公開日:2021.11.30
更新日:2025.03.24
「フリーランスになりたい」と思っても、まず何をすればよいか分からない、という方は多いでしょう。
フリーランスになりたいなら事前準備が肝心です。
事前準備せずにフリーランスになると、失敗する可能性が高いので気をつけましょう。
フリーランスで安定して稼ぐためにも、フリーランスに関する情報を集めることが大切です。
本記事ではフリーランスの実状やスキル、必要な手続きなどをまとめました。
フリーランスになる人なら最低限知っておくべきことを解説しています。
フリーランスになりたい方は、ぜひ本記事を読んで最低限必要な知識を身につけてください。
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<目次>
1.フリーランスとは?
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと副業の違い
2.フリーランスの実状
フリーランスの人口
フリーランスの労働時間
フリーランスの年収
3.フリーランスの代表的職種一覧
エンジニア
コンサルタント
デザイナー
ライター
4.フリーランスエンジニアに必要なスキル
プログラミング言語スキル
システム開発スキル
マネージメントスキル
コミュニケーションスキル
自己管理スキル
5.フリーランスになるための手続きや準備
クレジットカードやローンの手続き
届け出関係をきちんとする
健康保険と年金の切り替え手続き
仕事探し方法の検索
6.まとめ
フリーランスとは、会社や団体に所属せず個人で仕事を行う人や働き方を指します。
自分一人で事業を行ったり、他の企業や個人と契約を結んで仕事を請け負ったりして、生計を立てています。
フリーランスという名称は、中世ヨーロッパの傭兵団に属さず戦地に行く人々「フリーランサー」から付けられました。
日本ではフリーランスの数はまだ多くはありませんが、アメリカでは当たり前の働き方となっています。
また、日本でも最近ではフリーランスの働き方が注目され始めています。
フリーランスと個人事業主という言葉は、明確に区別されず使われることも多いです。
しかし、厳密にはフリーランスと個人事業主は定義が異なります。
フリーランスは「人や働き方」のことです。
一方、個人事業主は「人や働き方」のことでもありますが「税務上の所得区分」のことでもあります。
個人事業主は、法人を設立せず個人で事業を営む人のことを指します。
税務署へ開業届を提出することで、税務上個人事業主となります。
個人事業主は個人事業主として税務関連の手続きを行う必要があります。
また、必ずしもフリーランス=個人事業主という訳ではありません。
たとえば、副業で事業を行うサラリーマンは、個人事業主に該当しますが、フリーランスではありません。
フリーランスと個人事業主には、このような定義の違いがあります。
副業とは、本業で他の企業と雇用契約を結びながら、他の事業を自分で行い収入を得ることです。
フリーランスは副業ワーカーと異なり、どことも雇用契約を結ぶことなく、本業で事業を行います。
フリーランスは、他の企業と業務委託契約を行いますが、正社員などの雇用契約を結ぶことはありません。
フリーランスの実状についてまとめました。
「フリーランスは稼げない」という意見を耳にする方も多いかと思います。
しかし、実際はどうなのでしょうか?
