アルゴリズム実技検定とは?出題範囲を含む実技検定の詳細や検定受験メリット、おすすめのテキストを解説

資格

公開日:2022.02.21

更新日:2025.03.24

アルゴリズム実技検定とは、競技プログラミングコンテストサイトを運営するAtCoder社が実施する、アルゴリズムやプログラミングのスキル/知識を試す検定試験です。

本記事ではアルゴリズム実技検定について以下の点を詳しく解説します。


アルゴリズム実技検定とは何かについて
アルゴリズム実技検定試験の詳細について
アルゴリズム実技検定の資格取得のメリット・デメリットについて
アルゴリズム実技検定試験に合格するためのおすすめのテキストやWebサイトについて


アルゴリズム実技検定を現在勉強している/今後勉強する予定の方や、コーディング/プログラミングを学習したい方はぜひご一読ください。

<目次>
1.アルゴリズム実技検定とは
2.アルゴリズム実技検定試験
アルゴリズム実技検定の詳細
アルゴリズム実技検定の出題範囲
・エントリー
・初級
・中級
・上級
・エキスパート
アルゴリズム実技検定の受験者数・ランク分布・難易度
アルゴリズム実技検定の申し込み手順
アルゴリズム実技検定の勉強時間
3.アルゴリズム実技検定の資格取得のメリット
実践的なプログラミング経験が積める
論理的思考が身に付く
4.アルゴリズム実技検定の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.アルゴリズム実技検定のためのおすすめテキストやサイト
おすすめテキスト①:アルゴリズム実技検定 公式テキスト
おすすめテキスト②:プログラミングコンテストチャレンジブック [第2版] ~問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える~
公式サイトの過去問も活用しよう!
6.まとめ

 

 

 

1.アルゴリズム実技検定とは


アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

アルゴリズム実技検定とは、競技プログラミングコンテストサイトを運営するAtCoder社が実施する、アルゴリズムやプログラミングのスキル/知識を試す検定試験です

アルゴリズム実技検定では、時流で変化するプログラミングツール/言語の使い方やプログラミングの根幹にある効率的なロジックをいかに素早く正確に記述できるかが試されます。

 

 

 

2.アルゴリズム実技検定試験


アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

ここからはアルゴリズム実技検定試験の詳細について見ていきます。

 

 

アルゴリズム実技検定の詳細

 

試験名称

アルゴリズム実技検定/Practical Algorithm Skill Test (PAST)

受験方法

オンライン受験
※AtCoderIDを使用し、自宅・職場など場所を選ばず受験可能

受験時間

リアルタイム受験/通常受験はいずれも5時間

試験結果

試験結果は試験終了後に即時発表
※点数や検定ランク

有効期限

受験日から2年間有効
※機器の進化や受験者総数の変化、活かす職域の変化など「アルゴリズムスキルを活かす環境」は、時流で常に変化するため

受験料

一般:8,800円/人(税込)
団体受験(30名以上):7,040円/人(税込)
団体受験(100名以上):6,160円/人(税込)

 

【アルゴリズム実技検定の問題数及びランク分けの基準】

 

エントリー

初級

中級

上級

エキスパート

問題数

15問(1問目=9点/2~3問目=8点/4~6問目=7点/7~15問目=6点)

ランク分け(100点満点)

25〜39点 40〜59点 60〜79点 80〜89点

90〜100点

 

アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

アルゴリズム実技検定のランクは大きく分けて5つ(エントリー、初級、中級、上級、エキスパート)あり、ランク取得難易度はエントリー、初級、中級、上級、エキスパートの順に高くなります。

なお、ランク認定された受験者はマイページにて、上記画像のような認定証が発行されます。

 

 

アルゴリズム実技検定の出題範囲

ここでは、先ほど解説したアルゴリズム実技検定の5つのランク(エントリー、初級、中級、上級、エキスパート)の出題範囲についてランクごとに解説します。

 

 

