公開日:2021.03.01
更新日:2025.03.24
Webデザイナーの仕事は、Webサイトによる集客やブランド力アップが注目されている中で、需要が高まりつつあります。
また在宅ワークや副業を行う人が増えたこともあり、「これからはWebデザイナーとして生計を立てていきたい!」と、Webデザイナーへの転職を考える人も少なくありません。
当記事ではWebデザイナーへの転職情報として、仕事内容やWebデザイナーが転職する理由、Webデザイナー転職に必要なスキルや方法を解説します。
転職時に重要なポートフォリオについても説明しますので、ぜひWebデザイナー転職の参考にしてください。
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<目次>
1.Webデザイナーの仕事内容
Webサイトの要件・構成・レイアウト決め
Webサイトのデザイン制作
Webサイトのコーディング
2.Webデザイナーが転職を考える理由
Webデザイナーの転職理由①:年収や待遇面の改善
Webデザイナーの転職理由②:ワークライフバランス
Webデザイナーの転職理由③:人間関係
Webデザイナーの転職理由④:自社開発に携わりたい
3.Webデザイナーが転職する際に必要なポートフォリオとは?
4.未経験からWebデザイナーへの転職を実現させるには
デザインスキルや実務経験を身に付ける
転職理由と志望動機を一貫させる
Web系デザインスクールを受講する
転職エージェントを活用する
5.まとめ
Webデザイナーの仕事とは、自社メディアの運営やクライアントから依頼されたWebサイトに関するデザイン全般を担当することです。
メディアやクライアントの要望どおりのWebサイトの完成を目指し、全体の構成からデザイン内容の検討、ブラウザ上へのデザイン反映までが主な業務範囲になります(会社の業務や体制によっても変化)。
「デザイン」と聞くとクリエイティブ寄りの仕事と思われるかもしれませんが、Webデザインは自身のセンスを表現するより「依頼者のニーズを反映すること」が重要な仕事です。
多くの場合はクライアントのWebサイトから収益や問い合わせを発生させたり、知名度を向上させたりが最終目的となるでしょう。
プロジェクトや自身のスキルにもよりますが、アーティストというよりクライアントワーク的な仕事に近いといえます。
また、Webデザイナーの仕事はクライアントやチームとのやり取りが必要不可欠です。黙々と業務に打ち込むだけでなく、最低限のコミュニケーション能力も求められます。
Webデザイナーの仕事は、大きく次の3工程に分けられます。
・Webサイトの要件・構成・レイアウト決め
・Webサイトのデザイン制作
・Webサイトのコーディング
Webデザイナーとして関わることが多いのはこの3つです。
概要を見ていきましょう。
まずデザインの制作やコーディング作業を行う前に、「どんなWebサイトにするのか」「必要なデザインは何か」といった、Webサイト全体の要件・構成・レイアウトをおおまかに決定します。
・集客が目的なのか、収益の発生が目的なのか
・商品購入につなげたいのか、問い合わせにつなげたいのか
・ブランドイメージについて顧客にどのような印象を持ってもらいたいのか
・こだわりの条件はあるのか
・予算や納期はどうするのか など
大切になるのは「依頼者の希望に沿った内容」にすることです。
いくら優れたデザインや理念があったとしても、依頼者のニーズに答えられなければ意味がありません。
まずはクライアントや自社の担当者とのヒアリングを繰り返し、本質的な制作コンセプトを理解してから、製作計画の策定に取りかかりましょう。
基本的な構成やボリューム感、色合いや雰囲気などの「Webサイト全体のイメージ」を決定し、そこから制作スケジュールや運営体制も確認していきます。
全体の要件・構成・レイアウトが決まったら、それらの土台をもとにして色彩や装飾などのデザイン部分の制作に移ります。いわゆるWebサイトの見た目をどうするかについてです。
ここで使用するのがIllustratorやPhotoshopなどのグラフィックソフトになります。
ソフトを駆使しながらイラスト・写真の加工やサイト全体の配色、レイアウトの調整、バナーの作成などを行います。
コーディングとは、プログラミング言語を記述してWebサイトの構築を行っていく作業です。
具体的にいえば、WebサイトのデザインをWeb上で表現する業務になります。コーディングを行うことで、自身のデザインがはじめてブラウザ上で表現できるのです。
