公開日:2021.12.23
更新日:2025.03.24
組み込みエンジニアとは、一言で表すと「組み込みシステム」を開発する職種です。
組み込みシステムとは、特定の機能を実現するために機器や機械に組み込まれるコンピュータシステムのことです。
近年のIT業界において、組み込みエンジニアはIoT技術の普及の観点から需要高く、その将来性が期待されています。
そんな組み込みエンジニアですが、「副業」として案件に参画することはできるのでしょうか。
本記事では組み込みエンジニアの副業について以下の点を詳しく解説します。
・組み込みエンジニアが副業できるのかについて
・副業組み込みエンジニアは稼げるのかについて
・組み込みエンジニアが副業するメリットについて
・副業組み込みエンジニアに必要なスキルについて
・副業組み込みエンジニアの案件獲得方法について
・副業組み込みエンジニアの注意点について
組み込みエンジニアとして副業を検討/希望している方はぜひご一読ください。
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<目次>
1.組み込みエンジニアって副業向いている?
2.副業組み込みエンジニアは稼げる?
フリーランス組み込みエンジニアは稼げる?
3.組み込みエンジニアが副業するメリット
副業メリット①:収入が増える
副業メリット②:人脈が広がる
副業メリット③:様々な経験ができる
4.副業組み込みエンジニアに必要なスキル
プログラミング言語スキル/経験
機器や機械関連のスキル/知識
コンピュータの仕組みのスキル/知識
コミュニケーションスキル
5.副業組み込みエンジニアの案件獲得方法
フリーランスエージェントや副業サイトを活用する
クラウドソーシングサービスを活用する
副業案件を直接受注する
6.副業組み込みエンジニアの注意点
確定申告をする可能性がある
本業と副業のバランスを取る
7.まとめ
ここでは、副業組み込みエンジニアが副業として案件に参画できるのかについて解説します。
結論、組み込みエンジニアは副業できます。
しかし副業に向いているかといえば、不向きと言えるでしょう。
組み込みエンジニアとは、一言で表すと「組み込みシステム」を開発する職種です。
組み込みシステムとは、特定の機能を実現するために機器や機械に組み込まれるコンピュータシステムのことです。
具体的には以下の業務を行います。
・製品の企画(電子機器に搭載する機能の検討)
・ハードウェア/ソフトウェアの設計
・システム設計/開発/実装(プログラミング)
・デバッグ、テスト
・保守
また組み込みエンジニアは主に以下のような機器を扱う業界で活躍します。
機器 |
導入事例 |
---|---|
情報通信機器 |
スマートフォン・ルーター |
家電機器 |
冷蔵庫・電子レンジ |
産業機械業界 |
産業ロボット |
各業界で開発された製品内部には、万が一の危機に備え、各機能を制御するシステムを組み込む必要があります。
そのため、そのシステムを開発する組み込みエンジニアは幅広い業界で活躍しています。
では、そんな組み込みエンジニアはなぜ副業には不向きと言われているのでしょうか。
それは以下のような理由が考えられるためです。
理由 |
詳細 |
---|---|
組み込みシステムの副業開発案件が少ない |
組み込みソフトは特殊性が高く、外注し辛い |
副業向けのプログラミング言語と親和性が無い |
副業として需要が高いプログラミング言語はHTML、CSS、JavaScript、Ruby、PHP、Perl、SQLなどWeb関連開発言語である |
身に付けるべき技術が副業向きでは無い |
組み込みエンジニアに必要なスキルは制御対象のハードウェアの知識CPU、マイコンの知識ブートローダ、OSの知識などであり、副業案件に役立てるスキルとしては専門的すぎて汎用性が低い |
情報漏洩の危険性がある |
自社で開発したハードウェアに搭載するソフトウェアを開発する副業では、クラウドソーシングなど社外人に安易に公開できる情報ではない |
組み込みエンジニアのメイン業務は、システム設計/開発/実装です。
組み込みエンジニアの開発作業自体は、基本的に作業PCと必要な通信回線さえあれば場所を問わず着手できるため、一見すると副業向きに見えますが、実際はそうではありません。
しかし、後述解説しますが、副業組み込みエンジニアは案件報酬や平均年収が高いです。
それゆえ、魅力的に感じる点も多いです。
組み込みエンジニアの副業案件は、以上の点を理解した上で受けるようにしましょう。
