AI資格「人工知能プロジェクトマネージャー試験」とは?難易度や出題範囲など資格試験詳細やおすすめ学習法を解説

資格

2022.08.27

業務効率化の一貫としてAI(人工知能)を活用する企業は増えています。
それに伴って、AI(人工知能)ビジネスに力を入れる企業は増えていますが、AI(人工知能)を使いこなせる技術者はいるものの、その技術者をまとめられるかつAI(人工知能)の知見を持った管理職が少ないのが悩みどころ。

そこでAI(人工知能)ビジネスのリーダー層を育成する目的で設立された資格が人工知能プロジェクトマネージャー試験です。
ただ、人工知能プロジェクトマネージャー試験は登場して間もなく、どんな資格なのか、資格を受験する価値はあるのか疑問に思っている人もいるでしょう。

そこでここでは、人工知能プロジェクトマネージャー試験の試験の詳細や、合格難易度、取得するメリットについて解説します。

<目次>
1.人工知能プロジェクトマネージャー試験とは
2.人工知能プロジェクトマネージャー試験概要
人工知能プロジェクトマネージャー試験の詳細
人工知能プロジェクトマネージャー試験の出題範囲
人工知能プロジェクトマネージャー試験の受験者数・合格率・難易度
人工知能プロジェクトマネージャー試験の申し込み手順
人工知能プロジェクトマネージャー試験の有効期限
人工知能プロジェクトマネージャー試験の勉強時間
3.人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得のメリット
AI領域を理解したプロジェクトマネジメントスキルや知識が身に付く
論理的思考力や問題解決力が身に付く
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
資格が全く活きない可能性もあり得る
5.人工知能プロジェクトマネージャー試験合格のためのおすすめ対策(参考書)
おすすめ参考書①:見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑
おすすめ参考書②:失敗しない データ分析・AIのビジネス導入:プロジェクト進行から組織づくりまで
おすすめ参考書③:詳解ディープラーニング 第2版 ~TensorFlow/Keras・PyTorchによる時系列データ処理~ (Compass Booksシリーズ)
6.まとめ

 

 

 

1.人工知能プロジェクトマネージャー試験とは


人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

人工知能プロジェクトマネージャー試験とは、2021年5月に登場したAI(人工知能)プロジェクトのリーダーポジションを育成する目的で登場した試験です。

一般社団法人新技術応用推進基盤が運営しており、プロジェクトの内容を理解し、スケジュール通りにプロジェクトを回せる人材の育成を目指します。

 

需要の増加に伴ってAI(人工知能)技術者向けの資格は年々増えており、同時に受験者数も増えています。

しかし、技術者の数が増えたとしても、その技術者をまとめられる立場の人材がなかなかいない、育たないのが現状です。

 

そこで人工知能プロジェクトマネージャー試験は、以下の5つのスキルがリーダーとして必要と捉えています。

 

1.あるべき目標感を設定し、
2.実現性ある妥当な方法論で目標までの道のりを設計し、
3.法令を遵守しながら、
4.関係各所と折衝をおこない、
5.納期までに価値をだす

(引用:人工知能プロジェクトマネージャー試験概要)

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験してこれらのスキルを身につけることで、プログラマーから経営者やリーダーポジションへのキャリアアップ、自身のスキル/知識の整理ができるでしょう。

 

 

 

2.人工知能プロジェクトマネージャー試験概要


人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

それでは、人工知能プロジェクトマネージャー試験はどんな試験なのでしょうか。試験概要を紹介します。

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の詳細

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験

試験会場

自宅(受験環境が整っている場所)
※団体受験の場合は学校や会社など

試験日程

いつでも受験可能(回数は月1回まで)

試験時間

90分

問題数

78問

出題形式

CBT方式・択一式

合格基準

85%前後
※990点満点

受験資格

誰でも受験可能

受験料(税込)

