしょう。
IoTに関する業務に携わるにあたり、必須とされる資格はありません。
しかし、IoT関連の資格を保有しておくことで、IoTに関する知識を持っていることを証明できるだけでなく、自身のIoTに関する知識やスキルのレベルも可視化できます。
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