2022.12.03
広告業界にはさまざまな職種が存在しますが、中でも要職だとされるのが、プロデューサーとディレクターの2つです。
それぞれの職種にあこがれを持っていても、両社の違いについてイメージできない方はいるのではないでしょうか。
そのためこの記事では、プロデューサーとディレクターそれぞれの仕事内容や求められるスキル、そして年収事情について解説します。
特に、以下の方にはこの記事をご一読していただきたいです。
・プロデューサーとディレクターの違いを知りたい方
・プロデューサーとディレクターの仕事内容を知りたい方
・プロデューサーとディレクターに求められるスキルを知りたい方
・プロデューサーとディレクターの年収について知りたい方
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<目次>
1.プロデューサーの仕事内容
制作物の企画
制作プロジェクトの全体指揮・管理
制作物の品質チェック
ディレクターへの指示
2.ディレクターの仕事内容
クライアントとの折衝・調整
プロジェクトの実務管理
プロジェクトメンバーへの指示・管理
3.プロデューサーに必要なスキル
企画・提案力
人心掌握力
折衝スキル
マネジメントスキル
4.ディレクターに必要なスキル
マネジメントスキル
企画への理解力
課題解決力
広告・デザイン・UI UXの知識
5.プロデューサーの年収
6.ディレクターの年収
7.まとめ
この章では、プロデューサーの仕事内容についてお伝えします。
プロデューサーは、制作物の企画から制作プロジェクトの全体指揮など、プロジェクト全体を管轄する重要な職種です。
プロデューサーの仕事内容としてまず挙げられるのが、制作物の企画です。
市場調査やクライアントとの打ち合わせを経て、要件定義・企画書の作成を進めます。
プロジェクトにおいて企画は最上流の仕事であり、全体を見通したうえでの立案が求められます。
制作現場におけるスキル・経験はもちろん必要ですが、それだけでは満足のいく企画の立案はできません。
市場が求めるものや制作チームの技術力など、さまざまな要素を頭に入れたうえで、判断をする必要があります。
そのため、企画は誰にでもできる仕事ではありません。
制作に関する幅広い業務を経験し、ノウハウを蓄積してきた実力者である必要があります。最終的にどんな制作物が作られるのかは、プロデューサーの腕次第でしょう。
プロデューサーは、制作プロジェクトの全体指揮や管理も担います。
納期やチームの人数、そして予算を把握したうえである程度のスケジュールを決めて、進捗を管理していきます。
また、人員の手配やクライアントとの交渉に至るまで、プロデューサーは幅広い仕事をこなさなくてはなりません。
そのため、必要に応じて交渉やプレゼンテーションなども行う必要があります。
プロジェクトに制作現場以外での業務についても指揮・管理することが、プロデューサーに課せられる使命です。
さらに、制作の遅延をはじめとする万が一の事態が発生した場合も、プロデューサーが責任を負って対応しなくてはなりません。
状況次第で関係者に対して臨機応変に対応をし、プロジェクトを成功に導くことがプロデューサーの仕事です。
制作物の品質チェックも、プロデューサーが行う仕事の1つです。
制作物の品質に関する責任を負い、培ってきたノウハウや経験を生かして制作物を確認します。
プロジェクトの総責任者であるプロデューサーは、制作物に対して厳格なチェックを行わなくてはなりません。
コンプライアンスなどの観点からも内容をチェックしたうえで、問題や不備があれば修正を指示する必要があります。
プロジェクト全体の企画立案やスケジュールの調整を行った後、適宜ディレクターへの指示を行うのもプロデューサーの仕事です。
たとえば、スケジュールを大まかに決めたらディレクターに指示を出し、現場を管理してもらいます。
また、スケジュールの遅れが発生したら、ディレクターと打ち合わせを行ったうえで今後の指示を出さなくてはなりません。
現場スタッフが懸命に業務に励んでも、予定通りに進まないことはあります。
そのため、指示を出す際にはチームの士気を下げないように配慮することも求められます。
現場の状況も逐次把握したうえで、現実的な指示を出すことが重要だと言えるでしょう。
この章では、ディレクターの仕事内容についてお伝えします。
ディレクターは制作現場の総指揮を取り、制作における問題の解決や実務管理を行う役職です。
ディレクターの仕事としてまず挙げられるのが、クライアントとの折衝・調整です。
制作現場の業務を管理してスムーズに進めるためには、クライアントとの橋渡し役としてのディレクターの存在が欠かせません。
たとえば、制作を進める中でトラブルが発生したら、ディレクターがクライアントとの折衝や調整を行います。
クライアントの要望と現状のバランスを取り、実現可能な代替案を提示して妥協点を探ります。
また、クライアントサイドから実現不可能な要望を受けた場合、ディレクターが現場の実情を踏まえてコントロールしなくてはなりません。