・エントリー

単純なプログラムを自力で構築できるかを証明するランクです。

 

標準入出力や、整数型、文字列型の扱い、forやifなどのループや条件分岐などのプログラミングにおける基本的なロジックを、問題に合わせて適切に組み合わせる能力を問います。

【引用|アルゴリズム実技検定:出題範囲

 

 

・初級

多少複雑なプログラムでも、自力で構築できるかを証明するランクです。

 

エントリーの要件に加え、多次元配列やリスト構造などを用いた、複雑性が高くコーナーケースも多く含まれる、実装の難しいプログラムを組む能力が要求されます。

また、四則演算や簡単なデータの持ち方の工夫、ソートなどで解決可能な計算量を改善する問題も出題されます。

【引用|アルゴリズム実技検定:出題範囲

 

 

・中級

様々なアプローチがある課題において、適切なアルゴリズムを選択し、高速なプログラムを作成できるかを証明するランクです。

 

初級の要件に加え、深さ優先探索や幅優先探索などを用いた複雑な全探索や、動的計画法や貪欲法・二分探索などの、高度な計算量の改善を要求する問題が出題されます。

例えばグラフアルゴリズムでは、最短経路問題や最小全域木などの、有名な問題も出題されます。

また、確率や組み合わせを数理的に計算する能力も求められます。

単に知識を問う問題ではなく、それらのアルゴリズムを正しく適用出来るかが問われます。

【引用|アルゴリズム実技検定:出題範囲

 

 

・上級

アルゴリズムの仕組みを認知しているかだけでなく、開発プログラムに応じて必要なアルゴリズムを見極め、問題なく実装までできるかを証明するランクです。

 

中級の要件に加え、出題される典型アルゴリズムが増加し、問題の複雑性が増加します。

動的計画法や貪欲法においても、単純に適用出来るような問題ではなく、さらに工夫が必要な問題が出題されるようになります。

例えばグラフアルゴリズムでは、最小共通祖先や最大流問題や最小費用流問題などの、高度なアルゴリズムが出題される可能性があります。

【引用|アルゴリズム実技検定:出題範囲

 

 

・エキスパート

研究開発などにも通用するような、計算時間の改善のエキスパートであることを証明するランクです。

 

出題されるアルゴリズムは上級と変わりませんが、アルゴリズムの適用難易度が高い問題が出題されます。

【引用|アルゴリズム実技検定:出題範囲

 

 

アルゴリズム実技検定の受験者数・ランク分布・難易度

ここでは、AtCoder株式会社が2020年5月23日(土)〜6月6日(土)に実施した「アルゴリズム実技検定第3回試験の結果」を元に、アルゴリズム実技検定の受験者数・ランク分布・難易度について解説します。

 

アルゴリズム実技検定第3回試験の受験者数は5,087名でした。

その内、アルゴリズム実技検定の合格者に認定される5ランクの内「初級(28.3%)」が最も多いランク分布になっています。

 

また「上級」や「エキスパート」になると、認定者が極端に減っていることもわかります。

ちなみに第3回試験の受験者数が、第2回試験に比べて14倍以上に増加しているのは、受験資格が無償提供されたためと推測できます。

 

アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

【参考|第3回アルゴリズム実技検定(PAST)結果】

 

さらに5,087名の内、891名に聞いたアルゴリズム実技検定の難易度と受けた感想についてのアンケートによると、試験問題が「難しかった」「どちらかというと難しかった」と回答した方が72.1%もいました。

 

アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

【参考|第3回アルゴリズム実技検定(PAST)結果】

 

以上の考察からアルゴリズム実技検定は統計データ的にも、実際の受験者の声からも難易度が高い検定試験であることが推測でき、上位ランクになるほど取得難易度が高くなると推測できます。

 

 

アルゴリズム実技検定の申し込み手順

ここでは、アルゴリズム実技検定の申し込み手順について解説します。

 

