公開日:2021.07.16
更新日:2025.03.24
業務によって細分化されるエンジニアですが、その中でもより専門的な業務を行うのが「QAエンジニア」です。
この記事では、QAエンジニアの詳しい仕事内容や、QAエンジニアを目指す人に向けた転職事情、今後の将来性などを詳しくご紹介します。
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<目次>
1.QAエンジニアとは
QAエンジニアとテストエンジニアの違い
2.QAエンジニアの仕事内容
テスト設計・計画
プログラミングの動作確認
製品データ分析・改修
3.QAエンジニアの年収
4.転職市場からみるQAエンジニア需要
QAエンジニアの現状
QAエンジニアの将来性
5.未経験からQAエンジニアへの転職を実現させるには
プログラミングスキルや知識
テスト技法のスキルや知識
システム開発経験
品質保証・品質マネジメントの知識
転職サイトや転職エージェントを活用する
6.まとめ
QAエンジニアとはQuality assurance engineerの略で、ソフトウェアの品質保証・管理を行うことを目的に、完成したソフトウェアのテストをする仕事です。
アプリなどのサービス完成後、本番と同じ環境できちんと動作するのか、不具合はないかなどを確認し、ユーザーの視点に立って製品やサービスの品質保証を行うのがQAエンジニアです。
QAエンジニアという呼称のほかにも、企業によっては「品質管理エンジニア」や「テストエンジニア」などと呼ばれることもあります。
QAエンジニアはサービスやソフトウェア製品のテストをしますが、同じように動作確認のためのテストを行う仕事に「テストエンジニア」があります。
QAエンジニアとテストエンジニアの違いは、テストを行う段階です。
テストエンジニアは製品やサービスを開発している最中、各段階でテストを行い、動作に不具合がないか、バグが発生していないかを調べる仕事です。
対するQAエンジニアは、開発を進めて完成した製品やサービスに対してテストを行う、最終的な段階での確認を行います。
さらに細かく言えば、プログラムを作った際設計書通りに動作するのかを確認する「単体テスト」、それぞれ開発したプログラムを組み合わせ、システムとして一連の動作が滞りなく進むのかを確認する「結合テスト」があります。
これらは開発段階で行うため、テストエンジニアが確認を行うものです。
QAエンジニアは、単体テストや結合テストが終わったあと、実際にユーザーが製品やサービスを利用する環境のもとで行われるチェックのため、より客観的な目線が必要になります。
QAエンジニアとテストエンジニアは時に現場で「テスター」として混同されたり、はっきりと区別されていなかったりすることもありますが、厳密には上述のようにテストを行う段階に違いがあります。
また、部署としてもQAエンジニアは独立していることが多く、テストエンジニアは開発部に属することが多いのも大きな違いです。
ここからは、QAエンジニアの仕事内容について具体的にご紹介します。
製品やサービスのテストが主ではありますが、さらに仕事内容を深掘りするとエンジニアとしてのスキルが必要になる業務も多くあります。
どのような仕事内容があるのか、QAエンジニアの主な仕事3つを見てみましょう。
QAエンジニアの主な仕事となるのが「テスト設計・計画」です。
完成した製品やサービスの品質チェックを行うにあたり、その流れや計画を立てておかなくてはなりません。
テストを行う目的は品質管理や不具合などを発見するためです。
万が一品質を担保できない何らかの要因が見つかった場合には、エンジニアと連携し修正を行います。
そのため、製品やサービスの出来上がりをただ待つのではなく、テストを行うための計画を立てて実行するのがQAエンジニアの主な仕事となります。
QAエンジニアはプログラミングされたコードが正しく動作するかを確認します。
ソフトウェアを構築するコードは、ほんのわずかなミスで大きな不具合を引き起こすため、万が一エラーが出てしまった際にはミスを探し、修正にあたります。
テストエンジニアが行うテストでは、本番環境と異なっているため検知されなかったエラーも、QAエンジニアによって違う環境で動作確認をするとエラーになるケースも見られます。
不具合やバグを見つけ、開発者へフィードバックをすることもQAエンジニアの重要な仕事です。
QAエンジニアは、製品データ分析・改修を行います。
テストの結果、得られたデータを分析してレポートにまとめてフィードバックし、品質改善に臨みます。