ディレクターがクライアントとしっかりとした話をできなくては、制作が進められなくなる可能性もあります。
そのため、ディレクターが普段からクライアントとコミュニケーションを取り、良好な関係を保っておくことが大切です。
プロジェクト内における実務面管理は、プロデューサーではなくディレクターの仕事です。
プロデューサーからの指示を受けて、現場メンバーそれぞれの業務進捗状況を把握・管理してまとめていくイメージです。
プロジェクトにおける、クリエイティブ部門の管理者であるとも言えるでしょう。
制作物のクオリティに関しては、ディレクターがおおきな責任を追います。
プロデューサーと打ち合わせたうえで、スケジュールや担当者それぞれの業務量・分担を管理し、現場が円滑に動いていくようにしなければなりません。
全体の進捗を見つつ、場合によってはディレクターが実もを行うことも求められるでしょう。
そのため、管理スキルに加えてメンバー以上の制作スキルも身につけていることが必要です。
ディレクターはプロジェクトメンバーと日常的にコミュニケーションと取り、指示・管理を行います。
制作を円滑に進めるためにメンバーの進捗を管理し、必要に応じて指示やアドバイスを行います。
メンバーから要望を受けた場合はディレクターが取りまとめを行い、プロデューサーと話し合うことも大切です。
またメンバーから相談を受けた場合は、しっかりと話を聞いて解決に向けた提案をする必要があります。
そのため、ディレクターはクライアントとだけでなくプロジェクトメンバーとも良好な人間関係を築いておかなくてはなりません。
メンバーがディレクターに話しかけにくい雰囲気になってしまうと、トラブルが発生してもディレクターが把握するまでに時間がかかってしまう恐れがあります。
この章では、プロデューサーに必要なスキルについてお話しします。
プロデューサーに求められる能力は、多種多様です。
プロデューサーに必要なスキルとしてまず挙げられるのが、企画・提案力です。
まず、プロジェクトの成功には、最上流の企画段階で良い立案をすることが重要です。
プロジェクトでは市場の動向や流行を踏まえて、メンバーのスキルや予算なども考慮したうえで企画を立ち上げなくてはなりません。
また、良い制作物を作り上げるためには、クライアントに提案を行いこちらの要望を受け入れてもらうスキルも必要です。
高度な企画力や提案力は、一朝一夕で身につくものではありません。
制作メンバーとしての下積みや営業経験などを経たうえで、ようやく身につくスキルだと言えるでしょう。
プロデューサーに求められる能力としては、人心掌握力も挙げられます。
クライアントやプロジェクトメンバーに対して自分の提案や指示を聞いてもらうためには、相手の信頼を得る必要があるためです。
プロデューサーの仕事は主に管理や指揮であり、関係者とのコミュニケーションなしには成り立ちません。
「この人が言っていることは正しそうだ」「とりあえず任せてみよう」と関係者に思わせる力がなくては、プロジェクトを円滑に進めることは難しくなってしまうでしょう。
人心掌握を自然とできてしまう人も、中にはいます。「人たらし」などと言われている人に対して、生まれつき人づきあいが上手なのだと思ってしまう方もいるでしょう。
しかし実は、人心掌握術はテクニックやスキルとしてある程度身につけることが可能です。
折衝スキルは、プロデューサーの仕事を進めるうえで欠かせません。
クライアントに自分の立案した企画を通す時、制作方針について関係者と打ち合わせる時など、折衝しなければならないことは多々あるためです。
人員や予算の確保、納期の決定など、折衝の場面は多くあります。
また、外部の関係者だけでなく制作メンバーとも折衝をすることはあります。
制作方針に関してクリエイターに説明し、納得させるためには折衝力が必要です。
折衝力はプロデューサーに求められる大切な資質の1つであり、プロデューサーになるまでのキャリアパスの中で培っていく必要があります。
プロデューサーにとって必ず必要となるのが、マネジメントスキルです。
プロジェクト全体の管理・総指揮がプロデューサーのメインとなる仕事だからです。
責任者として、円滑にプロジェクトを進められるように管理をしていかなくてはなりません。
マネジメントは、単にメンバーの業務進捗を管理するだけではありません。
時にはメンバーのモチベーションを上げたり、トラブルに対応したりすることも、マネジメントには必要です。
そのため、プロデューサーとしてのマネジメントを遂行するためには、プロジェクト全体で起こりうるさまざまな事態に対応できることが求められます。
そういった意味で、プロデューサーにはやはり現場での経験も求められると言えるでしょう。
この章では、ディレクターに必要なスキルについてお伝えします。
ディレクターは制作現場において発生する事態全般に対応できるように、幅広いスキルを身につけていなければなりません。
