未経験でも組み込み系エンジニアになれる?組み込み系エンジニアの必要スキルを解説!

2023.10.27

私たちの身の回りの家電製品やスマートフォン、自動車などには、「組込みシステム」と呼ばれるシステムが使用されています。そして組み込みシステムの開発を行うエンジニアは組み込み系エンジニアと呼ばれ、注目度が高い専門職の1つです。そのためこの記事では、組み込み系エンジニアの仕事内容や求められるスキル・資格、未経験からでも組み込み系エンジニアとして活躍する方法について解説します。


特に以下の方には、この記事をご一読いただきたいです。
・未経験でも組み込み系エンジニアになれるのか調べている方
・組み込み系エンジニアの仕事内容について知りたい方
・組み込み系エンジニアに求められる知識やスキルについて調べている方
・組み込み系エンジニアに必要な資格について知りたい方

<目次>
1.組み込み系エンジニアの仕事内容
開発するシステムの企画
要件定義
システム設計書の作成
組み込みソフトウェアの開発(C/C++などのプログラミング言語を使用)
デバッグやテスト、品質保証のための検証作業
顧客やチームメンバーとのコミュニケーションや調整
2.組み込み系エンジニアに必要なスキル・知識
プログラミング言語(C/C++など)
ハードウェアの知識
OSに関する知識
リアルタイムシステムに関する知識
デバッグ・テストに関する経験
3.組み込み系エンジニアに役立つ資格
ETEC(組込み技術者試験制度)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
OCRES(OMG認定 組込み技術者資格試験)
JSTQB認定テスト技術者資格
LPIC・LinuC
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
4.未経験で組み込み系エンジニアとして転職するためには
C・C++での開発スキルを身に着ける
組み込み系エンジニアに関する資格を身に着ける
未経験歓迎の組み込み系エンジニアの求人を探す
5.まとめ

 

 

 

1.組み込み系エンジニアの仕事内容


組込系エンジニアとは関連画像
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この章では、組み込み系エンジニアの仕事内容についてお伝えします。

 

開発するシステムの企画

組み込み系エンジニアの仕事内容としてまずあげられるのが、開発するシステムの企画です。

開発案件を受注したら、まず最初に企画を行います。

 

システムを開発するにあたって市場調査や打ち合わせを実施し、求められるシステムや開発の目的について整理します。

 

 

要件定義

システムの企画を行ったら、要件定義を行い要件定義書にまとめていきます。

クライアントのニーズや仕様書を元に要件を洗い出し、搭載すべき性能や機能、制約条件をはっきりとさせることが重要です。

 

要件定義書としてまとめる際には、プログラム仕様書や設計書と言ったドキュメントの形式にすることが一般的だと言えます。

企画から要件定義までの工程は、今後の開発方針に関わる大切な工程だと言えます。

 

しっかりと要件定義書が作られているかどうかは、今後のシステムの仕上がりに大きく影響すると言えるでしょう。

万が一要件定義書があやふやな内容のまま次の工程に進めてしまうと、クライアントの求めるものからずれてしまう可能性が高まります。

 

 

システム設計書の作成

開発予定のシステムに盛り込む機能について方針が経ったら、システム設計書の形式に落としこんでいきます。

どんな機能を盛り込むのかを整理し、そのために求められるソフトウェアやハードウェアを考えることが重要です。

 

ハードウェアの設計においては、部品・回路の選択から動作確認も求められます。

ソフトウェアの設計では、アプリケーションやシステムの要件定義を行ったのちにアルゴリズムの設計が必要です。

 

ハードウェアトソフトウェアは独立しているわけでなく、時には連携させることもあります。

そのため、組み込み系エンジニアはハード・ソフト両方の設計に関して高い専門性を持っていることが重要です。

 

 

組み込みソフトウェアの開発(C/C++などのプログラミング言語を使用)

要件定義や設計を行ったら、続いて組み込みソフトウェアの開発を行っていきます。

組み込み系エンジニアは、マイコン周りのハードウェアに組み込むソフトウェアの開発も行います。

 

組み込み系ソフトウェアの開発にはC/C++やアセンブリ言語、そしてJavaなどを使用する機会が多いと言えます。

幅広いレイヤーに対して開発を行う必要があるため、プログラミングの知識もその分幅広く求められます。

 

 

デバッグやテスト、品質保証のための検証作業

デバッグやテスト、品質保証のための検証作業も、組み込み系エンジニアの仕事内容の1つです。

デバッグ・テストの工程は、まだ業務経験が浅い組み込み系エンジニアが担当することが多いと言えるでしょう。

 