WebサイトのコーディングはHTMLやCSSといった「マークアップ言語」や「スタイルシート」、JavaScriptをはじめとする「プログラミング言語」を使用します。
それぞれの概要は次のとおりです。
言語名 | 概要 |
HTML | テキストの文章構成(見出しや改行、表など)を記述するための言語 |
CSS | 文字やページ全体の色付けや装飾などを行うための言語 |
JavaScript | ブラウザ上での拡大表示やアニメーションなどの動的な動きを指示する言語 |
もしWebデザイナーとしてさらなる成長やWeb制作スキルの向上を目指したい場合は、プログラミング言語である「PHP」や「Java」なども勉強しておくと、仕事の理解や請け負える業務増加につながります。
将来的には習得を検討することをおすすめします。
華やかさと重労働という2つのイメージを持つWebデザイナーの仕事ですが、さまざまな現状からの脱却を目指して転職を検討する人も珍しくありません。
Webデザイナーが現在の職場から転職を考える理由は次の4つです。
・年収や待遇面の改善
・ワークライフバランス
・人間関係
・自社開発に関わりたい
詳細を見ていきましょう。
「今より待遇のよいところへ転職したい」と考えるWebデザイナーも、ほかの職種の転職と同様に多数います。
ここで、まずは気になるWebデザイナーの平均年収についてご紹介します。
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、会社員のWebデザイナーの平均年収は432.8万円で、フリーランススタートでみたフリーランスのWebデザイナーの平均年収は628.8万円です。(フリーランスのWebデザイナーの平均年収は平均単価を参考にしています。)
一方、dodaの平均年収ランキングでは363万円に留まっています。
以上を踏まえると、Webデザイナーの年収は300~600万円台と考えておくとよいでしょう。極端に悪いともいえない数値です。
しかし、Webデザイナーの残業時間や休日出勤の数を考えると、労働に対する報酬としては物足りないと感じるWebデザイナーも少なくありません。
自分のスキルや能力に見合った仕事をしたいというWebデザイナーは、現職からの転職を考えるようです。
Webデザイナーのワークライフバランスは、とくに大手ではない会社だと調整が困難になりがちです。
なぜならクライアントが指定する制作物の規模や納期次第で、労働時間や休日数が左右されるからです。
もし短納期の仕事と人員不足の労働環境が重なると、ワークライフバランスが大きく崩れる恐れがあります。
とくに中小規模の会社だとそもそも作業環境が整っていないことも多い上に、大企業からの無茶な要求も飲まざる得ない場面もよく聞かれます。
その結果、作業効率の悪さや働き手のストレス増加によって労働生産性が落ち、さらに仕事の進行に余裕がなくなる悪循環も考えられるでしょう。
また、Webデザイナーのコーディング作業は体力勝負な部分もあります。長時間のコーディング作業や座りっぱなしの状態が続くと、心身ともに疲弊しきってしまうことも珍しくありません。
こうしたワークライフバランスを見直すために、別会社への転職を考えるWebデザイナーも存在します。
Webデザイナーもほかの仕事と同じく、人間関係に悩んで転職を検討する人は少なくありません。
Webデザイナーは想像以上にほかの人とのチームプレーやコミュニケーションが必要になる職種です。1つのチームとして活動する場合は、1人ひとりと密な関係性を築くことが大切になります。
つまり一度でも人間関係のトラブルが発生すると、問題が長引いたり距離を置きづらいなどの状況に陥ります。関係修復も難しくなるでしょう。
好ましくない人間関係として、例えば次の理由が考えられます。
・ディレクターとのやり取りが辛い
・クライアントと個人的に相性が合わない
・現場経験のないマネージャーとの意見が合わない など
コミュニケーションに関して認識の齟齬があると、Webデザイナーとしての業務にも大きな支障が出ます。
したがって人間関係に疑問を持ったときも、Webデザイナーが転職したい理由となりえるのです。
同じWebデザイナーでも、雇用元の会社や携わるプロジェクト次第で仕事の内容や規模は大きく変化します。
例えば雇用元がほかの会社から制作依頼を受ける受託会社だと、自社開発はほとんど行わないため、「下請けとしてのWebサイトの制作」にしか関われません。
中には雇用元が「2次請け」や「3次請け」として仕事を取ってくるケースもあります。そうなるとより仕事の裁量権や報酬が少なくなる可能性が高いです。
