Android技術者認定試験とは?難易度や出題範囲など技術者認定試験の詳細やおすすめ参考書を解説

資格

2022.08.05

スマートフォンやタブレット端末における世界基準のプラットホームの位置を確立したAndroid。Android上でアプリケーションを構築するニーズもますます加速し、Androidの開発に携われるエンジニアの需要も年々増す一方となっています。


そこで今回は、Android技術者認定試験を現在勉強している/今後勉強する予定の方に向けて、Android技術者認定試験の詳細や資格取得のメリットデメリット、おすすめの参考書などを一挙に紹介します。

試験合格までの必要な情報を網羅した記事になっていますので、是非とも勉強の参考にしてみてください!

<目次>
1.Android技術者認定試験とは
2.Android技術者認定試験試験
Android技術者認定試験の詳細
Android技術者認定試験の出題範囲
・アプリケーション技術者認定試験
・プラットフォーム技術者認定試験
Android技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度
Android技術者認定試験の申し込み手順
Android技術者認定試験の有効期限
Android技術者認定試験の勉強時間
3.Android技術者認定試験の資格取得のメリット
Androidを含むアプリ開発スキルや知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.Android技術者認定試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.Android技術者認定試験合格のためのおすすめの参考書や対策法
おすすめ参考書①:3週間完全マスター ANDROIDアプリケーション技術者認定試験ベーシック
おすすめ参考書②:携帯OS教科書 Androidアプリケーション技術者ベーシック
模擬試験を解こう
6.まとめ

 

 

 

1.Android技術者認定試験とは


Android技術者認定試験とは関連画像
Android技術者認定試験とは関連画像

Android技術者認定試験とは、アメリカ・Google社に起因する「Open Handset Alliance」(OHA)のAndroid Open Source Project(AOSP)が提供しているAndroid™を中心とした開発プラットフォームに関する試験です

AndroidはOSにオープンソースであるLinuxを採用しているため、Android技術者認定試験の学習をすることで様々な機器への搭載が可能な技術を獲得することができます。

 

近年では、Android搭載スマートフォンやタブレットの世界的普及に伴い、AndroidやLinuxの知識・技術をもったエンジニアの需要が急速に伸びています。

本試験に合格することで、自身がAndroid・Linux関連の技術者であることを公的にアピールすることができるでしょう。

 

また、日本語以外にも英語版・中国語版(海外版は休止中)があり、グローバルに認知される資格としても有名です。

さらに、本試験は独立行政法人情報処理推進機構が策定したETSS(組込みスキル標準)に準拠したETEC(組込み技術者試験制度)とも連動しています。

 

本試験を受験することは、単にAndroid関連のスキルを証明するためだけでなく、フルスタックエンジニアとしてのスキルチェックを行う意味でも、大きな価値を持っていると言えるでしょう。

Android技術者認定試験は、アプリ開発のエンジニアには『アプリケーション技術者認定試験』、プラットフォーム周りのエンジニアには『プラットフォーム技術者認定試験』と、用途に合わせて2種類の認定制度に区分されています。

 

各試験は「ベーシック」「プロフェッショナル」の2レベル構成となっており、自身の学習段階に応じた受験が可能です。

 

 

 

2.Android技術者認定試験


Android技術者認定試験とは関連画像
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それではここからは、Android技術者認定試験についての詳細を解説していきます。

Android技術者認定試験は『アプリケーション技術者認定試験』と『プラットフォーム技術者認定試験』の2つで構成されているため、それぞれに分けて内容を見ていきましょう。

 

Android技術者認定試験の詳細

まずはAndroid技術者認定試験の詳細情報について、各項目ごとに表を作成してみました。

 

 

アプリケーション技術者認定試験

プラットフォーム技術者認定試験

試験会場

全国約160箇所のプロメトリック公認テストセンター(APTC)
※試験会場の検索はこちらから

試験日時

原則毎日(テストセンターごとに、営業時間や定休日が異なります)

試験時間

90分(アンケート含む)

試験方法

CBT方式(コンピュータ画面に表示される問題に解答する試験方式)

出題数

70問

合格基準

70%以上

受験料

¥15,000(税別)