ただし、システムの機能に不具合やバグが生じていないかを確かめることは、開発において欠かせません。

あらかじめ決められたテスト項目に従い、システムが想定通りに動くかを確認していきます。

 

もし不具合・バグを発見したら、そのたびに修正していくことが重要です。

テストには、以下のようにさまざまな種類があります。

 

<テストの種類>

単体テスト
結合テスト
システムテスト
受け入れテスト

 

テスト結果を確認して問題を解消することで、システムのクオリティを確保することが重要です。

 

 

顧客やチームメンバーとのコミュニケーションや調整

組み込み系エンジニアの仕事としては、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションや調整も挙げられます。

エンジニアというと、黙々と一人で作業するイメージを持つ方もいるかもしれません。

 

しかし組み込み系エンジニアの業務においては、顧客やチームメンバーとやり取りをすることは多くあります。

 

<組み込み系エンジニアにコミュニケーションが求められるケース>

顧客との打ち合わせ
チームメンバーとの打ち合わせ
プレゼンテーション

 

組み込み系エンジニアがすべきことは、良いプログラムを組んでそつなく開発を行う事だけではありません。

自分の考えを他社に分かりやすく伝えることは、日常業務において多々求められると言えるでしょう。

 

 

 

 

2.組み込み系エンジニアに必要なスキル・知識


組込系エンジニアとは関連画像
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この章では、組み込み系エンジニアに必要なスキルや知識についてお伝えします。

 

プログラミング言語(C/C++など)

組み込み系エンジニアに求められるスキルとしてまず挙げられるのが、プログラミング言語に関するものです。

 

<組み込み系エンジニアがよく使用するプログラミング言語>

C言語
C++
C#
Java
JavaScript

 

上記の中でも、C言語は特に使用言語が高いと言えるでしょう。

就職や案件獲得においては、多くの企業がC言語の使用可否を重視しています。

 

その他にも、C++やJavaなどは使用頻度が高い言語です。

Javaは組み込み系の仕事以外にも使用されることが多いため、習得の意義は大きいと言えます。

 

 

ハードウェアの知識

組み込みシステムを開発するには、ハードウェアの知識も欠かせません。

ハードウェアの設計書・仕様書は、読める必要があります。

 

回路図を読む力は、基本的な能力として求められると考えた方が良いでしょう。

また、理論回路やアナログ回路に関する知識も、組み込み系エンジニアにとっては重要です。

 

さらに、ARMやSHなど、CPUに関する知識も一定は求められます。

 

 

OSに関する知識

組込みシステムの開発においては、OSに関する知識も求められます。

一般的なOSデアルWindowsやLinux等に関しては、操作スキルも含めて知識が求められるでしょう。

 

上記のような汎用OSを使用して開発する場合は、通常のアプリケーション開発の場合と差はほとんどないと言えます。

ただし、組み込みシステムの開発においては、一般的な汎用OSの使用だけではありません。

 

組み込みシステムの開発現場によっては、次に紹介するリアルタイムシステムに関する専門性がより求められます。

 

 

リアルタイムシステムに関する知識

リアルタイムシステムとは限られた期限内に所定の処理を完了させるシステムのことを指します。

リアルタイム性を重視することから、一般的な汎用OSとはアプリケーションの仕組みが異なります。

 

リアルタイムシステムは、大きく以下の2種類に分けられます。

 

<リアルタイムシステムの種類>

ハードリアルタイムシステム:期限内に処理を終えることを徹底する
ソフトリアルタイムシステム:期限内に終わらなくても一定は許容される

 

組み込み系システム用リアルタイムOSの例としては、「ITRON」や「T-Kernel」が挙げられます。

 

 

デバッグ・テストに関する経験

組み込み系エンジニアに求められる要素としては、デバッグ・テストに関する経験も挙げられます。

特にまだ新人の組み込み系エンジニアにとっては、デバッグやテスト業務が最初の業務になることも多くあります。

 

テスターやデバッガーは、組み込み系エンジニアのキャリアパスの1つです。

 

 

 

 

3.組み込み系エンジニアに役立つ資格


組込系エンジニアとは関連画像
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この章では、組み込み系エンジニアの業務やキャリアアップに役立つ資格についてお伝えします。

 

ETEC(組込み技術者試験制度)

ETEC(組込み技術者試験制度)は、組み込み系エンジニアとしての技術や知識の有無を、客観的・中立的な評価を目的とした試験制度です。

合否判定があるわけでなく、理解度や活用運用能力を分野ごとにA~Cのグレードで評価します。

 