本記事では政府機関が発表した公式データを元に、フリーランスの実状を解説します。
具体的には、以下の3つについて解説します。
・フリーランスの人口
・フリーランスの労働時間
・フリーランスの年収
フリーランスの人口は年々増加しています。
ランサーズが発表した「フリーランス実態調査 2021」によると、日本では2019年はフリーランス人口が1,118万人だったのに対し、2021年は1577万人となっており、460万人以上も増加しています。
この結果によると、2022年時点でフリーランス人口は日本の人口の15%程度となっています。
ただし、注意しなければならないのがこの統計はフリーランスだけでなく、副業ワーカーも計上していることです。
副業ワーカーのように会社に属している訳ではなく、本業でフリーランスを行っている方のみを計上すると、フリーランス人口はもっと少ないと思われます。
「フリーランス実態調査結果」によると、内閣官房による統一調査では2020年の「広義のフリーランス」人口は462万人と試算していました。
また、2019年には厚生労働省、内閣府、中小企業庁がそれぞれフリーランス人口の調査を行っており、その結果は以下のようになっています。
・厚生労働省:367万人
・中小企業庁:472万人
・内閣府:341万人
調査機関によって、フリーランス人口に差があることが分かります。
「どこまでをフリーランスに含めるか」によって、フリーランス人口は差が出てきます。
ただ、フリーランス人口が昔より増えていることは確かなようです。
フリーランスが増えた理由には、クラウドソーシングやフリーランスエージェントなど、フリーランスをサポートするサービスが増えたことで仕事を得やすくなったことや新型コロナウイルスの影響で仕事を外部に委託する人が増えて案件が増加したことなどが挙げられるでしょう。
「フリーランス実態調査結果」では、1日あたりの就業時間のアンケートを実施しています。
・1時間未満:11.4%
・1時間以上2時間未満:13.1%
・2時間以上4時間未満:19.8%
・4時間以上6時間未満:19.4%
・6時間以上8時間未満:19.6%
・8時間以上10時間未満:10.8%
・10時間以上12時間未満:3.2%
・12時間以上:2.6%
フリーランスによって、就業時間に差がある結果となっています。
全体的には、フリーランスの就業時間はサラリーマンよりも少なくなっています。
こちらのアンケートの対象者は「15歳以上75歳未満」となっているため、学生や定年退職後の方も一定数いると推測されます。
「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」では、フリーランスの年収が次のようにまとめられていました。
・平均:137.9万
・副業系すきまワーカー:62.3万
・複業系パラレルワーカー:102.8万
・自由業系フリーワーカー:89万
・自営業系独立オーナー:297.5万
副業ワーカーなども含めたフリーランス全体の平均年収は、:137.9万円となっています。
副業ワーカーではなく、業務委託契約のみを行う「自由業系フリーワーカー」の場合89万円という結果でした。
前年度での調査では57.8万円でしたので約30万円ほど増加しています。
前年度とフリーランスにおける割合があまり変化していなかったため、様々企業がフリーランスの活用をし始めたことにより需要が増加し、その分報酬額が増加したことなどが推測できるでしょう。
平均年収はこのような結果ですが、フリーランスは稼いでいる人と稼いでいない人の差が激しいです。
そこで、フリーランスの平均年収の分布もみてみましょう。
「フリーランス実態調査結果」ではフリーランスの年収に関するアンケートも取っています。
・100万円未満:16%
・100万円以上200万円未満:16%
・200万円以上300万円未満:19%
・300万円以上400万円未満:16%
・400万円以上500万円未満:12%
・500万円以上600万円未満:8%
・600万円以上700万円未満:5%
こちらは純粋なフリーランスのみの統計結果と思われます。
「200万円以上300万円未満」が19%と最も多い結果でした。
一口にフリーランスといっても様々な職種があります。
ここでは、フリーランスの代表的職種を紹介します。
フリーランスの代表的職種は次の4つです。
・エンジニア
・コンサルタント
・デザイナー
・ライター
これらの職種は初期費用があまりかからないこともあり、まずはこれらの仕事に手を出すフリーランスは多いです。
1つ1つのフリーランスの代表的職種について、仕事内容や必要なスキルなどを解説します。
エンジニアは企業からシステム開発を依頼され、そのシステムを開発する職種です。
具体的にはWebアプリやモバイルアプリ、デスクトップアプリなどを開発します。
企業側からシステムの設計書を渡され、その通りに機能を実装していきます。
システムの一部機能のみの開発を依頼されることもあれば、全ての開発を任されることもあります。
エンジニアとして稼ぐためには、プログラミング言語のスキルが必要です。
必要なプログラミング言語は、開発するシステムによって異なります。
たとえばAndroidアプリを開発するならJavaやKotlin、iOSアプリを開発するならSwiftやObjective-Cというよう動作環境によって異なる言語を使う必要があります。
