ソフトウェア品質技術者資格試験とは?合格率を含む資格試験の詳細や資格取得メリット、おすすめの参考書を解説

資格

公開日:2022.02.25

更新日:2025.03.24

IT関係の職業やソフトウェア開発の仕事に興味があるのなら「ソフトウェア品質技術者資格試験」の資格取得がおすすめです。
ソフトウェア品質技術者資格試験は、ソフトウェアの品質向上に関する包括的かつ体系的な知識を身につけるための資格として、エンジニアから注目を集めています。


今現在ソフトウェア開発のエンジニアとして働いている方や、これからエンジニアへ就職・転職を目指す方は、ソフトウェア品質技術者資格試験の合格を目指してみてはいかがでしょうか。


本記事では、ソフトウェア品質技術者資格試験の概要について解説します。
資格取得によるメリット・デメリットのほか、勉強におすすめの参考書やサイトを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

<目次>
1.ソフトウェア品質技術者資格試験とは
2.ソフトウェア品質技術者資格試験試験
ソフトウェア品質技術者資格試験の詳細
・初級ソフトウェア品質技術者資格試験
・中級ソフトウェア品質技術者資格試験
ソフトウェア品質技術者資格試験の受験者数・合格率・難易度
ソフトウェア品質技術者資格試験の申し込み手順
ソフトウェア品質技術者資格試験の勉強時間
3.ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得のメリット
ソフトウェア品質の知識が身に付く
IT系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.ソフトウェア品質技術者資格試験合格のためのおすすめ参考書やサイト
おすすめ参考書①:ソフトウェア品質知識体系ガイド (第3版)
おすすめ参考書②:初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説 第2版
公式サイトの過去問も活用しよう!
6.まとめ

 

 

 

1.ソフトウェア品質技術者資格試験とは


ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像
ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像

 

ソフトウェア品質技術者資格試験とは「一般財団法人日本科学技術連盟」が運営・認定を行う民間資格です

ソフトウェア開発に関係するすべてのエンジニア・開発者を対象にしていて、ソフトウェア品質向上の実現を目的とした資格となっています。

 

資格取得はソフトウェア開発に関係する専門知識の獲得につながり、より高度な仕事を担えるようになるでしょう。

現在もソフトウェア開発の求人・案件は多数あり、開発に携われるエンジニアの需要は高まっています。

 

一方で、全体のエンジニア数が不足している昨今、開発能力のある人材は企業にとって希少な存在となりつつあります。

高度なソフトウェア開発を実施したい場合、求めるレベルのスキルを持ったエンジニアを見つけることは難しくなっているのです。

 

そんな企業の需要を満たせる人材になる方法のひとつとして、ソフトウェア品質技術者資格試験への注目が高まっています。

闇雲にソフトウェア開発の勉強をするよりも、ソフトウェア品質技術者資格試験を目標にすることで、モチベーション向上にもつながるでしょう。

 

これからソフトウェア開発を仕事にするのなら、ソフトウェア品質技術者資格試験の取得がおすすめです。

 

 

 

2.ソフトウェア品質技術者資格試験


ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像
ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像

 

ソフトウェア品質技術者資格試験を取得するには、資格試験を受ける必要があります。

選択式や記述式によって出される問題を解き、合格ラインをクリアすることで資格取得が実現します。

 

事前に出題範囲、試験時間、出題数などを把握して、対策をしておくことがポイントになるでしょう。

 

ソフトウェア品質技術者資格試験には「初級」「中級」「上級」の3つで構成されています。

上級試験についてはまだ試験が行われておらず、今後新設される予定となっています。

 

これからソフトウェア品質技術者資格試験を受験する場合には、初級と中級のどちらかを選択することになります。

 

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の詳細

ソフトウェア品質技術者資格試験の受験内容は、初級と中級でそれぞれ内容が異なっています。

事前に詳細を確認し、自分が挑戦する試験の内容を把握しておきましょう。

 

 

・初級ソフトウェア品質技術者資格試験

 