同試験には、クラス2・クラス1の2種類が存在します。

クラス2には特段の受験資格はありませんが、クラス1の受験にはクラス2で500点以上のスコアを取得していなければなりません。

 

クラス2は大学、専門学校卒業レベルとされており、クラス2で500点以上のスコアを取得している場合は中級技術者であると判断されます。

 

 

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、組み込みソフトウェアの開発に関するスキル・知識や実践的な経験を持つことを証明するための試験です。

一般財団法人情報処理学会が運営している民間資格であり、取得によってエンベデッドシステムの開発や運用におけるスキルアップやキャリアアップを期待できます。

 

 

OCRES(OMG認定 組込み技術者資格試験)

OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)は、Object Management Group(OMG)が運営している資格試験です。

組み込みシステムに関する、専門知識のレベルを評価します。

 

実務経験も問われることから、実践的な内容の試験であるといえます。

OMGは世界的にも有名な団体です。

 

そのため、資格取得によって組み込み系エンジニアとしての実力を幅広く証明できるようになるでしょう。

 

 

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストに関するスキル・知識の認定資格です。

ソフトウェアテストに関する国際的な資格認定としてISTQBの認定資格が存在し、両者は相互認定を行っています。

 

つまり、両者は同等の認定資格であると考えられるでしょう。

JSTQB認定テスト技術者資格には、「Foundation Level」と「Advanced Level」の2段階が存在します。

 

ソフトウェアテストの知識を体系的に学べることや、ソフトウェアテストスキルの客観的な証明になることが、同資格取得のメリットです。

 

 

LPIC・LinuC

LPIC・LinuCは、代表的なOSであるLinuxに関するスキルを評価する民間試験です。

LPICは世界的な資格試験として認知されており、LinuCはその日本向けに最適化された試験だと言えます。

 

日本国内の市場で活躍するのであればLinuC、国際的な活躍にはLPICが求められると言えるでしょう。

Linuxは地域性が高いOSであることから、日本国内で活躍するのであればLinuC二も十分な効果が期待できます。

 

 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、エンジニアに求められるIT知識について幅広く評価する試験です。

エンジニア志望の方の登竜門と言われることも多い国家資格であり、組み込み系エンジニアにとってももちろん取得意義が十分にあります。

 

試験はマークシート方式ですが、出題範囲が歯b差広くなっています。

そのためヤマをはるような勉強方法が難しく、ITエンジニアとして幅広い知識を身につけなくては合格が難しいでしょう。

 

 

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、先ほど紹介した基本情報技術者試験の上級資格に位置づけられる資格試験です。

ITエンジニアとして、高度な知識・スキルが要求されます。

 

試験方式としては、マークシートに加えて記述での回答も求められます。

そのため曖昧な知識の記憶では合格が難しく、難度は高度な試験だと言えるでしょう。

 

組み込み系エンジニアとしての就職・転職を考えているのであれば、ぜひとも取得しておきたい資格の1つです。

 

 

 

4.未経験で組み込み系エンジニアとして転職するためには


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この章では、未経験から組み込み系エンジニアとして転職するための方法についてお伝えします。

 

C・C++での開発スキルを身に着ける

未経験で組み込み系エンジニアとして転職するためには、C言語やC++などのプログラミング言語を習得しておくと有利です。

プログラミング言語を習得することで他の未経験者との差別化を図れるだけでなく、やる気を示すことにもつながるでしょう。

 

独学で組み込み系エンジニアに求められるプログラミング言語を身に着けることは、簡単ではありません。

そのため、場合によってはスクールや専門学校を活用することも大切です。

 

 

組み込み系エンジニアに関する資格を身に着ける

組み込み系エンジニアに関する資格を取得することも、未経験からのスタートには効果的です。

過去の実績・経験がない分、資格を習得することでアピールにつなげることは大切だと言えます。

 

また、客観的にやる気を示すための方法としても、資格取得は効果的でしょう。

先ほど紹介したETEC(組込み技術者試験制度)や基本情報技術者試験など、組み込み系エンジニアにおすすめの資格試験に挑戦してみることをおすすめします。

 

 

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5.まとめ


組み込み系エンジニアの仕事内容は、開発するシステムの企画や要件定義から開発、デバッグやテストなど多岐にわたります。

顧客やチームメンバーとの調整も日常的に要求されることから、プログラミングスキルやハードウェア・OSの知識だけでなくコミュニケーションスキルも一定求められるでしょう。

 

未経験からでも組み込み系エンジニアとしてのキャリアをスタートさせることは可能です。

プログラミングを学んだり資格を取得したりすることで、未経験からでも活躍することは十分できるでしょう。

 

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