公開日:2021.02.09
更新日:2025.03.24
エンジニアが転職を行う際には、しっかりとした「転職理由」を考えることがポイントです。
転職理由が用意できていれば、企業にこちらの熱意や気持ちを正確に伝えることができます。
それは転職の成功につながり、エンジニアとして新しいキャリアを築くきっかけになるでしょう。
しかし、転職理由の考え方や伝え方を誤ると、スムーズな転職が難しくなることもあります。
本記事では、エンジニアの転職理由として考えられる内容と、伝える際のポイントを紹介します。
エンジニアが転職をする際のポイントもチェックするので、これから転職をする方や転職を将来的に検討している方は参考にしてください。
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<目次>
1.エンジニアの転職市場を知ろう!
2.エンジニアの転職理由とは
仕事内容による不満
人間関係による不満
給与や福利厚生など待遇面による不満
労働時間による不満
3.エンジニアが転職理由を伝える際のポイント
転職理由はポジティブにしよう
希望分野をしっかりと伝えよう
4.エンジニアが転職する際のポイント
仕事内容を理解できるまで確認しよう
常に市場動向を確認しよう
知名度に振り回されないようにする
エンジニアに特化した転職サイトや転職エージェントを活用しよう
5.まとめ
エンジニアが転職をする際には、まず現在の転職市場を知ることが重要です。
結論から言えば、エンジニアの転職市場は上向きになっています。
エンジニアを含めたIT業界の転職市場は、dodaの「転職求人倍率レポート」の職種別データによると、希望的な観測ができる転職求人倍率を維持しています。
2021年度には、以下のような数値で求人倍率が変動しました。
1月 | 8.44倍 | 5月 | 8.78倍 |
2月 | 9.07倍 | 6月 | 8.31倍 |
3月 | 8.45倍 | 7月 | 9.68倍 |
4月 | 8.81倍 | 8月 | 9.93倍 |
2021年はコロナウイルスにおける対策やインフラが社会に浸透してきており、2020年と比較すると数値は高くなっています。
また、職種全体で見ても他の職種と比較して「技術系(IT/通信)」系は非常に高い数値を提示しているのが特徴です。
IT業界は全ての業界で必要不可欠な分野であることや、日々技術開発、新しい分野の誕生が起こっており飛躍的に成長しています。
そのためエンジニアの転職者が歓迎される状況はいまでも変わらず、今後も転職しやすい市場になると考えられます。
エンジニアにとって転職が珍しいものではなくなっているという点も、積極的な転職を促せる理由です。
「DX人材白書2021」の国内・転職状況(左)、転職に関する考え方(右)(先端・非先端別)データは以下のようになっています。
先端IT従事者は2019年に転職した割合が9.1%、2020年に転職した割合が10.3%、2年転職していない割合が80.6%で、先端IT非従事者は2019年に転職した割合が4.5%、2020年に転職した割合が5.2%、2年転職していない割合が90.2%という結果になっています。
さらに転職理由を分析してみると以下のようになりました。
先端IT従事者と先端非IT従事者をみてみると、「より良い条件の仕事を求めて、積極的に行いたい」が1割前後で「より良い条件の仕事が見つかれば、考えても良い」が4割前後、「できる限りしたくないが、必要であればやむを得ない」が2~3割前後、「絶対にしたくない」が1割強という結果になっています。
上記2つのデータを分析すると転職に積極的なIT従事者、かつ転職に関する考え方も積極的に行っていきたい方は1~2割であり、8~9割の方は転職に積極的でないことがわかりました。
先端 IT 従事者はデータサイエンス、AI/人工知能、IoTなど先端技術・領域に携わっているい方、先端IT非従事者は先端技術・領域に携わっていない方を指します。
なお、IT業界が発展しているため転職者に有利な状況である一方で、転職理由がしっかりと説明できないと、採用担当者からの印象を悪くする可能性もあります。
現在の転職市場を活かせるように、準備の一環として転職理由はきちんと考える必要があるでしょう。
エンジニアの転職理由としては、以下の4点がよく挙げられます。
転職理由になりやすいポイントを把握し、転職活動に活かしてみましょう。
エンジニアの転職理由は仕事内容による不満です。
やりたい仕事ができない、希望する部署に配属されないことがきっかけとなって、転職を考えるエンジニアは多いです。
dodaの「転職理由ランキング2020<職種別>」では、「ほかにやりたい仕事がある」がITエンジニアの転職理由1位になっています。
日々接する仕事が面白くないと、労働のモチベーションは低下します。