18,700円
※教育機関を経由した申し込みの場合8,800円

試験結果

受験2週間後を目安に登録メールアドレスに合否結果・スコアカードを送付
合格者には受験翌月の20日前後に登録メールアドレス宛に合格証を送送付。

 

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の出題範囲

人工知能プロジェクトマネージャー試験の出題範囲は以下の通りです。

 

大問数(問)

配点(点)

制限時間(分)

分野A:目標設定能力

10

200

11

分野B:統計的理解

16

200

23

分野C:統計理解の実装力

15

150

18

分野D:モデルの評価/向上能力

16

200

20

分野E:システム構築能力

7

80

6

分野F:プロジェクト遂行能力

7

80

6

分野G:法令理解

7 80

6

合計

78 990

90

(引用:人口知能プロジェクトマネージャー試験概要)

 

※「組織及びマネジメントに関する分野(A,F,G):計360点」と「技術的専門知識に関する分野(B,C,D,E):計630点」の合計点で合格を判定する

人工知能プロジェクトマネージャー試験の出題範囲詳細はこちらからご覧ください。

受験前に最新のシラバスを確認したうえで試験に挑んでください。

 

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の受験者数・合格率・難易度

人工知能プロジェクトマネージャー試験は設立されて1年弱の資格なので、受験者数・合格率はまだ公開されていません。

人工知能プロジェクトマネージャー試験の合格に必要な得点率は85%。

 

プロジェクト管理、開発と幅広い知識が問われるうえ、開発に関しても実際に開発に携わっていないとわからないレベルの知識が必要とされます。

このレベルの試験で85%の得点率が求められることを考えると、難易度は高めの試験と言えるでしょう。

 

プロジェクトマネージャーは突出したスキルは必要ないものの、本来わからないことはあってはならないポジションです。

マネジメント職の問題点は、マネジメントもしくは開発にスキルが偏りすぎていて、満遍なく両方のスキルを持ち合わせた人材が限られてる点でしょう。

 

そこで人工知能プロジェクトマネージャー試験ではあえて合格点を高く設定することで、本当に高いAI(人工知能)への知見を身に付けた人材の育成を目指しています。

 

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の申し込み手順

1.一般社団法人新技術応用推進基盤への登録を済ませる
2.人工知能プロジェクトマネージャー試験を購入する
3.好きなタイミングで受験する

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験はインターネット環境とパソコンさえあればいつでも受験できる試験です。

受験にあたってはまず一般社団法人新技術応用推進基盤への登録が必要。

 

登録が済んだらクレジットカード・銀行振込・コンビニ払い・Paypalで支払いを済ませます。

支払いさえ完了すれば、人工知能プロジェクトマネージャーはいつでも受験可能です。支払い後間が空いても問題ないので、しっかり準備をしたうえで受験しましょう。

 

ただし、人工知能プロジェクトマネージャー試験の受験回数は月1回までです。同じ月に2度受験すると、2回目で合格できたとしても合格が取り消される可能性があるので、必ず再受験は翌月にしてください。

また、人工知能プロジェクトマネージャー試験の受験キャンセル・返金はできません。

 

先に受験日を設定してしまうと受験できなくなる可能性があるので、受験直前に受験日を設定することをおすすめします。

 

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の有効期限

人工知能プロジェクトマネージャー試験の有効期限は公表されていません。

したがって、実質有効期限の無い資格と言えるでしょう。

 

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験の勉強時間

人工知能プロジェクトマネージャー試験の勉強時間は、受験者の経歴や持っているスキルによって大きく変わります。

AI(人工知能)開発に携わった経験がある場合は範囲が狭めな組織・マネジメント領域について学んだうえで問題演習をするだけで済むでしょう。

 

組織・マネジメント領域の問題は一般常識レベルなので、IT業界で働いた経験がある人ならさほど難しくありません。

そのため、1日2〜3時間程度の勉強を1週間行えば十分合格を目指せるでしょう。

 