試験会場

東京、名古屋、大阪、福岡 他(予定)
※一定数(30~35名程度)集まれば、地方開催も検討可能

試験日時

2022年6月11日(土)10:30~11:30
2022年11月12日(土)10:30~11:30
※原則として年2回(6月と11月)開催
試験の開催日情報は決定次第SQiPメールニュース(無償)で配信

試験時間

60分(休憩なし)

出題形式

選択問題

出題範囲

品質の概念
品質の定義(品質の考え方の変遷)
ソフトウェア品質モデル
品質マネジメントの概念
品質保証の考え方 など

出題範囲における詳細はこちらのシラバスで確認可能

問題数

40問

合格ライン

70%程度

受験資格

特になし

有効期限

不明

受験料

11,000円(税込)
振込口座は受付確認メールに記載
領収書が必要な場合には申込書の通信欄に「要領収証」と記入

申込期間

2022年3月1日(火)~4月25日(月)15:00(予定)
2022年8月1日(月)~9月20日(火)15:00(予定)

 

 

・中級ソフトウェア品質技術者資格試験

 

試験会場

東京、大阪 他(予定)
※一定数(30~35名程度)集まれば、地方開催も検討可能

試験日時

2022年11月12日(土)13:30~15:30
※原則として年1回(11月)開催

試験の開催日情報は、決定次第SQiPメールニュース(無償)で配信

試験時間

120分(休憩なし)

出題形式

<選択式>
複数の選択肢から正解を選ぶ

<記述式>
穴埋め:文章中の用語の穴埋め
説明:用語についての定義や活用方法についての説明
50字程度×1項目 もしくは25字程度×2項目
解説:あるテーマについてその理由や留意点などの考察を記述
50字程度×3項目

出題範囲

ソフトウェアの品質マネジメントの特徴
プロダクト品質とプロセス品質
品質作り込み技術の考え方
システムおよびソフトウェアの測定と評価の考え方
ソフトウェア品質マネジメントシステムの構築と運用 など

出題範囲における詳細はこちらのシラバスで確認可能

問題数

<選択式>
25問

<記述式>    
穴埋め:10問
説明:5問
解説:2問

合格ライン

70%程度(選択式、記述式ともに)

受験資格

特になし

有効期限

不明

受験料

16,500円(税込)
振込口座は受付確認メールに記載
領収書が必要な場合には申込書の通信欄に「要領収証」と記入

申込期間

2022年8月1日(月)~9月20日(火)15:00(予定)

 

初級と中級では出題内容、出題形式、試験時間に大きな違いがあり、当然中級の方が難易度が高くなっています。

年に数回しかない受験のチャンスを無駄にしないように、自分の学習レベルに合った方を選択するようにしましょう。

 

それぞれの試験の出題範囲を記したシラバスには、知識レベルが設定されています。

知識レベルは1〜5までの段階があり、それぞれ以下のような内容になっています。

 

レベルL1:知っている
レベルL2:知識を説明できる
レベルL3:概念と使い方がわかる
レベルL4:詳しく理解し応用できる
レベルL5:熟達している

 

出題範囲の知識レベルを目安にして、どの程度の知識が合格に必要となるのか確認しておくのがおすすめです。

 

初級ソフトウェア品質技術者資格試験は、出題範囲のシラバスにおける知識レベル1~3の問題で構成されています。

中級ソフトウェア品質技術者資格試験は、選択式が知識レベル2~3、それ以外の問題は知識レベル3~4で構成されています。

 

出題範囲のシラバスは不定期で更新されることがあるので、試験前に出題範囲と出題される問題の知識レベルはチェックしておきましょう。

 

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の受験者数・合格率・難易度

ソフトウェア品質技術者資格試験の受験者数、合格者数、合格率は、初級と中級で以下のような結果となっています。

 

<初級ソフトウェア品質技術者資格試験>

 

受験者数

合格者数

合格率

2017年度

1,082名

285名

26.4%

2018年度

992名 426名

42.9%

2019年度

892名 284名

31.8%

2020年度
※1回のみ開催

478名 167名

34.9%

2021年度

763名 304名

39.8%

 