求めるキャリアアップもできなくなるケースもあるため、その職場で働く意味を見失ってしまうこともあるでしょう。
転職理由が仕事内容にある場合には、まず上司や人事担当者に自分の意見を伝えます。
伝えた上で相手が対応してくれなかった場合には、立派な転職理由として成立するでしょう。
ただ不満を溜め込むのではなく、それを改善するために積極的に動いたという実績がある場合、転職の面接時に納得してもらいやすいでしょう。
仕事内容への不満が転職理由になるときには、転職の準備のつもりで改善を目指した行動を起こすことも考えてみましょう。
エンジニアの転職理由には、人間関係による不満も多く挙げられます。
Tech総研が行った「僕らはなぜ転職したのか?」という調査でも、会社の人間関係を理由にしているエンジニアは25%と全体の4番目に多い数字です。
エンジニアは多くの人と連携を取りながら仕事を進める業種であるため、人間関係が上手くいかないとストレスは大きくなります。
オフィスなどの限定された空間が職場になるので、嫌な同僚や上司がいても容易に距離を取れないのが辛いポイントです。
人間関係に不満がある場合には、部署の異動などがひとつの解決策になります。
相手とのコミュニケーション不足が考えられる場合には、積極的に交流を図ることで関係が改善されることもあるでしょう。
しかし、異動できるほどの規模がない会社や、既存の人間関係に改善の余地がない場合には、転職が最善の対処法になります。
転職理由として人間関係の不満を伝えるときにはただ悪口や愚痴を話すのではなく、コミュニケーションが上手く取れなかった原因や反省に焦点を当てるのがおすすめです。
なぜ人間関係が上手くいかなかったのかを、客観的に理解していることを伝えるのがコツになります。
「転職先ではその経験を活かして、良い人間関係を築けるように努力したい」という流れにすると、採用担当者に良い印象を与えやすいでしょう。
エンジニアの転職理由には、給与や福利厚生といった待遇面へのも不満も挙げられます。
dodaの「転職理由ランキング2019<職種別>」でも、「給与に不満がある」がITエンジニアの転職理由第2位にランクインしています。
会社によってはいつまでも仕事の成果が給与に反映されず、年収が上がらないということもあります。
特にエンジニアは個人でひとつの業務に取り掛かる時間が長いので、自分では仕事への貢献度を高く実感しやすいです。
また、チームでサービスやシステムを開発することも多くチームの評価として見られることもあるため、個々での成果がわかりづらいこともあります。
そのため「これだけ頑張ったのに、全然給与が上がらない」といった不満を感じやすくなるでしょう。
エンジニアとしての仕事の評価基準が明確にされていない場合、どれだけ頑張れば給与に影響するのかがわからず、仕事のモチベーションが維持しづらくなります。
自分の仕事が評価されていないと考えてしまうことにもつながるため、自己評価を下げるきっかけにもなってしまうでしょう。
結婚、出産、育児、介護などのライフスタイルの変化が起きた際に、会社の福利厚生が不十分だと、これまで通りに働けなくなる可能性があります。
育児休暇や介護休暇が自由に取得できないと、それが不満となって転職を決意することもあるでしょう。
エンジニア側からは、積み重なる交渉や大きな実績がない限り、給与や福利厚生をすぐに大きく変えることはできません。
そのため会社に体制改善の意思が見られないのであれば、待遇面を転職理由にすることは考えられます。
エンジニアの転職理由のひとつに、労働時間の不満があります。
dodaの「転職理由ランキング2020<職種別>」では、「残業が多い/休日が少ない」がITエンジニアの転職理由として8位に入っています。
長時間の労働が続くと、心身に強い負荷がかかってストレスを抱える原因になります。
休みがなければそのストレスを解消する時間も取れないため、ずるずるとストレスを溜め続ける負のスパイラルに陥ってしまうでしょう。
会社の方針によっては、トラブルが起きれば休日を返上して対応しなければならないケースもあります。
休みの間も心が休まらない状態に置かれることもあるため、実際の労働時間以上の負担を被ることもあるでしょう。
違法な労働時間や残業代の未払いなどが起きている場合には、早急な転職が求められます。
過剰な労働時間は転職理由として十分納得できる内容になるため、転職先企業の理解や共感も得やすいでしょう。
エンジニアが転職理由を伝える際には、いくつかのポイントを把握することも重要です。
転職理由が採用を決めるきっかけになるように、有効に伝える方法を確認しておきましょう。
転職理由を伝えるときには、ポジティブな内容に変換することがポイントです。
ただ「前職が嫌になったから転職した」だけでは、転職の熱意を伝えきれません。
