公開日:2022.07.26
更新日:2025.03.24
サーバー管理をはじめとしてさまざまな業務に利用されているOSとして、Linuxが挙げられます。
Linuxは需要が高いOSの1つであり、関連する知識やスキルを身につけておくことで、エンジニアとしての活躍の幅は広まっていくでしょう。
そしてLinuxに関する知識・スキルを客観的に示すためには、「LPIC」や「LinuC」といった認定試験への挑戦がおすすめです。
そのためこの記事では、LPICやLinuCの概要屋取得のメリット、勉強方法についてお伝えします。
特に、以下の方にはこの記事をご一読いただきたいです。
・Linuxの資格取得を検討している方
・LPICやLinuCの概要について知りたい方
・Linux関連資格を取得する意義について知りたい方
・Linuxに関する勉強方法を知りたい方
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<目次>
1.Linuxの資格①「LPIC」
LPIC-1
LPIC-2
LPIC-3
2.Linuxの資格②「LinuC」
LinuCレベル1
LinuCレベル2
LinuCレベル3
3.Linuxの資格取得のメリット
転職・就職の時に有利になる可能性がある
現職の社内での評価に繋がる
LinuxはサーバーOS市場で成長し続けていて今後も需要がある
4.Linuxの資格取得の勉強方法
LPICとLinuCそれぞれの認定パートナーを活用する
Red Hatが提供しているようなオンライン学習を利用する
5.まとめ
ここでは、Linuxの資格である「LPIC」についてお伝えします。
LPICはLinux Professional Institute(LPI)が運営する資格であり、正式名称は「Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)」です。
Linuxの技術力を証明するIT資格であり、NPO法人Linux技術認定機関「LPI」の日本支部が運営しています。
カナダで誕生して世界中で展開されている試験であり、Linuxに関する世界標準の資格になっていると言っても過言ではありません。
日本国内でもLPICの人気は高く、採用や昇給の条件にしている会社も多数あります。
LPICには、1〜3の3種類の試験が存在します。
試験範囲 |
101試験、102試験(5年以内に両方取得が必要) |
受験資格 |
特になし |
試験時間 |
各90分 |
出題数 |
各60問前後 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
履歴書の表記 |
LPICレベル1 等 |
受験費用 |
1万5,000円 |
有効期間 |
原則5年 |
LPIC‐1は、サーバーの構築や運用、保守に関する能力を証明する資格です。
Linuxの基本操作とシステム管理ができることを認定し、LPIC-1を持っていることでも転職や昇進などで有利になることは充分に考えられます。
101と102試験の概要は以下の通りです。両方を同時に受験する必要はなく、片方に合格してから5年以内にもう片方の試験に合格すればLPIC‐1の有資格者となります。
<101試験の内容>
・システムアーキテクチャ
・Linuxのインストールとパッケージ管理
・GNUとUnixのコマンド
・デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層構造規格
<102試験の内容>
・シェルとシェルスクリプト
・インターフェースとデスクトップ
・管理業務
・基幹システムサービス
・ネットワークの基礎
・セキュリティ
合格ラインは70%前後程度とされており、Linuxの全体像について問われる試験だと言えるでしょう。
試験合格に必要とされる勉強期間は、一般的には1か月~3か月程度とされています。
試験範囲 |
201試験、202試験(5年以内に両方取得が必要) |
受験資格 |
LPIC-1認定の取得 |
試験時間 |
各90分 |
出題数 |
60問前後 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
履歴書の表記 |
LPICレベル2 等 |
受験費用 |
1万5,000円 |
有効期間 |
原則5年 |
LPIC‐2は、Linuxのシステムデザインや中小規模の混合ネットワークを管理する能力を証明する資格です。
受験にはLPIC‐1試験の合格が受験条件になりますが、試験時間や設問数など基本的な試験形式はLPIC‐1とほとんど同じになっています。
LPIC‐2認定を受けていれば中小規模のサーバーなら自分で構築・運用ができるとみなされ、IT企業では非常に評価される資格です。
201と202試験の概要は以下の通りです。LPIC‐1と同様に両方を同時に受験する必要はなく、片方に合格してから5年以内に両方の試験に合格すれば有資格者となります。
<201試験の内容>
・容量計画
・Linuxカーネル
・システムスタートアップ
・ファイルシステムとデバイス
・ストレージデバイスのアドミニストレーション
・ネットワーク構成
・システムメンテナンス
<102試験の内容>
・ドメインネームサーバー
・ウェブサービス
・ファイル共有
・ネットワーククライアント管理
・電子メールサービス
・システムセキュリティ
LPIC‐2合格に向けた一般的な勉強時間は、3ヵ月~半年程度と言われています。
試験範囲 |
300試験(混在環境) |
受験資格 |
LPIC-2認定の取得 |
試験時間 |
各90分 |
出題数 |