<中級ソフトウェア品質技術者資格試験>

 

受験者数

合格者数

合格率

2017年度

240名

37名

15.4%

2018年度

240名

24名

10.0%

2019年度

265名 45名

17.0%

2020年度

183名 22名

12.0%

2021年度

212名 23名

10.8%

 

中級ソフトウェア品質技術者資格試験よりも、初級ソフトウェア品質技術者資格試験の方が受験者数、合格者数、合格率のすべての数値で上回っています。

比較的合格しやすいと言えるので、ソフトウェア開発の知識にまだ自信がない場合には初級の受験がおすすめです。

 

しかし、初級ソフトウェア品質技術者資格試験であっても合格率はどの年も50%を切っていて、低いときには20%台という結果になっています。

例え必要な知識レベルが低く設定されている初級でも難易度が高いため、しっかりとした受験対策は必須です。

 

中級ソフトウェア品質技術者資格試験になると、合格率はさらに低下するため試験難易度が上がります。

基本的に10〜20%という低い水準になっているので、1度で合格することは難しいでしょう。

 

中級の場合はしっかりと試験対策を行った上で、何度か挑戦して試験の感覚をつかむつもりで臨むのもポイントです。

 

なお、初級ソフトウェア品質技術者資格試験はITSSでのレベル2(基本情報技術者試験情報セキュリティマネジメント試験など)相当、中級ソフトウェア品質技術者資格試験はITSSでのレベル4(システムアーキテクト試験システム監査技術者試験など)相当に位置付けられています。

 

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の申し込み手順

ソフトウェア品質技術者資格試験に申し込むには、以下の手順が基本的な流れになります。

 

1. 一般財団法人日本科学技術連盟の公式ホームページ「開催情報・申込み」で試験日や会場など詳細確認し、申込み
2. 自動返信による「受付確認メール」を受け取り
 (この時点では申込みが完了していません)
3. 申込期間の締切後、「受験可否のメール」が送信されるので確認
4. 4月下旬ごろ、試験料振込の案内メールが送信されるので確認
5. 期日である5月上旬ごろまでに試験料の振込
6. 入金の確認後、「受験登録完了メール」の送信
 (この段階で申込受付が完了します)
7. 実施要領と受験票の送付

 


以上で、ソフトウェア品質技術者資格試験への申し込みは完了します。

 

送付される受験票は試験を受けるために必須となるので、当日必ず持参するようにしましょう。

また受験票に証明写真が貼られていない場合、受験不可となるため事前準備を忘れないようにしてください。

 

指定会場での試験実施後、こちらのページにて合格者の番号が掲載され、合格者には「資格認定証」が送付されます。

 

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の勉強時間

ソフトウェア品質技術者資格試験の合格に必要な勉強時間は、受験する方がどれくらいソフトウェア開発についての知識を持っているかで変わります。

 

初歩的な知識を持っている方が受験に挑戦する場合、初級でだいたい50〜100時間程度の勉強時間があると良いでしょう。

仮に1日2時間勉強するなら、50時間の場合1ヶ月程度の期間が必要です。

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の受験日は初級なら6月と11月、中級なら11月と決まっているので、勉強の開始時期を受験のタイミングと合わせるのがポイントです。

 

中級ソフトウェア品質技術者資格試験の場合、初級の2〜3倍程度の勉強時間が必要になると想定されます。

半年から1年くらいの時間をかけて、じっくりと勉強していくスケジュールを立てることも考えられるでしょう。

 

 

 

3.ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得のメリット


ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像
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ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得には、さまざまなメリットがあります。

以下を参考に、資格取得におけるメリットの内容を確認しておきましょう。

 

 

ソフトウェア品質の知識が身に付く

ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得の過程で勉強をした時間は、結果的にソフトウェア品質に関する知識を身に付けることにつながります

資格取得を目指しつつ、ソフトウェア品質の実践的な知識を学べる点は、ソフトウェア品質技術者資格試験を取得するメリットになるでしょう。

 

 

