公開日:2022.04.23
更新日:2025.03.24
ITやWebに関する技術は日々目まぐるしく進化し、市場の拡大を続けています。
それに伴いエンジニアやプログラマーのみならず、Webデザイナーの需要も高まり続けています。
そんな中でWebデザイナーになるために、もしくは一定のデザイン知識を証明するために資格の獲得に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、そんなWebデザイナーの資格の中でも特に知名度が高く代表的な「Webデザイン試験」について解説します。
本記事を読めばWebデザイン試験の概要や出題内容、勉強方法、申し込み手順などWebデザイン技能試験を取得するために必要な知識を全て把握できます。
ぜひ最後までお読みのうえ、参考にしてください。
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<目次>
1.Webデザイン試験とは
Web検定とは
ウェブデザイン技能検定とは
2.Webデザイン試験試験
Webデザイン試験の詳細
Webデザイン試験の出題内容
Webデザイン試験の受験者数・合格率・難易度
Webデザイン試験の申し込み手順
Webデザイン試験の勉強時間
3.Webデザイン試験の資格取得のメリット
Webデザイン知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.Webデザイン試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.Webデザイン試験合格のためのおすすめ問題集
おすすめ問題集①:Webリテラシー 第3版
おすすめ問題集②:Webデザイン第3版
6.他にWeb検定って何があるの?
Webリテラシー試験
Webディレクション試験
Webプロデュース試験
7.まとめ
Webデザイン試験とは、一般的に「Web検定」に登録されている4つの試験の中の一つである「Webデザイン試験」の事です。
Webデザインやビジュアルデザインの基礎的な知識やルール、さらにHTML、CSSの書式や基本設計、コーディング技術が問われます。
またそれだけでなく、基本的な内容のみならず実際の現場で使われている応用的な知識も多く出題されます。
取得する事で「デザイナーとして一通り現場で即戦力として働けるだけの知識量を持った人材」である事をアピールできるため、デザイナー転職の際に有利になるでしょう。
Webデザイン試験は紙とペンの試験ではなく、PCを使って回答する「CBT方式」を採用しているのも特徴です。
また受験に必要な資格も特にないため、実務未経験者や学生、フリーランスデザイナーなど、どのような方でも気軽に挑戦できる資格となっています。
Web検定とは、「社団法人 全日本能率連盟登録資格」の事です。
Webに関する仕事を行うすべての人の、標準的な知識の整理や構築を目的とした試験です。
一般に「ウェブケン」と略される事が多い試験です。
Web検定は、以下4つの認定資格で構成されています。
・Web検定 Webリテラシー
・Web検定 Webデザイン
・Web検定 Webディレクション
・Web検定 Webプロデュース
Webに関する一般的かつ必須の知識をまとめた「Webリテラシー」がベースとなっており、それに加えて専門知識を問う3資格が付属した区分となっているのが特徴です。
今回紹介する「Webデザイン試験」は上記4つのWeb試験の中でも特に、デザインに関する知識が問われる試験です。
これらのWeb検定はそれぞれ書籍『Webの仕事力が上がる 標準ガイドブック』シリーズから出題範囲を構成しているため、学習の際にはこちらを用いるのが良いでしょう。
ウェブデザイン技能検定とは、国家検定制度である「技能検定制度」のひとつです。
Web業界においては唯一の国家資格であり、取得する事で就職や転職時に有利になる事は間違いありません。
ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省の指定による「特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会」が試験を開催しています。
試験では国際標準規格等に基づいたWebデザインに関する知識・技術・実務能力などが問われます。
ウェブデザイン技能検定には3級、2級、1級があり、最も難易度が高いのは1級です。取得できれば高度なWebデザイン知識・技術を持っている事をアピールできるでしょう。
しかし当然ながら1級の取得には高度なスキルが必要となるので、まずは自分のレベルに合った階級の取得を目指すのがポイントです。
この章ではWebデザイン試験について、各項目ごとに詳細を解説します。
Webデザイン試験を受講するために必要な情報を網羅していますので、一読の上参考にしていただければと思います。