プロデューサーと同様に、ディレクターにもマネジメントスキルが求められます。
ディレクターの仕事は、制作現場の実務面における管理をすることだからです。
メンバーのスケジュール管理やモチベーション管理などは、ディレクターの役目です。
与えられた予算と納期、人員の中で求められる制作を行えるかどうか、そして良い制作物を生み出せるかどうかは、ディレクターの手腕にかかっています。
特に制作メンバーの業務進捗を管理するためには、日ごろから適切にコミュニケーションをとっておくことが重要です。
そうした意味で、ディレクターのマネジメントには高いコミュニケーション能力が必要でしょう。
ディレクターに求められる能力としては、企画への理解力も欠かせません。
プロデューサーが考え出した企画の意図をつかみ、認識を共有したうえで制作を進める必要があるためです。
広告業界には、さまざまな切り口・テイストの広告が存在します。
そのためどのような広告を作りたいのかを理解するためには、幅広い現場での業務経験が求められます。
広告制作の実務面におけるリーダーとしてプロデューサーやクライアントの考えを形にできるかどうかが、ディレクターの評価を左右すると考えられるでしょう。
また、ディレクターだけが企画を理解していても良いものは作れません。
理解した企画を細分化して各メンバーの業務に落とし込み、指示・指導をすることも重要です。
プロジェクトの実務面におけるリーダーとして、ディレクターには課題解決能力も求められます。
現場で日常的に発生する課題の解決に関して、ディレクターは責任を持たなくてはならないためです。
企画の意図を理解し求められることを把握たうえで、ディレクターはメンバーに対して適切に指示やアドバイスをしなくてはなりません。
また、何らかのトラブルが発生しメンバーの手には負えない事態に発展したら、ディレクターが先頭に立って課題解決に臨まなくてはならないでしょう。
さらに、メンバーからの日常的な相談に対しても、適切な対応が求められます。
課題解決力はすぐに見につくものではなく、やはりディレクターには豊富な現場経験が求められると考えられるでしょう。
ディレクターに求められる能力としては、広告やデザイン、UI/UXに関する知識も挙げられます。
さまざまな現場における制作実務を引っ張っていくためには、もちろん実務に関する能力も欠かせません。
制作チームのトップとして広告やデザインに対する幅広い知識がなくては、メンバーを指揮することは難しいでしょう。
また、広告の制作にかかわるのであれば、UI/UXの知識も重要です。たとえデザイン性が高い広告を作れたとしても、ユーザーにとって親しみやすい・使いやすいもの出なくては効果は薄くなってしまいます。
もちろん一定以上のデザイン性も求められるため、デザインとUI/UXの両方に気を配れなくてはなりません。
広告制作業務のトップであるプロデューサーの年収はどのくらいなのでしょうか。
プロデューサーの年収は、業界によって違いがあります。ただし、一般的には500〜600万円程度だとされています。
求人ボックスが集計した求人統計データによると、プロデューサーの正社員年収は507万円であるとのことでした。
(出典:求人ボックス)
ただし、企業の規模や業界の違いによっても大きく変化する点は理解しておくべきでしょう。
たとえば、テレビ業界のキー局に勤務するプロデューサーであれば、年収1,000万円を大きく超えることも珍しくありません。
また、IT業界ではプロデューサーとディレクターが分かれてないことが多く、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを管理しています。
フリーランススタートの求人・案件を確認すると、プロジェクトマネージャーの年収は700~1,000万円程度が中心であり、非常に高収入な職種だと言えます。
(出典:フリーランススタート)
ディレクターの年収も、プロデューサーと同様に業界によって変化します。
ただし、一般的には年収400~500万円前後が多いと言えるでしょう。
DODAが集計した統計データによると、クリエイティブディレクターの平均年収は475万円、Webディレクターの平均年収は448万円であるとのことでした。
(出典:DODA)
ただし、先ほどお伝えした通りIT業界ではプロデューサーと区別されていないなど業界による違いが大きく、実力次第で年収を高めることは十分に期待できるでしょう。
プロデューサーとディレクターは広告業界における重要なポジションです。
プロデューサーはプロジェクト全体の責任者であり、ディレクターはその中で制作実務のリーダーを務めます。いずれの職種にも高いコミュニケーション能力やマネジメント能力が要求され、制作現場での実務経験も問われるでしょう。
自分自身の理想とする働き方を考え、キャリアパスを選択していただけたら幸いです。
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