60問前後 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
履歴書の表記 |
LPICレベル3「混合環境」 等 |
受験費用 |
1万5,000円 |
有効期間 |
5年 |
LPIC‐3資格は、LPIC試験の中でも最も高いレベルのスキルを持つ専門家であることを証明する資格です。
これまでと違いLPIC‐3試験ではそれぞれの試験が独立しており、どれか1つでも合格すれば、その認定内容におけるエキスパートであることを証明できます。
以下が、LPIC‐3の試験内容です。300試験では、Sambaを利用してLinuxやウィンドウズ、Unixが混在する環境でのシステム構築~保守までのスキルを問います。
303試験は、高いセキュリティレベルを持ったコンピュータシステムの構築~保守までのスキルを問う試験です。
そして305は、仮想化とコンテナ化に重点を置いた企業規模の Linux システム管理に関するスキルを問います。
<300試験の内容>
・Sambaの基本
・SambaとActive Directoryのドメイン
・Samba共有の設定
・Sambaクライアントの設定
・LinuxのID管理とファイル共有
<303試験の内容>
・暗号技術
・アクセス制御
・アプリケーションセキュリティ
・オペレーションセキュリティ
・ネットワークセキュリティ
・脅威と脆弱性の評価
<305試験の内容>
・完全仮想化
・コンテナ仮想化
・VMのデプロイメントとプロビジョニング
LPIC-3試験合格に必要な勉強期間は、半年〜1年程度と言われています。
この章では、Linuxの資格である「LinuC」についてお伝えします。
LinuCは「日本市場に最適化した試験&運用サービス」として、2018年3月1日に提供が開始されたLinux技術者認定試験です。
Linuxは各国における地域性に大きく影響を受けるOSだと言われており、日本国内の事情の最適化した独自の認定試験が必要だとの声を受けて開発されました。
日本の市場に最適化した国内独自の試験であり、合格者に対する認定証の進呈に加えて、今後の学習に役立つ受験結果分析レポートの提供も行っています。
LinuCにもLPICと同様にレベル1〜3と3段階の試験があります。
試験範囲 |
101試験、102試験(5年以内に両方取得が必要) |
受験資格 |
実務経験や前提資格保有条件は特に無し |
試験時間 |
90分 |
出題数 |
60問前後 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
受験費用 |
1万6,500円(税込) |
有意性の起源 |
認定日から5年 |
LinuCレベル1は、クラウド環境やオンプレミス環境におけるLinuxシステムの構築・運用・管理に関するエキスパートを認定する試験です。
レベル1の認定取得に必要な勉強期間は、1ヵ月~3か月程度とされています。
<101試験範囲の概要>
・Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用
・ファイル・ディレクトリの操作と管理
・GNUとUnixのコマンド
・リポジトリとパッケージ管理
・ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム
<102試験範囲の概要>
・シェルおよびスクリプト
・ネットワークの基礎
・システム管理
・重要なシステムサービス
・セキュリティ
・オープンソースの文化
試験範囲 |
201試験、202試験(5年以内に両方取得が必要) |
受験資格 |
LinuCレベル1の認定 |
試験時間 |
90分 |
出題数 |
60問 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
受験費用 |
1万6,500円(税込) |
有意性の起源 |
認定日から5年 |
LinuCレベル2は、クラウド環境やオンプレミス環境におけるLinuxでのシステム構築・ネットワーク構築や、Linuxの応用的なシステム管理やサーバー構築のために必要な知識を問う試験です。
LinuCレベル2の試験合格にひつような 勉強期間は、3か月~半年程度だとされています。
<201試験範囲の概要>
・システムの起動とLinuxカーネル
・ファイルシステムとストレージ管理
・ネットワーク構成
・システムの保守と運用管理
・仮想化サーバー
・コンテナ
<202試験範囲の概要>
・ネットワーククライアントの管理
・ドメインネームサーバー
・HTTPサーバーとプロキシサーバー
・電子メールサービス
・ファイル共有サービス
・システムのセキュリティ
・システムアーキテクチャ
試験範囲 |
300試験、303試験、304試験 |
受験資格 |
LinuCレベル2認定の保有 |
試験時間 |
90分 |
出題数 |
60問 |
出題形式 |
CBT方式(マウス選択問題・キーボード入力問題) |
受験費用 |
1万6,500円(税込) |
有意性の起源 |
認定日から5年 |
LinuCレベル3試験は、それぞれの試験が独立しており、どれか1つに合格することでその分野のエキスパートであることが認定されいます。
試験合格に必要な勉強期間は半年~1年間とされており、非常に難度が高い試験です。
<300試験範囲の概要>
・OpenLDAP の設定
・OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用
・Sambaの基礎
・Sambaの共有の設定
・Sambaのユーザとグループの管理
・Sambaのドメイン統合
・Sambaのネームサービス