場合によっては不具合のデータだけでなく、実際に動作させた上での使い心地(UI/UX)を見てから改善案を出すこともあります。
QAエンジニアは「ユーザー目線」でテストを行うことが目的のため、単なる不具合やバグを見つけるだけでなく、製品やサービスの品質を高めたり保つため、こうした改善案の提案も重要な仕事のひとつです。
続いては、会社員のQAエンジニアの年収について見てみましょう。
マイナビAGENTの調査によると、QAエンジニアの平均年収は389万円という結果です。
また、20代では346万円、30代では437万円と年収が大きく上がっていますが、転職後に給与がアップしたと答えた人の割合は3割程度にとどまっています。
つまり、QAエンジニアは転職による収入アップを目指す仕事というよりも、長く仕事を続けて安定的な収入を得られるケースが多いことを指しています。
なお、フリーランスのQAエンジニアの平均年収は以下になっています。
職種名 |
平均年収 |
中央値年収 | 最高年収 |
最低年収 |
---|---|---|---|---|
QAエンジニア |
606万円 |
564万円 |
1,920万円 |
240万円 |
会社員とフリーランスのQAエンジニアを比較すると、フリーランスエンジニアの方が約1.5倍高いことが分かりました。
高年収を獲得したい方はフロントエンドエンジニアを検討してみてはいかがでしょうか。
また前年と比較し平均年収が約30万円、中央値年収が20万円ほど上がっており、QAエンジニアの需要が高まっていると推測できます。
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次に、転職市場から見たQAエンジニアの需要について考えてみましょう。
QAエンジニアという仕事はIT関連サービスの中でどの程度需要があるのか、また転職後の年収や、QAエンジニアが今後どうなっていくのか、将来性についても解説します。
QAエンジニアの現状は、技術職の中では求人数も多く、幅広い業種で求められている仕事と言えます。
転職サイトdodaでは、システムエンジニア(SE)やインフラエンジニアを含めた技術職の求人約3.1万件のうち、QAエンジニアやテスターの求人数は488件です。(2022年7月時点)
QAエンジニアを募集する企業はフィンテックや自動車メーカー、保険会社、人材サービス会社など多岐に渡ります。
このことから、QAエンジニアは多くの業界で求められている人材と言えるでしょう。
QAエンジニアの将来性は高いと言えます。
その理由として、インターネットを介したWebサービスやアプリ、さらにあらゆる物をインターネットに接続して便利なサービスを展開するIoTなど、ソフトウェア製品やサービスの数が増え続けていることが挙げられます。
これら製品やサービスの品質管理やチェックを行うQAエンジニアは、開発を進める企業にとってなくてはならない存在と言えるでしょう。
そのため、QAエンジニアという仕事がなくなる可能性は低いと考えられます。
今後はさらにプログラミングを活用した製品やサービスの需要が高まります。
単純作業の効率化を図るロボットシステム・RPAや、繰り返し学習を行ってより複雑な作業を任せられるディープラーニングを含むAIなどの技術が発展すれば、より多くの製品やサービスが生まれるからです。
サービスリリース後、ユーザーが利用した際に不具合が起こってしまうと会社の信用問題に発展しかねないため、品質を担保する役割を持つQAエンジニアは重要な仕事となり、将来性が高いと言えるでしょう。
そして、QAエンジニアからステップアップするキャリアパスを考えると、知識や技術、より多くの経験を持つ「シニアQAエンジニア」や、企業における品質戦略を考える「QAコンサルタント」などが挙げられます。
他にもQAマネージャーやテストエンジニアなど、QAエンジニアからのステップアップは選択肢が多いため、キャリアチェンジも十分可能です。
ここからは、QAエンジニアの仕事が未経験という方でも果たして転職できるのか、その方法について解説していきます。
QAエンジニアになるためにはどのようなスキルを身に着けると良いのか、持っておくべき資格や知識、転職に向けた具体的なステップなどをご紹介します。
まずQAエンジニアになるために欠かせないのが「プログラミングスキル」やプログラミングの知識です。
QAエンジニアはプログラムの動作確認をし、不具合を発見した際には実際にコードを読み解いてその箇所を探す必要があります。
コードを読み解く、修正を加える、テストの自動分析ツール開発を行うなど、プログラミングスキルは必須です。