IT系企業の転職・就職に活用できる

ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得は、IT系企業への転職や就職に活用できる点もメリットです

企業からすると、ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得者は「高レベルの開発能力を持った人材」として注目するきっかけになります。

 

求める需要を満たす人材であるかどうかが判断しやすくなるので、転職・就職では多少有利になる可能性があるでしょう。

 

 

 

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

ソフトウェア品質技術者資格試験のような専門資格の取得は、社内での査定に影響を与えることがあります。

例えば資格手当や報奨金などを得られる制度が社内規定にある場合、資格取得が年収アップにつながるでしょう。

 

既にエンジニアとして働きつつソフトウェア品質技術者資格試験を受験する場合には、資格手当や報奨金の対象になるか確認してみるのがおすすめです。

 

 

 

4.ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得のデメリット


ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像
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ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得はエンジニア人生において大きなメリットを与えますが、なかにはデメリットと捉えられる部分もあります。

以下からは、ソフトウェア品質技術者資格試験の取得におけるデメリットを解説します。

 

 

勉強時間を確保する必要がある

ソフトウェア品質技術者資格試験の資格を取得するには、相応の勉強時間を確保しなければなりません。

忙しい毎日のなかに勉強時間を作り出すことは難しく、ストレスが溜まるなどのデメリットに発展する可能性もあるでしょう。

 

ソフトウェア品質技術者資格試験の合格率は低いため、多くの勉強時間を割いたのに合格できない可能性も考えられます。

不合格になった場合にはさらなる勉強が必要となるので、それだけの時間を確保できるか事前に考えておく必要があるでしょう。

 

 

 

 

5.ソフトウェア品質技術者資格試験合格のためのおすすめ参考書やサイト


ソフトウェア品質技術者資格試験とは関連画像
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ソフトウェア品質技術者資格試験の合格を目指す場合には、勉強に使う参考書や参考サイト選びも重要です。

以下からは、おすすめの参考書と公式サイトで公開されている過去問について解説します。

 

 

おすすめ参考書①:ソフトウェア品質知識体系ガイド (第3版)

ソフトウェア品質技術者資格試験を受験するのなら「ソフトウェア品質知識体系ガイド (第3版)」の利用がおすすめです。

こちらは2020年11月に発売された最新情報を記載した改訂版なので、これからの試験対策に活用できます。

 

改定の結果「ソフトウェア品質の概念(解説)」や「ソフトウェア品質のマネジメントや技術に関するトピック」の内容の項目が更新されました。

そのほか、「専門的なソフトウェア品質の概念と技術」が新設され、ユーザビリティ、セーフティ、セキュリティ、プライバシーなどについての知識を深く学べます。

 

「ソフトウェア品質の応用領域」の新設によってAI、IoT、クラウドに関する知識を学べるようになったため、受験に必要な幅広い知識を網羅可能です。

 

 

おすすめ参考書②:初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説 第2版

「初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説 第2版」は、ソフトウェア品質技術者資格試験の受験者および品質技術者が知っておきたい基礎的な知識を出題形式で掲載している参考書です。

 

掲載内容は「ソフトウェア品質技術知識体系ガイド - SQuBOK Guide -第2版」に対応しています。

過去の出題問題も掲載されているので、勉強の成果を確認する目的にも活用可能です。

 

 

公式サイトの過去問も活用しよう!

ソフトウェア品質技術者資格試験の公式サイトには、実際に出題された過去問を確認できます。

出題した問題の一部が解説を加えて無料掲載されているので、受験時にはこちらの過去問から出題傾向や参考となる解答をチェックしておきましょう。

 

公式サイトの過去問は、こちらから確認できます。

 

 

 

6.まとめ


ソフトウェア品質技術者資格試験は、ソフトウェアの品質向上に貢献している注目の資格です。

今後のソフトウェア開発の仕事には速さや正確性だけでなく、高品質な納品物が求められるようになる可能性もあるので、ソフトウェア品質技術者資格試験の資格取得を通して専門知識を身に付けておくことも検討してみましょう。

 

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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

執筆者:フリーランススタート編集部

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