公開日:2021.03.04
更新日:2025.03.24
2019年に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると今から9年後の2030年に79万人のIT人材が不足すると報告しています。
また文部科学省は昨年、小学校の指導要領に「プログラミング教育」を追加しました。
これらの発表から政府は、ITエンジニアの確保や育成を国の重要課題として捉えています。
このような環境下、需要が高いIT職種の1つとしてネットワークエンジニアが注目されています。
そこで本記事ではネットワークエンジニアの仕事内容から年収、転職方法までを丁寧に解説します。
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<目次>
1.ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワーク設計
ネットワーク構築
ネットワーク運用
ネットワーク保守
2.ネットワークエンジニアの年収
3.転職市場からみるネットワークエンジニア需要
ネットワークエンジニアの現状
ネットワークエンジニアの将来性
4.未経験からネットワークエンジニアへの転職を実現させるには
開発経験を身に付ける
転職理由と志望動機を一貫させる
ネットワークエンジニア特化型スクールを受講する
転職エージェントを活用する
資格試験を習得する
5.まとめ
ネットワークエンジニアの仕事内容は、以下の4つに分類されます。
このフェーズでは、クライアントからのヒアリング結果を元にシステムの規模と予算、スケジュール等を決定します。
ユーザー数や通信容量の見積もりを行った後、ネットワーク機器(サーバーやルーター等)やネットワーク経路を設計します。
万一の不測事態に備えて、アクセス数が許容範囲を超えた場合の対処方法なども決定します。
このフェーズでは、先に説明したネットワーク設計に基づき、ネットワーク機器類の設置や配線の接続作業および各種ソフトウェアのインストール作業等を行います。
また、すべての作業が完了した後、設計したネットワークシステムが正しく稼働することをチェックします。
このフェーズではクライアント先に納品したネットワークシステムが正常に稼働するための運用を行います。
具体的にはネットワークシステムの障害を防止するため、セキュリティソフトの更新作業やアクセスログの監視等を行います。
このフェーズでは万一、ネットワークシステムに障害が発生した場合、障害の切り分けを行ってシステムの復旧を行います。
ネットワーク保守業務はクライアントのシステムが24時間365日稼働します。
そのため専任のネットワークエンジニアはクライアント先に常駐することが一般的です。
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次に最も関心の高いネットワークエンジニアの平均年収について説明します。
具体的な数値は、年収ポータルサイトの「平均年収jp」を参照しています。
20代の平均年収
20代の平均年収は373〜465万円です。
若年層の年収は企業規模によって年収幅が大きくなっています。
この年代は見習い期間として先輩の配下でエンジニアしてのスキルを学んで行きます。
新卒の場合、多くは情報処理系の大学出身で基礎技術は学んでいます。
しかしながら企業で即戦力にはならず実践を通じて学ぶこととなります。
30代の平均年収
30代の平均年収は511〜583万円です。
この年代は入社から10年が経過しており、先輩の管理下から離れて小規模システムのネットワークエンジニアとして独り立ちしている頃です。
仕事の責任も増えて来ますが同時に自分の裁量も増えて来るため、仕事のやりがいを見出します。
40代の平均年収
40代の平均年収は655〜734万円です。
この年代はネットワークエンジニアとしてリーダーの立場になり、新卒社員の教育も任される時期です。
50代の平均年収
50代の平均年収は786〜779万円です。
この年代を迎えるとエンジニアとしては第一線を後継者に譲り、アドバイザーという役割になります。
年収も年を重ねるに従って低下傾向にあります。
参考までに2020年に国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者(男性)の全国平均年収は約532万円(平均年齢:46.8歳)でした。
この年収と単純比較しても40代のネットワークエンジニアは、世間の同世代より100万円以上高い年収を獲得しています。
なお、フリーランスのネットワークエンジニアの場合、年収は中央値で696万円です。
この年収は上述した40代のネットワークエンジニアの上限年収に匹敵します。
高年収の獲得を希望しているネットワークエンジニアはフリーランスになることも検討してみると良いでしょう。
転職市場から見たネットワークエンジニアの需要について現状と将来性の2つの面から解説します。
現在のネットワークエンジニアの需要はやや減少傾向もしくは現状維持と言えるでしょう。
dodaが調査した2022年3月発行職種別マーケットレポートのネットワークエンジニアの求人動向によると、2021年12月~2022年2月の求人数は、2021年9月~11月対比105%と増加傾向とのことです。
つまり、ネットワークエンジニアを必要としている企業は増加傾向であるため、ネットワークエンジニアの需要やや増加傾向の可能性が高いでしょう。
また、ITエンジニアの中でインフラ環境を支えるネットワークエンジニアはインフラの根幹を支える重要な役割を担っていることやコロナの影響により、IT産業がより活発化しIT需要が増加していることも理由の1つでしょう。
次にネットワークエンジニアの将来性は、手放しに喜べる状況にありません。
つまり、ネットワークエンジニアの需要は現状維持、さらに10年などの長期的スパンでは衰退する可能性があります。
その理由として、物理的なネットワークからクラウドへと移行していく可能性が高いためです。