自分のアイデアや独自スキルを反映させるのは難しくなるでしょう。
「自分の会社が運営するメディアの制作に関わりたい」「自分で1から制作やディレクションしたい」という人は、自社開発をメインとする会社への転職を検討するようです。
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Webデザイナーへ転職する際に、履歴書の内容や面接対策以上に大切となるのがポートフォリオ制作です。
ポートフォリオとは、これまで自分が制作してきた作品や過去の実績、スキル、そのほかの情報をまとめたオリジナルの作品集です。
実践的な実力が重要になるWebデザイナーならびにクリエイター転職では、このポートフォリオの出来が転職の成功を左右するといっても過言ではありません。
ポートフォリオサイトに記載する主な内容は次のとおりです。
・目次
・プロフィール(名前や年齢、スキル、資格、経歴、エピソードなど)
・制作物の紹介(タイトルや画像、見どころ、制作時に意識したところ、先方のオーダー内容など)
・連絡先や問い合わせ先の情報 など
また面接官の目を引くポートフォリオに仕上げるには、必要事項の記載だけでなく次の点についてのブラッシュアップも必要です。
・オフラインでも確認できるように紙媒体やPDFとしても残しておくこと
・制作実績以外には「製作期間」「目的」「制作メンバー」なども記載しておくこと
・実績を定量化(数値化)しておくこと
・作品の具体的な内容や制作エピソードはしっかり記載しておくこと
・現役Webデザイナーのポートフォリオサイトを参考にすること
・ポートフォリオサイト自体のデザインやクオリティも意識すること など
もし未経験からのWebデザイナー転職で「まだ一から制作するのは難しい」という人は、ポートフォリオ作成サービスを利用することをおすすめします。
そのあとは経験や実績を増やしてから、あらためて更新や新規制作を行うとよいでしょう。
Webデザイナーという仕事に憧れて未経験からWebデザイナーを目指す人は、どのようにして転職を実現させればよいのでしょうか。
ここからは未経験からWebデザイナーへ転職する際に必要なことをご紹介します。
Webデザイナー転職でもっとも重要なのは「デザインスキル」や「実務経験」です。
もし未経験からWebデザイナーを目指す場合は、WordPress等で作った自分のWebサイトで実際にWebデザインを行い、完全未経験の状態からは脱しておくとよいです。
自主的な制作経験がゼロである場合より、面接官から「意欲的にWebデザインに触れているな」と評価してもらえます。
その後は定期的にポートフォリオを見直しつつ、制作物の追加やさらなるブラッシュアップを通じてデザイン経験を増やしましょう。
もし時間があれば、転職活動を行う前にクラウドワークスやランサーズ、ココナラなどクラウドソーシングサイトや求人サイトで募集されている業務委託案件を受注し、実際にクライアントワークを体験しておくのもおすすめです。
例えばWebデザイナーが求められるデザインスキルは以下のものが考えられます。
・PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトに関するスキル
・マークアップ言語やプログラミング言語に関する知識とスキル
・UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)に関するスキル
・顧客の購買意欲を育成するマーケティングスキル・心理設計スキル
・クライアントやWebディレクターからの指示を具体化するスキル
・そのほか色彩や魅せ方などの根本的なデザインに関するスキル など
デザインスキルや、Webサイトへ訪れたユーザーの心を動かし、クリックや問い合わせにつなげられる設計を表現する能力も大切です。
ユーザーにとって見やすく操作しやすいデザインを目指す「UI」の知識や、「Webサイトに訪れたユーザーの満足度」を高めるための「UX」に関するスキルがあれば重宝されます。
また、マーケティングや心理学を反映したデザインの知識が加われば、より評価されるでしょう。
「自分が好きなデザイン」ではなく、「クライアントに利益をもたらす」ことを目標に置いたデザインスキル習得を目指しましょう。
転職理由と志望動機を一貫させることは、Webデザイナー転職以外の転職でも重要になるポイントです。
転職理由と志望動機に一貫性があるというのは、例えば次のような回答です。
