公開日:2022.10.29
更新日:2025.03.24
IT化の推進により、世の中ではさまざまな専門職が必要とされています。
そしてさまざまな専門職がある中で、特に注目されているのが「ITコンサルタント」と「SE(システムエンジニア」)の2職種です。
両者はいずれも高い専門性が求められる職種ですが、業務内容には大きな違いあります。
そのため今回は、ITコンサルタントとSEそれぞれの業務内容や年収、SEがコンサルタントとして活躍するためのポイントについて解説します。
特に、以下の方にはこの記事をご一読していただきたいです。
・ITコンサルとSE(システムエンジニア)の違いを検索しているかた
・ITコンサルタントの業務内容を知りたい方
・SE(システムエンジニア)の業務内容を知りたい方
・ITコンサルとSE(システムエンジニア)の年収について知りたい方
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<目次>
1.ITコンサルタントの仕事内容
顧客の経営方針の理解
顧客の課題特定
システム開発の企画
開発プロジェクトマネジメント
2.SE(システムエンジニア)の仕事内容
システム要件定義
基本設計
詳細設計
テストケースの作成
保守運用支援
3.SE(システムエンジニア)はSIerで、ITコンサルタントはコンサルティングファームで働くことが多い
4.年収の違い
ITコンサルタントの年収
SE(システムエンジニア)の年収
5.SE(システムエンジニア)がコンサルタントになるには
上流工程の経験を積む
システムに関する事だけでなく顧客課題の把握をする
6.まとめ
この章では、ITコンサルタントの仕事内容についてお伝えします。
ITコンサルタントは、システムのことだけでなく経営にも深く関わりITプロジェクトを成功に導く職種です。
ITコンサルタントがすべきこととしてまず挙げられるのが、顧客の経営方針の理解です。
クライアント企業の経営層からヒアリングを行い、以下のような情報の理解をすすめます。
<経営層へのヒアリング内容例>
・ビジョン
・経営戦略
・経営モック表
・業務範囲
・通常の業務フロー
・既に導入しているシステム
たとえ同じ業界であっても、企業が異なり経営者が異なれば経営方針は大きく異なります。
そしてIT戦略は、経営戦略に応じて柔軟に策定することが求められます。
そのためコンサルタントとして適切な提案をするには、クライアントの現状や考え方について十分に理解しなくてはなりません。
顧客の経営戦略について深く理解をして初めて、効果的な提案を実施可能です。
そうした意味では、ITコンサルタントにはITの専門家としての視点だけでなく、経営者の視点も求められます。
また、顧客の経営方針を理解するにあたっては、業界や業種、市場の動向についても深い理解をしておかなくてはなりません。
非常に高い専門性が求められることも少なくないため、ITコンサルファームでは各分野のスペシャリストを集めてチームを組むことも多々あります。
顧客の経営方針について理解を深めたら、次に課題特定に移ります。
ここまで集めてきた顧客の情報を整理し、分析したうえで課題を把握します。
課題を特定したら、どの部分を改善することで解決へ導けるのか、そのためにどんなIT技術が必要なのかを考えることが必要です。
また、顧客の経営課題を特定するだけでは、ITコンサルタントの仕事としては不十分です。
特定した課題を図表やグラフを活用した資料にまとめて、確認できるようにします。
経営方針把握の工程においても情報のデータベース化は必要であることから、ITコンサルタントには一定以上のパソコンスキルも必要です。
経営方針の理解と経営課題の特定を行ったら、次にシステム開発の企画を行っていきます。
特定できた課題に合わせて、どのようなシステムが求められるのかを考えることが大切です。
具体的なシステムの開発はSE(システムエンジニア)が中心になって行いますが、システムの全貌はITコンサルタントが企画します。
ここでの企画内容によって今後の開発計画やシステムの良し悪しなどが変化するため、重要な工程です。
システムエンジニアの目線からも、開発業務がスムーズに進められるかが大きく影響を受けるため、企画工程は重要でしょう。
また、システムの企画を行ううえでは、その前提としてクライアントの理解を得ておく必要があります。
どのようなシステムを導入することで経営課題を解決できるのか、分かりやすくプレゼンをして理解を得ることが必要です。
こうした意味で、ITコンサルタントにはプレゼンテーション能力も求められます。
ITコンサルタントの仕事としては、開発プロジェクトマネジメントも上げられるでしょう。
システム開発の企画やクライアントへのプレゼンテーションを無事に進めば、プロジェクトが具体的にスタートします。
開発プロジェクトでは、さまざまな関係者を巻き込んで成功へと導いていくことが求められます。