たとえば以下のような伝え方をすることで、転職理由がポジティブになります。
「サービス改善のため上司に提案を行ったり、自分で◯◯についての理解を深めるための学習を行ったりしたのですが、前職(現職)では自分の希望が叶わなかったため、◯◯ができる職場への転職を考えました」
「前職では自分の考えを伝えることばかり意識していたため、相手と上手く人間関係が作れませんでした。
しかし、それをきっかけにして周囲と円滑な関係性を作るためのコミュニケーションスキルを学び、いまでは自分の気持ちをただ伝えるだけでなく相手の話を聞いて気持ちを汲めるようになりました。
新たに学んだコミュニケーションスキルを活かしたいと思い、転職を決意しました。」
転職理由をポジティブな言い回しにすると、転職後に何がしたいのか、どんなことができるのかを明確にすることができます。
「次に活かしたいこと」をアピールすることで、採用担当者に自分を雇うメリットをわかりやすく伝えることが可能です。
さらに、自分で考えられるだけの行動を行ったことを転職理由として面接官に伝えると説得感が増します。
転職理由を伝えるときには、自分の希望分野をしっかりと提示することも重要です。
得意な分野や意欲のある分野を伝えることで、採用後の配属におけるミスマッチを避けることができます。
せっかく転職が成功しても、興味のない分野や不得意な仕事を任せられる部署に配属されると、仕事のモチベーションが低下してしまうでしょう。
再び転職を考えなければいけなくなる可能性もあるので、転職の面接時には希望分野をしっかりと伝えておくのがポイントです。
希望分野を伝える際には、その分野で自分ができることをセットでアピールするのがコツです。
「〇〇ができるから、その分野で働きたい」と伝えることで、採用担当者を納得させることができます。
ただ自分の意思を押し通すのではなく、その分野を希望する理由を加えてみましょう。
エンジニアが転職をする際には、転職理由と合わせて以下のポイントをチェックしておくこともおすすめです。
エンジニアの転職を成功させるコツにつながるので、以下を参考に転職の準備を進めてみましょう。
エンジニアからの転職の際には、転職先の仕事内容が理解できるまでしっかりと確認しましょう。
一言でエンジニアといっても、その業務内容は幅広くなっています。
同じエンジニアの枠組みの中でも任される業務の範囲がフロントエンジニアなのか、バックエンドエンジニアなのかといった違いなどから仕事内容は変わってくるのです。
転職先の仕事内容は欠かさずチェックし、前職の業務との違いを把握しておくようにしましょう。
エンジニアからの転職時には、常に市場動向をチェックすることもポイントです。
IT分野にはトレンドがあり、需要に偏りが生まれることがあります。
たとえば、2021年のIT業界は前年に引き続きクラウドやDX(デジタルトランスフォーメーション)の移行を進められる人材の価値が高まると予想できます。
IoTの普及を考慮すると、ビッグデータを活用できるデータサイエンティストの需要も高まると考えられるでしょう。
需要の高いエンジニアの業務に関連するスキルや知識を持っていれば、今後の転職活動に良い影響を与えることになるでしょう。
市場動向を確認することで「今求められるもの」が見えてくるので、転職時にはこまめにチェックを重ねていくことがおすすめです。
会社の知名度に振り回されないように注意することも、転職時のポイントです。
「有名な企業だから色々な仕事ができる」「スキルアップにつなげられる」と考えるエンジニアも多いですが、必ずしも知名度の高い会社がその要求を満たしてくれるとは限りません。
知名度で転職先を選ぶのではなく、あくまで自分が希望していることを叶えられる職場を選択するのがコツです。
エンジニアに特化した転職サイトや転職エージェントを活用することで、転職の成功率を高めることができます。
IT系の転職に強い転職サイトでは、最初からエンジニア向けの案件が厳選されているので、仕事を探す手間を短縮可能です。
エンジニア向けの転職エージェントなら、数多い求人の中から自分の求める条件にぴったりの仕事を紹介してくれます。
転職理由の相談や面接日程のすり合わせ、年収の交渉などのサポートも行っているため、効率的な転職活動が出来るでしょう。
このようなメリットを活かすためにも、エンジニアに特化した転職サイトや転職エージェントをいくつかチェックして、登録を進めてみることがおすすめです。
エンジニアの転職時には、転職理由も重要なポイントになります。
転職理由の内容や伝え方がきっかけになり、転職が決まることもあるかもしれません。
この機会にエンジニアの転職理由をチェックして、自分の転職理由を改めて考えてみてはいかがでしょうか。
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