・LinuxおよびWindowsクライアントの操作
<303試験範囲の概要>
・暗号化
・ホストセキュリティ
・アクセス制御
・ネットワークセキュリティ
<304試験範囲の概要>
・仮想化
・高可用クラスタ管理
・高可用クラスタストレージ
この章では、ここまで紹介してきたLinux資格を取得するメリットについてお伝えします。
Linux資格取得のメリットとしてまず挙げられるのが、転職や就職の際に有利になる可能性があることです。
Linuxの知識は、IT業界を中心としてさまざまな分野で活用されています。
そのためLinuxに関するエキスパートであることが視覚によって証明できれば、転職や就職時に大きなアピールにつながるのです。
IT企業の中には知識・スキルの有無だけでなくやる気や熱意を重要な採用ポイントとして考えている企業も少なくありません。
しかしやる気や熱意は客観的に示すことが難しく、やはり資格の取得が効果的です。
また、未経験者OKとしている企業の中には、LPICのレベル1を取得していることを条件としているケースもあります。
LPICに関しては世界共通の資格であり、グローバルに転職・就職先を探す場合には認定の取得が非常に効果的だと考えられます。
一方のLinuCは日本独自の資格であり、国内企業を対象として就職転職活動をする際には非常に大きな効果がある資格です。
LPICなどの資格に対して、資格取得のための研修や補助制度を設けているIT企業も多くあります。
そのため、転職・就職希望者に有資格者がすでにいれば、企業としては人材教育にかける時間・コストを抑えられるため、魅力的に映るでしょう。
特にサーバー系エンジニアやインフラ系エンジニアとして就職・転職する場合、Linux系の資格の保有は有利に働きやすいと考えられます。
Linux系の資格を保有していると、就職・転職の際だけでなく現職の社内での評価にもつながると考えられます。
Linux資格代表格であるLPICは、Linux関連スキルの客観的証明ができるだけでなく、実務に役立つ知識の取得にもつながります。
LinuCやLPICは特定のITベンダーに依存していない中立的な団体が運営していることから、どの企業であっても客観的な知識・スキルの証明として利用可能です。
Linuxの実務に役立つスキルを持っていることを証明できるため、社内での評価も高まることが充分に期待できるでしょう。
たとえば、LPICのレベル2まで認定を受けると、コマンド操作やサーバー構築に充分対応できることを証明可能です。
そのため勤務先の企業としてもサーバー構築系の業務を担当させやすくなり、社内人材としての価値が高まります。
転職や就職だけでなく、現在の勤務先での評価を上げるためにも、Linux資格の取得は大変有意義です。
Linuxは、サーバーOS市場で成長を続けており、現状でも高いシェア率を誇ります。
Linuxはオープンソースであり無料で導入できることから、クラウド化の進展とともにサーバーOS市場でのシェアを伸ばしてきました。
Linuxが普及していけば、もちろんそれを扱うエンジニアの需要も高まっていきます。
クラウド利用の環境は今後も拡張していくことが予測され、エンジニアの需要も高まっていくことが十分に想定されます。
この章では、Linuxの資格取得に向けた勉強方法についてお伝えします。
まずおすすめしたいのが、LPICとLinuCそれぞれの認定パートナーを活用することです。
それぞれの資格運営においては、資格取得のための学習における認定パートナー制度があります。
認定パートナー制度を利用して学習サポートを受けることで、試験勉強をより効率的に進めることが期待できます。
LPICに関しては、LPIがトレーニングパートナー制度を設けています。一方のLinuCにおいては「LPI-Japanアカデミック認定校制度」を活用可能です。
インターネット環境さえ整っていれば利用できる便利な方法として、オンライン学習コンテンツが挙げられます。
企業や団体がさまざまなオンライン学習コンテンツを提供しており、中には無料で利用できるものもあって便利です。
たとえば、Red HatではLinuxに関するものからDevOpsの認定資格に関するものまで、実技形式のさまざまなオンライントレーニングを提供しています。
無料で利用できるものも多数あり、一度チェックしてみるのもおすすめです。
また、もちろん有料で充実した学習コンテンツを利用できるサービスも多々あります。
近年ではLinuxに関して学べるeラーニングシステムが多数提供されており、格安かつ手軽に学習が可能です。
たとえば、techhub e-LeaningのLinuCレベル1コースであれば、1万5,000円で90日分の学習を行えます。
レベル1は数か月程度が勉強期間の目安とされており、こちらのコースでも充実した学習ができるでしょう。
また、オンライン学習ツールにおいて近年人気が高まっているschooでも、Linuxに関して入門から応用までさまざまな授業動画を後悔しています。
1ID当たり1,500円で学習できるため、コストパフォーマンスを考えると非常にお得です。
Linuxには、LPICやLinuCを始めとしてさまざまな認定資格が存在します。
LPICは世界基準のLinux資格であり、グローバルに活躍するためには非常に取得意義のある資格です。
一方のLinuCは日本市場に最適化された認定試験であり、国内での活躍には欠かせません。
近年ではオンライン学習をはじめとしてさまざまな勉強方法が用意されているため、Linuxを利用してエンジニアとして活躍するのであれば学習を検討してみましょう。
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