求められる人材を適材適所に配置してのチーム作りを始め、プロジェクトの進捗管理や品質管理、予算管理などやるべきことは多種多様です。
必要に応じて最適な事業者へ外注することも含めて、クライアントが求める成果に向けて最善を尽くします。
あらかじめ定められた期限までにプロジェクトを完了させることはもちろん、求められるシステムをしっかりと導入できるようにすることも必要でしょう。
この章では、SE(システムエンジニア)の仕事内容についてお伝えします。
SE(システムエンジニア)は、ITコンサルタントから出てきたシステム開発の企画に則り、実際の開発を進める需要な職種です。
SE(システムエンジニア)がまず行うのが、システムの要件定義です。
要件定義とは、クライアントからヒアリングを行い、どのようなシステムが必要なのかをハッキリとさせることを指します。
経営層からのヒアリングだけでなく、現場や関係者の意見も確認することが重要です。
クライアントのニーズを分析し、クライアントにとって必要なシステムの把握と具体的に何を作っていくのかを明確化します。
クライアントには、さまざまなニーズがあるものでが、そのすべてに応えることは難しいことが大半です。
そのため、ニーズを細分化して「必ず実現したい内容」「できれば実現したい内容」などと優先順位を付けます。
そして開発にさける時間やコストも踏まえて、最適なシステムを考えることが重要でしょう。
要件定義は、端的に言うと開発のゴールを決める工程です。
そのため、要件定義がしっかりとできていないと、開発がスムーズに進まない可能性もあります。
要件定義の次に行うのが基本設計の工程です。
基本設計では、要件定義でまとめたデータをもとにシステムに盛り込むべき機能や操作方法など、簡単な設計を行っていきます。
具体的には、システムに必要な機能の洗い出しや画面のレイアウト、求められるデータの選別・明確化などが必要です。
基本設計書は、開発に当たるエンジニアだけでなく、クライアントや連携先企業なども確認します。
そのため、システム開発の全貌や工程、仕上がりの様子などをイメージできるようにすることが重要です。
基本設計においては、要件定義に基づいて、要件定義から離れてしまわないことが求められます。
開発の全体を見通して、要件定義で整理したことを基本設計に落とし込まなくてはなりません。
そして、後工程の担当者が見ても分かるように、分からないことがあれば戻ってきて読めるようにすることも重要です。
基本設計の次に行うのが、詳細設計です。
実際にエンジニアがプログラミングするにあたって、どのような技術を使用するかなどの詳細な設計を行います。
詳細設計書は、プログラマーがシステム開発を行っていくうえで必須です。
詳細設計がしっかりとなされていないと、トラブルにつながる恐れがあります。
開発過程の中で機能を実装できなくなったり、実装後に要件定義通りになっているか判断できなくなったりと良いことがないため、しっかりと取り組むことが重要なプロセスです。
詳細設計書に目を通すのは、基本的にエンジニア・プログラマーだけだと考えて問題ありません。
目的応じて下記のようにさまざまな書き方を駆使し、内容を充実させましょう。
<詳細設計書に使用する表現方法の例>
・クラス図:システム同士の関係や構造を分かりやすく表現したもの
・モジュール構成図:構成をモジュール化し、相互関係や分け方を整理したもの
・シーケンス図:オブジェクト間の相互作用に関し、時系列でまとめたもの
テストケースの作成も、SE(システムエンジニア)の業務内容の1つです。
テストケースとは、テストを実施するうえでの手順や利用データ、条件などの詳細をまとめたものを指します。
テスト実施における指針になるものであり、テストの見直しを防ぐためでも非常に重要な要素です。
テストケースの作成においては、ユーザーの利用方法を想定することが求められます。
ユーザーの行動を想定して必要なテストの要件を定め、具体的な手順や方法などに落とし込んでいきます。
そして、「この結果が出れば、システムは問題なく動作している」との条件をきめておくことも重要です。
テストケースを作成することで、テストを実施することを失念したり、テストを効率化させたりなどの効果が期待できます。
テストケース作成の担当者だけでなく、他の担当者や開発に携わるエンジニアがしっかりとチェックできるように、分かりやすく文章化することが求められるでしょう。
SE(システムエンジニア)の業務内容として最後に挙げられるのが、保守運用支援です。
SE(システムエンジニア)はシステムを開発して納品すれば、業務が終わりという訳ではありません。その後、保守と運用を継続することも多々あります。
保守運用においては、トラブルを未然に防ぎ、万が一トラブルが発生した場合には早期に復旧させることが重要です。
そのため、保守運用に携わるSE(システムエンジニア)にはシステムに関する多種多様な知識・スキルが求められます。