まずWebデザイン試験の詳細情報について、一覧にすると以下の通りです。
Webリテラシー試験 |
|
---|---|
試験会場 |
・J-Testingテストセンター(全国約200会場) |
試験日程 |
毎日(テストセンターごとに、営業時間や定休日が異なります) |
問題形式 |
CBT方式(コンピュータ画面に表示される問題に解答する試験方式) |
試験時間 |
90分(試験終了時のアンケート回答時間含む) |
出題数 |
65問 |
合格基準 |
正解率70%以上 |
受験資格 |
特になし |
受験料 |
本体10,000円+税 |
資格正式名称 |
社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webデザイナー |
資格有効期限 |
2年間 |
試験は随時行っており、平日土日問わずご自身の都合に合わせて受講できます。事前に受講するテストセンターで営業時間や定休日を確認してください。
パソコン操作による受験となるため、試験結果も即日通知となります。リモート受験の方は受験前に準備があるため、予め確認しましょう。
また資格の有効期限は2年間となっており、資格を継続して取得したい場合は再受験する必要があるため注意が必要です。
次にWebデザイン試験の出題内容について解説します。
Webデザイン試験の出題内容は大きく以下に区分されます。
1.Webサイトの企画・設定
2.素材とデザイン
3.フロントエンド制作
4.プログラミング
いずれの分野も、Web検定が公式で推奨しているテキストに従って学習を進めていく事が最も効率的といえます。
「3.フロントエンド制作」ではHTMLやCSSの基本的な理解が求められ、普段聞き慣れない専門用語が複数登場します。
また「4.プログラミング」に関しては、JavaScriptやDOMの基礎知識、データベースなど主にフロントエンドエンジニアとしての幅広い知識が必要とされ、最も難易度の高い分野となります。
事前にしっかりと対策を行ったうえで、試験に挑むようにしましょう。
Webデザイン試験の受験者数・合格率について表にまとめると以下のようになります。
|
2020年度 |
累計 |
||
---|---|---|---|---|
受験者 |
110名 | 836名 | ||
合格者 |
77名 |
521名 |
||
合格率 |
70.0% |
62.3% |
2020年度の場合、110名の受験者のうち、合格者が77人、合格率は70%となっています。累計の合格率も62.3%と、半分以上が合格しています。
Webリテラシー試験の場合はWebに関する幅広い知見が求められる一方、こちらのWebデザイン試験は比較的デザイン分野に特化しています。
そのため難易度については、これから勉強を始める未経験の方でも、公式のテキストでしっかり学習する事で十分に合格が狙えるレベルと考えて差し支えないでしょう。
既にデザインやフロントエンドの知識や経験が豊富な方にとっては、少々物足りなさを感じる場合もあるかもしれません。
続いてWebデザイン試験の申し込み手順について解説します。
具体的な申し込み手順は以下の通りです。
1.J-Testing試験申込サイトから申し込み
※試験日の3ヶ月前から1営業日前の17時まで申込が可能です。
2.受験票の発行(受験内容を明記した確認書がメールで送信されます。)
3.当日、受験票の内容の通り受験
4.合否の判定(会場にて、合否結果および正答率が記載されたスコアレポートをお受け取りいただきます。)
5.資格の登録(合格者には、受験日の翌月末にPDF形式の資格登録証書が送られます。)
Web検定の試験は全て、J-Testingにより実施されています。
どの試験会場でも実施する試験内容と料金は共通ですので、最寄りの試験会場をお選びください。
Webデザイン試験はこれまでの累計の合格率も60%を超えているため一見簡単そうに思えますが、合格に必要となる勉強時間は30時間前後と言われています。
その理由となるのがフロントエンド制作とプログラミングです。
実務経験のない初心者にとってHTML/CSSの知識、加えてサーバーやプログラミングを理解するのは容易ではないためです。
とはいえ1日1時間の勉強でも1ヶ月ほどで達成できる勉強時間となっており、他の資格と比較すると取得難易度は低い事は事実です。
人によって状況や勉強方法は異なるため一概には言えませんが、一般的には1日1時間の勉強を1ヶ月ほど継続すれば、合格ラインを狙えるでしょう。
Webデザイン試験を取得する事で、様々なメリットがあります。
この章では、取得によって具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説します。
取得するメリット1つ目は、Webデザイン知識が身に付く事です。
