公開日:2022.10.01
更新日:2025.03.24
企業の活動にITが深くかかわるようになっている現在では、インフラ設計に関わる業務の重要性高まっています。
インフラ設計とはITシステムを利用した業務に求められる環境を構築することであり、どの企業においてもほぼ必須の務だと考えられるしょう。
インフラ設計は企業の普段の活動に関わり、情報の管理にも大きく関係することから非常に重要です。
それだけにインフラ設計を扱うエンジニアの需要は高く、今後も非常に将来性がある業務だと言えるでしょう。
そのため今回は、インフラ設計の主な仕事内容について、大きく3つの工程に分けて解説します。特に、以下の方にはこの記事をご一読してほしいです。
・インフラエンジニアの仕事内容を理解したい方
・インフラ設計の業務について簡単に知りたい方
・インフラ構築の業務について簡単に知りたい方
・インフラ運用の業務について簡単に知りたい方
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<目次>
1.インフラ設計の仕事内容
要件定義
設計書の作成
2.インフラ構築の仕事内容
ネットワーク機器の構築
サーバーの構築
3.インフラ運用の仕事内容
サーバー・ネットワーク機器の稼働・セキュリティ監視
サーバーの負荷分散
ストレージ内のトラフィックの監視・管理
障害対応
4.まとめ
ここではまず、インフラ設計の仕事内容についてお伝えします。
インフラ設計の仕事内容は、主に「要件定義」と「設計書の作成」の2つです。以下で、1つずつ解説します。
インフラ設計の仕事内容としてまず挙げられるのが、要件定義です。
要件定義とは、開発や構築の前段階において、エンジニアの視点で要求をまとめて具体的な進め方を決めることを指します。端的に言うと、システムのゴールを設定する工程です。
要件として挙がっている機能やそのためのインフラ環境を提示することが、要件定義にて行うべき主な業務だと言えるでしょう。
今後行うべき業務内容を想定し、「要件定義書」として文書に分かりやすくまとめるのことも、要件定義における重要な作業です。
要件定義に当たっては実際に現場で働く社員やノウハウ・知見を持つ社員にヒアリングを行い、企画に必要な情報をそろえていきます。
その際には行うべき業務だけでなく、対応する人材の能力がどの程度何かまで確認することが大切です。
インフラ設計の場合、インフラ構築を行う目的を定めたうえで以下のような計画をしていきます。
<インフラ設計における要件定義時の設定項目例>
・導入するハードウェア数
・ハードウェアのスペック
・オンプレミスかクラウドか
・データ格納領域
・OSの種類
・システム監視体制
・セキュリティーポリシー
上記のような項目を、想定されるシステム要件やコストパフォーマンス、拡張性などのバランスを考えたうえで組み立てていく必要があります。
そのため、要件定義の段階ですでにインフラに関する幅広い知見が求められます。
要件定義の良し悪しによって、今後の業務の成否が大きく左右されます。
要件定義で定義したことが全体の枠組みになり、原則としてそれ以上の定義されていないことが実現することはないからです。
全体のイメージを持てていない方が要件定義を実施すると、後で想定しなかった作業が発生するなど、進行に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
そのため、インフラ設計において十分に経験・実績を積んでいる方が、要件定義を担当することが一般的です。
要件定義の作成が完了したら、次は設計書を作成します。
設計書には、「基本設計書」と「詳細設計書」の2種類があります。
基本設計書とは、システムインフラ全体のルールを示したものです。
システムのあるべき姿を目指すために、どのような構成・設定にすべきかの大枠とその理由を盛り込んでいきます。基本設計書には、細かい設定値は書かないのが通常です。
<基本設計書に盛り込むことの例>
・システム構築の方針
・方式レベルの設計
・サーバー数
・OSは何にするか
・サーバーのスペック
・サーバーの用途 など
一方の詳細設計書とは、基本設計書において決めたことを元にパラメーターレベルまで落とし込んだものです。
インフラを具体的に構築していく際に円滑に業務を進められるように、各システムの設定値を文書化していきます。
設計書作成の次の工程であるインフラ構築にあたっては、主に詳細設計書があれば業務を進められます。
しかし、「どうしてその設定値にしたのか」の理由は詳細理由書にかかれていないため、もし妥当性に疑問が生じれば基本設計書を確認します。
こうした理由から、基本設計書と詳細設計書の両方をしっかりと作成・保管しておくことが重要です。
