2023.01.26
iTおよびマーケティング業界に興味をお持ちの方、もしくはすでに同業界で働いているであれば、「キャリアの一番上位は何だろうか」と考えた場合、CEO(最高経営責任者)が思い浮かぶでしょう。
その他にも CIO(最高情報責任者)CTO(最高技術責任者)などの経営職も目にしたこともがあるかもしれません。
同じくCEOの側近として、日本でも注目されはじめている経営職に、CMO(最高マーケティング責任者)があります。
iTおよびマーケティング業界で働いている、もしくは働いていたいとお考えであれば知っておいて損はないでしょう。
今回はCMOに関する基礎知識、そしてCMOに必要なスキルについてお話しします。
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<目次>
1.CMOに関する基礎知識
CMOとは何か
CMOの役割・担当する範囲や領域
CMOの責任区分
CMOの年収
CMOになるためのキャリアパス
2.CMOに必要なスキル
カリスマ性と高いコミュニケーション能力
データの分析やデータに基づいた適切な判断
目標の達成や顧客の要望を実現できる技術的知見
適切な投資と適切なコスト削減ができること
顧客満足度や従業員満足度を意識できること
3.まとめ
はじめにCMOに関する基礎知識について解説します。
CMOとはChief Marketing Officerの略称であり、 最高マーケティング責任者を意味します。
CEOやCIOなどと同じように、企業や組織内においてマーケティングに関する最高責任者として配置される役職と言えます。
昨今では既存のマーケティングに加えて、ITやデジタル技術を活用したマーケティングが必須になってきました。
商品の購入や有料サービスへの課金など、潜在的な顧客層に情報を届けるだけでなく、様々な選択肢の中から選んでもらえるマーケティングが求められているとも言えます。
今までの良い商品や良いサービスを作りあげれば利益が売上になるという時代は終わり、顧客一人一人の欲求やニーズに合わせつつ、気持ちよく納得してお金を払ってもらう必要があるのです。
CMOが必要とされた背景でもあり、営業や広報だけにマーケティングを任せるのではなく、企業全体でマーケティングに取り組めるように調整していくポジションと言えるでしょう。
CMOの役割や担当する範囲、領域はマーケティングです。
ただし、前述したように営業や広報だけでなく、部門や部署を超えて横断的にマーケティング活動を行えるようにするのがCMOの役割です。
ただし、マーケティングと言っても数限りない手法があります。
同時にただひたすらに売れれば良い、お金になれば良いということではなく、顧客に満足してもらい、ファンやリピーターになってもらうことも求められます。
提案する価格に顧客が納得できる付加価値を考える必要もありますし、そのためにはブランドイメージの向上やブランディングにも力を入れなくてはなりません。
また、商品やサービスの質にも妥協せず、研究や開発に関する部門とも連携していく必要もあります。
全社的にマーケティングに携わっていくことで、従業員全体と顧客全体が繋がっていくような流れを作り出すのも役割や担当する範囲と言えるでしょう。
CMOの責任区分はマーケティングを成功させることと言えるでしょう。
そのため、マーケティングが失敗に終わるようなことは絶対に許されないと言っても過言ではありません。
マーケティング施策の企画立案、遂行するかどうかの判断、進捗状況に応じて柔軟な方針変更・修正などCMOが自らの責任で実行できることを考えると、最高マーケティング責任者という肩書き通りと言えます。
商品やサービスのことを理解し、顧客のことも理解し、従業員の事も理解するという部分も責任に含まれるでしょう。
事業活動全体を把握しながら、着実に結果につなげることがCMOの責任であり、実行したマーケティングの結果が企業ににそのままポジティブな影響を与えるか、ネガティブな影響となるかの要であると言えます。
オンライン上のCMOに関する求人募集などをチェックしたところ、CMOの年収の幅は650万円前後から4000万円受けられました。
もちろん、CMOとして務める企業や組織の規模によって大きく異なりますし、大手有名企業が表立ってCMOを募集しているとは限りません。
CMOの役割や責任区分から考えてもそれなりの報酬でなければ、CMOとしての役目を果たせる人材が得られないことを考えると安すぎる可能性もあります。
実際に、まだまだ日本ではCMOが普及しているとは言えない状況であること、CMOとしての責任が非常に重いこと、すなわちCEOやCIOに近いことも考慮しなくてはなりません。
企業や組織の規模にはよるものの、他のCxO系責任者に近しい報酬でなければ、引き受けにくいというのも現実的な見解と言えます。
企業や組織としてもCMOとして優秀な人材が確保できれば、利益や売上に大きな影響を与えることを考えれば、人材への投資としてさらに高額な年収を設定することもあるでしょう。
CMOになるためのキャリアパスとして、一般的なのはCMOを必要とするような規模の企業や組織に身を置くことです。
言い換えれば大手有名企業に勤めて、着実に役員レベルまで登りつめていく必要があります。
CMOになるもう一つのキャリアパスは、ベンチャー企業への入社やプロジェクトへの参加、その上で実力を示して経営に携われるように尽力することです。
もしくは、自分自身が起業を行い、複数人と協力しながら企業を成長させて役職につくという方法もあり得るでしょう。
IT業界やマーケティングの領域で活躍したい、たくさんの人と関わり会いたい、マーケティングが好きだ、IT技術が好きだというような形であればCMOへの道を目指してみても良いでしょう。
次にCMOに必要なスキルについて解説します。
CMOに必要なスキルとして、カリスマ性と高いコミュニケーション能力が挙げられます。