逆に、マネジメントの経験しか無い人がAI(人工知能)について1から学んで受験する場合は勉強時間を多めに確保する必要があります。

技術的専門知識に関する分野では、コーディング・実装などシステム開発経験がある前提で知識が問われます。

 

そのため、0の状態から実際にAI(人工知能)開発に携われるレベルの知識を身に着けなければいけません。

AI(人工知能)開発について実務レベルの知識を身につけるには、1日3時間勉強したとしても3ヶ月〜半年は必要でしょう。

 

そのため、マネジメント職が1からプログラミングやAI(人工知能)について学んで人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験するなら、統計検定G検定など開発者向けのAI関連資格を受験してから挑戦するのがおすすめです。

 

 

 

 

3.人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得のメリット


人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験するメリットはどんなものが挙げられるのでしょうか。

まずは受験するメリットから解説します。

 

AI領域を理解したプロジェクトマネジメントスキルや知識が身に付く

人工知能プロジェクトマネージャー試験は人工知能プロジェクトをまとめる立場として必要なAI(人工知能)構築能力・マネジメント・ディレクションの3つのスキルについて満遍なく学べます

IT業界で働いていると、マネジメント経験ばかり豊富で、その現場で取り扱っている技術についてよく理解していないマネジメントポジションの人がいます。

 

そのため、疑問があっても自分で解決しなければいけない、クライアントとの認識に相違があった際にマネジメントポジションの人間が対応できないなど問題が起こりがちです。

そこでトラブルを最小限に抑え、開発職とのコミュニケーションを円滑にするには、リーダーが開発職と同等もしくはそれ以上の知識を持っていることが大切。

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験では、AI(人工知能)領域についても満遍なく出題されるので、開発知識も習得できます。

そのためAI領域を理解したリーダーポジションを目指せます。

 

 

論理的思考力や問題解決力が身に付く

人工知能プロジェクトマネージャー試験では事例問題も多く出題されます。

プロジェクトマネージャーはいくら知識があったとしても、その知識をその場面に応じて適切に活かせなければ意味がありません。

 

そこで、実務を想定した問題が多く出題される人工知能プロジェクトマネージャー試験なら、実際にトラブルが発生したときに活かせる論理的思考力や問題解決力を育てられます

 

 

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

会社によっては資格を取得することで資格手当や報奨金を支給してくれるところもあります

特に資格手当は手当分の金額が毎月給与に上乗せされるので、資格を取得するメリットは大きいでしょう。

 

資格手当や報奨金が無かったとしても、資格取得費用を負担してくれる企業も存在します。

会社によって規約は異なるので、わからない場合は上司に相談してみてください。

 

 

 

4.人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得のデメリット


人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験するにあたってはメリットばかりではありません。

受験のデメリットも理解したうえで受験する必要があります。

 

それでは、人工知能プロジェクトマネージャー試験のデメリットを見ていきましょう。

 

勉強時間を確保する必要がある

人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験するにあたっては、多少無理をしてでもプライベートの時間を削り、勉強時間を確保しなければいけません。

一切勉強なしで人工知能プロジェクトマネージャー試験に合格するのは難しいです。

 

ただでさえ人工知能プロジェクトマネージャー試験は得点率85%以上を獲得する必要があります。

しかも1問あたりに割ける時間も短いです。中には計算が必要な問題も存在します。

 

そのため、実際に人工知能プロジェクトでリーダーポジションを担当している人でも最低限問題演習の時間を確保しないと合格できないでしょう。

しかも人工知能プロジェクトマネージャーは知名度はまだそれほど高くない割には範囲が広く、特にAI(人工知能)領域の知識が無い人はかなりの勉強時間を要します。

 

社会人の本業は仕事であり、資格の勉強が本業に悪影響を及ぼすと本末転倒になります。

しかし、人によっては仕事終わりに勉強するために睡眠時間を削ったり、休日も丸1日勉強漬けになったりすることも考えられます。

 