ただし、プロジェクト・企業によって基本設計書と詳細設計書の定義は微妙に異なります。
そのため具体的な業務にあたっては、各工程でやるべきことをしっかりと確認した方が良いでしょう。
詳細な設計書を作成しておくことで、何らかのトラブルが発生した場合でも速やかに問題解決まで進められます。
こうした意味もあり、要件定義と同様に設計書の作成も重要な工程です。
この章では、インフラ構築の仕事内容についてお伝えします。
インフラ構築の仕事内容は、主に「ネットワーク機器の構築」と「サーバーの構築」の2つです。
インフラ構築における重要な業務の1つが、ネットワーク機器の構築です。
設計書に従って、機器やソフトウェアなどの各種設定作業を行っていきます。
また、ルーターやHUBなどの設置作業や、WAN/LAN配線の工事、他システムとの接続も行います。
設定や設置が済んだら、全体がきちんと動作するか確認するためのテストを行います。
設計書に記載した通りにきちんと作動するか確認し、既存システムとの連携がスムーズにいくのかなども確認することが必要です。
また、通信量が増えるとネットワークの速度低下や障害が発生するリスクが高まります。
そのため、あらかじめ通信量を想定し、それを上回ってもネットワークトラブルが発生しないようにすることが重要です。
さらに、ネットワークを構築する際にはセキュリティについても気を付けることが非常に重要です。
ネットワークを通じた情報漏洩やデータの改ざんは、企業としては確実に防止しなくてはなりません。
具体的な業務としてはウイルス対策ソフトの導入、ファイヤーウォールの設置を含むソフト面の対応がまず挙げられます。
また、監視カメラやその他管理システムの導入も、セキュリティ対策の一環です。
そしてIPアドレスを設定することで指定されたIPアドレス以外からのアクセスを制限し、ネットワークのセキュリティをより強固にします。
ネットワーク構築においては他の工程と比較しても物理的な機器を扱うことが多く、接続や設定など機器を扱うスキルが求められます。
機器の役割や稼働の仕方などについて深い理解が必要です。
サーバー構築とは、端末からの要求に対して処理を実行するシステム・環境を作ることを指します。
一口にサーバーと言っても、以下のようにさまざまなサーバーがあります。
<サーバーの種類>
・Webサーバー
・メールサーバー
・データベースサーバー など
サーバーを構築する場合にはまず、構築しようとしているシステムにどのような目的があるのか、しっかりと定義しておくことが重要です。
サーバーのスペックは、利用者の規模や利用頻度を考えて決定します。
もちろん、性能が良い方が望ましいとは言えます。しかし社員が数人から10人程度の会社で、何十万人もが同時接続できるようなスペックのサーバーを利用しても、コストが無駄になってしまいます。
必要な性能とコストのバランスを考え、最適なサーバーを選択することが重要です。
サーバーを構築するうえでも、セキュリティ対策は重要です、パスワードの設定やSSL通信の設定などを行い、セキュリティ性能を高めましょう。
また、サーバー自体の権限でアクセス範囲を決めることも、セキュリティの観点からは大切なことです。
サーバーの安定性については、普段のレスポンスのスムーズさとトラブル発生時の対策の2つを考える必要があります。
契約するサーバーによっては他ユーザーの利用状況によってレスポンスが変化することがあるため、十分な注意が必要です。
そして通常時のサーバーとは別に予備のサーバーやパックアップサーバーを用意しておくことで、トラブル発生時も業務への影響を最小限にできるでしょう。
この章では、インフラ運用の仕事内容について解説します。
インフラ運用の仕事内容は、主に以下の4つです。
<インフラ運用の仕事内容>
・サーバー・ネットワーク機器の稼働・セキュリティ監視
・サーバーの負荷分散
・ストレージ内のトラフィックの監視・管理
・障害対応
インフラ運用の仕事としてまず挙げられるが、サーバー・ネットワーク機器の稼働・セキュリティ監視です。
インフラシステムの品質を保つためには、監視業務が欠かせません。
サーバーやネットワークが突然使用できなくなった場合、大きな損害につながることもあります。
サーバーやネットワークのパフォーマンスを監視し、処理速度の低下やサーバーダウンにつながる可能性が無いかを監視します。
そしてパフォーマンスが低下していると判断される場合、ネットワークの分割や機器の増設など対策を速やかに講じなくてはなりません。
また、セキュリティ監視も非常に重要です。
ログを確認して不正アクセスや情報漏洩の有無を確認し、インフラシステムが健全に運営されていることを監視します。
