2022.07.14
フリーランスエンジニアのなかには、「将来シニア世代になっても仕事ができるだろうか」と不安を覚える人も多いです。
将来の不安からフリーランスエンジニアになることを諦めてしまったり、精神的な負担に悩まされてしまったりすることも珍しくありません。
しかし、フリーランスという働き方が広まっている現代では、シニア世代でも現役で活躍している人はいます。
しっかりとした準備ができれば、シニアのフリーランスエンジニアとして働き続けることは可能です。
本記事ではシニアのフリーランスエンジニアが抱える問題や不安を確認しつつ、将来的に活躍し続けるための方法を解説します。
シニアのフリーランスエンジニアに必要な準備やメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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<目次>
1.シニア世代のフリーランスは多い?
2.シニアのフリーランスエンジニアが抱える問題とは?
シニアのフリーランスエンジニアは単価が減りやすい?
シニアのフリーランスエンジニアは求人・案件の獲得も難しい?
3.シニアのフリーランスエンジニアの多くが将来に不安を感じている
4.シニアのフリーランスエンジニアになってからも活躍し続ける方法
自分にしかできない仕事を見つける
これまでと働き方を変えていく
フリーランス求人・案件の取得方法を確立する
5.フリーランスエンジニアがシニア世代を迎える前に準備すべきこと
収入が減少することを考慮して貯蓄をしておく
体力の衰えに注意する
次世代の技術やスキルの勉強をしておく
6.フリーランスエンジニアとして働くことにはシニアになってからもメリットがある
フリーランスエンジニアには定年がない
やりがいを持って毎日を過ごせる
7.まとめ
「シニア世代」と呼ばれる60代のフリーランスは、少ないものの確実に業界で活躍をしています。
フリーランス協会が発表した「フリーランス白書 2022」を参考にすると、回答者としてシニア世代(60代)が6.0%参加していることが分かります。
40代以上に範囲を広げると、その数は67%と半数を大幅に超える結果になります。
調査に回答している年齢として最も多いのが40代の36.4%で、続いて30代の28.2%、50代の23.8%となっています。
この結果から、「実績をつけてからフリーランスとして独立している人が多い」ことと、「フリーランスの高齢化が進んでいる」という2つのポイントがわかります。
40〜60代のフリーランスが多いという現状は、これからフリーランスエンジニアを目指す人や、現在フリーランスエンジニアとして働いている30代の人にとっても重要な情報となるでしょう。
シニアのフリーランスエンジニアは、若いフリーランスエンジニアだった頃には無縁だった多くの問題を抱えています。
問題はフリーランスエンジニアとしての生活に直結するものも多く、これから生きる上での課題にもなるでしょう。
以下からは、シニアのフリーランスエンジニアが抱えることの多い問題について紹介します。
シニアのフリーランスエンジニアは、これまでよりもひとつひとつのフリーランス求人・案件で得られる単価が減少しやすいという問題を抱えています。
シニアエンジニア向けのフリーランス求人・案件を紹介している「SEES」の運営を行う「Miraie」が、「フリーランス歴10年以上に達する40〜60代のエンジニア」を対象に行った調査によると、「以前よりも単価が減った」と回答している人は67.1%にものぼります。
内訳としては、「かなり減った」と回答した人が21.6%、「やや減った」と回答している人が45.5%です。
具体的な単価は、「40万円~50万円未満」が31.0%で最も多く、「40万円未満」が28.7%、「50万円~60万円未満」が23.6%と続きます。
ある程度の収入が確保できていても、「以前よりも減ったということは、これからさらに減る可能性がある」という問題が出てくるでしょう。
そのためシニアのフリーランスエンジニアにとって、単価の減少は大きな不安材料となっています。
シニアのフリーランスエンジニアは、求人・案件の獲得も難しくなる懸念があります。
同調査を参考にすると、「案件を獲得する際、どのくらい苦労をしていますか?」という問いに対して、「とても苦労している」「やや苦労している」と回答したフリーランスエンジニアがとても多いです。
具体的な数値を年代別に見てみると、以下のようになります。
40代前半:74.3%
40代後半:82.4%
50代前半:77.7%
50代後半:78.7%
60代:72.4%
上記のように、40代以降の全ての年代で70%以上がフリーランス求人・案件の獲得に苦労していることが分かります。