実際ITの現場で働くWebデザイナーにはデザインの基礎はもちろん、サーバーやデータベースなど求められる知識は多岐にわたります。
その知識は基本的に、実際に現場で経験を積むか、独学で学んでいくほかありません。
そんな中Webデザイン試験を勉強する事で「現場で働くデザイナーとして押さえておきたい知識や知見」を、バランスよく網羅的に学習する事が可能です。
Webデザイン試験に出る内容は、どの現場でも使われるような基礎の部分となっています。そのため現場に入ってから慌てたり困ったりする事を大幅に削減できます。
また取得に成功する事でその知識を持った人材である事の証明になるため、今後の需要が拡大されるIT業界で重宝される人材になれるでしょう。
取得するメリット2つ目は、「ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる」事です。
Webデザイン試験は、ITやWeb系企業への転職や就職を検討している方は特に取得しておきたい資格となります。
Webデザイン試験を取得する事で「現場で通用する知識量を持った人材」である事の証明になり、採用担当者からの高評価に直結するからです。
ITやWeb系の企業への転職にはスキルはもちろん、学習や入社に対する意欲も問われます。
そこで資格の保持を提示できれば、現場での学習や入社に十分に意欲的である事のアピール材料として非常に有効となります。
IT業界は今後も市場が拡大し、同時にデザイナーの需要も拡大が見込まれます。そんな中でデザイナー資格を保持する事で周りとの差別化を図れるため、一目置かれる存在となれるでしょう。
取得するメリット3つ目は、「資格取得や報酬金を貰える可能性がある」事です。
つまり資格取得が、収入のアップや評価に直接反映されるというメリットがあります。
企業によっては、Webデザイン試験の資格を取得している事で資格手当や報奨金が充当されるなどの好待遇を設けています。
特に昨今のIT業界やWeb業界は、スキルアップとして社員に資格の取得を推奨し、その上で資格取得一時金や資格手当を支給する事に積極的になっています。
具体的な金額や処遇内容については勤める企業によって異なり、一時金のほか、手当という形で基本給に上乗せされるケースも多くみられます。
Webデザイン試験は知識の習得だけではなく、給与のアップにも役立つ試験であると言えるでしょう。
Webデザイン試験を取得する事で様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。
この章では、Webデザイン試験を取得するデメリットについて解説します。
Webデザイン試験を習得するデメリットとして、「勉強時間を確保する必要がある」事が挙げられます。
Webデザイン試験に限った話ではありませんが、日々の私生活の中で資格取得のために勉強時間を確保しなければいけない事は念頭に置いておきましょう。
Webデザイン試験は30時間ほどの勉強で合格ラインに達する事ができると言われています。
つまり1日1時間を勉強に費やした場合だと1ヶ月間かかります。会社員の場合、疲れてヘトヘトで帰ってきた状態では、毎日の1時間の勉強ですら相当大変なものです。
そのため、「Webデザイン試験を取得する事で何を成し遂げたいのか」「本当にWebデザイン試験の取得が必須なのか」を再確認ししっかり検討した上で勉強を始めるようにしましょう。
資格取得を目的にするより「資格を取得してどうなりたいのか」といったように、あくまで資格の取得は「手段」として考えるようにすると、本当の目的が見えやすくなります。
Webデザイン試験の合格のためにはWeb検公式テキストと公式問題周を用いた学習が推奨されているため、これらを徹底的に学習する事が合格への一番の近道です。
この章では、Webデザイン試験に合格するためのおすすめの問題集を紹介します。ぜひ参考の上、合格を掴み取って頂ければと思います。
(出典:Amazon)
おすすめの問題集1つ目は、「Webリテラシー 第3版」です。
Webリテラシー 第3版は、Webに関する全ての人の標準知識を幅広く網羅しており、現場での仕事力が上がるよう造本された、公式の定番ガイドブックです。
具体的に本書の構成は、以下のようになっています。
・第1章 Webの基礎知識
・第2章 インターネットビジネス
・第3章 プロジェクトマネジメント
・第4章 Webサイトの企画・設計
・第5章 制作(デザイン・実装)
・第6章 集客施策
Webデザイン試験の約2割は「Webリテラシー第3版」から出題されます。
他にも「第1章 Webの基礎知識」や「第4章 Webサイトの企画・設計」もWebデザインに関連する項目となりますので、本書を通じて理解を深める事が大切です。
タイトルだけを見て、「自分が受けるのはWebデザインだし、Webリテラシーは関係ないだろう」と判断してしまうのは早計です。