受験資格

どなたでも受験できます。

試験結果

試験終了次第、即時発行

 

上記の通り試験概要は『アプリケーション技術者認定試験』と『プラットフォーム技術者認定試験』の2試験とも同様のものとなっています。

受験の際には、受験を希望するテストセンターの定休日を事前に確認しておくと安心です。

 

予約の受付は3営業日(土・日曜受験の場合は4営業日)先から2ヶ月以内の受付となります。

なお、試験結果は試験終了後すぐに登録したメールアドレス宛に送信されます。

 

 

Android技術者認定試験の出題範囲

ここからはAndroid技術者認定試験の出題範囲について見ていきましょう。

この項目もまた、『アプリケーション技術者認定試験』と『プラットフォーム技術者認定試験』の2試験ごとに内容を確認していきます。

 

・アプリケーション技術者認定試験

アプリケーション技術者認定試験の出題範囲は以下の通りです。

 

システムアーキテクチャ
ユーザインターフェース
リソースファイル
アプリケーションコンポーネンツ
ストレージ
通信
外部機器とセンサ
マルチメディア
テスト
ネイティブ
アプリケーション管理
アプリケーション配布
開発機能
デバッグ機能

 

「ユーザインターフェース」では、メニューやダイアログ、イベント処理やGraphics(2D&3D)など、広くUIに関する知識が問われます。

「リソースファイル」ではAndroidManifest・XMLの書式・リソースの代替設定と国際化・SecurityとPermissionsが、また「開発機能」「デバッグ機能」では、Eclipse・Android Development Tools Plugin(adt)・layoutopt・Draw 9-patch・Android Asset Packaging Tool(aapt)・Android Interface Description Language(aidl)など、各種ツールに関するスキルも広く問われます。

 

特に「開発機能」「デバッグ機能」については、多数のツールが出題範囲となっていますので、取りこぼすことのないよう注意しながら学習を進めていくことがおすすめです。

詳細な試験内容は、こちらから確認できます。

 

・プラットフォーム技術者認定試験

続いてプラットフォーム技術者認定試験の試験範囲について見ていきます。出題範囲は以下の通りです。

 

init
システムアーキテクチャ
リソースファイル
アプリケーションコンポーネント
ストレージ
通信
一般的なセンサ
LocationService
マルチメディア
ロギング
IPC
セキュリティモデル
電源管理
Zygote
ターゲット向け
SDK向け
ビルドの階層
デバイスコードのビルド
カーネルコードのビルド
ブートパラメータ
ポーティング
Fastboot
開発機能
デバッグ機能
プロファイリング機能
CTS、CDD
GPL、LGPL
その他
バージョン管理
ソースコードを読む
コントリビュート
Android Open Accessory
NDK

 

「init」では、シーケンスとinic.rc、/dev/***が、「アプリケーションコンポーネント」ではIntentとIntentFilter・Activity・ContentProvider・Service・BroadcastReceiver・ライフサイクルが出題範囲となります。

また「マルチメディア」では、MediaServer、AudioFlinger、SurfaceFlinger、SKIA、OpenMAX、OpenCORE、Stagefright、ALSA、OpenAL、CameraServiceが出題範囲となっているなど、全体的に幅広いツールを知っておく必要がある試験です。

 

 

Android技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度

それでは次に、Android技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度について見ていきます。

はじめに受験者数についてですが、公式サイトより2014年3月31日までに全世界で約4,000人が受験、合格者数は1,660人を超えたとの記載が見られました。

 

2014年とやや古いデータにはなりますが、この数値から半数に近い合格率であるとも想定されます。

難易度に関しては、経済産業省が定めたITスキル基準であるITSSを元に試験を評価してみます。

 

ITSSでは、「Androidプラットフォーム技術者認定試験ベーシック」「Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック」がともに、エントリーレベルであるレベル2に該当されています。

ITSSのレベル2は、「上位者の指導の下に、要求された作業を担当できること」を認定する値であり、有名どころだと「基本情報技術者試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」、あるいは「Oracle Master Silver」関連の試験がレベル2の該当試験となります。

 

 