組み込みエンジニアの副業案件を覗いてみる↓
ここでは、副業組み込みエンジニアは稼げるのかについて解説します。
副業組み込みエンジニアが稼げるのかを知るために、まずは正社員を含む日本の組み込みエンジニアの平均月収・年収についてみていきましょう。
【出典|日本の組込みエンジニアの平均年収・給与】
2021年11月現在、求人情報専門の検索エンジン「Indeed」の情報によると、組み込みエンジニアの平均月収は300,540円、平均年収は4,244,813万円でした。
国税局の令和2年度の民間給与実態統計調査結果によると、日本の正規給与所得者の平均年収は503万円です。
この数値と比較すると、組み込みエンジニアの平均年収は平均よりやや低い傾向にあるとわかります。
なお、組み込みエンジニアの副業単価に関して情報が少なかったため、参考までに組み込み開発で使用することが多いC言語のフリーランス求人・案件における時給単価を見てみましょう。
(出典:doocyJob C言語のフリーランスエンジニアの求人・案件 時給単価相場)
C言語のフリーランスエンジニアの求人・案件の業務委託における時給単価相場は4,200円程度です。
また、C言語のフリーランスエンジニアの求人・案件の平均単価は4,180円、中央値単価は4,280円、最高単価は5,000円、最低単価は2,500円です。
例えば、土日にC言語開発の副業求人・案件に参画した際、1ヶ月を4週間、1日8時間労働と仮定したら想定稼働時間は64時間です。
時給単価相場は4,200円なので約27万円の報酬を受け取ることができます。
土日だけの稼働でも30万円近くは稼げるため、収入面では非常に安定するでしょう。
C言語の求人・案件を見てみる↓
次に2021年12月時点、約252,000件の求人・案件数を誇る「フリーランススタート」を参考に、フリーランス(副業)組み込みエンジニアの単価について調べてました。
職種名 |
平均年収 |
中央値年収 | 最高年収 |
最低年収 |
---|---|---|---|---|
組み込みエンジニア(フリーランス) |
697.2万円 |
660万円 |
2,160万円 |
288万円 |
上表は年収ですが、月額単価に換算すると平均単価は58.1万円、中央値単価は55万円、最高単価は180万円、最低単価は24万円でした。
国税局の令和2年度の民間給与実態統計調査結果によると、日本の正規給与所得者の平均年収は503万円です。
この数値と比較すると、フリーランス組み込みエンジニアの平均年収は、平均より高い傾向にあります。
しかしフリーランスの場合、案件を発注するクライアントの待遇や個人が持つスキル/ノウハウによって、年収に個人差が生まれるため注意が必要です。
フリーランスの組み込みエンジニア求人・案件を見てみる↓
ここでは、組み込みエンジニアが副業するメリットについて3点解説します。
組み込みエンジニアが副業するメリットは、収入が増えることです。
正社員エンジニアが副業をする理由として、決められた年収に満足できないからという意見があります。
一般的に給与が高いと言われている正社員エンジニアでも、正社員として会社に雇われている以上、支給される給与額には限界があります。
副業組み込みエンジニアとして案件に参画できれば、毎月の給与にプラスして、報酬を得ることができ、トータルの収入を増やすことができます。
組み込みエンジニアが副業するメリットは、人脈が広がることです。
副業として案件に参画したとしても、1人で案件をこなすわけではありません。
プロジェクトチームを組んだり、クライアントとの折衝など人と関わる機会は多いです。
また副業エンジニアを求める環境には、優秀なエンジニアが集まる傾向があります。
専門知識を豊富に持っている方と関われば、自分にはないノウハウを学べるため、組み込みエンジニアとしてのキャリアやスキルアップにつながります。
本業とは違ったタイプの人々と知り合い、人脈を広げられることも副業ならではのメリットと言えるでしょう。
組み込みエンジニアが副業するメリットは、様々な経験ができることです。
本業とは、異なる業務や未経験の仕事で副業する場合は、新しい知識やスキルを習得できるメリットがあります。
新しいノウハウは、組み込みエンジニアとしてのキャリアやスキルアップにもつながります。
また、様々な案件に触れることで、自分の新たな適性を知るよい機会にもなるでしょう。
ここでは、副業組み込みエンジニアに必要なスキルについて4点解説します。