従来システムを構築するためには、物理的なサーバーやネットワーク機器類を用意する必要があります。
ところが最近は設置スペースやコストの関係からクラウドサービスを活用することで物理的なハード機器類を用意しなくともシステムを構築できるようなりました。
これを裏付けるデータとして総務省の発表した「令和3年度版 情報通信白書」によるとクラウドサービスを利用している企業の割合は、68.7%であり、2020年の64.7%より4%上昇しています。
また、同調査ではクラウドサービスの効果について「非常に効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答した企業の割合は87.1%となっており、今後も利用企業が増加していく可能性が高いでしょう。
従ってこれまでのネットワークエンジニアは自然淘汰される可能性があります。
今後ネットワークエンジニアとして活躍をしていくために、従来のネットワークスキルに加えてクラウドスキルを習得しましょう。
ネットワークエンジニアは常に新しい知識やスキルを学ぶ習慣を持つことで市場価値を高めることが出来ます。
ここでは未経験からネットワークエンジニアの転職を実現するため、実践的なノウハウを5つに絞って解説します。
ネットワークエンジニアへの転職を実現するための早道は、開発現場に身を置いて学ぶことです。
しかしながら、未経験でいきなりネットワークエンジニアになる事は不可能ですので、アルバイトや派遣社員としてシステム開発会社で働きます。
最初の仕事は検証・テストといった評価業務です。
その後、会社の先輩エンジニアの指導によってサーバーやネットワークの設計/構築のスキルを習得します。
また、不正アクセスやサイバー攻撃等に備えるセキュリティのスキルも必要不可欠なノウハウですので習得しましょう。
上述したスキルを習得した後にネットワークエンジニアとして転職活動を進めることが最適です。
もし、自己学習で学ぶ場合はTCP/IP全般の基礎知識やOSI参照モデルの知識、Ciscoルータの機能と取扱い等のスキルを習得が必要です。
転職活動を行う上でエンジニア経験の無い人は、経験者と比べてそれだけでハンデを背負うことになります。
従って転職面接で経験者に勝つためには、転職理由と志望動機に一貫性が必要不可欠です。
面接官はプロですので、応募者が転職面接で語る内容から本気度が分かるでしょう。
つまり、転職面接を勝ち抜くためには、あなたの言葉でなぜこの会社でないと駄目なのかを語れなくてはなりません。
これがしっかり準備できれば、自ずと転職理由と志望動機に一貫性を持った発言ができる筈です。
スクールは、体系的にかつ最も効率良くネットワークエンジニアのスキルを学べます。
講師陣には現役のネットワークエンジニアもいますので疑問点もその場で解決して貰えます。
スクールによっては転職活動の支援も行っているケースもあります。
RaiseTech(レイズテック)、KENスクールなどはおすすめのネットワークエンジニアに特化したスクールです。
難点はスクールの授業料金が非常に高価です。
費用はスクールや学習可能なスキルなどにより異なりますが、20万円〜100万円と高額です。
しかし、無料のネットワークエンジニア特化型スクールも複数ありますので、まずは無料スクールから話を聞いてみると良いでしょう。
なお、スクールの授業は時間帯を柔軟に選択できるようになっています。また最近は通学だけで無く、インターネットによるオンラインスクールもあります。
ネットワークエンジニアへの転職に転職エージェントを活用するのはベストな選択です。
ただし、大手の転職エージェントは求人数が多いもののIT分野に精通した人が少ない可能性もあります。
そこでITに特化した転職エージェントや転職エージェントは規模に拘らず、ネットワークエンジニアの転職実績が多い転職エージェントを選びましょう。
このような転職エージェントはIT業界に詳しいコンサルタントがいます。
そのため希望に見合った企業を紹介して貰えるだけで無く、アドバイスもして貰えるため、入社後のミスマッチも防ぐことが可能です。
ネットワークエンジニアになるための必須の資格はありません。
しかし未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、取得した方が転職に有利な資格を2つお伝えします。
①シスコ技術者認定CCNA
シスコシステムズ社は世界最大手のネットワーク機器メーカーで多くの企業で使われています。
従いましてこの企業が運営するネットワーク技術の認定試験が実質的に世界標準です。
本認定試験は5つに分類されており、CCNAは上から4番目のレベルですが実務者であれば、この資格で充分です。
試験詳細が見たい方はこちらから確認できます。
②LinuC(リナック)レベル1
2つ目にご紹介する資格はLinux技術者認定試験です。
サーバー用途として世界的に信頼できるOSとしてLinuxは定評が高いです。
ネットワークエンジニアにとっては必須の知識として取得すべき資格です。
本認定試験は3つに分類されており、レベルは上から3番目のレベルに位置しております。
ネットワークエンジニアとしては上位資格を目指しても良いですが、必須な知識としてレベル1を取得しましょう。
試験詳細が見たい方はこちらから確認できます。
この記事ではネットワークエンジニアの仕事内容から年代別の年収、未経験からの転職方法までを解説しました。
ネットワークエンジニアはIT技術者の中でもAWS、GCP、Azure等のクラウドサービス機能の習得が要求される重要な職種です。
今後も需要の高い仕事で未経験からの求人数も増加傾向です。
転職をお考えの方はぜひチャレンジしてみては如何でしょう。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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