SE(システムエンジニア)はSIer、そしてITコンサルタントはコンサルティングファームで働くことが多いと言えます。
SIer(エスアイアー)とは、顧客のニーズに合わせたシステムを構築し、IT導入支援を行うことを主な業務としている会社です。
SIerは日本独自の呼び方ではありますが、国内では既に浸透している呼び方だと言えます。
ITはどの企業でも利用していますが、その専門家を自前で持っている企業はそれほど多くありません。
そこで必要に応じてSIerに外注し、システム開発や保守運用などを行います。
コンサルティングファームとは、クライアントのビジネス課題開発のためにさまざまサポートやソリューションを提供する企業のことです。
コンサルティングファームには戦略系や総合系などさまざまな種類があり、ITコンサルに関しても近年では重要な分野の1つとなっています。
この章では、ITコンサルタントとSE(システムエンジニア)の年収の違いについてお伝えします。
フリーランススタートの求人・案件一覧を参考にすると、ITコンサルタントの年収相場は600万円(月収50万円)程度から1,500万円(月収125万円)程度だと考えられます。(参考:フリーランススタート)
ただし中には想定年収1,500万円を超える案件もあり、一般的な職業の平均年収はもちろん、エンジニアの中でも高収入が期待できるでしょう。
ITコンサルタントはエンジニアとしての専門性だけでなく、経営に関する知識・知見が求められることが、高収入になりやすい要因の1つです。
ITコンサルタントとしてのスキルや適性は一朝一夕で身につくものではなく、高いスキルが必要なことから、高収入につながっているのでしょう。
そしてITコンサルタントとしての経験を重ねることで、年収1,500万円を超える高収入を得ることも十分に可能になります。
フリーランススタートの求人・案件一覧を参考にすると、SE(システムエンジニア)の年収相場は600万円(月収50万円)程度から1,000万円(月収90万円)程度だと考えられます。(参考:フリーランススタート)
IT化が社会的に進んでいる中で、IT人材が慢性的に不足していることが、高収入の大きな要因です。
また、SE(システムエンジニア)にもITコンサルタントと同様に高度な専門スキルが求められ、市場価値は高いと考えられます。
単にプログラミングを書くだけでなくクライアントとのやり取りが求められることから、高い対人スキルも必要です。
こうした理由から、SE(システムエンジニア)は比較的高収入を得られているのでしょう。
この章では、SE(システムエンジニア)がITコンサルタントとして活躍できるようになるためのポイントについてお伝えします。
SE(システムエンジニア)がコンサルタントとして活躍するには、より幅広い経験を積むことが必要です。
SE(システムエンジニア)がコンサルタントとして活躍するには、より上流工程の経験を積むようにすることが重要です。
上流工程においてはクライアントとのやり取りが必要となり、コンサルタントに必要な経験ができるためです。
具体的には、要件定義や基本設計などの上流工程における経験を積むことが、コンサルタントとしての案件を得るためには求められます。
PMやTLなどの経験を積むことができれば、コンサルタントとしての案件獲得・転職に役立つでしょう。
SE(システムエンジニア)がコンサルタントとして活躍するには、システムに関する知識だけでなく顧客課題の把握について取り組むことも重要です。
コンサルタントにはシステムの開発だけでなく、経営層とのやり取りも求められるためです。
経営目線に立って経営方針を理解したりビジネス課題の特定を行ったりします。
そのため、特に金融やロジスティクスにおけるシステム開発の経験は、コンサルティングファームへの転職、案件獲得において重要でしょう。
エンジニアがビジネスにおける知識・スキルをアピールするには、資格取得もおすすめの方法です。
たとえば、経営士や中小企業診断士の資格を取得しておけば、エンジニアとしてのスキルに加えてビジネスサイドにおける知見も持っていることをアピールしやすいでしょう。
ITコンサルタントとSE(システムエンジニア)は共にエンジニアとしての高い専門性が求められますが、行う業務には違いがあります。
ITエンジニアは経営層とのやり取りの中でビジネス課題の解決に必要なシステムを割り出し、開発から運用までを支援・マネジメントする業種です。
一方のSE(システムエンジニア)は、クライアントの求めるシステムを要件定義し、計画から開発、そして運用支援までを行います。
SE(システムエンジニア)がコンサルタントとして活躍するためには、開発の上流工程における経験やIT以外の知見・スキルを身につけることが重要でしょう。
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