フリーランスエンジニアとして稼ぐなら、まずどれか1つの言語を極め、特定のアプリを1人で開発できる必要があるでしょう。
プログラミング言語を学ぶ必要がある分参入ハードルは高いですが、その分高年収が見込める職種です。
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コンサルタントとは、顧客となる企業の課題をシステム開発で解決する仕事です。
まず「業績が落ちている」「作業効率が悪い」など、企業課題をヒアリングします。
コンサルタントはヒアリングした内容から、企業のどこに問題があるのか分析します。
そして、その問題を解決するためのシステムを提案します。
フリーランスのコンサルタントになるなら、幅広い知識・経験が必要となります。
システム開発の上流・下流工程の経験、顧客の業界の知識、問題解決能力、コミュニケーション能力などを備える必要があるでしょう。
未経験からフリーランスのコンサルタントになる人はほとんどおらず、基本的にシステム開発の経験がある人が目指す職種です。
しかし、その分エンジニア以上の高収入が望める可能性もあります。
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デザイナーはWebサイトやWebサービス、アプリなどのデザインを行う職種です。
顧客からWebサイトやWebサービス、アプリなどのイメージを渡され、そのイメージに沿ったデザインを考えます。
またWebサイトのデザインの場合、Webサイト制作まで請け負うこともあります。
デザイナーはWebデザインに関する知識・経験が必要です。
デザイナーとして、IllustratorやPhotoshop、Adobe XD、Figmaなどのデザインツールスキルは必須です。
また、デザイナーの業務範囲によってはHTMLやCSS、JavaScriptのスキルも求められます。
フリーランスのデザイナーが案件を取るときは、これまで作成したWebサイトをポートフォリオとして提示し、スキルを証明する必要があるでしょう。
自社Webサイトを作りサービスの宣伝をしたい企業やWebサービスやアプリを開発するため、それらのデザイン設計に拘りたい企業が多く、フリーランスのデザイナー案件は多いです。
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ライターは顧客が運営するWebサイトに掲載する文章を作成する職種です。
顧客が指定したキーワードで上位表示される記事を執筆する必要があります。
場合よっては記事の構成も自分で考えたり、WordPressへの入稿まで任されたりすることもあります。
フリーランスのライターとして稼ぐなら、文章力やSEOに関する知識・スキルが必要です。
これらの知識・スキルは未経験からでも身につけることが可能であり、ライターは他の職種に比べ参入障壁が低いと言えます。
その分、フリーランスライター間で案件の取り合いになることも多く、最初の内は単価の低い仕事しか受注できない場合もあります。
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フリーランスの職種の中でも、エンジニアは需要が高く、安定して高収入を得られる傾向があります。
ここでは、フリーランスエンジニアに必要なスキルを紹介します。
フリーランスエンジニアに必要なスキルは次の5つです。
・プログラミング言語スキル
・システム開発スキル
・マネージメントスキル
・コミュニケーションスキル
・自己管理スキル
1つ1つのフリーランスエンジニアに必要なスキルについて詳しく解説します。
フリーランスエンジニアとして稼ぐなら、プログラミング言語スキルは必須です。
プログラミング言語の文法を理解し、関数やライブラリの使いこなせる必要があるでしょう。
また、プログラミング言語のフレームワークも習得することが望ましいです。
プログラミング言語はプログラミングスクールなどで学ぶことが可能です。
独学で習得する人もいます。
独学でプログラミングを習得する場合、Progateやドットインストールなどの学習サイトを使うのがおすすめです。
これらのサイトは月額1,000円程度で利用できる上に、未経験者にも分かりやすくまとめられています。
フリーランスエンジニアとして稼ぐなら、システム開発スキルも必要でしょう。
開発未経験でも獲得できる案件はありますが、ごく稀である上に単価は安いです。
多くの案件では、システム開発に携わった経験が1年以上求められます。
実際の開発現場で、他のエンジニアとやり取りを行ったり、設計書を作成したり、テストを行ったりする経験がどれほどあるかによって、獲得できる案件の幅が異なるでしょう。
未経験からいきなりフリーランスエンジニアを目指す道もありますが、本業として安定して稼ぎたいなら、どこかのIT企業に正社員として数年勤める方がおすすめです。
より高単価の案件になると、フリーランスエンジニアはマネジメントスキルも求められます。
IT企業におけるマネジメントとは、部下の作業を管理したり、開発スケジュールを顧客と調整したり、開発面のトラブルに対応したり、といった業務のことです。