人工知能プロジェクトマネージャー試験を受験をしたい方は仕事の忙しさや自分の体力を考慮したうえで受験する必要があるでしょう。

 

 

資格が全く活きない可能性もあり得る

人工知能プロジェクトマネージャー試験は合格したとしても評価してもらえない可能性があります。

AI(人工知能)関連のベンダー資格の中には、一夜漬けで簡単に合格できるものも少なくありません。

 

そのため、知名度のないAI(人工知能)関連資格は理解してもらいにくいのが現状です。

人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得目的が転職や就職などキャリアアップの場合、まずキャリアアップに有利に働く資格であるのかどうか調べた上で受験することをおすすめします。

 

また、人工知能プロジェクトマネージャー試験の資格取得目的が知識の向上や習得であれば、受験してみることをおすすめします。

 

 

5.人工知能プロジェクトマネージャー試験合格のためのおすすめ対策(参考書)


人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

人工知能プロジェクトマネージャー試験合格にあたっては、特にAI(人工知能)・機械学習への理解を深める必要があります。

そこで試験対策におすすめの参考書を紹介します。

 

おすすめ参考書①:見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑

人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

(出典:Amazon)

 

範囲の中でも特に分野B、統計・解析分野の対策に適しているのが『見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑』です。

データサイエンスにおいて統計・解析の手法は様々なものが存在します。しかし、すべてを網羅するのは難しいでしょう。

 

そこで本書では、図鑑形式で様々な解析手法を紹介しています。

自分が勉強してきた中で、漏れている解析手法が無いか確認するのに適している書籍と言えるでしょう。

 

 

おすすめ参考書②:失敗しない データ分析・AIのビジネス導入:プロジェクト進行から組織づくりまで

人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

(出典:Amazon)

 

『失敗しない データ分析・AIのビジネス導入:プロジェクト進行から組織づくりまで』では範囲の中でも特に分野F、プロジェクトマネジメントやプロジェクト遅延時の対処について学べます。

特に経験が浅い人だと、失敗経験が少ない故にトラブルに対処できないことがよくあります。

 

そこで本書では、データ分析における老舗企業であるブレインバッド社で実際に起こったトラブルがまとめられています。

対処の内容も、技術的な内容だけでなく、社内・クライアント調整なども網羅。実務経験が浅くてもリーダーとしての立ち振る舞い方を学べる一冊です。

 

 

おすすめ参考書③:詳解ディープラーニング 第2版 ~TensorFlow/Keras・PyTorchによる時系列データ処理~ (Compass Booksシリーズ)

人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは関連画像

(出典:Amazon)

 

ディープラーニングの実装について初心者向けに解説されているのが『詳解ディープラーニング 第2版~TensorFlow/Keras・PyTorchによる時系列データ処理~』です。

試験の出題範囲【分野C】統計理解の実装力の参考図書は他にもありますが、入門向けで試験範囲を網羅しきれません。

 

そこで初心者向けに近い感覚でディープラーニングの実装について解説し、他の参考図書の補足としての役割を果たしてくれるでしょう。

 

 

 

6.まとめ


人工知能プロジェクトマネージャー試験はAI(人工知能)とプロジェクトマネジメントの両方に関する知識両方が問われる試験です。

AI開発の現場のマネジメント職は開発もしくはマネジメントどちらかに知識が偏っており、満遍なくトラブルに対処できる人材が限られています。

 

そこで人工知能プロジェクトマネージャーなら両方についての知見を身につけることで、AI人材を適切に活躍させられるリーダーポジションを目指せるでしょう。

ただ、人工知能プロジェクトマネージャー試験は難易度に知名度が追いついていない資格です。知識を身につける目的で受験するなら良いですが、すぐに給与アップしたいなどの目的で受験するならあまり効果は無いかもしれません。

 

したがって、本当に今の自分に必要な資格かどうか考えたうえで受験してください。

 

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