JavaやC言語、C++、PHP、Javascriptなどのメジャーなプログラミング言語を身に着けておきましょう。
プログラミングスキルや知識がなければ、QAエンジニアの仕事はできないと言っても過言ではありません。
次に、QAエンジニアになるため「テスト」に関する設計スキルや知識が必要です。
QAエンジニアは製品が正常に動作するかのテストを行う仕事のため、テストに関連したスキルや知識は必要不可欠です。
具体的には、テスト計画からテスト仕様書を作成したり、テストを効率良く行うための自動化ツールを使えるかどうかなどのスキルが挙げられます。
さまざまなテストを行うとコストも時間も必要としますが、その中で効率良くテストを行うにはどうすれば良いか、より効率の良いテストツールは何かなどを判断する知識が求められます。
続いてQAエンジニアになるため「システムの開発経験」が必要です。
ソフトウェアの開発経験や知識があると、QAエンジニアの仕事にはとても役立ちます。
テストを行う製品やサービスに対し、どのようなテストを行えば良いのかを把握しやすくなります。
開発者として培ったコードを読むスキルにより、不具合があらわれそうな箇所ごとにテストしたり、修正をした方が良さそうだと思われる部分にも気付きやすくなったりするなど、経験を活かせるでしょう。
最後にQAエンジニアになるため「品質保証や品質マネジメント」に関する知識が必要です。
当記事ではQAエンジニアは、開発製品やサービスの品質保証・品質担保を目的とした仕事だとご紹介しました。
そのため、何よりも重要なのが製品の品質保証を行い、ユーザーにとってより良い製品を提供することです。
そこで必要なのが、品質保証や品質マネジメントに関する知識で、具体的には「ISO」と呼ばれる国際的な規格制度を指します。
ISOは製品やサービスの品質について定めた国際的な基準で、製品に対して厳格な水準を求めるだけでなく、企業の責任を問うルールについても基準を示しています。
ISOには食品安全や環境などさまざまなジャンルに分かれていますが、その中でもQAエンジニアに大きく関わるのが、品質向上に関する「ISO 9001」です。
これらの規格は、基準を満たした組織に対して認証する制度ですが、個人でも実務経験や研修後にISO 9001の審査員として登録をすることが可能です。
その他にも、QAエンジニアとして役立つ資格として、テストの技術力向上を図る「JSTQB認定テスト技術者資格」をはじめ、同じくテストエンジニアのための資格試験である「IT検証技術者認定試験(IVEC)」などが代表的です。
未経験からQAエンジニアへ転職するには、積極的に転職サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職サイトは自身で求人情報を探して応募しますが、転職エージェントは専属コンサルタントが転職をサポートしてくれるというメリットがあります。
自ら求人情報を探していく場合には、転職サイトの中でもIT系の求人が多いサイトを活用すると良いでしょう。
転職サイトには地域に特化したもの、特定の業種に特化したものなどそれぞれ特色があります。
QAエンジニアへの転職を目指す場合にはIT関連の求人情報が多く掲載されている転職サイトを利用するのがおすすめです。
また、転職エージェントを活用する場合にはQAエンジニア未経験という旨を伝え、自身がもつスキルや知識・経験をヒアリングしてもらい、自身の希望に適した求人情報を紹介してもらえます。
転職エージェントは転職サイトと違い、一般には公開されていない求人情報も多いため、より自身の希望・条件に合う求人に出会えます。
QAエンジニア未経験であっても諦めず、プログラミング学習と並行しながら転職活動を進めると良いでしょう。
QAエンジニアは、企業がソフトウェア開発を行う上で品質管理を担当する重要な職種です。
企業はリリース後の不具合によって大きな信頼や機会損失を被る可能性があるため、入念なテストを行う必要があります。
責任は重大ですが、その分やりがいもあり、QAエンジニアからシニアQAエンジニアなどへのステップアップも可能です。
未経験の方であっても、少しずつスキルを身に着けながら転職サイトや転職エージェントを活用し、まずテスターとして実務経験を積むのも良いでしょう。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
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