副業組み込みエンジニアの案件では、プログラミング言語スキル/経験が要求されます。
組み込みエンジニアの案件は、他の開発案件に比べると専門性が高いです。
それゆえ、クライアントは依頼内容と同じような案件に参画したことがあるか、どの程度の実務経験があるのかを重点的に見ます。
組み込みエンジニアとして副業したい場合は、今日まで身につけてきたノウハウをアピールしましょう。
組み込みエンジニアがよく使用するプログラミング言語は以下の3つです。
本記事では汎用性という観点から「C言語」の習得をおすすめします。
プログラミング言語 |
特徴 |
---|---|
C言語 |
・OSやアプリケーションソフトウェア、ファームウェアの記述、デバイスドライバー開発や機械制御など汎用性が高い |
アセンブリ言語 |
・コンピューターが直接解釈できる機械語に1対1で対応したプログラミング言語 |
Java |
・コンパイル言語 |
副業組み込みエンジニアの案件では、機器や機械関連のスキル/知識も要求されます。
機器や機械関連の知識がなくては、各機器に最適な組み込みシステムを開発することはできません。
そのため、対応する各機器の仕組みや構造、業界に関する知識もある程度を理解する必要があります。
また組み込みエンジニアはシステムの設計/開発だけではなく、電子基板の設計も行う場合があります。
そのため、電流・電圧・抵抗といった電気の基礎知識や電子基板に関する知識も必要です。
副業組み込みエンジニアの案件では、コンピュータの仕組みのスキル/知識も要求されます。
組み込みエンジニアが行う開発は制御対象のハードウェアの知識CPU、マイコンの知識ブートローダ、OSの知識など専門性が高い技術です。
例えば、C言語やアセンブリ言語を使用するには、メモリ構造やデータの格納方式について理解する必要があります。
そのため組み込みエンジニアは、コンピュータの内部構造など細かい仕組みについても理解する必要があります。
副業組み込みエンジニアの案件では、コミュニケーションスキルも要求されます。
組み込みエンジニアの業務は、基本的にプロジェクトチームで行動することが多いです。
そのため、クライアントからヒアリングした情報や各自で進めた制作物の進捗状況をプロジェクトチーム全体に的確かつ正確に共有する必要があります。
また、システムの設計段階やサービスが正常に動作するかなどのテスト段階で細かい調整を行う場合もコミュニケーション能力が必要です。
ここでは、副業組み込みエンジニアの案件獲得方法について3点解説します。
組み込みエンジニアが副業案件を獲得するには、フリーランスエージェントや副業サイトの活用がおすすめです。
フリーランスエージェントに在籍している専任コンサルタントはフリーランス市場を専門にしています。
専任コンサルタントに相談することで、自分の希望労働条件を満たした求人・案件を見つけやすいです。
以下は副業組み込みエンジニアの案件獲得に強いフリーランスエージェントです。
ぜひ参考にしてみてください。
副業組み込みエンジニアの案件獲得に強いフリーランスエージェント |
|
企業名 | 特徴 |
・日本全国に常時50,000件以上のフリーランス案件を保有しているため、案件探しに困らない |
|
・40〜50歳以上のシニアエンジニア専門フリーランスエージェント |
|
・107,000人の利用者実績を誇る国内最大規模のフリーランスエージェント |
また、副業サイトを活用することも組み込みエンジニアの案件獲得に役立ちます。
そこで本記事では、国内最大級の副業・フリーランスエンジニア向け求人・案件情報サイトdoocyJob(ドーシージョブ)をおすすめします。
・有名企業をはじめ、ベンチャー、スタートアップ企業から大手企業まで、750社以上の副業・フリーランス案件情報を6,000件以上掲載している |
組み込みエンジニアが副業案件を獲得するには、クラウドソーシングサービスの活用もおすすめです。
クラウドソーシングサービスとは案件を発注したい「クライアント」と、案件を受注したい「フリーランス」をマッチングさせるサービスです。
【おすすめのクラウドソーシングサイト】
年齢や経歴は問わず、誰でも簡単に利用することができます。
しかし、クラウドソーシングサービスにおける組み込み開発求人・案件は現状少なく、実務経験が浅い方の求人・案件獲得はやや難しいでしょう。
クラウドソーシングサービスを利用する際、案件数がフリーランスエージェントよりも少なく、低単価案件が多いです。