フリーランス求人・案件の獲得に「とても苦労している」と回答しているのが最も多いのが、60代の32.5%です。
シニア世代を迎えるにつれて、フリーランスエンジニアのフリーランス求人・案件の確保は難しくなると考えられるでしょう。
フリーランスエンジニアにとって、フリーランス求人・案件が獲得できなくなるということは、収入の減少および生活基盤の崩壊につながります。
年齢を理由にフリーランス求人・案件が獲得できなくなると、フリーランスとして仕事を続ける自信を失うきっかけにもなるでしょう。
Miraieの行った調査では、多くの人がフリーランスエンジニアとしての将来に不安を感じていると回答しています。
具体的には「とても増えた」が25.9%、「やや増えた」45.9%となっています。
結果的に71.8%ものフリーランスエンジニアが、将来に不安を感じているのです。
「シニア層になってフリーランスを続けることで、最も強く感じる不安として近いものはどれですか?」という問いに対しては、「契約が終了したあとに案件が途切れないか」が35.0%と最多になっています。
次いで「単価が下がり続けないか」が22.4%、「年齢を理由に断られることが多くならないか」が17.3%です。
単価の減少や案件の終了に強い不安を感じてしまうことで、精神的な負担を抱えることもあるでしょう。
それはフリーランスエンジニアとして働き続ける気持ちをくじくことにもなりかねず、将来を悲観的に見てしまうきっかけにもなります。
シニアのフリーランスエンジニアに年齢が近づいていくことで、そういった将来への不安と葛藤していくことも増えるでしょう。
上記で紹介したように、シニアのフリーランスエンジニアにはさまざまな問題や不安があります。
しかし、その一方で40〜60代の年齢層でも、現役で活躍できているフリーランスエンジニアはたくさんいるのです。
シニアのフリーランスエンジニアとして活躍するには、いくつかのポイントを理解する必要があります。
以下では、シニアのフリーランスエンジニアが活躍し続けるためのポイントを解説します。
シニアのフリーランスエンジニアとして活躍するには、「自分にしかできない仕事」を見つけることがポイントです。
他の人では担当できないフリーランス求人・案件を確保できれば、40〜60代でも安定した収入を得られます。
「この人にしか頼めない」とクライアントに判断してもらえるフリーランスエンジニアになることが、シニア層になってからも活躍するポイントになるでしょう。
自分にしかできない仕事を見つけるには、専門性の高いスキルを身につけたり、希少な経験を重ねたりといった努力が必要です。
将来のことを考えて、早めに「フリーランスエンジニアとして誇れる自分だけの魅力」を確立させましょう。
シニアのフリーランスエンジニアとして活躍し続けるためには、これまでと働き方を変えていく柔軟さも必要です。
20〜30代の頃と同じ働き方をしようとしても、年齢を重ねると体がついてこないケースが増えます。
どうしても体力の減少と共に、フリーランスエンジニアとして活動できる労働時間は減少し、徹夜など肉体を酷使するやり方もできなくなるのです。
そのためシニアのフリーランスエンジニアは、担当する仕事を「この年代にしかできないもの」に変えていくことが考えられます。
例えば講師として若いフリーランスに仕事のノウハウを伝授したり、アドバイザーとして企業に所属するエンジニアを教育したりといった仕事を担当することができるでしょう。
講師やアドバイザーといった仕事は、まだ経験の少ない若い世代よりも、豊富な実績を持つ高い年齢層を積極的に採用する傾向があります。
フリーランスエンジニアとして数多くのフリーランス求人・案件をこなしてきた実績があり、実力を評価できる事例を複数持っていれば、講師やアドバイザーとして働き続けることも可能です。
このようにシニアのフリーランスエンジニアは、これまでとは違った種類の仕事に挑戦し、新しい働き方を実践していくこともポイントになります。
シニアのフリーランスエンジニアが抱える不安を払拭するには、フリーランス求人・案件の獲得方法を見直すの重要です。
例えば過去の仕事で知り合った人から紹介を受けたり、シニアのフリーランスエンジニア向けのエージェントに登録したりといった方法が考えられます。
フリーランスエンジニアの求人・案件のなかには、年齢制限が設けられているものもあります。
そういったフリーランス求人・案件ばかりを取り扱うサイトやエージェントで仕事探しを続けてしまうと、貴重な時間を無駄にするだけでなく、フリーランスエンジニアとして働く自信を失うことにもなりかねません。
自分の年齢に合わせてフリーランス求人・案件の獲得方法を変えていくことも、将来的にフリーランスエンジニアとして働き続けるためのコツです。
フリーランスエンジニアとして継続した活躍を目指すのなら、実際に自分がシニア世代を迎える前に準備しておくべきこともいくつかあります。