・転職理由:Webサイトの根本から関われる仕事がしたいため、自社開発している会社へ転職したい
・志望動機:自社開発を行っているA社にて、有名な〇〇メディアのデザインを担当したい
ざっくりとではありますが、上記のように「自社開発したいから自社開発している会社へ応募する」というように、理由と動機が噛み合っている状態が一貫性があるといえます。
逆に「上流の仕事に関わりたい」という転職理由に「企業理念に共感した」と関係ない志望動機で整合性が取れない場合は、面接官から「本当のことを言っていないのでは」という疑問を持たれるかもしれません。
できればWebデザインのスキルや応募先の業務内容を絡めつつ、一貫性のある転職理由と志望動機を考えておきましょう。
完全な未経験からWebデザイナー転職を目指す場合は、Webデザインのスクールを受講するのもおすすめです。
費用がかかるのがネックですが、独学で学ぶより挫折しにくくより正しい知識が身につきます。
具体的な受講のメリットは次のとおりです。
・カリキュラムを順序どおり進めることで効率よく学べる
・講師へ質問しながら学べる
・ほかの受講生の存在がモチベーションにつながる
・「デザインスクールで知識やスキルを学んだ」と応募先にアピールできる
・就職や転職支援付きであれば転職活動をサポートしてくれる など
Webデザインを学べるスクールには、主に次の講座があります。
・INTERNET ACADEMY
・デジハリ・オンラインスクール
・Code CAMP
・Tech Academy など
スクール費用が数十万円程度かかるものの、その分だけ実践で使えるスキルや実践経験、自己アピールポイントの増加などのプラス恩恵を得られます。
1からWebデザインを学んでから転職したい場合は、現職で働きながらスクーリング、そして卒業後転職活動やポートフォリオ制作という流れがおすすめです。
またスクール以外にも、ハローワーク経由などで応募できる職業訓練でWebデザインを学ぶ方法もあります。
こちらは失業保険を受けながら学習できるので、退職後の選択肢の1つとして覚えておくことをおすすめします。
転職エージェントとは、求職者1人ごとに担当アドバイザーが付き、転職に関するさまざまなサポートを無料で行ってくれるサービスです。
求人の紹介はもちろんのこと、履歴書の添削や面接練習、そのほかカウンセリングまで実施してくれます。
一度も転職経験がなかったり、自分の強みがわからなかったりする求職者でも、転職エージェントを利用すれば求職者自身が気づかなかった強みや応募企業に効果的な自己PRに関するアドバイスをもらえるはずです。
さらにクリエイター支援に特化した転職エージェントを利用すれば、Webデザイナー転職に関して次のメリットがあります。
・ほかの転職エージェントでは保有していないWebデザイナーの求人が見つかる
・ポートフォリオ制作についてサポートしてくれる
・Webデザイナー転職に関して詳しいアドバイザーに支援してもらえる
・Webデザイン業界ならびにITやWeb業界の動向情報を仕入れられる など
Webデザイナー経験者から未経験者、どちらにとっても有用なサービスといえるでしょう。
以下ではWebデザイナー転職におすすめの転職エージェントをご紹介します。
転職エージェント | 特徴 |
レバテックキャリア | デザイナー・ITエンジニア転職に強い |
マイナビクリエイター | 人材会社大手マイナビのクリエイター特化支援 |
Geekly | IT・Web・ゲーム業界の求人とスピーディな転職 |
リクルートエージェント | 業界No.1の求人数と転職実績数を誇る総合型 |
Webデザイナーはクリエイターでありながら、依頼を忠実に表現するクライアントワークの側面を持つ仕事です。
今回の記事の内容を以下でまとめました。
・Webデザイナーは依頼者からのヒアリングから全体の構成、コーディングなどさまざまな業務がある
・待遇改善や人間関係、自社開発希望などが転職理由として挙げられる
・Webデザイナー転職ではポートフォリオの出来が非常に重要になる
・デザインスキルの勉強やスクーリング、転職エージェントの利用などが転職成功の鍵になる
努力と体力が必要な仕事ですが、実力次第で収入も上がる非常にやりがいのある仕事です。
未経験からWebデザイナーに転職した人も多いので、もし興味がある場合はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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