こういった業務は責任が重い上に高スキルか求められる分、高単価の場合が多いでしょう。
マネジメントスキルはプログラミング言語スキルと違い、実際の業務を通じて身につけるしかありません。
そのため、マネジメントを任される機会があれば、その機会を逃さないようにしましょう。
小さいプロジェクトでも良いのでマネジメントをした経験があれば、今後マネジメント業務を請け負いやすくなります。
次にフリーランスエンジニアに必要なのが、コミュニケーションスキルです。
フリーランスは個人で作業を行うイメージが強いですが、フリーランスエンジニアの場合1人で進めるケースは稀です。
特に大規模な開発の場合、他のフリーランスエンジニアや企業の方と連携して進めることが多いです。
他のエンジニアと連携するには、コミュニケーションスキルが不可欠でしょう。
コミュニケーションスキルがないと、伝達ミスが起こり開発作業がやり直しになるなどのトラブルが発生することもあります。
また、コミュニケーションスキルがないと、そもそも案件が受注できないでしょう。
案件に応募する際は、自分のスキルや経験を相手にアピールしたり、上手く単価交渉を行ったりしなくてはいけません。
このように、フリーランスエンジニアはコミュニケーションスキルが必要です。
最後にフリーランスエンジニアに必要なのが、自己管理スキルです。
フリーランスエンジニアの場合、上司となる人物がいないため、タスクの管理などを自分で行う必要があります。
複数の仕事を請け負う場合でも、それぞれの納期を把握し、納期に間に合うよう調整しないといけません。
また、フリーランスは生活リズムが乱れがちです。
昼夜逆転してしまったり、仕事のモチベーションが下がってしまったりすることがあります。
こういったことが起こらないためにも、自己管理スキルは重要でしょう。
フリーランスになる前に準備しておくべきことや必要な手続きがいくつかあります。
フリーランスになるために必要な手続きや準備は次の4つです。
・クレジットカードやローンの手続き
・届け出関係をきちんとする
・健康保険と年金の切り替え手続き
・仕事探し方法の検索
これらはフリーランスになってから行うのでは遅いので、今のうちに確認しましょう。
1つ1つのフリーランスになるための手続きや準備について、詳しく解説します。
フリーランスになる前にやりたいのが、クレジットカードやローンの手続きです。
フリーランスは、クレジットカードやローンの審査に通りにくいです。
なぜ審査に通りにくいかというと、フリーランスは会社員よりも安定しておらず、支払い能力がないと判断されがちだからです。
そのため、クレジットカードやローンの手続きは、会社に勤める内に済ませた方が良いでしょう。
フリーランスになったら、税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届は原則として事業を始めてから1ヶ月以内に提出しなくてはいけません。
提出しなくても、注意喚起が来るなどのことはありませんが、義務ですので基本的には提出しましょう。
また、個人で事業を行う場合に必ず必要なのが、確定申告です。
毎年決められた期日までに、確定申告書類を税務署に提出し、所得税を納めなくてはいけません。
会社に所属する場合は確定申告を会社が行ってくれますが、個人で事業を行う場合は自分で行う必要があります。
確定申告のやり方は混乱する場合も多いので、事前にやり方を調べておくのが良いでしょう。
なお、確定申告はフリーランスだけでなく、副業で事業を行う場合にも必要なので注意です。
会社を退職したら、健康保険と年金の切り替え手続きを行う必要があります。
退職日から14日以内に、国民健康保険および国民年金に切り替えなくてはいけません。
切り替え手続きは、市町村の役場で行えます。
健康保険と年金の切り替えは、フリーランスとしての稼ぎがない場合でも、仕事を辞めた方は必ず必要です。
最後に、フリーランスになる前に仕事探し方法の検索をしましょう。
フリーランスには様々な仕事の獲得方法があります。
クラウドソーシングを使う方法、SNSを使う方法、エージェントを使う方法、などです。
どの仕事の獲得方法が自分に合っているかはそれぞれ異なります。
そのため、できるだけ多くの仕事の獲得方法を知っておくことが大切です。
本記事ではフリーランスの実状やスキル、必要な手続きを解説しました。
フリーランスになるためには何をするべきなのか、お分かり頂けたかと思います。
フリーランスで生計を立てていく場合、大事なのは事前準備をしっかり行うことです。
どの職種で稼ぐかをまず考え、その職種で必要なスキル・経験を身につけましょう。
フリーランスは個人で仕事をこなさなくてはいけないため、その分高いスキル・経験が求められます。
基本的にはまずは副業で仕事を受注し、ある程度スキル・経験が蓄積されたらフリーランスになるのがおすすめです。
また、フリーランスになるために必要な手続きなども、忘れず行いましょう。
フリーランスになってから慌てることのないよう、準備を行うことが大切です。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
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