Web検定の4つの試験全ての基盤となっているのがこの「Webリテラシー試験」です。この基礎をしっかり理解しておく事で、Webデザイン試験の合格率にも直結します。
販売価格は3300円(税込)、B5版でオールカラーです。
(出典:Amazon)
おすすめの問題集2つ目は「Webデザイン第3版」です。
こちらはWeb検定公式ガイドブックの一つで、WebサイトやWebコンテンツのビジュアルデザイン、またインタラクションデザインを担当するWebデザイナーに求められる知識を網羅したものです。
企画・設計、素材準備やデザインはもちろん、フロントエンド制作で普及しているHTML5とCSS3、アクセシビリティ規格「JISX 8341-3」などについても詳しく解説しています。
それに加えてプログラミングに関する基礎知識も幅広く網羅しており、これ一冊で「デザイナーとして現場で活躍するために必要な知識」が確実に身につくよう整理・体系化されています。
タイトルの通り、この書籍の内容がそのままWebデザイン試験の出題範囲となる可能性が高いです。
そのためWebデザイン試験を受験する方であれば、教科書として必読の一冊である事は間違いありません。
販売価格は3740円(税込)、B5版で4色構成です。
本記事で紹介しているWebデザイン試験は、「社団法人 全日本能率連盟」が運営するWeb検定の中のひとつです。
この章では、Webデザイン試験の他にどのようなWeb検定があるのか紹介します。
Webデザイン試験合格後の次なるステップとして視野に入れつつ、ご一読いただければと思います。
Webリテラシー試験(資格名:Webアソシエイト)とは、Webにまつわる幅広い知識を習得できる試験です。
具体的にいうと、「社団法人 全日本能率連盟」が運営するWeb検定のうち、
・Webデザイン試験
・Webディレクション試験
・Webプロデュース試験
の重要な部分だけを集めて構成されたものが、この「Webリテラシー試験」です。
Web検定の全ての分野の知識を幅広く網羅しているため、「現場で仕事を行う上での標準知識を備えているか」が問われる内容となっています。
学習方法としてはWebデザイン試験と同じく教科書中心の学習が主となります。
上記Web検定3試験のうち、どれを受けるにしても役に立つ重要な知識となるので、まず最初にこの「Webリテラシー試験」を受験してみるのもいいかもしれません。
Webリテラシー試験の詳細はこちらから確認できます。
Webディレクション試験(資格名:Webディレクター)とは、プロジェクトを成功に導くための「Webディレクション」のスキルを問う試験です。
Web制作の工程管理をはじめ要件を導き出すための現状分析、プロジェクト企画、サイト全体の情報構造設計、集客施策立案、実施まで幅広い専門知識が問われる実践的な内容となっています。
Webディレクター、プロジェクトマネージャー、コンテンツディレクター、およびWebサイトの運営・更新業務に興味のある方にとっては重要な知識が網羅されています。
こちらも他の試験同様、公式テキストの掲載内容がそのまま試験範囲となります。
将来的にキャリアアップを図りたい方にとっても大変勉強になる試験なのは間違いありませんので、是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。
Webディレクション試験の詳細はこちらから確認できます。
Webプロデュース試験(資格名:Webプロデューサー)とは、ビジネスを成功に導くためのWebプロデュースのスキルが問われる試験です。
Webプロデューサー、ビジネスコンサルタント、広告やマーケティング担当、広報、宣伝、営業企画を担当されている方などを対象に制作されました。
試験範囲はビジネスパーソンやプロデューサーが認識すべき現状把握、戦略立案、具体化の術はもちろん、経営層やプロジェクトとのハブとして果たすべき役割まで網羅した実践的な内容となっています。
こちらも他の試験同様、公式テキストの掲載内容がそのまま試験範囲となります。
Webプロデューサーやビジネスコンサルタントといったキャリアを望む方は是非とも挑戦してみてください。
Webリプロデュース試験の詳細はこちらから確認できます。
以上、Webデザイン試験の概要や詳細、メリット・デメリット、おすすめの問題集について紹介しました。
今後のIT需要の拡大に伴い、Webデザイナーの需要も拡大される事が見込まれます。
そんな中で資格を保持する事で高度なデザインスキル保持者である事の証明ができ、高単価かつ仕事の途切れないデザイナーとなっていく事も可能になります。
また資格の取得は自身の市場価値の向上のためにも非常に有効です。本記事を参考に、ぜひWebデザイン試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
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