監視設計の内容を元として、リリースまでに監視設定を行います。
システムが大規模になるほど、監視を正確に行得ておかなくては原因の特定が難しくなってしまいます。
効率的に監視を行うためには、監視ツールの活用がおすすめです。
しかし正しい設定のもとで利用しなければ万が一のケースで役に立たない可能性もあるため、正しく閾値を設定することが重要です。
インフラを運用していくうえでは、サーバーの負荷分散も重要です。
アクセスの増加によるサーバーへの不負荷を分散させるため、さまざまな対策を講じます。
たとえば、ロードバランサーの設置が対策のうちの1つです。
ロードバランサーは複数のサーバーを冗長化させ、負荷を分散させます。
Webアクセスの負荷を分散させる、URLの内容別にリクエストをサーバーに割り振るなどの方法で負荷を分散させます。
また、データベース使用量に応じたデータベースサーバーのバッファ設定を考えることも対策の1つです。
上手に負荷を分散させなくては、やはりネットワークやサーバーのパフォーマンス低下を招きます。
そのため、サーバーの負荷分散はインフラエンジニアにとって非常に重要です。
ストレージ内のトラフィック監視・管理も、重要なインフラ運用の仕事です。
どれだけの通信が行われているのか確認し、利用状況が適切か、呼ぼうな通信がないかなどを確認します。
トラフィック監視には、さまざまな手法・ツールがあります。
たとえばその1つが、SNMPです。SNMPは「Simple Network Management Protocol」の略であり、サーバーやルーターなどのネットワーク機器の監視に用います。
障害発生時に、どこに障害が発生したのかを確認できます。
CPUやトラフィックにあまり負荷がかからない点が大きな特徴ですが、詳細な情報を得るためには他の方法も併用しなくてはなりません。
また、トラフィック監視手法としては、WMI(Windows Management Instrumentation)も挙げられます。
Windowsに特化したプロトコルであり、SNMPでは分からない様々な情報を取得可能です。
ただしより多くのリソースが求められるため、状況に合わせSNMPと使い分けることが望ましいでしょう。
トラフィック管理には専用のツールもあり、活用することで効率的な監視が可能になります。
インフラ運用の仕事としては、障害対応も欠かせません。
まず障害を検知し、問題を分析したうえで切り分けて復旧作業を行います。
インフラシステムにおける問題の切り分けには、「一次切り分け」と「二次切り分け」があります。
一次切り分けとは、障がい対応の初期段階のことです。
障害の原因がどこにあるのかを把握する大切な工程であり、ここで間違えると対応が後手に回る恐れがあります。
障害発生前後に行ったオペレーションを把握し、可能な限り迅速に切り分けを行うことが重要です。
二次切り分けでは、ソフトウェア・ハードウェアの専門的な情報からの切り分けを行います。
二次切り分けによって、障害の根本的な解決を測ります。
もし機器の故障あ原因であれば交換を行いますが、アプリケーションに不具合がある場合は開発チームと連携することが必要です。
障害対応には障害の内容を正確に聞き取るコミュニケーションスキルや、幅広い障害に対応できる柔軟な問題解決能力が必要です。
自分だけで解決できない問題も多々あるため、多くのチームメンバーを巻き込んで解決に導くことが必要です。
また、障害を解決するまでに時間がかかることも多く、その間の代替案を提示する応急処置の手法にも精通していなくてはなりません。
さらにシステムに対する理解や判断能力なども、もちろん要求されます。
実際の障害にはさまざまなケースが考えられるため、インフラエンジニアの腕の見せ所でしょう。
インフラ設計においては、さまざまな工程が存在します。
それらは主に「インフラ設計」「インフラ構築」「インフラ運用」の3段階に分けられ、それぞれの工程にも複数の仕事があります。
インフラ設計においては、要件定義と設計書の作成が主な業務です。インフラ設計の上流工程であり、ここでの仕事が今後の工程に大きく影響をおよすことから大切な工程だと言えるでしょう。
インフラ構築では、ネットワーク機器やサーバーの構築を行います。
物理的な機器に触れることが多い工程であり、機器の扱いについても深い理解が求められます。
そしてインフラ運用においては、さまざまな部分への監視や障害への対応が求められます。
サービスのパフォーマンスに影響する工程であることから、十分な対策と迅速な行動が求められるでしょう。
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