1. AtCoder IDを作成する
2. PASTへログインする 【ログインページ
 ※1:初めてログインする場合、追加情報として、本名の記入と追加利用規約への同意が必要
 ※2:団体受験を理由にシリアルコードを受け取っている場合は、ホーム画面から「検定シリアルコード購入」をクリックし、手順に従いシリアルコードをダウンロード
3. 検定受験登録
4. 検定受験開始
5. 検定結果を確認

【参照|PAST:はじめての方へ】

 

 

アルゴリズム実技検定の勉強時間

アルゴリズム実技検定はプログラミングにおける基本的なロジックから適切なアルゴリズムを選択/実装/研究/開発するなど、プログラミングスキルやアルゴリズムに関する全てが試験範囲です。

※試験で使用できるプログラミング言語はこちらをご覧ください。

 

検定ランクの取得難易度はランクごとに異なるため、どの程度勉強すれば、上位ランクの称号がもらえるという明確なデータはありません。

参考までに資格試験情報サイト「PASS」を確認し、アルゴリズム実技検定「初級」の合格難易度を調べてみると「難易度B(普通)」でした。

 

同サイトにて、同じ難易度Bに設定されている資格試験の例は以下です。

 

試験名

合格率[%](令和2年度)

合格に必要な勉強時間

基本情報技術者試験

48.1
(春期・秋期合算)

200時間程度

C言語プログラミング能力検定試験

64.0

3級:110時間程度
2級:3級取得者の場合、100時間程度
1級:2級取得者の場合、70時間程度

ITコーディネータ試験

65.4

50時間以上

 

上記はあくまで目安のデータです。

実際はその年度によって出題される問題や受験者が保持するスキル/知識は異なります。

 

アルゴリズム実技検定の勉強をする際は、必ず時間に余裕を持って学習しましょう。

 

 

 

 

3.アルゴリズム実技検定の資格取得のメリット


アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

ここでは、アルゴリズム実技検定の資格取得のメリットについて2点解説します。

 

 

実践的なプログラミング経験が積める

アルゴリズム実技検定の勉強を重ねると、実践的なプログラミングスキル/ノウハウが身に付きます

個人が保持するプログラミングスキル/ノウハウは、基本的に可視化が難しいです。

 

アルゴリズム実技検定では、プログラミングスキルを5段階のランクとして評価できます。

可視化することで自分に足りないスキルや知識、課題点などが明確になり、今まで以上にエンジニアとしてスキルやノウハウの向上が期待できます。

 

なお、問題を解くためのプログラミング言語はAtCoderのシステムが対応しているものに限ります。

対応言語についてはこちらをご覧ください。

 

 

論理的思考が身に付く

アルゴリズム実技検定の勉強を重ねると、論理的思考が身に付きます

アルゴリズム実技検定に合格するには、時流によって日々変化するプログラミングツールや言語の使い方だけではなく、プログラミングの根幹にあるロジックをいかに早く正確に記述するための思考力が必要です。

 

そのため試験対策を通じて、アルゴリズム/プログラミングのより実践的かつ深い知識まで身に付けることができます。

 

 

 

4.アルゴリズム実技検定の資格取得のデメリット


アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

ここでは、アルゴリズム実技検定の資格取得のデメリットについて解説します。

 

 

勉強時間を確保する必要がある

アルゴリズム実技検定の資格取得には、勉強時間を確保する必要があります。

先ほども解説しましたが、アルゴリズム実技検定は、プログラミングにおける基本的なロジックから適切なアルゴリズムを選択/実装/研究/開発するなど、プログラミングスキルやアルゴリズムに関する全てが試験範囲です。

 

検定ランクの取得難易度はランクごとに異なるため、どの程度勉強すれば、上位ランクの称号がもらえるという明確なデータはありません。

しかし資格試験情報サイト「PASS」にて、アルゴリズム実技検定と同じ難易度に設定された資格試験では、少なくとも30時間、多いもので200時間程度勉強時間が必要だと述べられています。

 