Android技術者認定試験の申し込み手順

それでは次に、Android技術者認定試験の申し込み手順についてみていきましょう。

詳しい申し込み手順は以下の通りです。

 

1.申し込み
プロメトリックHPから日時、場所を選択しましょう。
電話予約の方は受験申込み書をダウンロードし、申し込み案内に沿って申し込みましょう。
Web予約の方はプロメトリックIDを取得の上、手順に沿って申し込みましょう。
2.受験
3.合格
4.認定証の受け取り

 

定められた申し込み方法以外で手順を進めても、受理してもらえないことがあるため、注意してください。

受験終了直後には試験結果を確認するWebサイトの案内がメールにて送られてきます。すぐに結果が確認できます。

 

合格者(スコアが70点以上)には受験月中旬までに、IT-CASA Android技術者認定試験制度委員会より認定証が送付されます。

なお、同一試験を受験する際、2回目の受験は、受験日の翌日から起算して30日目以降(土日含む)より可能となります。

 

3回目以降の受験については、最後の受験日の翌日から起算して60日目以降より可能となります。2度目、3度目の挑戦を考えている方は注意してください。

 

 

Android技術者認定試験の有効期限

結論から言うと、Android技術者認定試験の有効期限はありません。

一度獲得したら永続的に技術者であることを証明しうる試験であることも、Android技術者認定試験の大きな特徴のひとつです。

 

有効期限はありませんが、AndroidやLinuxは日々進化する最新技術に関わるスキルであるため、個々人で常に知識をアップデートしておくよう心がけましょう。

 

 

Android技術者認定試験の勉強時間

続いてAndroid技術者認定試験に合格するまでの勉強時間について見ていきますが、事前のスキル習熟度やそれぞれの覚えるスピードによって変わってくることも多いため、あくまで目安までにご覧ください。

Android技術者認定試験は、LinuxやJavaの予備知識がある方でおおよそ1ヶ月程度の学習時間が必要であると言えるでしょう。

 

一方、全くの予備知識のない方だと、半年程度の時間がかかってしまう場合も想定されます。

しかし、数あるIT資格の中では決して難易度の高い試験ではないです。

 

試験は毎日予約することができ、自分のペースに合わせて再受験もできますので、ご自身のライフスタイルに合わせて挑戦してみてください。

また、LinuxやJavaに抵抗がない方にとっては、IT系資格のはじめの一歩としてもおすすめできる試験でもあります。

 

 

 

3.Android技術者認定試験の資格取得のメリット


Android技術者認定試験とは関連画像
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それではここからは、Android技術者認定試験の資格取得のメリットについて見ていきましょう。

 

Androidを含むアプリ開発スキルや知識が身に付く

まず第一にメリットとしてあげられるのは、やはりAndroidを含むアプリ開発スキルや知識が身に付くことでしょう

アプリ開発の需要は年々高まり続けており、Androidに関するスキルは将来性のある技術です。

 

さらに合格後は、Android技術者認定試験の合格者限定のAndroid Experts(Facebook Group)に入会することができます。

Android Expertsは、Facebook上にて参加リクエストをされると事務局にて合格確認を行った上、参加許諾を行うといったシステムです。

 

世界のAndroid技術者と繫がって最新の情報を共有できるため、合格後のさらなる技術研鑽のスピードを上げることにも期待ができるでしょう。

 

 

ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる

Android技術者認定試験を受けることで、公的にAndroidやLinuxの保有スキルをアピールできるため、本資格はITやWeb系企業の転職・就職に活用できると言えるでしょう

Androidやそれに付随するLinuxの知識は、より多くの企業で使われていることもひとつの大きな特徴です。

 

そのため、他の業界・業種と比べて転職・就職の際の求人数も多いことが予想されます。

間口の広い中から自分に合った企業を選べることは大きなメリットであると言えるでしょう。

 

また、Android技術者認定試験は国際的に認められている試験であるため、海外企業への転職の際にも優位に働きます。

 

 

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

企業によっては、Android技術者認定試験の資格を取得していると、勤めている期間に資格手当や報奨金が充当されるなど好待遇が期待できます。

昨今、資格取得一時金や資格手当を支給している企業も多くなってきており、資格獲得が収入のアップや成績に直接的に反映されることは大きなメリットです

 