正しい準備ができていれば、40〜60代になっても、若い世代に負けず活躍ができるでしょう。
以下では、フリーランスエンジニアがシニア世代を迎える前に準備すべきことを紹介します。
シニア世代になってからもフリーランスエンジニアとして活躍するのなら、次世代の技術やスキルの勉強を継続することがポイントです。
常に新しい技術・スキルを身につける努力を続けられれば、年齢に関係なくフリーランス求人・案件を獲得できる可能性が高まります。
これまでの経験がある分、むしろ年齢の高いフリーランスエンジニアであることがプラスに働くこともあるでしょう。
次世代の技術やスキルを学ぶことは、先に紹介した「これまでと働き方を変えていく」という処世術にもつながります。
最新の技術やスキルについての知識があれば、講師やアドバイザーとして活躍できる範囲が広がります。
単価アップなど収入に影響する可能性もあるため、シニア世代を迎える前に常に新しいことを勉強をする習慣を身につけるのがおすすめです。
フリーランスエンジニアとしてシニアになってからも働き続けるのなら、体力の衰えに注意が必要です。
運動不足になりやすいフリーランスエンジニアは、年を取ると体力がなくなり、仕事を長時間継続できなくなることもあります。
そのため体が動くうちに体力作りに励み、健康な体をキープす取り組みが重要です。
40〜60代になってから急に体力作りをはじめると、筋肉に負荷がかかって怪我につながるリスクがあります。
怪我によって働けなくなれば、その間はフリーランスエンジニアとしての活動がストップし、空白期間が生まれてしまいます。
継続していた仕事を失うことにもなりかねないので、仮に40〜60代になってから体力作りをはじめる際には、無理をせずできる範囲で体を動かすのがポイントです。
フリーランスエンジニアがシニア世代を迎えると、どうしても単価は減少しやすくなります。
自分の努力ではどうしようもない部分でもあるため、無理に労働時間を増やして収入を補うのではなく、事前に収入の減少を考慮して貯蓄などを行っておくことがおすすめです。
収入が減少しても問題なく暮らせるだけの貯蓄を準備できれば、焦ることなくフリーランス求人・案件を探せます。
生活に窮して単価の安いフリーランス求人・案件に飛びつく必要もなくなるため、無理のない働き方を継続できるでしょう。
貯蓄の他にも、投資やエンジニア以外の副業を持つことが、収入減少に対する備えになります。
事前に収入が減ることを見越して自分なりに対策を考えておくことは、シニアになってからもフリーランスエンジニアとして働くための環境作りになるでしょう。
フリーランスエンジニアとして働き続けると、シニアになってからいくつかのメリットを得られる可能性があります。
以下を参考に、シニアのフリーランスエンジニアならではのメリットについても確認してみましょう。
フリーランスエンジニアには、定年がありません。
そのため自分の気力と体力次第では、長く働き続けることができるでしょう。
人生100年時代と言われる現代において、定年が過ぎても働かなければならない人は大勢います。
定年後に新しい仕事に挑戦することになると、大きなストレスを感じたり、心身に負担がかかったりといったリスクにつながるでしょう。
その点、フリーランスエンジニアは定年後も同じ仕事、もしくはこれまでの経験を活かせる仕事を続けやすいです。
自分らしい働き方で老後を過ごせることは、フリーランスエンジニアのメリットだと言えるでしょう。
フリーランスエンジニアとして働くことは、シニア世代になってもやりがいを持って毎日を過ごせるメリットにつながります。
仕事以外にやりがいを見出せない人は、定年して退職したあとの日常に退屈してしまうケースが多いです。
それはストレスの原因になり、健康に悪影響を与えることもあるでしょう。
フリーランスエンジニアの仕事が楽しいのであれば、シニア世代になってからもやりがいを感じながら毎日を過ごせます。
それは結果的に、充実した生活を築きあげることにつながるでしょう。
フリーランスエンジニアとして働いていると、シニア世代になってからの生活に不安を感じることもあるでしょう。
「この生活を続けられるのか」といった不安が強くなると、フリーランスエンジニアをやめてしまいたい気持ちになるかもしれません。
しかし、シニアになってから活躍する方法と必要な準備を把握しておけば、フリーランスエンジニアとして働き続けることは可能です。
むしろシニア世代になってから実感できるフリーランスエンジニアならではのメリットもあるので、この機会に将来の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
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