上記の勉強時間を目安として把握し、アルゴリズム実技検定の上位ランクを目指して勉強に励みましょう。

 

また上記はあくまで目安の時間です。

各々が持つスキルやノウハウで合格までに必要な時間は大きく異なるため、あくまで参考程度に考え、勉強時間には必ず余裕を持つようにしましょう。

 

 

 

5.アルゴリズム実技検定のためのおすすめテキストやサイト


アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

 

ここではアルゴリズム実技検定のためのおすすめテキストやサイトについて2冊紹介します。

 

 

おすすめテキスト①:アルゴリズム実技検定 公式テキスト

アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

(出典:Amazon)

 

【本書のおすすめポイント】

問題の解き方から回答方法まで丁寧に解説されているため、初心者でもわかりやすい
過去にAtCoderやアルゴリズム実技検定で出題された問題を参考に実践問題が作成されているため、試験対策及び実践力が身に付く
計算量などの観点からプログラムの書き換え方法が掲載されているため、応用力強化にも最適

 

 

おすすめテキスト②:プログラミングコンテストチャレンジブック [第2版] ~問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える~

アルゴリズム実技検定とは関連画像
アルゴリズム実技検定とは関連画像

(出典:Amazon)

 

【本書のおすすめポイント】

プログラミングコンテストで世界トップレベルの成績を誇る著者たちによって作成されているため、教材としての信頼度が高い
掲載されているソースコードは「C++」の基本的な機能のみのため、「C++」での開発経験がなくても読みやすい
改訂前の第1版にはなかった新しい4つトピック(①平面・空間を扱う計算幾何②工夫を凝らして賢く探索③分けて解いてまとめる!分割統治法④文字列を華麗に扱う)の実践的な練習問題が掲載されているため、最新の試験にも対応している

 

 

公式サイトの過去問も活用しよう!

アルゴリズム実技検定試験の勉強をする際、独学も1つの選択肢です。

その際、公式サイトに掲載されている過去問を活用しましょう。

 

過去問は現状自分がどの程度アルゴリズムやプログラミングについて、理解しているのかを点数として客観的に可視化できます。

また過去問で間違えた問題を振り返ることで、足りない知識を補えたり勉強すべき箇所が明確になります。

 

アルゴリズム実技検定試験に合格するためにも、必ず過去問は解くようにしましょう。

 

 

 

6.まとめ


今回は、アルゴリズム実技検定を現在勉強している/今後勉強する予定の方やコーディング/プログラミングを学習したい方に向けて、アルゴリズム実技検定の概要や詳細、取得するメリット・デメリット、おすすめのテキストやWebサイトなどについて詳しく解説してきました。

 

アルゴリズム実技検定とは、競技プログラミングコンテストサイトを運営するAtCoder社が実施するアルゴリズムやプログラミングのスキル/知識を試す検定試験です。

 

アルゴリズム実技検定の資格取得のメリットは、以下の2点
実践的なプログラミング経験が積める
論理的思考が身に付く

 

アルゴリズム実技検定の資格取得のデメリットは、以下の1点
勉強時間を確保する必要がある

 

プロジェクトマネージャ(PM)試験に合格するためのおすすめ参考書は、以下の2選
アルゴリズム実技検定 公式テキスト
プログラミングコンテストチャレンジブック [第2版] ~問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える~

 

アルゴリズム実技検定試験に向けて独学で勉強する場合は、必ず過去問を活用する

 

アルゴリズム実技検定試験の資格を取得することで、IT業界における自分の市場価値を高めることができます。

また現状の自分のアルゴリズム/プログラミングスキルを可視化でき、実力を把握することもできます。

 

今後のキャリアプランにおいて、選択肢をさらに広げるという観点からアルゴリズム実技検定の資格取得はメリットしかありません。

今後アルゴリズムやプログラミングを駆使した仕事や業界で活躍したいと考える方は、ぜひアルゴリズム実技検定試験にチャレンジをしましょう。

 

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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

執筆者:フリーランススタート編集部

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