具体的な金額や処遇内容については、勤める企業によって異なりますが、一時金として収入増になるケースのほか、手当という形で基本給に上乗せされるケースも多くみられます。

中には昇給・昇格の条件にしている企業も見受けられるほどです。

 

Android技術者認定試験は知識の習得だけではなく、収入アップにも役立つ試験であると言えるでしょう。

 

 

 

4.Android技術者認定試験の資格取得のデメリット


Android技術者認定試験とは関連画像
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ここからは反対に、Android技術者認定試験の資格取得のデメリットについて見ていきます。

 

勉強時間を確保する必要がある

これはどの試験にも通じる当たり前のことではありますが、資格取得にあたっては勉強時間を確保する必要があることは念頭においておきましょう。

Android技術者認定試験は難易度の高い試験ではないが、1日1時間〜2時間、合計1ヶ月〜2ヶ月程度の学習は必要でしょう。

 

LinuxやJava未経験者はさらに多く学習時間を見積もっておくと安心です。

そのため、資格取得を目指す前に「本当にAndroid技術者認定試験の知識は必要か」を確かめてみるのが無難かもしれません。

 

より必要性の高いほかの資格や業務がないかどうか、しっかりと確認したのちに勉強を始めてみましょう。

 

 

 

 

5.Android技術者認定試験合格のためのおすすめの参考書や対策法


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それでは最後に、Android技術者認定試験合格のためのおすすめの参考書や試験への対策法を紹介します。

試験合格には正しく勉強する必要があるかと思いますので、是非とも学習の参考にしてみてください。

 

おすすめ参考書①:3週間完全マスター ANDROIDアプリケーション技術者認定試験ベーシック

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(出典:Amazon)

 

『3週間完全マスター ANDROIDアプリケーション技術者認定試験ベーシック』は、3週間で試験合格を目指す学習書です。

Androidアプリケーション開発の初歩から始めて、3週間の学習期間で試験に合格することを目指して製作されています。

 

本書は旧試験実施団体であった一般社団法人Open Embedded Software Foundation(OESF)がAndroid技術者に求められるスキル要素を整理した「Androidア

プリケーションのスキル項目」に完全準拠しているため、学習内容と試験本番とのズレの心配もありません。

 

JDK、Android SDK、Eclipseといったソフトウェア開発キットをダウンロードし、実際に手を動かしてAndroidアプリケーション開発の面白さを体験しつつ、学習を進めていくことも特徴的な参考書です。

 

 

おすすめ参考書②:携帯OS教科書 Androidアプリケーション技術者ベーシック

Android技術者認定試験とは関連画像
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(出典:Amazon)

 

『携帯OS教科書 Androidアプリケーション技術者ベーシック』は、スマホなど電子端末での学習におすすめのアプリケーションです。

出退勤中に学習することも可能な、利便性の高いコンテンツとなっています。

 

ハードルが高いという方も取り組みやすいように、豊富な図表とサンプルコードで、Androidアプリケーションの動作・仕組みから各種コンポーネント、開発環境まで、合格に必要な知識がていねいに解説されており、つまずくことなく学習を進めることができる内容です。

練習問題も多数掲載しており、章末問題で学習したことをすぐに確認できるほか、巻末の模擬試験で仕上げも万全です。

 

IT初心者から現場で活躍しているエンジニアまで、おすすめできる参考書です。

 

 

模擬試験を解こう

試験合格には教科書・問題集での勉強のみならず、模擬試験を解いておくことも大切です。

アプリケーションベーシック技術者認定試験では、公式サイトより模擬試験を受けることができます。本番前に一度は模擬試験にチャレンジしてみてください。

 

模擬試験はこちらから確認できます。

 

 

 

6.まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は、Android技術者認定試験を現在勉強している/今後勉強する予定の方に向けて、Android技術者認定試験の詳細や資格取得のメリットデメリット、おすすめの参考書などを紹介しました。

 

本記事を参考に、Android技術者認定試験に是非とも挑戦してみてください。

 

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