また、報酬からシステム手数料が引かれるため、受け取れる報酬額が契約金額よりも少なくなる点も予め知っておきましょう。
組み込みエンジニアが副業案件を獲得するには、副業案件を直接受注することもおすすめです。
直接受注で案件を獲得するには以下のような方法があります。
・知人から案件/クライアントを紹介してもらう
・自主制作したWebサイトからクライアントを獲得する
・SNSでクライアントとマッチングする
直接受注で案件を獲得すれば、仲介業者を挟まないため、中間マージンがなく、報酬や希望のスケジュール交渉がしやすいというメリットがあります。
しかし、案件獲得から実務、請求書のやりとりなど、すべて自分で処理しなければならないため、直接受注はベテラン向けの案件獲得方法と言えるでしょう。
ここでは、副業として組み込みエンジニアの案件に参画する際の注意点について2点解説します。
組み込みエンジニアが副業で報酬を受け取った場合、受け取った報酬額に応じて確定申告が必要になる場合があります。
副業をした際は必ず確認するようにしましょう。
以下の条件に当てはまる方は、確定申告が必要です。
①本業とは別に、1年間の副業所得が20万円以上の方
※ここで言う所得とは「所得=収入-必要経費」のこと
【参考|確定申告が必要な方】
例えば以下の場合を考えてみましょう。
Aさん(副業組み込みエンジニア) |
Bさん(副業組み込みエンジニア) |
Cさん(副業組み込みエンジニア) |
---|---|---|
年間副業収入:15万円 |
年間副業収入:30万円 |
年間副業収入:50万円 |
所得:15万円 |
所得:25万円 |
所得:19万円 |
Aさんは年間副業所得が20万円を超えていないため、確定申告は不要です。
Bさんは必要経費を差し引いても、年間副業所得が20万円を超えているため、確定申告は必要です。
では、Cさんはどうでしょうか。
年間副業収入が50万円ありますが、必要経費を差し引いた額が20万円を超えていません。
一見、確定申告が必要に見えますが、実際は確定申告する必要はありません。
確定申告する判断は、あくまで「所得」が20万円を超えたかどうかです。
組み込みエンジニアが副業案件に参画する際は、本業と副業のバランスを取ることが大切です。
収入やスキルアップを目的に副業を始めたが、時間的・精神的にこれまで以上のストレスを抱え、本業が疎かになる場合があります。
副業は本業とのバランスを考え、無理のない範囲で参画するようにしましょう。
【本業と副業を両立するコツ】
・体調管理をしっかりとする
・自分が無理のない範囲で案件を受注する
・時間に余裕を持って1週間のスケジュールを組む
・本業と副業で混乱しないために、ツールやデバイスを使い分ける
今回は組み込みエンジニアとして副業を検討/希望している方に向けて、組み込みエンジニアが副業として成立するのかについて詳しく解説してきました。
・組み込みエンジニアは副業できる!
→しかし以下の観点から基本的に副業に向いていない
①組み込みシステムの副業開発案件が少ない
②副業向けのプログラミング言語と親和性が無い
③身に付けるべき技術が副業向きでは無い
④情報漏洩の危険性がある
・副業組み込みエンジニアは稼げる!
→組み込み開発で使うC言語の時給単価相場は4,200円程度
→フリーランス(副業)組み込みエンジニアの平均年収は692万円
・組み込みエンジニアが副業するメリットは以下の3点
①収入が増える
②人脈が広がる
③様々な経験ができる
・副業組み込みエンジニアに必要なスキルは主に以下の4点
①プログラミング言語スキル/経験
②機器や機械関連のスキル/知識
③コンピューターの仕組みのスキル/知識
④コミュニケーションスキル
・副業組み込みエンジニアの案件獲得方法は主に以下の3点
①フリーランスエージェントや副業サイトを活用する
②クラウドソーシングサービスを活用する
③副業案件を直接受注する
・副業組み込みエンジニアの注意点は主に以下の2点
①確定申告をする可能性がある
②本業と副業のバランスを取る
近年、IoT技術の進歩で組み込みエンジニアの需要が高まっており、その将来性が注目されています。
今後のIT産業発展の期待を込めて、組み込みエンジニアとして副業を検討/希望している方は、ぜひ副業として組み込みエンジニア案件にチャレンジしてみてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
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