カリスマ性といっても自然な形で人に接することができること、部門や部署、立場を越えて意見を伝えてもらえることを意味します。
顧客に対しても、従業員に対しても分け隔てなく意見を言ってもらえなければ、CMOの考えを押し付けるだけになってしまうのが理由です。
高いコミュニケーション能力も同様であり、どんな相手でもしっかりと意見を聞けること、相手が言語化しにくいような部分においてもコミュニケーションする中で内面にある要望を受け止められることが重要と言えます。
従業員においても同様であり、この部署の担当者はこう考えている、あちらの部門の担当者はこう思っていた、開発部門ではコストが高くなってもこういったものを作りたい、営業ではこのような価格帯で販売したいなど様々です。
CMOとして時には相手と対等に、時には立場を有効活用する形でマーケティングに関する情報を収集できるスキルが必要だと言えます。
昨今ではトップダウンの精神論の押し付けではマーケティングの結果を出すことにつながりません。
むしろ、今までも実際はそうだったのですが数字に基づかなくても現場の担当者や直接顧客に対応する従業員のたゆまぬ努力で数字を出してきたと言えるでしょう。
ただし、それらは事業活動で生じていたデータがデジタル化していなかった時代だからこそ通用していたのです。
今の時代は事業活動で生じたすべてのデータはデジタル化できます。
CMOは過去のデータと現在の状況を分析し、予測と目標を立てながら着実に数字を積み重ねていく能力を磨きながら結果を出し続ける必要があるのです。
また、CMOという責任の取れる立場から、データに基づいて適切な判断をする必要も出てきます。
同じくCMOが人・時間・お金などのコストに投資する判断を行い、しっかりとリターンを得る能力も必要となるでしょう。
CMOの立場と責任を有効活用した上で、最終的に求められるのは目標の達成や顧客の要望を実現することです。
そして達成や実現をするために必要な技術やマーケティング手法についても幅広く理解を深めておく必要があります。
例えば、顧客とのタッチポイントや接触機会を増やすためにホームページ以外にもコンテンツマーケティングやSNS、アプリ、会員登録システムやダイレクトメール、ポイントカードやクーポンなど新しいものから古いものまで様々なマーケティング手法を知った上で、どれが最適か判断して、実行しなくてはなりません。
その上でブランディングを行い、自社の商品やサービスの価値を高めること、高めた価値に見合った価格設定を行うこと、価格設定に納得してもらえる説得力のあるデータを揃えることも重要です。
顧客の要望に応えながら相応の対価をもらえるようになれば、結果的に目標を達成することにつながるでしょう。
少し前述しましたがCMOには適切な投資を行う判断をするとともに、適切なコスト削減ができることも求められます。
どのような企業であっても予算は無尽蔵ではありませんし、投資したコストは商品やサービスに上乗せできるとは限らないのが理由です。
どれだけの人員が必要か、どれだけ時間が必要か、質の高い商品やサービスを保つためには最低限どのくらい投資すべきなどを判断して、結果を出す必要があります。
現実問題としてコストを削減することを重視してしまい、適切な投資ができなければ普通は保てなくなり、ブランドとしての価値も低下してしまうことも考えられるでしょう。
同様にただ単に投資するだけでは質を高めることに繋がらないこともあるため、開発や生産部門との調整を行いながら、最低限必要な投資で質を高めていくということも求められます。
CMOとして結果を出すためにも、商品やサービスを現時点において最高のものにすること、最高の商品やサービスを適切な価格で顧客に提案できる状態にした上で、適切なマーケティングを行って顧客に知ってもらい、納得や満足してお金を払ってもらうべきということです。
前項までに説明したスキルや能力と共に、お金ベースでの利益を出すためにも、お金や数字に換算しにくい部分を可視化し、意識できることも求められます。
本質的な意味での顧客満足度や従業員満足度の効果検証、把握、改善することができなければ、全社的かつ横断的なマーケティングを成功させることはできないでしょう。
従業員が自社の商品やサービスを自信を持って勧められること、同じく顧客がファンやリピーターとなり、顧客の友人や家族、知人や仲間に勧めてもらえるようにすること、社内だけでなく良い意味で顧客も巻き込んだマーケティングも行なっていくということです。
結局のところ、CMOに求められる全社的なマーケティングとは、前提として従業員が企業や組織の一員としてポジティブに働けること、健全であることから生まれる商品やサービスが必要になります。
ポジティブな環境で作られた商品やサービスであれば、顧客の納得や満足につながりやすくなりますし、顧客との接点や直接的な対応の部分でもネガティブな要素を極力排除できるでしょう。
総合的にはCMOという顧客からも従業員からも遠い立場であるからこそ、顧客と従業員に寄り添えること、その上で責任や立場を利用して結果を出せる能力が最も必要であると言えます。
今回はCMOに関する基礎知識、そしてCMOに必要なスキルについてお話ししました。
CMOは、ITやマーケティングの業界で働く際の理想的な一面があるとも言えます。
顧客の求める成果物を生み出す、顧客に満足してもらう、顧客の意図を汲み取ることなど立場や役職が違っても理解を深めておくべきことばかりだからです。
ITやマーケティングの業界で働きたい、もしくはキャリアアップしたいとお考えであれば、CMOを目指すことで何か掴めるものがあるかもしれません。
すぐにCMOになるというのは難しくても、マーケティングについて知見がある、興味があるとお考えであれば、将来のビジョンの一つとしてCMOに関して理解を深めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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